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2013 10/28

小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season4 第四十七夜




132 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:52:35.71 ID:vh84eG7po



第四十七夜 混雑


ほたる「では……本日もアイドル百物語のお時間です」
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茄子「さてさて、本日はどのようなお話が聞けるのでしょうか」
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小梅「今日のお話は、因果応報な……感じかな」
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茄子「ふむ。良いことには良い、悪いことには悪い報いを受ける、ですか」

ほたる「王道ですね」

茄子「実際には、聞いた方が結果からさかのぼって、原因をこうだろうと考えてしまうところもあるのでしょうけれどね」

ほたる「……たしかに」

小梅「うん……。実際には関係なかったりするかもしれないけど」

茄子「とはいえ、やはりなんらかの原因があったほうが心情的にはしっくりきますよね。怪談話の中には、意味もなく襲われたりもありますが……」



前スレ
小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season 4 第四十六夜
シリーズスレ
白坂小梅のラジオ百物語





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133 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:53:42.84 ID:vh84eG7po




ほたる「……理不尽ですね」

小梅「もともと人間の理屈が通じないというのは、あるね」

ほたる「あちらには、あちらの理屈があるのでしょうか……」

小梅「うん、たぶん……」

茄子「まあ、我々には理解できない理屈もあるのでしょうね。さて、今日のアイドルさんは?」

小梅「今日は……川島瑞樹さん」

茄子「なるほど。では、川島さんのお話です。どうぞお聞きください」





134 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:54:27.86 ID:vh84eG7po



川島瑞樹(28)
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○一言質問
小梅「オカルト系の番組のナレーションとか……したことある?」
瑞樹「あるけど……。何度も似たような文章を読まされるのが面倒なのよね、あれ」





135 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:55:48.01 ID:vh84eG7po



 今日はよろしくね、小梅ちゃん。

 さて……と。
 怪談だったわね。

 そうね。
 今回は、私がアナウンサーをしていた頃のことを話すことにするわ。

 小梅ちゃんもアイドルやっているからわかると思うけれど。
 テレビにしろ、ラジオにしろ、放送局には色々なスタッフがいるわよね。

 局の社員やアルバイト、どこかからの派遣、製作会社のスタッフ。
 あるいは撮影スタジオなら、そのスタジオの人間、とか。

 今回は、外部の製作会社のスタッフだったA君のお話。

 彼は年齢こそ私より下だったけれど、私が業界に入った頃にはすでに局に顔を出していたから、それなりの年季だったのではないかしら。
 製作会社のスタッフなんて、かけずり回るのが仕事みたいなものだけれど、その中でもフットワークが軽くて、よく動いていたわ。





136 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:56:59.12 ID:vh84eG7po



 そう、本当によく働いていたの。

 ただ、少し……周囲に都合良く働かされていた感じもあったわね。
 この業界にいるにしては、あまり精神的に強くない……有り体に言えば気弱な子だったから。

 そのことは当人も気にしていた様子で、飲み会なんかで、笑い話のようにして愚痴っていたこともあったわ。

 でも、それは彼の人当たりの良さの裏返しでもあって。
 良い部分を残しつつ克服するのは難しいと、当人もわかっていたと思う。

 そう……。
 わかっていたはずなのだけれど。

 さて、時が過ぎA君はこれまでよりさらに精力的に仕事をこなすようになって、しかも、その態度も自信たっぷりな堂々たるものに変わっていったわ。
 一皮むけたな、なんて言われるくらいだった。





137 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:58:24.52 ID:vh84eG7po



 ただ、同時にちょっとおかしなところも見え始めたのよね。

 たとえばこれは私が実際に見た光景だけど。

 局の倉庫に向かう廊下の前で、彼がなにかためらっているような顔をしている。
 どうしたのかと声をかけると、口ごもった後で、こんなことを言って行ってしまったの。

『ああ、いえ。廊下が混んでるみたいですから、ちょっとあっちから回ります』

 その倉庫には外からも回れるから、別にどちらを通ろうと構わないのだけれど……。
 目の前の廊下には人っ子一人いないのにそんなことを言われて、正直面食らったわ。

 後から聞いたところでは、似たようなことが何度か起きていたようね。
 どうしても遠回りする道があるとか、絶対にA君が近寄らない飲み屋があるとか。

 でも、その程度の習性、この業界には珍しいことじゃないでしょ。
 奇癖って言うほどでもないわ。
 験担ぎする人は、他の業界以上に多いところだし。

 だから、仕事に支障がない以上、誰も気にしていなかったのね。





138 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 20:59:26.42 ID:vh84eG7po



 ところが……。

 あるとき、A君が仕事に出てこなくなったの。

 当人から休むという電話が入るんだけど、それもおかしいのよ。
 なにしろ、その理由というのが、『部屋から出られないから』というのだから。

 一体なにを言っているのかと問い詰めると。

『部屋に人がいっぱいいて、ドアにたどり着けないから、外に出られない』

 と、こう返ってくる。

 話だけ聞くと、軟禁でもされてるように思っちゃうわよね。
 でも、そんな状況で電話なんかかけてくるわけもなし。

 わけがわからないけれど、製作会社としてはA君に急に抜けられると困るので、上司が彼の部屋に向かった。

 何度チャイムを鳴らしてもA君は出てこなくて、心配した上司は管理人さんに頼んで鍵を開けてもらったらしいわ。





139 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 21:00:46.21 ID:vh84eG7po



 でも、A君は部屋の中にいたのよ。

 部屋の隅で、壁に体を押しつけるようにしてぶるぶる震えてた。
 まるで、なにかから逃げようとするかのような姿勢で、ね。

 A君は部屋の中に入ってきた上司と管理人の姿を見ると、必死な顔をして叫んだそうよ。

『すいません。この人たちを僕の部屋から出してもらえませんか!』

 ってね。


 その部屋には、その三人以外、誰一人いなかったって言うのに。





140 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 21:02:09.16 ID:vh84eG7po



『卒塔婆をね、叩き折ってたらしいんですよ』

 A君が入院した、と聞いてその様子を尋ねたの。
 そうしたら、彼の部屋にも入った件の上司は、滅入った様子でそう教えてくれたわ。

 卒塔婆……お墓にあるあれね。
 塔のほうじゃなくて、板状のやつ。

 彼は夜な夜な墓場に忍び込んでは、卒塔婆を引っこ抜いてたたき割っていたらしいわ。

『一枚折るごとに度胸がついたって言ってましたよ』

 どれだけ罰当たりなことかしっかりわかっていて、それでもそれをやる自分に心酔する。
 実に歪んだマチズモね。

 だけど、彼はやった。
 それをやることで、強い自分になれると信じて。

 ところが、それをやっているうちに、A君は他の人が見えないものを見るようになった。


 たとえば、廊下いっぱいにたたずんでいる人の姿とか。





141 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 21:03:12.97 ID:vh84eG7po



 頭が崩れてたり、内臓をぶらさげてたり、焼け焦げて炭のようになっていたりする、『人』だったらしいけれどね。

『結局、部屋いっぱいに……。奴の視界のあらゆるところに、それはあふれて……。身動き取れなくなったようですね』

 彼が見ていたのが、いわゆる幽霊という奴なのか、それともただの罪悪感からの幻なのか。
 そのあたりは、私にはわからない。

 ただ、彼にとってそれはたしかに見える実在のなにかであったのよ。



 いまのところ、彼が社会復帰したという話は聞いていないわ。

 たぶん……。
 いまも、たくさんの人に囲まれ続けているのでしょうね。





142 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 21:04:59.74 ID:vh84eG7po




茄子「卒塔婆をたたき割るって……とても出来ない発想ですね」

ほたる「祟りとかそういうのを考える前に……。そもそも怖いですよね。お墓に忍び込んで……なんて」

小梅「でも……このお話の中の人にとってはその怖さも乗り越える対象だった……。結局はそれに取り憑かれたんだけど……」

茄子「見えているのが幽霊にしろ、そうでないにしろ……。彼は取り憑かれているってことですか」

ほたる「弱さを乗り越えようとして、間違った道を選んで……。そのことに取り憑かれて……」

小梅「うん……。そもそも卒塔婆を折ろうって、お、思う時点で……」

茄子「悲しいですね」

ほたる「……はい」

小梅「あと……これはあくまで個人的な予想だけど……。この人が見てたのは霊じゃないと、思う」

茄子「ほほう?」

小梅「だって……。霊が見えるだけじゃ、別に生活に支障はないし……。経験上」

ほたる「……ええと」

茄子「なにやら恐ろしい話になりそうなので、この話題はここまでとしまして、次のコーナーへ参りましょうか」

ほたる「はい。では、次は、墓地や埋葬にまつわる怪談を……」


 第四十七夜 終





143 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/10/27(日) 21:05:37.20 ID:vh84eG7po



 本日は以上です。
 今回はアイマス三大ミズキ(小早川、川島、真壁)の一人、川島さんでした。
 川島さんの中の人がやってる他のキャラの声を聞く度、ああ声優さんってすごいなと思います。





144VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage] :2013/10/27(日) 21:09:56.24 ID:Ls3oeDd20


卒塔婆を折るなんて罰あたりな事できんな
触るのすら躊躇するのに
乙です





145VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/10/27(日) 21:20:11.44 ID:ZWI38okDO



セイラさんはミズキに含まれないんですかい!







転載元:小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season4
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381326554/


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卒塔婆はあれ自体がお墓の役割も持ってるし、あふれ出ちゃったのかな

小梅ちゃんのようにコンタクトが取れればまだワンチャンあったのにな・・・
[ 2013/10/28 03:13 ] [ 編集 ]
霊じゃなくて念かね
荒らされた故人の念、その家族の死者を冒涜されたことによる念、卒塔婆を折った罪悪感から生まれた本人の念
それが体を得て見えちゃったとか
そもそも内蔵ぶちまけて死ぬ人なんて現実にはそうそういないし。
[ 2013/10/28 04:18 ] [ 編集 ]
まさに自業自得、自縄自縛というかなんというか
[ 2013/10/28 08:41 ] [ 編集 ]
しかし使い終わると単なる燃えるゴミなんだよな、卒塔婆。先週木曜日台風が接近する中お墓参りに行ってきたが、昔の公園にあったゴミ籠みたいな金属の籠の中に「卒塔婆はここに入れてください」と書いてあった。

しとしと雨の降る中、誰一人来ない…。
周りは死んだように静かだった。眠りを妨げてはいけない。
[ 2013/10/28 09:33 ] [ 編集 ]
類話で、度胸を付けようと墓石を倒すってのがあったな
罪悪感からか、「罰を支払う」と言って自分の腕を潰すってオチ
[ 2013/10/28 10:25 ] [ 編集 ]
マンキンが流行ってる頃に近所の悪ガキがチャンバラに使ってたな
霊園によっては二三十年ものをそのまま置いといて新しいのを足してくとこもあるから何かしらの物が憑いてるのかもしれない
[ 2013/10/28 12:21 ] [ 編集 ]
稲川淳二の怪談だと墓石を押して倒す趣味の奴がいて
いつものように押して倒してたら墓穴にスポンと入っちゃって中に居た人間と目があったってのがあったな
当然その墓穴の中には骨壺しかなかったというオチだった
[ 2013/10/28 21:02 ] [ 編集 ]
そもそも墓場自体があんま近付きたくないなぁ~
[ 2013/10/28 21:09 ] [ 編集 ]
昔、卒塔婆で攻撃する罰当たりなヒーローがいたが、祟られたりしなかったのだろうか?
[ 2013/10/28 23:49 ] [ 編集 ]
何故か、FFX-2のクリーチャークリエイトの
死の宣告を使える契約して、それで軽く復讐するつもりだったのが―――
って話の結末が思い浮かんだ。

強気になりたい⇒(※)⇒卒塔婆折り
みたいな、(※)の部分に何かが有る様な雰囲気
[ 2013/10/29 00:45 ] [ 編集 ]
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