2016
04/30
土
1: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 14:04:48.83 ID:hvVe73my0
~桃太郎~
昔昔、あるところにそれはそれは仲の良い夫婦が住んでおりました。
P「おっし、山に芝刈りにいくか!」
ちひろ「それよりもっと金になる仕事やってこいよ穀潰しが」ボソリ
P「・・・行ってきます」
ちひろ「行ってらっしゃい」ニコリ
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯へ出かけました。
おばあさんが川へ洗濯に行くと、上流からとても大きな桃が流れてきました。
ちひろ「こんなに大きい桃は初めてですね。売ればどれだけになるんでしょうか・・・」
おばあさんは桃を手に入れ、家に持ち帰りました。
P「こんなに大きな桃、どこからくすねてきたんだ?」
ちひろ「あなたと違って私は日頃の行いがいいので、天からの贈り物に違いません」
P「まあいい。取りあえず、刃を入れてみるか・・・」
ちひろ「ちょっと待ってください。これは売るんですよ。どこかの金持ちにでも売りつければ・・・ふへへ」
おばあさんは慌てておじいさんから包丁を奪い取りました。
P「おっまあっぶな! 怪我したらどうすんだよ! 俺がいなきゃ生活なりたたねえぞ!」
ちひろ「・・・そうですねえ。それは、昨日までの話じゃ、ありませんか?」
おばあさんはしばし思案して、妖艶な笑みを浮かべました。それは今までに見たどんなものより恐ろしいものでした。
P「おいちょっと待て。包丁を下ろせ」
ちひろ「大丈夫ですよ」
P「何が!?」
おばあさんが包丁をおじいさんに突き刺そうとしたそのとき、桃が真っ二つに割れました。そしてそこから白く細い腕が二本、おばあさん目掛けて伸びました。
まゆ「・・・私のPさんに何をやっているんです?」

断末魔の悲鳴に驚いて目を閉じたおじいさんの指先に伝わる感触は生暖かく、ドロリとした何か。それは・・・
まゆ「うふふ。やっぱりPさんとまゆは運命の赤いリボンで繋がっているんですねえ」
手の先から続く、赤い液。それはまゆと名乗る女の手に繋がっていた。
まゆ「今まで育てていただいた恩、返しに来ましたよお♪」ニコリ
その笑顔は先ほどのおばあさんより怖かったそうな。
昔昔、あるところにそれはそれは仲の良い夫婦が住んでおりました。
P「おっし、山に芝刈りにいくか!」
ちひろ「それよりもっと金になる仕事やってこいよ穀潰しが」ボソリ
P「・・・行ってきます」
ちひろ「行ってらっしゃい」ニコリ
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯へ出かけました。
おばあさんが川へ洗濯に行くと、上流からとても大きな桃が流れてきました。
ちひろ「こんなに大きい桃は初めてですね。売ればどれだけになるんでしょうか・・・」
おばあさんは桃を手に入れ、家に持ち帰りました。
P「こんなに大きな桃、どこからくすねてきたんだ?」
ちひろ「あなたと違って私は日頃の行いがいいので、天からの贈り物に違いません」
P「まあいい。取りあえず、刃を入れてみるか・・・」
ちひろ「ちょっと待ってください。これは売るんですよ。どこかの金持ちにでも売りつければ・・・ふへへ」
おばあさんは慌てておじいさんから包丁を奪い取りました。
P「おっまあっぶな! 怪我したらどうすんだよ! 俺がいなきゃ生活なりたたねえぞ!」
ちひろ「・・・そうですねえ。それは、昨日までの話じゃ、ありませんか?」
おばあさんはしばし思案して、妖艶な笑みを浮かべました。それは今までに見たどんなものより恐ろしいものでした。
P「おいちょっと待て。包丁を下ろせ」
ちひろ「大丈夫ですよ」
P「何が!?」
おばあさんが包丁をおじいさんに突き刺そうとしたそのとき、桃が真っ二つに割れました。そしてそこから白く細い腕が二本、おばあさん目掛けて伸びました。
まゆ「・・・私のPさんに何をやっているんです?」

断末魔の悲鳴に驚いて目を閉じたおじいさんの指先に伝わる感触は生暖かく、ドロリとした何か。それは・・・
まゆ「うふふ。やっぱりPさんとまゆは運命の赤いリボンで繋がっているんですねえ」
手の先から続く、赤い液。それはまゆと名乗る女の手に繋がっていた。
まゆ「今まで育てていただいた恩、返しに来ましたよお♪」ニコリ
その笑顔は先ほどのおばあさんより怖かったそうな。
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3: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 14:32:54.73 ID:hvVe73my0
~浦島太郎~
昔昔、ある浜辺で亀がいじめ(?)られていました。
きらり「にょっわー! なんてかわいい亀なんだにぃ! お持ち帰りしちゃおっと♪」

杏「うわあー! 誰か助けて-!」

P「待ちなさい! 嫌がっているだろう! 離してあげなさい!」
きらり「うう・・・ごめんね、亀さん」
突如現れた青年の一声に、如何に自分勝手な行いをしていたかを悟った少女は、ぶん回していた亀に謝り、一目散に帰って行った。
杏「うう・・・目が回る」
P「大丈夫か」
杏「助けてくれてどうも。お礼をしたいけど、おなかが減ってそれどころじゃないんだ。ごめんね」
亀は元気なさそうに言うと、砂浜にだらりと寝そべった。
P「ならうちでご飯を馳走しよう。それに、お礼なんていいよ」
杏「ほんと!? じゃあ行こう!」
青年は亀を持ち上げ、予想以上の重さに唸りながらも家に無事到着した。
杏「おお! こたつあるじゃん!」
家に着き、こたつを見つけた亀はするりと内部に這い入り、気の抜けた顔を見せる。
P「少しご飯の用意をするからちょっと待っていてくれ」
杏「うん・・・」
青年が夕餉を持って行くと、亀はスヤスヤと寝息をたてていた。
P「くつろぎすぎじゃないか? そもそも亀ってコタツとかいいのだろうか?」
仕方がないので一人で飯を食らっていると、もぞもぞと動きだし、亀は目を覚ました。
杏「一人だけ食べるなんてずるい!」
P「起こしたら悪いかなって。ご飯の用意もしてあるから好きに食べろ」
杏「やった!」
P「そういやお前さん、何で砂浜なんかに来たんだ。物珍しさに人が集まるのはわかるだろうに」
杏「あ~、竜宮城から追い出されちゃってね」
P「竜宮城!?」
竜宮城とは古くから伝わる言い伝えで、ものすごい美人の乙姫様と、美しい魚が暮らす、海の底にある煌びやかな城のことだ。
P「そこじゃあ年をとらねえって話だが本当なのか?」
杏「うん。そこの乙姫様が外に出なさいって」
P「結構酷い人なんだな、乙姫様ってのは・・・」
杏「あーうん、そうだね」
P「よし! 俺が竜宮城に戻れるように説得してやる!」
杏「・・・ほんとは行きたいだけなんじゃ?」
P「ばれたか」
杏「めんどいけど、助けてくれたからね。連れて行ってもいいけど・・・」
P「どうした?」
杏「乙姫様は自分の年齢を保つために外から来た人の生気をすうって噂が」
P「んー、じゃあやめとくか~」
杏「それがいいよ」
そこから青年と亀は亀をぶん回していた少女とも仲良くなり、三人で仲良く暮らしましたとさ。そこで青年は乙姫様が亀を追い出した理由を知ったのは別のお話。
菜々「何か酷い誤解を受けた気がしたんですけど・・・」
七海「気のせいれすよ~♪」
昔昔、ある浜辺で亀がいじめ(?)られていました。
きらり「にょっわー! なんてかわいい亀なんだにぃ! お持ち帰りしちゃおっと♪」

杏「うわあー! 誰か助けて-!」

P「待ちなさい! 嫌がっているだろう! 離してあげなさい!」
きらり「うう・・・ごめんね、亀さん」
突如現れた青年の一声に、如何に自分勝手な行いをしていたかを悟った少女は、ぶん回していた亀に謝り、一目散に帰って行った。
杏「うう・・・目が回る」
P「大丈夫か」
杏「助けてくれてどうも。お礼をしたいけど、おなかが減ってそれどころじゃないんだ。ごめんね」
亀は元気なさそうに言うと、砂浜にだらりと寝そべった。
P「ならうちでご飯を馳走しよう。それに、お礼なんていいよ」
杏「ほんと!? じゃあ行こう!」
青年は亀を持ち上げ、予想以上の重さに唸りながらも家に無事到着した。
杏「おお! こたつあるじゃん!」
家に着き、こたつを見つけた亀はするりと内部に這い入り、気の抜けた顔を見せる。
P「少しご飯の用意をするからちょっと待っていてくれ」
杏「うん・・・」
青年が夕餉を持って行くと、亀はスヤスヤと寝息をたてていた。
P「くつろぎすぎじゃないか? そもそも亀ってコタツとかいいのだろうか?」
仕方がないので一人で飯を食らっていると、もぞもぞと動きだし、亀は目を覚ました。
杏「一人だけ食べるなんてずるい!」
P「起こしたら悪いかなって。ご飯の用意もしてあるから好きに食べろ」
杏「やった!」
P「そういやお前さん、何で砂浜なんかに来たんだ。物珍しさに人が集まるのはわかるだろうに」
杏「あ~、竜宮城から追い出されちゃってね」
P「竜宮城!?」
竜宮城とは古くから伝わる言い伝えで、ものすごい美人の乙姫様と、美しい魚が暮らす、海の底にある煌びやかな城のことだ。
P「そこじゃあ年をとらねえって話だが本当なのか?」
杏「うん。そこの乙姫様が外に出なさいって」
P「結構酷い人なんだな、乙姫様ってのは・・・」
杏「あーうん、そうだね」
P「よし! 俺が竜宮城に戻れるように説得してやる!」
杏「・・・ほんとは行きたいだけなんじゃ?」
P「ばれたか」
杏「めんどいけど、助けてくれたからね。連れて行ってもいいけど・・・」
P「どうした?」
杏「乙姫様は自分の年齢を保つために外から来た人の生気をすうって噂が」
P「んー、じゃあやめとくか~」
杏「それがいいよ」
そこから青年と亀は亀をぶん回していた少女とも仲良くなり、三人で仲良く暮らしましたとさ。そこで青年は乙姫様が亀を追い出した理由を知ったのは別のお話。
菜々「何か酷い誤解を受けた気がしたんですけど・・・」
七海「気のせいれすよ~♪」
5: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 14:57:17.57 ID:hvVe73my0
~桃太郎2~
一命を取り留めたおばあさんでしたが、こんな恐ろしい子とは暮らせませんと家を出て行きました。
P「最初はびっくりしたけど、俺を助けてくれるためだからな・・・」
まゆ「Pさんが殺されちゃうと思って一心不乱であんなことを・・・。本当におばあさんには申し訳ないことをしました」
P「いやいいよ。まゆがいい子なのは知ってるから!」
まゆ「本当ですかあ? うれしいです♪」
Pは桃から生まれた少女をまゆと名付けました。
P「しかし桃から人の子が生まれるとは奇特なこともあるものだな」
まゆ「私は元は桃の木だったんですよ」
まゆの話ではPが芝刈りをしていたあたりにあった一本の実のならない桃の木、それがまゆだったとのこと。Pが芝を刈ってくれたおかげで、栄養が木に集中し、快適な生活を送れたらしい。
まゆ「どうしてもPさんに恩返しがしたい、そんな一心で流れる星に祈っていたら、久々に桃がなったんですよ! それが私です。あまりに大きなものですから、木から川に落ちちゃいましたけど、こうやって出会うことができました。これってやっぱり運命ですよね?」
P「そうだな。そうに違いない!」
それから二人は仲良く暮らしていき、数年が経った頃でした。
P「最近鬼が暴れ回っているらしいな。金銀財宝が被害に遭いまくっているらしい」
まゆ「怖いですねえ・・・決めました。まゆ、鬼退治に行きたいです!」
P「いきなりどうしたんだ! そんな危険な目に合わせられるわけが・・・」
まゆ「誰かがやらなくちゃいけないんです。それに、まゆとPさんの安寧を脅かす可能性は極力排除しておきたいんですよお♪」
まゆが来てから護身用にと買った刀を手に取り、まゆは腰に差した。
まゆ「大丈夫ですよ、まゆはPさんのためなら何だってできます」
P「・・・どうしても行くんだな?」
まゆ「はい」
しっかりと意思を感じさせる頷きで、Pは彼女を止めることをあきらめた。
P「じゃあこれを持って行け」
まゆ「これは?」
P「きび団子だ。おなかがすいたら食べなさい」
まゆ「ありがとうございます。大切に食べますね」
P「それとこれからは桃太郎と名乗りなさい。女の一人旅だと危ないし、なめられる」
おじいさんは桃太郎の髪を結い、赤いリボンで鉢巻きを作り、可能な限り男っぽく見えるようにしました。
まゆ「桃太郎、行ってきます」
P「絶対、無事で帰ってこいよ」
まゆ「Pさんがいるところがまゆの帰る場所ですから」
そうして桃太郎は鬼退治を目標にし、出発した。
一命を取り留めたおばあさんでしたが、こんな恐ろしい子とは暮らせませんと家を出て行きました。
P「最初はびっくりしたけど、俺を助けてくれるためだからな・・・」
まゆ「Pさんが殺されちゃうと思って一心不乱であんなことを・・・。本当におばあさんには申し訳ないことをしました」
P「いやいいよ。まゆがいい子なのは知ってるから!」
まゆ「本当ですかあ? うれしいです♪」
Pは桃から生まれた少女をまゆと名付けました。
P「しかし桃から人の子が生まれるとは奇特なこともあるものだな」
まゆ「私は元は桃の木だったんですよ」
まゆの話ではPが芝刈りをしていたあたりにあった一本の実のならない桃の木、それがまゆだったとのこと。Pが芝を刈ってくれたおかげで、栄養が木に集中し、快適な生活を送れたらしい。
まゆ「どうしてもPさんに恩返しがしたい、そんな一心で流れる星に祈っていたら、久々に桃がなったんですよ! それが私です。あまりに大きなものですから、木から川に落ちちゃいましたけど、こうやって出会うことができました。これってやっぱり運命ですよね?」
P「そうだな。そうに違いない!」
それから二人は仲良く暮らしていき、数年が経った頃でした。
P「最近鬼が暴れ回っているらしいな。金銀財宝が被害に遭いまくっているらしい」
まゆ「怖いですねえ・・・決めました。まゆ、鬼退治に行きたいです!」
P「いきなりどうしたんだ! そんな危険な目に合わせられるわけが・・・」
まゆ「誰かがやらなくちゃいけないんです。それに、まゆとPさんの安寧を脅かす可能性は極力排除しておきたいんですよお♪」
まゆが来てから護身用にと買った刀を手に取り、まゆは腰に差した。
まゆ「大丈夫ですよ、まゆはPさんのためなら何だってできます」
P「・・・どうしても行くんだな?」
まゆ「はい」
しっかりと意思を感じさせる頷きで、Pは彼女を止めることをあきらめた。
P「じゃあこれを持って行け」
まゆ「これは?」
P「きび団子だ。おなかがすいたら食べなさい」
まゆ「ありがとうございます。大切に食べますね」
P「それとこれからは桃太郎と名乗りなさい。女の一人旅だと危ないし、なめられる」
おじいさんは桃太郎の髪を結い、赤いリボンで鉢巻きを作り、可能な限り男っぽく見えるようにしました。
まゆ「桃太郎、行ってきます」
P「絶対、無事で帰ってこいよ」
まゆ「Pさんがいるところがまゆの帰る場所ですから」
そうして桃太郎は鬼退治を目標にし、出発した。
6: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 15:24:04.97 ID:hvVe73my0
まゆ「しかし、Pさんのきび団子ですか。できるならば食べることなく保管しておきたいところですが、Pさんの負担を軽くするために路銀は少なくしておきましたし、食べざるを得なさそうですねえ」
「ちょっと待つにゃ!」
前方に陰が現れた瞬間、桃太郎は一歩引き、腰の刀に手をかけました。
まゆ「邪魔をするのは誰ですか~?」
みく「ちょ、ちょっと本当に待つにゃ!」

まゆ「猫ちゃんですか~。何のようですか?」
みく「おなかがすいて今にも死にそうなのにゃ! 何か食べ物をくれたら何でもするにゃ!」
まゆ「へえ~何でも・・・」
みく「あ、あの」
桃太郎の舐めるような視線に身の毛のよだつ猫。その目は深淵のように深く、暗く、恐ろしかった。
まゆ「仕方ないですねえ。もうすぐ街につくのでそこで何か買ってあげましょう」
みく「やっぱなしに・・・」
まゆ「何でもやってもらわないといけませんからねえ♪」
みく「ひいっ!」
この人間は阿修羅に違いない。骨の髄まで使われて捨てられる。そう猫は思った。
まゆ「私は桃太郎と言います。猫ちゃんのお名前は何ですか?」
みく「みくはみくって言うにゃ」
もう何もかも悟った猫は諦めて桃太郎のおともになることにした。
みく「でも何で次の街にゃ? いい匂いがしたから何か持っているんじゃないかにゃ? この袋化にゃ?」
猫が手をかけようとしたとき、桃太郎は驚く早さで猫の腕をつかみ、捻りあげた。
まゆ「私はあなたのの主です。言われたことだけをやればいいんですよ。わかっていますか?」
みく「いたいいたい! いたいにゃ! わかった、わかったから離して~!」
まゆ「わかればいいんですよ~」
みく「うう~」
猫は涙目になりながらも桃太郎に続く。
みく「それで、みくに何をやってほしいのか。それを教えてほしいにゃ」
まゆ「鬼退治のお手伝いでしょうか」
みく「鬼退治!?」
桃太郎は猫にいきさつを話しました。
みく「酷いやつにゃ! それならみくも喜んで手伝うにゃ!」
まゆ「じゃあご飯はいいんですね?」
みく「それとこれとは別の話にゃ!」
まゆ「・・・止まって」
みく「へ?」
「ふふ、私たちに気づくとは中々やり手なんじゃないかしら?」
「本当・・・ですね。久々に、腕がなります」
みく「・・・何かすごくいやな予感がするにゃ。初対面なのに」
「ちょっと待つにゃ!」
前方に陰が現れた瞬間、桃太郎は一歩引き、腰の刀に手をかけました。
まゆ「邪魔をするのは誰ですか~?」
みく「ちょ、ちょっと本当に待つにゃ!」

まゆ「猫ちゃんですか~。何のようですか?」
みく「おなかがすいて今にも死にそうなのにゃ! 何か食べ物をくれたら何でもするにゃ!」
まゆ「へえ~何でも・・・」
みく「あ、あの」
桃太郎の舐めるような視線に身の毛のよだつ猫。その目は深淵のように深く、暗く、恐ろしかった。
まゆ「仕方ないですねえ。もうすぐ街につくのでそこで何か買ってあげましょう」
みく「やっぱなしに・・・」
まゆ「何でもやってもらわないといけませんからねえ♪」
みく「ひいっ!」
この人間は阿修羅に違いない。骨の髄まで使われて捨てられる。そう猫は思った。
まゆ「私は桃太郎と言います。猫ちゃんのお名前は何ですか?」
みく「みくはみくって言うにゃ」
もう何もかも悟った猫は諦めて桃太郎のおともになることにした。
みく「でも何で次の街にゃ? いい匂いがしたから何か持っているんじゃないかにゃ? この袋化にゃ?」
猫が手をかけようとしたとき、桃太郎は驚く早さで猫の腕をつかみ、捻りあげた。
まゆ「私はあなたのの主です。言われたことだけをやればいいんですよ。わかっていますか?」
みく「いたいいたい! いたいにゃ! わかった、わかったから離して~!」
まゆ「わかればいいんですよ~」
みく「うう~」
猫は涙目になりながらも桃太郎に続く。
みく「それで、みくに何をやってほしいのか。それを教えてほしいにゃ」
まゆ「鬼退治のお手伝いでしょうか」
みく「鬼退治!?」
桃太郎は猫にいきさつを話しました。
みく「酷いやつにゃ! それならみくも喜んで手伝うにゃ!」
まゆ「じゃあご飯はいいんですね?」
みく「それとこれとは別の話にゃ!」
まゆ「・・・止まって」
みく「へ?」
「ふふ、私たちに気づくとは中々やり手なんじゃないかしら?」
「本当・・・ですね。久々に、腕がなります」
みく「・・・何かすごくいやな予感がするにゃ。初対面なのに」
7: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 15:42:35.22 ID:hvVe73my0
のあ「初めまして。のあよ」

アナスタシア「ミーニャ ザヴート アナスタシア。アナスタシアと・・・言います。アーニャとお呼びください」

まゆ「私は桃太郎ですよ。こちらは僕のみくです」
のあ「・・・面白そうな子ね」
みく「ひいっ!」
まゆ「それで、わざわざ道をふさいで何のようですか? 邪魔をするなら、斬りますよ~?」
スラリと長い刀を抜く。
のあ「・・・猫である我々に刀を向けるとは中々に余裕がないのね」
まゆ「そうなんですよ。懐に隠し持ってる銃で撃たれたら死んじゃいますからねえ」
のあ「!」
アナスタシア「のあ、落ち着いて、ください」
のあ「ええ、わかっている。争いに来たわけじゃないの」
まゆ「じゃあ何を?」
アーニャ「さっき、聞きました。鬼退治、行くそうですね?」
まゆ「ええ」
のあ「・・・私たちも、鬼には困っている。被害にあったから」
アーニャ「でも皆鬼が怖い、だから倒しに行かない、ですね。あなたはナジェージタ・・・あー、希望ですから、お手伝い、したいです」
のあ「・・・桃太郎、貴方はいい目をしているわ。気迫も確か、信用できるわ」
まゆ「そういうことなら是非お願いします♪ 正直このポンコツダメダメネコだけでは心許なかったんですよ」
みく「そんな風に思ってたのかにゃ!?」
まゆ「さあ、少し腹ごしらえをして、向かいましょうか~」
みく「ちょっと!?」
8: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 15:48:47.12 ID:hvVe73my0
まゆ「世の中にはこんな料理があるんですねえ」
みく「ちょっと! 何でみくの料理魚になってるにゃ!?」
のあ「・・・ごめんなさい。今はお肉の気分なの」
みく「だったら最初から頼めばいいじゃん!」
のあ「・・・折角の食事、楽しみましょう?」
みく「お前のせいにゃ~~~!」
アーニャ「キラキラしてますね。まるで、ミチオール、流星みたいな輝き、ですね。お魚、おいしそうですよ?」
みく「うう・・・」
のあ「私が責任を持つわ」
唐突に箸を持つと、猫の口目掛けて魚を突っ込んだ。
みく「にゃ~~~!」
みく「ちょっと! 何でみくの料理魚になってるにゃ!?」
のあ「・・・ごめんなさい。今はお肉の気分なの」
みく「だったら最初から頼めばいいじゃん!」
のあ「・・・折角の食事、楽しみましょう?」
みく「お前のせいにゃ~~~!」
アーニャ「キラキラしてますね。まるで、ミチオール、流星みたいな輝き、ですね。お魚、おいしそうですよ?」
みく「うう・・・」
のあ「私が責任を持つわ」
唐突に箸を持つと、猫の口目掛けて魚を突っ込んだ。
みく「にゃ~~~!」
9: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 16:16:03.64 ID:hvVe73my0
アーニャ「船旅も終わり、つきましたね、鬼ヶ島」
のあ「ええ」
みく「もう魚はいや、魚はいや」ブツブツ
のあ「魚がみせる輝きに、彼方へと届く光を見るわ。・・・それが進むべき未来・・・魚こそ、一つの鍵」
みく「そんなの嫌にゃ~~、船の上でもう一生分の魚はたべたにゃ!」
アーニャ「ええと、桃太郎、どこですか?」
まゆ「こ、ここですよ~」
のあ「・・・大丈夫かしら。船酔い、辛かったでしょう?」
まゆ「ちょっとだけ、待っててもらえますか?」
のあ「・・・私は貴方の内なる心に希望の星を観た。桃太郎。これからも共に目指す、未来へ向けて、あと少し」
まゆ「先に・・・行っててください。追いつきますので」
アーニャ「・・・ダー、行きましょう。先手、必勝。気づかれてると、困ります、ね?」
みく「みくも早く魚以外のもの食べるにゃ!」
のあ「・・・行くわ」
まゆ「・・・うう」
~~
アナスタシア「美しき氷の華はホーロドヌィ」
氷を生み出し、アーニャが鬼を凍りづけにしていく。
のあ「・・・出番はまだ?」
みく「みくたちいらない子にゃ?」
アーニャ「そうでも、ないみたいですね」
「ボンバー!」
炎を纏いし鬼が突っ込んでくる。その熱量で当たりの鬼たちは氷共々溶ける。
茜「あなたたちが侵入者ですね! やっつけます! トラーイ!」

アーニャ「アーニャの氷、効かない、ですね。のあ」
のあ「やっと私の出番ね」
懐から取り出した、銃を構える。
のあ「っと、危ない」
炎の鬼の突進を避け、引き金に手をかける。
のあ「・・・あら?」
茜「ボンバー!」
みく「・・・そのままどっかいっちゃったにゃ」
「ありゃ? あかねちんまた消えちゃった?」
「また探しに行かないといけませんね」
のあ「誰?」
未央「おっとっと。銃をつきつけられちゃ落ち着いて話しもできないよ」

藍子「みなさんクールダウン。冷静になりましょう?」

アナスタシア「そうですね。なら、冷たい天使の輝きを、あげましょう」
のあ「ええ」
みく「もう魚はいや、魚はいや」ブツブツ
のあ「魚がみせる輝きに、彼方へと届く光を見るわ。・・・それが進むべき未来・・・魚こそ、一つの鍵」
みく「そんなの嫌にゃ~~、船の上でもう一生分の魚はたべたにゃ!」
アーニャ「ええと、桃太郎、どこですか?」
まゆ「こ、ここですよ~」
のあ「・・・大丈夫かしら。船酔い、辛かったでしょう?」
まゆ「ちょっとだけ、待っててもらえますか?」
のあ「・・・私は貴方の内なる心に希望の星を観た。桃太郎。これからも共に目指す、未来へ向けて、あと少し」
まゆ「先に・・・行っててください。追いつきますので」
アーニャ「・・・ダー、行きましょう。先手、必勝。気づかれてると、困ります、ね?」
みく「みくも早く魚以外のもの食べるにゃ!」
のあ「・・・行くわ」
まゆ「・・・うう」
~~
アナスタシア「美しき氷の華はホーロドヌィ」
氷を生み出し、アーニャが鬼を凍りづけにしていく。
のあ「・・・出番はまだ?」
みく「みくたちいらない子にゃ?」
アーニャ「そうでも、ないみたいですね」
「ボンバー!」
炎を纏いし鬼が突っ込んでくる。その熱量で当たりの鬼たちは氷共々溶ける。
茜「あなたたちが侵入者ですね! やっつけます! トラーイ!」

アーニャ「アーニャの氷、効かない、ですね。のあ」
のあ「やっと私の出番ね」
懐から取り出した、銃を構える。
のあ「っと、危ない」
炎の鬼の突進を避け、引き金に手をかける。
のあ「・・・あら?」
茜「ボンバー!」
みく「・・・そのままどっかいっちゃったにゃ」
「ありゃ? あかねちんまた消えちゃった?」
「また探しに行かないといけませんね」
のあ「誰?」
未央「おっとっと。銃をつきつけられちゃ落ち着いて話しもできないよ」

藍子「みなさんクールダウン。冷静になりましょう?」

アナスタシア「そうですね。なら、冷たい天使の輝きを、あげましょう」
10: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 16:21:18.30 ID:hvVe73my0
未央「あーちゃん」
藍子「は、恥ずかしいけど。ゆるふわタイム!」
アーニャ「あ、あれ?」
未央「説明しよう! このあーちゃんの技は相手に強制的にゆるふわ状態にしてしまうんだ。ゆるふわ状態になると敵意だとかが消え ガン
藍子「未央ちゃ!? う・・・」ガン
アーニャ「アパズタール・・・遅刻、ですよ」
まゆ「遅れてすいません。でも仕事はしましたよ?」
未央「いたた。今のは効いたな・・・」
藍子「うう、何で」
まゆ「敵意はありませんもの。・・・私にあるのはただ一つの愛ですから」
のあ「・・・ここは任せて」
まゆ「ええ。お願いします。恐らく次の相手は私が手を下さねばなりませんから・・・」ニコリ
みく「わあ、味方でもすごく怖い」
未央「ここは通さないよ!」
まゆ「みくちゃ~ん」
みく「桃太郎は死んでも通すにゃ!」
藍子「行かせない!」
アーニャ「おっと、アーニャのこと、忘れないでください」
のあ「・・・私は」オロオロ
茜「ボンバー!」
のあ「いた」ホッ
まゆ「みなさん、お願いしますね」ダッ
藍子「は、恥ずかしいけど。ゆるふわタイム!」
アーニャ「あ、あれ?」
未央「説明しよう! このあーちゃんの技は相手に強制的にゆるふわ状態にしてしまうんだ。ゆるふわ状態になると敵意だとかが消え ガン
藍子「未央ちゃ!? う・・・」ガン
アーニャ「アパズタール・・・遅刻、ですよ」
まゆ「遅れてすいません。でも仕事はしましたよ?」
未央「いたた。今のは効いたな・・・」
藍子「うう、何で」
まゆ「敵意はありませんもの。・・・私にあるのはただ一つの愛ですから」
のあ「・・・ここは任せて」
まゆ「ええ。お願いします。恐らく次の相手は私が手を下さねばなりませんから・・・」ニコリ
みく「わあ、味方でもすごく怖い」
未央「ここは通さないよ!」
まゆ「みくちゃ~ん」
みく「桃太郎は死んでも通すにゃ!」
藍子「行かせない!」
アーニャ「おっと、アーニャのこと、忘れないでください」
のあ「・・・私は」オロオロ
茜「ボンバー!」
のあ「いた」ホッ
まゆ「みなさん、お願いしますね」ダッ
11: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 16:34:00.71 ID:hvVe73my0
~~
「ふへ、ふへへへへ。こんなにお宝が・・・。売ったらいくらに」
バタン
勢いよく宝物庫の扉が開く。
「誰ですか!?」
まゆ「やっぱりあなたでしたか・・・おばあさん」
ちひろ「お、お前は~~~~!」
まゆ「やはり最初に殺しておくべきでしたね」
ちひろ「前回は不意を突かれただけですよ。対面からなら負けません」
まゆ「まゆはあなたを殺します。これは確定事項ですよ」
両者は刀を抜き、飛びかかる。
まゆ「平穏に暮らしていれば見逃したものを・・・。でもこれであなたを殺す大義名分が再びできました。うふふ」
ちひろ「こんな切羽詰まった状態で笑顔とは余裕ですね」
まゆ「Pさんの中にまだあなたの存在はありました・・・それを今から消せると思うと嬉しくて笑顔にもなっちゃいますよ!」
ちひろ「ぐっ!」
まゆ「じり貧なのはどっちですかね?」
ちひろ「舐めないでください」
急におばあさんの服が発光する。
まゆ「あああああああああああっ!!」
ちひろ「何でこんなだっさい蛍光緑の服着てると思ってるんですか? このためですよ!」
おばあさんはとどめを刺そうと刀を振り上げる。しかし振り下ろそうにも下ろせない。
ちひろ「あ、あれ?」
まゆ「まゆがあんなに近づいといて何もしないわけないでしょう? 自慢のリボンで縛っておきました♪」
ヨロヨロとまゆはたちあがり、刀をおばあさんに向ける。
まゆ「さあ、地獄ではせいぜい鬼、悪魔となかよくしていてくださいね♥」
ちひろ「これは私のお金だああああ!」
ザシュッ
▼鬼ヶ島のボスを倒した
「ふへ、ふへへへへ。こんなにお宝が・・・。売ったらいくらに」
バタン
勢いよく宝物庫の扉が開く。
「誰ですか!?」
まゆ「やっぱりあなたでしたか・・・おばあさん」
ちひろ「お、お前は~~~~!」
まゆ「やはり最初に殺しておくべきでしたね」
ちひろ「前回は不意を突かれただけですよ。対面からなら負けません」
まゆ「まゆはあなたを殺します。これは確定事項ですよ」
両者は刀を抜き、飛びかかる。
まゆ「平穏に暮らしていれば見逃したものを・・・。でもこれであなたを殺す大義名分が再びできました。うふふ」
ちひろ「こんな切羽詰まった状態で笑顔とは余裕ですね」
まゆ「Pさんの中にまだあなたの存在はありました・・・それを今から消せると思うと嬉しくて笑顔にもなっちゃいますよ!」
ちひろ「ぐっ!」
まゆ「じり貧なのはどっちですかね?」
ちひろ「舐めないでください」
急におばあさんの服が発光する。
まゆ「あああああああああああっ!!」
ちひろ「何でこんなだっさい蛍光緑の服着てると思ってるんですか? このためですよ!」
おばあさんはとどめを刺そうと刀を振り上げる。しかし振り下ろそうにも下ろせない。
ちひろ「あ、あれ?」
まゆ「まゆがあんなに近づいといて何もしないわけないでしょう? 自慢のリボンで縛っておきました♪」
ヨロヨロとまゆはたちあがり、刀をおばあさんに向ける。
まゆ「さあ、地獄ではせいぜい鬼、悪魔となかよくしていてくださいね♥」
ちひろ「これは私のお金だああああ!」
ザシュッ
▼鬼ヶ島のボスを倒した
12: ◆66FsS2TZ4lNJ 2016/04/29(金) 16:42:41.45 ID:hvVe73my0
まゆ「みなさーん、おわりまし・・・話し声が聞こえますね」
未央「え、みくにゃん何でもできるの!?」
のあ「ええ、私が保証するわ」
みく「ちょっと待つにゃ!」
アーニャ「あ-、魚の踊り食いとか、面白そうですね」
茜「さっき間違って海に突っ込んでしまったときに魚を捕まえておきました!」
みく「藍子ちゃん! 助けて!」
藍子「・・・あはは」
のあ「さあ、みく。動いておなかすいたでしょ?」
みく「みくの扱い酷くない?」
未央「さあさあ早く!」
アーニャ「こういうときのかけ声、知っています! イッキ、イッキ、ですね?」
イッキイッキイッキイッキ
まゆ「・・・まゆが大変なときにこの人たちは歓談・・・ですか。うふふふふふふふ」
この日鬼ヶ島に響いた断末魔の叫びは一つや二つではすまなかったらしい。
まゆ「最後はPさんとまゆが幸せに暮らしておわり。紛う事なきハッピーエンド、ですよね? もし違うと言うのなら、あなたの体を真っ赤なリボンでコーティングしてあげますから」
おわり
のあーにゃのセリフ難しい
気が向いたらまた書くかもしれない
金太郎ってどんな話だっけ
未央「え、みくにゃん何でもできるの!?」
のあ「ええ、私が保証するわ」
みく「ちょっと待つにゃ!」
アーニャ「あ-、魚の踊り食いとか、面白そうですね」
茜「さっき間違って海に突っ込んでしまったときに魚を捕まえておきました!」
みく「藍子ちゃん! 助けて!」
藍子「・・・あはは」
のあ「さあ、みく。動いておなかすいたでしょ?」
みく「みくの扱い酷くない?」
未央「さあさあ早く!」
アーニャ「こういうときのかけ声、知っています! イッキ、イッキ、ですね?」
イッキイッキイッキイッキ
まゆ「・・・まゆが大変なときにこの人たちは歓談・・・ですか。うふふふふふふふ」
この日鬼ヶ島に響いた断末魔の叫びは一つや二つではすまなかったらしい。
まゆ「最後はPさんとまゆが幸せに暮らしておわり。紛う事なきハッピーエンド、ですよね? もし違うと言うのなら、あなたの体を真っ赤なリボンでコーティングしてあげますから」
おわり
のあーにゃのセリフ難しい
気が向いたらまた書くかもしれない
金太郎ってどんな話だっけ
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▼返信コメ
そこそこ面白かった
[ 2016/04/30 10:38 ]
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