2014
06/12
木
1 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 21:36:54.60 ID:z8L7k1OV0
例えばの話
目の前に飲み物が置いてあるとする
1つはただの水で、もう片方は炭酸水
飲むとしたらどちらを取るだろうか
「お疲れ様です」
スケジュールは文字で埋め尽くされ
時間に余裕の無い毎日
家に帰り着く頃には、いつも空は真っ暗
それなりに人気も出ているのだろう
今日も1日の仕事を終え、仕事現場を出る
少し疲れている私が今どちらかを飲むとしたら…
炭酸水を選ぶだろう
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2 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 21:46:00.43 ID:z8L7k1OV0
「今日はどうだったか?」
「まぁまぁ…ですかね」
仕事現場を出る私を1人待つプロデューサーさん
ここ最近疲れ気味の私に
プロデューサーさんはよく気を遣うようになった
「無理はするなよ」
体が1番だからな
そう私に伝える
仕事が急激に増えた生活に
私自身まだ慣れていないようだ
3 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 21:55:03.27 ID:z8L7k1OV0
「喉…渇いただろ、何か飲むか?」
自動販売機の前に立ち止まり
プロデューサーさんは財布を取り出す
「そうですね…」
目の前に飲み物が並ぶ
温かいものから冷たいもの
コーヒー、お茶、炭酸、水…
いろいろある中で
「炭酸が飲みたいですね」
いつもはあまり飲まないものを、私は選んだ
「春香にしては珍しいな」
「えへへ…そんな気分なんです」
疲れた体を癒すにはちょうどいいだろう
4 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 22:09:52.89 ID:z8L7k1OV0
「体の調子はどうだ?」
「今は…大丈夫です」
疲れてはいるけど、特に異常はない
「無理はするなよ」
「これくらい平気です」
そうか…
そう呟くプロデューサーさんを私は見つめる
私がアイドルになってから数年
プロデューサーさんには沢山お世話になった
そのおかげでもあり、今の私がいる
必要以上に心配させるわけにはいかない
5 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 23:02:47.59 ID:LLVdRp6xO
「何か…食べにいかないか?」
必要以上にプロデューサーさんは私を気遣ってくる
プロデューサーさんがこうなったのはあの時から
………………。
今から2週間前
歌の収録中に私は倒れ、救急車で運ばれた私は
そのまま入院することになった
何か重い病気にでもかかったのかと
一時は不安になったものの
医師から伝えられたのは軽い貧血
私はすぐに退院することになった
6 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 23:08:37.92 ID:LLVdRp6xO
その時からプロデューサーさんは私に気を遣うようになった
いや、プロデューサーさんだけでなく
事務所の皆も…
「食べたいものは、今は特に無いです」
特にお腹が空いてるわけでもなかった私は
そのままわけを伝え、誘いを断る
「じゃあ今度食べに行こう」
それでもプロデューサーさんはしつこく私を誘おうとする
7 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 23:12:45.81 ID:LLVdRp6xO
何でここまで私に気を遣うのだろう
私はここ最近の皆に疑問を抱える
私の体に別状はない
特に悪いところもないし、心配するものは何も無いはず
私の親だって、最近私に優しくなった
「何でそんなに気を遣うんですか?」
率直な疑問をプロデューサーさんに伝える
「それはだな…」
私の質問に対しプロデューサーさんは言葉を詰まらせる
8 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 23:22:36.24 ID:LLVdRp6xO
何かがおかしい
最近皆私に優しすぎるよ
逆に不安になるじゃん…
………………
………………………
いや、本当はもう分かってるのかもしれない
私が認めたくないだけ
「プロデューサーさん」
「な、何だ?」
「本当の事を言ってください」
私が倒れたのは軽い貧血
そのはずだった
でも…私自身何か違和感を感じている
「私…実は知ってるんです、何で皆が私に優しいのか」
「………」
「だから、プロデューサーさんの口から聞かせてください」
「……いいのか?」
真剣に聞いてくるプロデューサーさんに私は頷いた
「……春香」
「はい…」
「春香はもう…」
「………………」
「あと1ヶ月なんだ」
「………………」
涙ながらに
プロデューサーは私を見て、そう言った
9 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/11(水) 23:36:55.81 ID:LLVdRp6xO
「カーーーット!」
「今の良かったよー!次のシーンもその調子でいこうか!」
春香「本当ですか!?やりましたねプロデューサーさん1発ですよ!1発!」
P「はは…俺自身信じられないな」
春香「プロデューサーさんがドラマの撮影に出るなんてびっくりしちゃいました!」
春香「しかも私と共演だなんて!」
P「はは…頑張ろうな」
春香「次いきますよ!プロデューサーさん!」
完
転載元:春香「過ぎ去っていく日々」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402490214/
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▼返信コメ
ふ、ふふんっ!…スンッ…じぶん…スンッ…カンペキ…スンッ…だからなっ!…ヒック…こんなのじゃ…スンッ…ダマされないぞっ!…スンッ!
[ 2015/11/26 12:05 ]
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あーびっくりした。余命一ヵ月の春香さんはいないんだね・・・よかった(つД`)