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2014 12/02

城ヶ崎莉嘉「Pくんに貼ってもらおう!」





1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2014/12/01(月) 22:25:47.99 ID:GvF7Vw9qo


・モバマス
・莉嘉視点の地の文のみ



●城ヶ崎莉嘉
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2 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:26:37.64 ID:GvF7Vw9qo




こういうの、さ。

みんながもっと注目するところへ、Pくんにいれてもらって、
それをみんなに見せびらかしたら、どんな気分がするかな。






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3 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:27:12.42 ID:GvF7Vw9qo




ある日、事務所の休憩室に入ると、アタシのお姉ちゃんがウンウン唸っていた。
机には、テカテカ光るラミネートがいっぱい散らばっていて、
ママに見られたら『片付けなさーいっ!』って怒られちゃいそうな感じ。

大丈夫かなぁ、と思ってみてたら、
Pくんがやってきて、やっぱり片付けるように叱られちゃってた。

机の上にあった、ラミネートの一枚を拾ってみる。
ラミネートに厚紙が包まれてて、白い台紙に、黒でクモの絵が描いてあった。

あ。これ、タトゥーシールだ。




4 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:27:50.22 ID:GvF7Vw9qo



何でお姉ちゃんが、こんな机いっぱいのタトゥーシールを持ってるの?
Pくんに聞いてみると、事情を教えてくれた。

お姉ちゃんは、仕事で雑誌とコラボして、
付録につけるタトゥーシールをプロデュースすることになったんだって。
アタシたちはプロデュースって聞くと、Pくんの仕事しか頭に浮かばないから、
シールのプロデュースといわれてもピンとこないけど。

今のお姉ちゃんは、送ってもらったサンプルのなかから、実際の付録に使う候補を選んでるみたい。
Pくんによると、付録につけられるのは4種類だけなのに、サンプルは100種類ぐらいあるんだって。

これは、しばらくかかるだろうな~。
お姉ちゃん、見た目よりユージューフダン? だから。
買い物で服を選ぶとき、スパッと決められないし。

ちなみに、アタシが拾ったクモのタトゥーは、真っ先に却下されたみたい。
お姉ちゃん、ムシ全般がニガテだからな~。

アタシは、これイイと思うんだけど。
クモってスマートでセクシーな感じがするじゃん。




5 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:28:26.42 ID:GvF7Vw9qo





アタシは、せっかくPくんがいるので、
このタトゥーシールをPくんに貼ってもらうことにした。

雑誌のヒトは、このコラボにすごく気合が入ってて、
フツーだったらサンプルなんて紙に刷っただけの絵で選ぶのに、
なんとこのサンプルは全部、シールとして使えるんだって。
そういうことなら、お姉ちゃんが捨てちゃったシール、アタシが持って帰っちゃお☆

するとPくんは、ハサミとか、濡れタオルとか、ベビーオイルとか持ってきた。
どうやら、お姉ちゃんが試せるように最初から用意してたみたい。
カンジンのお姉ちゃんが、まだ試すところまでたどりついてないけど。

ナニナニどーしたのPくん、そんな紙切れ読んでさー。
もしかして貼ったことないんだ。ダメじゃん、そんなんじゃ。
お姉ちゃんに貼ってあげなきゃならないかもしれないじゃない!

これはもう、アタシのカラダで練習させてあげるしかないね☆
うわー、もーアタシすごくイイ子でしょ?
こんなアイドルをプロデュースできてPくんは幸せものだな~。




6 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:29:06.94 ID:GvF7Vw9qo





アタシは、このシールを右の二の腕に入れてもらうようお願いした。

Pくんがハサミでしゃらしゃらとタトゥーを切り抜いていく。
ハサミの刃が進んでいく様子から、アタシは不思議と面白く見えた。なんだかとってもワクワクする。
クモがけっこう細かいデザインだったから、Pくんは時間をかけて丁寧にやってくれた。



Pくんは、銀色の薄くて小さい、クスリの小袋みたいな包みを爪で切って開けた。
保健室に入った時みたいなニオイがする。
なかから取り出された白っぽい紙は、アルコールシートって言って、
タトゥーシールを貼る前の肌を拭くためにあるんだって。
そうしたほうがシールが長持ちするらしい。

Pくんがアルコールシートをアタシの肌にくっつける。ひやっ、ぞくっとしちゃう。
右の二の腕なんて場所にしたから、なんか予防注射みたいだよー。

そしてPくんが切り抜いてくれたタトゥーシールを、アタシの肌に貼って、
水分で絵を写してから、ラミネートと台紙を剥がす、ってコトね。

Pくんがタトゥーシールを、アタシの肌に貼ってくれる。
キレイに貼り付くよう、Pくんの指でシールが伸ばされる。
シールの薄くてツルツルした触り心地と、Pくんの抑えてくる指の動きで、
Pくんに印つけられちゃってるのかなぁ、とか思っちゃって、なんかこうウズウズと――

『あ……』ってPくんの声が聞こえる。どうしたのか見てみると、Pくんが固まってた。
そのすぐあとに、アタシも思わず『あ……』って言っちゃった。

アタシが肩のあたりをもぞつかせたせいで、タトゥーシールにシワが寄っちゃってる~!
ああーっ、失敗だぁ~!




7 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:29:42.19 ID:GvF7Vw9qo





Pくんにベビーオイルを塗ってもらって、ズレちゃったクモの絵柄を落とす。
塗ってもらってるほんのちょっとの間も、なんだかPくんの指で触られたところが落ち着かなくて、
もう自分でやったほうがうまくやれる気がした……けど、これPくんの練習だからね。しょうがないね。

クモのタトゥーシールが使えないから、代わりを探す。
カブトムシの絵とか、あったりしないかなー。さすがに見つからない。
もう一枚、今度はクモの巣のシールでPくんにお願い。
クモそのまんまよりも、もっとオトナっぽい感じがするかな。



Pくん、今度はサッと台紙を切り抜いて……ま、ほとんどただの六角形だしね。
アタシの二の腕に貼り付ける。アタシも、腕とか肩とか動かないように気をつける。

でもそう思ってると、Pくんの指の動きとか、今アタシの肌に色つけられてるのかーとか、
かえって意識しちゃう。寝よー寝よーと思ってると、逆にぜんぜん眠れないみたいな?
クモの巣は糸の模様が細かいから、ちょっとずれただけでも不格好になっちゃう。そんなのダメ。

Pくんの指が離れると、今度は濡れたタオルをあてられる。
ただ流しの水で濡らしただけなのに、すごく冷たく感じる。

30秒くらい経って、紙がふやけてきたら、
Pくんがアタシの肌と紙の間に爪を差し込んで、紙を剥がしてくれる。

Pくんはキレイに剥がそうと、ゆっくりゆっくり指を動かすから、
爪先で肌がくすぐられる、ほんのちょっとの感触が、くすぐったくて、
こんな先っぽだけの刺激なのに、しずまれ胸のリズム♪ なんて歌さながらに心臓が鳴っちゃう。
Pくんの邪魔をしないようガマンするの、もー大変だったよー。

そうして剥がし終わった後に、Pくんが手鏡でタトゥーシールの具合を見せてくれる。
うん、キレイに貼れてるじゃない☆ でも、まだオシマイじゃないんだな~。




8 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:30:18.79 ID:GvF7Vw9qo





最後の仕上げ。このままだと、肌とくらべてタトゥーシールがテカりすぎで、
いかにも『シールです!』みたいなニセモノ感が出ちゃってるから、
ツヤ消しパウダーでシールのツヤを落とすんだ。

もうここまで来たら、ちょっとぐらい腕が動いちゃったとしても、型崩れはしない。
でも、Pくんが耳かきのポンポンみたいな小さい棒で、パフンパフンとパウダーをはたいてて、
その肌にくる感触のせいで、アタシはそわそわしてたまらない。

二の腕から、肩だったり、首だったり、そわそわがいつの間にか広がってっちゃう。
わけわかんないよ。こんなあるんだかないんだかビミョーな感触でムズムズしてたら、
Pくんに変な子だと思われちゃうよー……あーそれは困る。

Pくんがしてくれると、アタシの肌に、ナニか気になってしょうがない感じが残っちゃうんだ。



思ったより手間取ったけど、やっとPくんにしっかりタトゥーシールいれてもらった。
二の腕にかかったクモの巣が、Pくんがアタシに残してくれた印みたいで、
眺めてるだけでも顔がニヤニヤしちゃう。いやぁー、やっぱり変な顔しちゃってたかなぁ☆



でも、二の腕に一ついれてもらっただけで、こんなになっちゃうんだったら、
みんながもっと注目するところへ、Pくんにいれてもらって、
それをみんなに見せびらかしたら、どんな気分がするかな?

そう言って、Pくんにもう一枚ねだったら、ダメだって言われちゃって、いれてくれなかった。
Pくんのケチー。タトゥーシールなら、お姉ちゃんのおかげでいっぱいあるじゃないー!




9 ◆Freege5emM [saga] :2014/12/01(月) 22:31:04.51 ID:GvF7Vw9qo




でも、この不思議と浮かれた気分もすぐ終わっちゃった。
タトゥーシールってさ、モノにもよるけど、けっこう熱に弱いんだ。

だから、オフロでちょっと熱めのお湯に触れると、少しずつ形がひび割れてきちゃう。
アタシがいれてもらった柄は、クモの巣だった。細かい線で模様を描いてるから、
ちょっとでも形が崩れると、全体がダメになる。

Pくんがつけてくれたものが、グズグズになっちゃうのが悲しくて、
アタシはシャワーを浴びせて、二の腕の肌からクモの巣を落とそうとする。
クモの巣の黒色は、往生際悪くへばりついてて、左手でこすり続けてやっと見えなくなった。

カラダのなかから、何かが抜け落ちちゃったような、ひどく寂しい感じがして、
二の腕では、シャワーの雫が弾けるのも、お湯の温度も感じなかった。

あーあ、また、Pくんにお願いしなきゃいけないなー。


(おしまい)


読んでくれた人どうも。



転載元:城ヶ崎莉嘉「Pくんに貼ってもらおう!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417440337/


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感想を述べようにもどう言ったらいいのか悩まされるssだな
目指すところがよく理解できなかったが、これはリカの心情を蜘蛛の巣の細かさ、タトゥー故の熱に弱いところを燃える恋心と絡めて書いたってことでいいのか?
[ 2014/12/03 04:15 ] [ 編集 ]
安部菜々「Pさんに貼ってもらいましょう!(湿布)」
[ 2014/12/03 17:39 ] [ 編集 ]
※39492
つ【ピップエレキバン】
[ 2014/12/04 21:38 ] [ 編集 ]
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