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2013 09/03

小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season3 第三十夜 



80 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:01:21.82 ID:yayFjs3Ho



第三十夜 潜む者


茄子「さて、本日もアイドル百物語のお時間となりました」
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ほたる「今日は……どんなお話が聞けるのでしょうね」
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小梅「今日は……芸能界のお話?」
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茄子「ほうほう。身近な話題ですね」

ほたる「でも……昔からテレビ局とか劇場での幽霊話って……多いですよね」

小梅「うん。深夜までずっと人がいるし……。映像や音声も扱うから……かな」

茄子「それにこの番組のように怪談番組もありますしね」

ほたる「引きよせられて……来ちゃうんでしょうか」

小梅「どう……かな? どっちかというと見えやすいだけ、かも」

ほたる「そう、なんですか?」

小梅「感受性の強い人のほうが……やっぱり見えやすい」

ほたる「……なるほど」





前スレ
小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season 3 第二十九夜
シリーズスレ
白坂小梅のラジオ百物語





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81 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:03:15.50 ID:yayFjs3Ho




小梅「それに……実際には見えなくても気配だけで、イメージを描いちゃうこともある」

茄子「普通の場所なら形にならないものも、想像力豊かな人によって形になっちゃうってことですかねぇ」

小梅「も、もちろん、芸能界というのが、現代の……語り部になってるっていうのも、大きいけど……」

ほたる「情報発信の力ですか……」

茄子「そのあたりは、ネットの発達によって変わってきている部分もありそうですね」

小梅「うん。都市伝説とか……ね。でも、やっぱり語り口の上手い下手はあるから……」

ほたる「それは……この業界の人のほうがたしかに……」

茄子「そうですねえ……。ところで、今回のお話はどなたから?」

小梅「岡崎泰葉……さん」

ほたる「なるほど……。泰葉さんは芸歴も長いですしね」

茄子「ほたるちゃんも私たちより先輩さんですけどねー」

ほたる「や、やめてください。私なんか……。え、ええと、岡崎泰葉さんのお話です、どうぞ!」




82 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:03:48.32 ID:yayFjs3Ho



岡崎泰葉(16)
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○一言質問
小梅「過去に戻れるとしたら……いつに戻りたい?」
泰葉「それは……。いえ、戻らなくていいです。いまが、いいです」




83 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:05:37.61 ID:yayFjs3Ho



 小梅ちゃん、こんにちは。

 怪談のお仕事、楽しそうですね。
 ええ、私も聞かせてもらっています。
 放送時間に聞くのはきついので、録音ですが……。

 え、いや、別に昼間じゃなきゃ怖いわけじゃなく……。

 ええと、怪談、でしたね。

 どんなお話でもいいという話でしたが……。
 はい。
 そうですか。

 これは、メインのお話とはそこまで関係ないことですが、人の情念って恐ろしいですよね。
 特に、なにかを好きになる、嫌いになるってのは、とても強い思いで……。

 それだけに恐ろしいと思います。




84 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:07:19.97 ID:yayFjs3Ho



 小梅ちゃんも、ファンレターもらいますよね。
 あれ、プロデューサーさんやスタッフの人が選り分けているって、知っていますか?

 ええ、そうです。
 カミソリとか、おかしなものが入ったものを避けるためですね。

 まあ、実際は、顔写真とか、携帯メールのアドレスとかを排除するほうが数としては多いんですが……。

 え?
 ああ、アイドルとファンという形を逸脱して、個人的に親交を深めるのは避けるべきだ、と思う事務所は多いんですよ。
 それでです。

 ともあれ、基本的には妙なものは私たちの目には入らないようになっているんですが……。

 私、一度見たことがあるんです。

 当時のマネージャーさんが、大きな封筒の中から、ごっそりと……人の髪の毛の束を取り出すところ。
 それは私宛てではなく、同じマネージャーさんが担当していた女優さんへのものでしたが……。




85 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:08:08.27 ID:yayFjs3Ho



 本当にぞっとしたのは、髪の毛に、血まみれの皮膚の断片らしきものがついていたことですね。

 ええ……。
 自分でむしりとって送ってきたんでしょうね。

 それほどのことをさせる感情っていうのはどれほどのものか……。
 いまではそちらのほうが背筋を冷やします。


 さて、そんな情念渦巻く芸能界ですから、色んな事があります。
 おかしなこともあれば、確かにあるんだろうなと納得するようなこともあります。




86 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:09:22.82 ID:yayFjs3Ho



 たとえば……。

 自動販売機ってありますよね。
 ええ、ジュースとかコーヒーとか売っている、あれです。

 テレビ局やラジオ局の局内にも、自販機コーナーがあったり喫茶スペースに置いてあったりしますよね。
 その近くには、飲み終えたカップやペットボトルを捨てるゴミ箱があるのが通例ですよね?

 ところがあるテレビ局のとある階の自販機横には、ゴミ箱が一つも無いんです。

 それどころか、廊下には一つもゴミ箱が置かれていない。
 控え室や、スタジオの中にはあるというのに。

 なんでだと思います?




87 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:10:29.12 ID:yayFjs3Ho



 実は『覗いてくる』んだそうですよ。

 はい。
 ゴミ箱の中から。

 あの、カンやペットボトルを入れる、丸いところから。
 小さな子供が興味津々の様子で。

 もちろん、ゴミ箱を開いてみても、子供なんていません。そもそも入れる場所もありません。

 でも、その階にゴミ箱を置くと、必ず、子供が覗いてくるんだそうです。
 入れるはずのない小さな暗闇の中から、二つの目がじーっと。




88 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:11:00.85 ID:yayFjs3Ho



 でも、不思議じゃないですか?

 それなら、スタジオや控え室にはなんでゴミ箱が設置されているんでしょうか。
 私はその話を聞かせてくれた顔なじみのディレクターさんに尋ねました。

 彼はこう言ってましたよ。

『だって、あんたら、見られ慣れてるだろ?』

 って。




89 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:12:36.68 ID:yayFjs3Ho




ほたる「これって……」

茄子「私たちも知ってる局、ですかね?」

小梅「うん……。場所も聞いてきた」ゴニョゴニョ

ほたる「うわっ。……あそこですか」

茄子「……もうあそこでゴミ箱のほう見られませんね」

小梅「口が完全に開いているゴミ箱だと現れないみたいだから……」

ほたる「それなら……まだましですかね」

茄子「狭い断面が、どこかとつながってるとかなんでしょうか……?」

小梅「……わからない。悪戯したいのかもしれないし……」

ほたる「うーん……」

茄子「先に語られていたのもさらりと怖かったですけどね」

小梅「う、うん……。プロデューサーさんたちは……大変」

ほたる「そうですね……。いつもありがとうございます」

茄子「裏方さんたちの苦労というのはなかなか表には出ませんからね……」

ほたる「本当に……。さて、次のコーナーでは、各分野を支える裏方の方たちが主役となる怪談、都市伝説について……」


 第三十夜 終




90 ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/02(月) 23:13:10.44 ID:yayFjs3Ho


本日は以上です。
先輩の知る芸能界の闇(超常)。




91以下、新鯖からお送りいたします [sage] :2013/09/02(月) 23:17:08.08 ID:V4F/wR8C0


髪の毛の話でゾクッとした
乙です




92以下、新鯖からお送りいたします [sage] :2013/09/02(月) 23:35:27.96 ID:9Jw0mUw4o


乙……こえぇ

半開きの扉から覗く人、とかも結構鉄板だよね



転載元:小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377432933/


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闇に飲まれよ!(お疲れさまです!)
[ 2013/09/03 03:00 ] [ 編集 ]
なんか怖かった!
ぞくっとしたよ…。
[ 2013/09/03 03:15 ] [ 編集 ]
オチがうまいねぇ
[ 2013/09/03 04:16 ] [ 編集 ]
一言質問が実に先輩らしいねぇ

前座の髪の毛の方がこええよw
[ 2013/09/03 04:19 ] [ 編集 ]
岡崎先輩の話だと怪談より芸能界の裏話や裏事情の方が余程怖そうだ
[ 2013/09/03 07:53 ] [ 編集 ]
こわい、こわいです
[ 2013/09/03 10:22 ] [ 編集 ]
実はその正体は座敷わらし系で、
局が軌道に乗り出した辺りから目撃例が出てたから
縁起担ぎでその子が覗けるゴミ箱をあえて置き続けてる。
―――とかだとこの話(後半部分)の色が変わるなーって。

No.25247
オカルトだったりオカルトじゃ済まなくなったりするだろうがな
[ 2013/09/03 10:26 ] [ 編集 ]
なんかジョジョ六部のエンポリオを思い出すな。
子供は好奇心旺盛だから下手すると付いて来ちまうぜ
気を付けよう
[ 2013/09/03 11:15 ] [ 編集 ]
髪の毛の話は七六五(仮)思い出した

確かにスタジオとか劇場は霊多いって聞くなあ
[ 2013/09/03 12:38 ] [ 編集 ]
>え、いや、別に昼間じゃなきゃ怖いわけじゃなく……。
かわいい
[ 2013/09/03 13:20 ] [ 編集 ]
髪の毛はシャレにならん……
幽霊より生きた人間のが怖いって言うのは本当なんだなぁ……
[ 2013/09/03 20:23 ] [ 編集 ]
※25281
まぁ神仏霊魂魑魅魍魎なんて人間がいなかっなら存在してないんだし、
それらを創造した人間の方が圧倒的に怖いわな~
[ 2013/09/04 07:31 ] [ 編集 ]
エンポリオさんかと
[ 2013/09/04 14:51 ] [ 編集 ]
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