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2014 05/12

志保「永遠を月に載せて」





1 ◆km.GW4AuOk:2014/05/11(日) 17:35:13.15 ID:UTz0YjIWo


アイドルマスターミリオンライブ!のSSです

稚拙な文章であること、ご了承ください
指摘や感想など頂ければとても嬉しいです

のんびりゆっくり行きます








2 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 17:37:14.21 ID:UTz0YjIWo


-○年5月9日-


志保母「ふぅ…洗い物は、これでお終いね」


いつもの家事をこなし、一段落。
少し、休憩しましょうか。


志保母「はあー…」


休日の昼下がり。
一通りやることは終わり、気が抜けます。

今日、お父さんは何時に帰ってくるかしら?
晩御飯は何にしようかしらねー…。






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3 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 17:38:12.50 ID:UTz0YjIWo


志保「おかあさーん!」


まだ5歳の娘が、とてとてこちらに近づいてきます。


志保母「どうしたの、志保?」

志保「えへへー」

志保母「?」


何か企んでいる顔ね、これは。
よーく見てみると、後ろ手に何かを持っています。
まさか、脱皮した蛇の抜け殻とかじゃないわよね……。

少し身構えつつ、待ってみます。




4 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 17:38:43.67 ID:UTz0YjIWo


志保「…はい!これ!」

志保母「へ?」


小さな紙切れ。
お父さんのメモ帳から取ってきたのかしら。

中に書いてあるのは…。




5 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 17:39:21.79 ID:UTz0YjIWo



『 まっちーじけん
  あと5かりつカえます 』




6 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 17:41:36.34 ID:UTz0YjIWo


志保「おかーさんのひ!おめでとー!」

志保母「…!」


言葉が出ません。


志保「…おかーさん?」

志保母「あ、ごめんね、ちょっと疲れてて。マッサージ券、ありがとうね」

志保「だいじょーぶ?」

志保母「だいじょーぶ。そうだ、コレ、早速使っちゃおっかな」

志保「!ほんと!?」

志保母「ほんと。お願いします、志保せんせい」

志保「うんっ!」




7 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 17:45:20.82 ID:UTz0YjIWo


小さな拳で肩を叩いてもらいながら、幸せってこういう事かなぁと考えます。

さっきのメモ、きっと「まっさーじけん あと5かいつかえます」って書きたかったのね。

貰ったものよりも、こうやって一緒に居られることが、何よりも嬉しいです。




11 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:10:00.05 ID:UTz0YjIWo


-△年5月11日-


志保「どうしよう、こんなに遅くなっちゃった…」
ktzwsh.jpg


陽は既に沈み、光のもとは人家やお店のもののみ。
街に人気はほとんどない。


志保「それもこれも、全部静香のせいだわ、静香がプロデューサーさんに噛みつかなければもっと早く…」


いや。
私が我儘を言った部分もあった。
静香だけに責任を押し付けてはいけない。

それに、今更何を言っても仕方がない。
今はこの先の事を考えなくては。




12 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:10:45.40 ID:UTz0YjIWo


この先。


今日は、母の日。
いつも根を詰めて働いてくれている母に、少しでも感謝の気持ちを渡したい。


しかし、アイドル業の給料はほとんど家の生活費になっている。
収入元ではあるけれど、あくまで中学生、14歳の私が自由に使えるお金は多くない。


だから、お気に入りの雑貨屋さんに寄って、ハンカチでも買おうと思っていた。




13 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:12:11.23 ID:UTz0YjIWo


志保「何で、今日に限って『店主の都合で早仕舞いします』なのよ…っ!」


語気をかなり荒くしつつ、悪態をつく。
でも、本当にどうしよう。
他にプレゼントできる品物がある店なんて、一つも知らない…。


志保「……ん?」


前方に柔らかい光が差した。
青臭いにおい、同時に甘い香りも漂ってくる。

何だろう?
近くに寄ってみる。




14 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:13:11.92 ID:UTz0YjIWo


店員「いらっしゃいませー」


店の奥の方から、女性の声が聞こえる。
明かりで良く見えるようになった店の入り口には、沢山の鉢、そして色とりどりの様々な花。
こんなところに花屋があったなんて、知らなかった。


店員「あら。…北沢志保ちゃん、よね?」

志保「!…は、はい、そうです、けど」

店員「テレビ見てますよ。うちの娘が大好きでね、ファンなんですって」

志保「あ、えっと、ありがとうございます」


少し、気恥ずかしい。




15 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:14:15.71 ID:UTz0YjIWo


店員「そうだ、サイン貰ってもいいかしら」

志保「えっ?」

店員「あ、ダメだった?事務所の関係で出来ないとか?だったら…」

志保「いえっ、大丈夫です!」


意外だっただけだ。
確かに最近、テレビ出演も増えてきたけれど、まさかファンだと言って貰えるだなんて。
それに、サインを書いて欲しいと言われるなんて、思ってもみなかった。


店員「そう?ありがとう、ちょっと書くもの持ってくるから、待ってて」

志保「あ、はい」


奥の方へと消える女性。

手持ち無沙汰の私。
何とはなしに、周りを見渡してみる。




16 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:14:48.55 ID:UTz0YjIWo


志保「あれ、何だろ…」


やたらと目を引く青い花。
青というより、紫と言った方が良いだろうか。
白っぽい薄紫から、黒のように見える濃い紫まで幅広い。
何という名の花だろうか。

ぽーっと見惚れていると、ドタドタという音。
意識が現実に引き戻される。




17 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:15:22.84 ID:UTz0YjIWo


店員「ごめんなさい、手間取っちゃって。…えぇと、これにお願いできますか?」

志保「はい」


女性に色紙とマジックペンを渡され、サインを書く。
娘さんの名前も、書いた方が良いだろうか。


志保「あの、娘さんのお名前は?」

店員「千穂といいます」

志保「ちほ?」

店員「一、十、百、千、の千に、稲穂の穂です」

志保「千穂さん。えーっと…」


こういうのを書くのは初めてなので、何を書いていいか分からない。
そういえば、先輩方は「いつも応援してくれてありがとう」とか、書いていたような…。




18 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:15:48.94 ID:UTz0YjIWo


志保「……」



『千穂さんへ。
 いつも、応援してくれてありがとうございます。
                  北沢志保』


名前の横に、猫をモチーフにしたサインをつける。
可愛くて結構気に入っているのだが、静香やプロデューサーさんからは「私らしくない」と言われている。
それでも、このサインを変える気はない。
……やっぱり、可愛いから。




19 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:16:16.93 ID:UTz0YjIWo


志保「はい、どうぞ」

店員「わぁ、ありがとう。娘も絶対喜ぶわ。無理言って、ごめんなさいね」

志保「いえ。……あの、このお花」

店員「え?あぁ、これ。珍しいでしょ、青いカーネーションなの」

志保「青いカーネーション?」


ふふ、と少し茶目っ気を含む笑い方をする女性。
そんなに私の反応が面白かったのだろうか。


店員「どこかの…ナントカっていう会社が開発したものでね。『全てを優しく包み込む月の光』をイメージして作られたらしいわ。綺麗でしょう?」

志保「はい…思わず、見惚れてました」

店員「今日は何の日か知ってる?」

志保「母の日…ですよね」


母の日のプレゼントを探して駆け回っていたのだ。
当然、知っている。




20 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:17:33.04 ID:UTz0YjIWo


店員「アイドルで忙しいかもしれないけど、何かしてあげた?」

志保「それが…雑貨屋さんで何か買おうと思っていたんですけど、私が行った時にはもう閉まっていて」

店員「何も買えてないと」

志保「……はい」


だと思った、とでもいう風に女性は笑う。


店員「これ、お母さんにどうかしら?」


突然の提案に、少し驚く。
けれどそもそも、母の日にはカーネーションを贈るのが慣例だそうだから、何も間違ってはいないのだ。


でも…。




21 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:18:46.59 ID:UTz0YjIWo


志保「とても有難い提案なんですが、今ちょっと手持ちが…」


女性は驚いた様子で私を見る。
そして、


店員「あっはっはっは!」

志保「!?」


何がおかしいのか、突然笑い出す女性。
おろおろする私は置いてけぼりだ。




22 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:19:16.49 ID:UTz0YjIWo


店員「いいのよそんな、堅苦しい」

志保「いえ、堅苦しいとかそういうのじゃなくて…」

店員「だってほら、サイン書いてもらったじゃない、それで十分よ」

志保「で、でも…!」

店員「まあまあ、いいからいいから。サインのお礼…娘からだと思って、受け取って?」

志保「う…」


そう言われてしまうと、返す術がない。




23 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:19:50.43 ID:UTz0YjIWo


志保「えと…では、お言葉に甘えて…」

店員「じゃあ、ちょっと待っててね」


てきぱきと女性が青いカーネーションを包んでいく。


店員「はい、どうぞ」

志保「ありがとうございます」


綺麗にラッピングされたカーネーションを受け取り、礼を述べる。




24 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:20:27.12 ID:UTz0YjIWo


志保「……あ。あの」

店員「ん?何かしら」

志保「青いカーネーションって…花言葉とか、あるんですか?」

店員「えぇ、あるわよ」

志保「教えて頂いても良いですか?」

店員「青いカーネーション、ムーンダストっていうんだけど」

志保「ムーンダスト」


言葉を刻むように、反復する。


店員「ムーンダストの花言葉は、『永遠の幸福』」

志保「…本当に、ありがとうございます。それでは、失礼します」

店員「良かったらまたどうぞ」




25 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:21:16.08 ID:UTz0YjIWo


花屋を後にする。
風が吹くと、冷たい空気が身体を包み、身に纏っていた花の甘ったるい香りが離れていくのが分かる。


志保「…永遠の、幸福」


少し顔が緩む。
今度、あの店でスズランでも買おうかな。




26 ◆km.GW4AuOk [saga] :2014/05/11(日) 23:21:50.61 ID:UTz0YjIWo


お母さん、きっとまだ起きてるだろうな。
この青いカーネーション、喜んでくれるかな?




27 ◆km.GW4AuOk [sage] :2014/05/11(日) 23:29:43.25 ID:UTz0YjIWo


お粗末様でした
何とか、母の日中に間に合いました

さて、青いカーネーションですが、実際に開発されております
青というよりは、志保も言っている通り紫に近いのですが…


昔は一般に目にすることは少なかったそうですが、最近では一般的なものになりつつあるようです
私の周りでは全く見かけませんが


皆さんは何か贈られましたでしょうか
私はラファールなる抹茶色のカーネションを母に贈りました
まだ贈られていない方も、遅れても気持ちを込めればきっと喜んでいただけると思います

余計なお世話でしたね


それでは



転載元:志保「永遠を月に載せて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399797303/


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感謝に限らないけれどそれを伝える相手がいるってのは幸せなことだよ

俺は定番だが赤色のカーネーションを送ったぜ
[ 2014/05/12 14:22 ] [ 編集 ]
俺はいろんな花のハチミツあげた
花は長く持たないけどハチミツなら花言葉もずっと有効ではないかと

志保はお父さんが詳細不明だけどいないのは確かだから母の日ネタは来るものがあるな
なんのことはない話だけどグッと来た
[ 2014/05/12 23:23 ] [ 編集 ]
自分は菓子を渡したな~。まあ前日に買ったはいいが車の中に置き忘れたけどw
[ 2014/05/13 10:40 ] [ 編集 ]
何この暖かくて思わず笑顔になっちゃうコメント欄・・・

志保もまだ14歳なんだもんなぁ。偉いよ、ホントに。
[ 2014/05/13 16:56 ] [ 編集 ]
ホントに、コメント欄に癒やされた。
伝える相手がいる幸せって、素敵な言葉だなぁ。
[ 2014/08/04 23:01 ] [ 編集 ]
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