2016
02/11
木
2: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:35:10.66 ID:4/WztdQx0
ケホケホ
ピピピピ
小早川紗枝「……37.8度」

コテン
紗枝(あかん、熱見たら余計に頭ぼーっとなってきたわぁ……)
ケホケホ
紗枝(これ、いんふるえんざやったらどないしよ……注射はうっとるけど……)
コンコン
紗枝(んーだれー? こないなときに……寝てるふり……)
コンコン
紗枝(しつこいわあ……寮生の誰かやろ。今日は勘弁してや)
コンコン
紗枝「だれー、あいてますえ……」
ガチャ
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3: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:35:45.72 ID:4/WztdQx0
藤原肇「寮の中とはいえ、鍵は開けたまま、ですか」

紗枝「あー肇はん。安全やあ、みんなええ子やし」
肇「一人暮らしする時が来たら、気をつけてくださいね」
紗枝「はいはい、今は許してやぁ」
肇「……はぁ」
紗枝「なにー? 部屋入っていきなりため息て。用ないんやったら、今日は」
肇「やっぱり、風邪でしたか」
ピト
紗枝「ひゃ、肇はん、手ぇつめた」
肇「私の手が冷たいというより、紗枝ちゃんのおでこが熱いですね」
紗枝「……37.8度」
肇「測ってはいたんですね。なかなかな高熱じゃないですか」
紗枝「頭ぼーっとしてかなわんわぁ」
肇「まったく、昨日から変だとは思ってたんですよ」
紗枝「……そお?」
肇「一緒にお風呂入ったときもおっとりしてましたし」
紗枝「べつに、それはいつもやろ?」
肇「いつも以上に。髪もあんまり乾かしてないのに、乾いたってそそくさと部屋に帰っちゃうし」
紗枝「……はよ休みたかったん」
肇「ちゃんと乾かしておけば、こんなひどくならなかったかもしれないのに」
紗枝「もう、肇はん……お説教なら堪忍してや。今日はゆっくりさせて」
肇「ええ。どうぞごゆっくり。私が看病しますから」
紗枝「えぇ……?」
4: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:36:22.62 ID:4/WztdQx0
肇「なんか変だな、そう思いながら見過ごしてしまった私にも責任があります」
紗枝「そんなことありまへん。うちの管理が悪かったんどす」
肇「いいから、病人は素直に甘えてください」
紗枝「病人て、熱があるだ、ケホケホ」
肇「咳までして」
サスサス
紗枝「……ありがとうさんどす。背中さすってくれたおかげで、だいぶ楽になりましたえ」
肇「少しは甘える気になりましたか」
紗枝「……でも、風邪うつってしまうかもしれへん」
肇「まずは自分の身体の心配をしてください」
紗枝「……うん」
肇「それに、うつったときは紗枝ちゃんが私を看病してくれるんでしょう?」
紗枝「うーん、それはどうかなあ?」
肇「いけず、ですね。ふふ」
紗枝「ふふ、ケホケホ」
肇「ほら、横になってください。じっとしてるんですよ。ちょっと買い出しに行ってきます」
5: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:36:55.70 ID:4/WztdQx0
ガチャ
肇「ただいま……」
紗枝「スゥスゥ」
肇(おやすみみたいですね。じゃあ、その間に)
6: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:37:38.14 ID:4/WztdQx0
グツグツ
紗枝(ん……あ、寝てしもうてた……頭おもぉ……)
肇「~♪」
紗枝(肇はん、帰ってきてたんや……かいらしいはなうたや)
肇「どんどんどん♪ うどんどーん♪ どなべで~♪ ぐつぐつ~♪ うどんできたど~ん♪」
紗枝「ぷ、うは、あははは」
肇「さっ紗枝ちゃん!?」
紗枝「あはっ、うふっ、あははは」
肇「起きてるなら起きてるって言ってください!」
紗枝「うは、あは、か、堪忍してや、あはは」
肇「もう、ダメ、あげません! 私が食べます!」
紗枝「いややあ、おいしいうどん、たべたいど~ん」
肇「なっなっなっ!」
紗枝「あは、も、もうだめや、笑うと頭いたい、でも、うははは、あはははは」
肇「もう……ふふ、私までおかしくなってきました、ふふ、あはは」
7: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:38:07.92 ID:4/WztdQx0
紗枝「乙女が下品に声出して笑ったらあきまへん、ってお母はんに言われとったのに」
肇「紗枝ちゃんは笑いすぎです」
紗枝「だって、かいらしかったんやからしゃあないやろ?」
肇「今年一番恥ずかしい出来事です」
紗枝「そんなぷりぷりせんで、な?」
肇「もういいですよ。あったかいうちにおうどん、いただきましょう」
紗枝「はい~♪」
8: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:38:36.47 ID:4/WztdQx0
紗枝「肇はん……」
肇「はい?」
紗枝「このおうどん、ほんまおいしいどす」
肇「ふふ。土だけじゃなくて、生地をこねるのも得意なんです」
紗枝「熱であついはずなのに、とーっともぽかぽかしますえ」
肇「おうどんは消化もいいですから、すぐ元気の源になってくれますよ」
紗枝「はよう元気になりたいわ……ほんま、やさしい味やわ」
肇「ふふ、愛情もたっぷり入ってますから」
紗枝「……肇はん、時折すっごい大胆なこと言いはる」
肇「ふふ」
9: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:39:09.14 ID:4/WztdQx0
紗枝「おうどん食べたら、あっつくなってきたわ……それだけやないけど」
肇「ずっと寝てましたし、寝汗もかいてると思いますよ」
紗枝「ほんまや……ぺたぺたする」
肇「着替えましょうか」
紗枝「うんー……起こして、脱がしてえ」
肇「やっと少し甘えん坊になってくれましたね」
紗枝「うふふ、熱のせいや」
10: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:40:05.55 ID:4/WztdQx0
肇「身体も拭きましょうか」
紗枝「お願いします~」
肇「……」
紗枝「ん~なに~?」
肇「紗枝ちゃん、改めてこうしてみると、華奢ですね」
紗枝「……肇はん」
肇「はい?」
紗枝「今、明らかに胸見て言うたやろ」
肇「ギクり」
紗枝「わかりやすくぎく言いましたなあ。ほーん」
肇「もっと食べた方がいいですよ」
紗枝「そう言いはるけど」ピト
肇「ひゃ」
紗枝「身長の割に、肇はんも小さいんとちゃう?」
肇「私は華奢とは言いましたけど、小さいとは言ってませんよ」
紗枝「うふふ、それは失礼しましたなあ」
肇「わ、紗枝ちゃん、お腹が黒いですね、しっかりふかなきゃ」
紗枝「ひゃう。むむう、肇はん、風邪うつったんちゃう。頭がぼーっとしすぎやで」
肇「いえいえ、元気そのものです。ふふ」
紗枝「うふふ」
肇「ふふ」サワ
紗枝「ひゃう。えい」サワ
肇「きゃ」
コチョコチョ サワサワ
あは、あはははは
11: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:40:40.34 ID:4/WztdQx0
紗枝「んもう、風邪ひいとるときにくすぐりあいっこってあほちゃう」
肇「あほですね、ふふ」
紗枝「余計汗かいたわあ」
肇「でも、少しスッキリしたんじゃないですか」
紗枝「心なしか、そんな気がするわぁ」
肇「もう一度ゆっくり横になれば、良くなりますよ」
紗枝「うんーな、肇はん」
肇「なんですか」
紗枝「そばに……いてくれはります?」
肇「はい、もちろんです」
12: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:41:08.83 ID:4/WztdQx0
紗枝「東京来て、初めて風邪ひいたわあ……」
肇「そうなんですか」
紗枝「もっと不安なると思っとったけど、そうでもないなあ」
肇「ふふ」
紗枝「ほんま、ありがとうな、肇はん」
肇「いいえ」ナデナデ
紗枝「んっ」
肇「お茶、いれてきます」
13: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:41:34.37 ID:4/WztdQx0
紗枝「ええ香り……」
肇「ほうじ茶です。さっき私の部屋から持ってきておいたんです。」
紗枝「やっぱり? うちの部屋にはないもんなあ」
肇「お茶には厳しいと紗枝ちゃん。いかがですか」
紗枝「とーってもおいしゅうございますえ」
肇「ふふ、良かった」
紗枝「この器も、肇はんが?」
肇「ええ。備前焼とほうじ茶、色味があうでしょう?」
紗枝「ほんまやね。目も、身体も、心も、ぽかぽかになりますわあ」
肇「愛情、込めましたから」
紗枝「うふふ、二回目は素直に受け取れるもんやなあ」
14: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:42:09.98 ID:4/WztdQx0
紗枝「なあ、肇はん」
肇「はい」
紗枝「特別な人、ってどんな人やと思う?」
肇「特別な人、ですか」
紗枝「そう、特別」
肇「甘えられる人、甘えてくれる人、一方通行じゃなくて、お互いに。そんな人でしょうか」
紗枝「どないして?」
肇「田舎から出てきて、見ず知らずの人の中、いつも緊張して生活してきました」
紗枝「うちもそうやもしれん」
肇「ええ。そんな中、その緊張を解き放って、思いっきり弱い自分を見せあえる人が、特別だと思います」
紗枝「なるほどなあ……」
肇「紗枝ちゃんは?」
紗枝「ないしょ、どす」
肇「本当に紗枝ちゃんはいけずな人ですね」
紗枝「ふふ、肇はん」
肇「今度はなんですか」
紗枝「風邪治ったら、絶対うちに甘えてや?」
肇「……もう。もちろんです」
翌日、紗枝の抱き枕から、湯たんぽになった肇が見つかるのは、また別の話
おしまい
15: ◆w72AKbkgD2 2016/02/10(水) 22:43:11.93 ID:4/WztdQx0
ありがとうございました。
京都にゆかりがないので言葉不安な上に、勢いで書いたので誤字脱字、そのほかミス、お許しください!
京都にゆかりがないので言葉不安な上に、勢いで書いたので誤字脱字、そのほかミス、お許しください!
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