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2013 06/21

小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season 2 第二十二夜




147VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:22:13.77 ID:nV2VT0qvo



第二十二夜 花売り婆


茄子「さて、本日もアイドル百物語のお時間となりました」
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ほたる「……突然ですが、本日は、ゲストの方々が来てくれています」
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小梅「トライアドプリムスのみなさん……です」
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凛「こんばんは、渋谷凛だよ」

加蓮「やほー、北条加蓮です」

奈緒「凛、加蓮とアタシ、神谷奈緒でトライアドプリムス。よろしくね」

小梅「いらっしゃい……ませ」

三人「お邪魔しまーす」

ほたる「それにしても……。なんというか、密度高いですね」

茄子「普段の倍ですからねー」

凛「いきなりでごめんね」





前スレ
小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season 2 第二十一夜
シリーズスレ
白坂小梅のラジオ百物語





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148VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:23:06.36 ID:nV2VT0qvo




加蓮「告知もなしだもんねー」

茄子「いえいえ、賑やかで楽しいですよ」

ほたる「……普段が静かですからね」

奈緒「まあ、怖い話するのに賑やかなのもどうかと思うけど……」

小梅「でも……百物語は、元々みんなでこうしてわいわいやる……もの」

凛「そうなんだ」

加蓮「じゃあ、これはこれでいいのかな」

小梅「うん。……楽しい」

奈緒「……喜んでくれてるなら、いっか」

ほたる「ええと……アイドル百物語については、今日から三回はトライアドプリムスの皆さんのお話、ということですよね?」

茄子「そうなります。早速ですが、本日のお話をお願いできますか?」

凛「今日は私の話だよ」

ほたる「どんなお話なのでしょうか。では、お聞きください」





149VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:24:42.55 ID:nV2VT0qvo



渋谷凛(15)北条加蓮(16)神谷奈緒(17)
rnnokrn


○一言質問
小梅「この世で一番……怖いものってなんだと思う?」
凛「孤独」





150VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:25:49.64 ID:nV2VT0qvo



 それじゃ、私から行くね。

 小学校の頃って、色んな噂が流れなかった?
 それこそ、都市伝説ってやつ。
 うん、口裂け女なんて典型だよね。

 うちの小学校でも結構あったんだ。
 それこそ口裂け女とか厚みのない人間みたいなどこにでもあるやつもあれば、他の地域では聞くことないだろうなっていうやつも、あった。

 そんな話の一つに、花売り婆ってのがあってね。
 男の子だけが出会う怪人ってことになってた。

 それはね、こんな話。

 学校からの帰り道、一緒に下校した友達と別れて家に向かおうとする時。
 一人になったところで、細い声がかかる。

『お花はいかが?』

 どこから聞こえたのかよくわからない響き方をするその声。
 男の子は当然きょろきょろと辺りを見回すよね?

 すると、さっきまで向かっていた道の先……自分の家に向かう方向に、白いドレスを着た女の人がいることに気づくんだ。





151VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:26:43.74 ID:nV2VT0qvo



 それまでそっちを向いて歩いていたんだから、見落とすはずもないのに、いきなりそれは現れる。

『お花はどぉう?』

 見ると、その人は真っ赤な薔薇を掲げている。
 その顔が隠れてよく見えないほどの大輪の薔薇。

 男の子が異様な雰囲気に答えられずにいると、するすると女の人が近づいてくる。

『お花、あげるよ』

 薔薇の花を差し出したことで露わになったその顔を見れば、しわくちゃのおばあさん。
 にやあと大きく口を開いて、ぼろぼろに歯の欠けた笑顔をみせつけてくる。

 そこで花を受け取ったら、そのおばあさんに連れていかれちゃう。
 拒否したら、薔薇を目に突き刺されて眼球をえぐり出される。

 そんな、あり得ないような噂。

 もちろん、薔薇を突き立てられた子なんていなかったし、連れ去られた子もいなかった。
 そんなことあったら、警察が動くもんね。





152VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:28:03.54 ID:nV2VT0qvo



 ただ、噂だけがあって、男子たちの間では怖がられてた。

 女子は、そんな男の子たちを変な噂を信じてってばかにしてたけど、私は知ってた。
 そのおばあさんは実在しているって。

 だって、そのおばあさん、うちの花屋で毎日薔薇を買っていたから。

 深紅の大輪の薔薇を、一輪だけ。
 それを毎朝買っていってた。

 たしかに、ちょっと歯は欠けてたし、年齢の割に若々しい洋服を着ていたけど……。
 別に悪い人には見えなかった。

 それが、噂の中では、目に薔薇を突き立てる鬼婆になってしまう。

 怖い話ってこうして出来るんだなあ、不思議だなあ、って私はそう思ってた。

 ああ、まあ、わざわざ否定して歩こうとは思わなかったよ。
 そんなことすれば余計に噂が燃え広がるだけだろうって、そう思ったから。
 さすがに高学年にもなったら、そんな話、どっかへ消えちゃってたしね。


 でもね。





153VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:29:27.93 ID:nV2VT0qvo



 こないだ……って言っても高校に上がった頃だけど、お父さんに聞いたんだ。

 あのおばあさんは本当に子供を誘拐しかけたことがあったんだって。

 お父さんが言うには、元々あの人は花売りだったんだって。
 花屋じゃなくて……隠語で言われるほう。

 知ってるかな。
 花を女の人にたとえて……売春をそう呼ぶって。

 と、ともかく、あのおばあさんはそういうことをしていて……。
 男の人との待ち合わせの目印に、薔薇の花をつけるようにしていたらしいんだ。
 髪に挿したり、ポケットに入れたりして、自分が……その相手ですよって示してたんだって。

 ただ、それはずいぶん昔のことで、その手の仕事から足を洗って、その後、結婚したようなんだよね。

 そのあたりは、お父さんもよくわからないみたい。
 たぶん、そういう過去がある土地を離れようとしたんだろうね。

 でも、その結婚で出来た男の子を事故で亡くしてしまって、旦那さんとも別れて戻ってきた。
 それ以来、また、薔薇を買いに来るようになったらしいんだ。





154VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:30:18.54 ID:nV2VT0qvo



 もちろん、もう体を売るようなことはしていなかったみたいだけど……。

 その代わりに、亡くなった子と同じくらいの男の子をじーっと見てる姿がよく目撃されてたみたい。

 そしてね、私の周りで噂が駆け巡ってた、その少し後。
 おばあさんは男の子を誘拐しようとして取り押さえられたんだって。

 未遂だったこと、それに、精神が不安定であることから、罪にはならなかったみたいだけどね。

 少なくとも、それ以来、おばあさんはどこかへ姿を消してしまった。
 行政がしかるべき施設に入れているだろう、ってお父さんは言っていたけどね。

 怪談話が本当になっちゃったのか。
 そういう人だから怪談話が生み出されたのか。

 どっちなんだか、私にはわからない。





155VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:30:44.94 ID:nV2VT0qvo



 ただ、さ。

 この怪談話、大人たちも当時から知ってたはずなんだよ。

 子供たちがしていたのはたわいもない噂話だけど、その裏にあるものを、大人たちは知っていた。

 知っていて黙っていたし、なにもしなかった。

 それが……。
 そのことが……私には、とても怖い。





156VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:31:23.23 ID:nV2VT0qvo




加蓮「うーん……」

奈緒「周りの大人も無責任に放置してたってわけじゃないと思うけどな……」

凛「別にそうは言ってないよ。ただ……。なんていうか……」

茄子「しっくりこない?」

凛「……うん。そうなのかもね。もっと……何とか出来たんじゃないかって……」

ほたる「まるで周囲が追い詰めたかのような……?」

奈緒「それは大げさじゃないかなあ」

加蓮「いや、でもさ……」

小梅「り、凛さんは……その人に良い印象をもっていたから……余計、かも?」

凛「ああ、うん。そうかもね」

茄子「知っている人が悲しい状況に陥ったなら、いろいろと考えてしまうのもわかります」

凛「うん。知っているって言っても……ただ、何度も見ていたって程度ではあるんだけど、ね」

奈緒「なんにしても……誘拐が成功しなくて良かったよ」

ほたる「それは……そうですね」





157VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:31:59.79 ID:nV2VT0qvo




加蓮「きっと、おばあさんにとっても、ね」

凛「……うん」

小梅「ただ……。おばあさん自身はいなくなっても、怪談としては生き残る……かも」

茄子「むしろ当の人物がいなくなったからこそ、噂が一人歩きしそうです」

ほたる「……兄弟に聞いたんだけど……という感じ、ですか」

小梅「もしかしたら……だけど」

凛「なるほど……。もう関係ないけど、あんまりひどいことにならないといいな」

茄子「そうですね。さて、それでは、トライアドプリムスの皆さんにはこの後のコーナーにもおつきあいいただきます」

奈緒「はーい。ええと、これ読めば良いんだよね? 次のコーナーでは、有名な口裂け女についての考察を……」



 第二十二夜 終





158VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/06/21(金) 00:32:51.04 ID:nV2VT0qvo


本日は以上です。
いきなりですが、トライアドプリムスの三人の話が書けそうなのでゲストに来てもらいました。





転載元:小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 Season 2  
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370268734/


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AFTER モバP「十七歳になれる薬?」

BEFORE 川島「わかる!わかるわ!!この世の全てが!!」

来たーっ!
[ 2013/06/21 03:25 ] [ 編集 ]
奈良県西部育ちなんだけど、「チューリップハットのオッサン」って噂が小学生の頃あったのを思い出したわ
まんまノッポさんだったんだけどね…
[ 2013/06/21 04:40 ] [ 編集 ]
俺の田舎はこの手の話で地域特有なのは無かったなあ~
人面犬だ花子さんだもっと昔なら口裂け女だとか、結局は外から入ってきた話ばっかで、
それが『実はこの学校でも…』的なアレンジ加わったようなの。
防空壕がどうたらも小学校の頃あったけど、そもそも疎開地にすらならないくらいのド田舎だったから、
空襲以前に飛来した事すら無かったという。
でも、成人してから思うが実は地域特有の言い伝え話があったのかもなあと。
[ 2013/06/21 06:44 ] [ 編集 ]
悲しいなぁ…(諸行無常)
[ 2013/06/21 07:01 ] [ 編集 ]
何と言うか、後味が悪いなぁ……
[ 2013/06/21 08:04 ] [ 編集 ]
こういう現実的な話は本当にこわい
次回も期待 加蓮は病弱で臥せってた時期も長いから、そのへん期待、かな?
[ 2013/06/21 08:22 ] [ 編集 ]
口裂け女で思い出したが
4、5年前に親戚の子と話した時に口裂け女の噂話があるって聞いてビビったよ
いやまぁ自分らの世代よりずっと前にもあったはずだし、今残ってても不思議じゃないんだろうが…
こういうメジャーな怪談系噂話はもしかしたら永遠に消えないもんなのかもなぁ

そうなると、こういう事実が捻じ曲がった類の噂話の元になった人は永劫救われないのだろうなぁ
[ 2013/06/21 11:25 ] [ 編集 ]
口裂け女の話は実は江戸期からある。
[ 2013/06/21 12:24 ] [ 編集 ]
じゃあ何かするか?っていうと、その結果はお節介か正義厨なんだよな。
あと、この話上だと噂の内容がこれも怪奇ってよりも、『同世代が弄んだ風評』に
『常連さん』が引き込まれたという前提で目の当たりにした出来事に、
独りで抱えてしまった凛自身(いち少女)の懺悔の話みたいな内容だな。と思った

No.22134&No.22136
妖怪の類から医療ミス被害者、今も在るなら由来もそのままなんだろうか?
[ 2013/06/21 12:53 ] [ 編集 ]
確か口裂け女の元祖は米22136が言ってるように江戸時代だったかの昔に
女性が峠向こうの町の男とひっそりと会うために、山賊だとかに襲われないように
口の裂けたように見える化粧をして頭にろうそくを立てて夜の峠を歩いているところを
実際に目撃した人が「ありゃ妖怪だわ」って流布したのが始まりとか聞いた気がする。
うろ覚えでごめんね。

都市伝説として語られる口裂け女は岐阜が発祥だったけ?
地元だけど特に他の地方との相違点は無かったかな。
[ 2013/06/21 15:01 ] [ 編集 ]
横浜ローザを思い出した
[ 2013/06/21 16:38 ] [ 編集 ]
現役であった可能性が微レ存
でもなく、やり手ババアですらなく現役というのは
間々あるらしい
[ 2013/06/21 20:46 ] [ 編集 ]
※22127
加蓮だと怪談物の定番だけど病院絡みだろうな
[ 2013/06/21 21:29 ] [ 編集 ]
しかし、いろいろとよく書けるもんだ。感心する。
[ 2013/06/21 22:04 ] [ 編集 ]
みんな、学校であった怖い話の飴玉おばさんを思い出したりしてないか
[ 2013/06/22 00:38 ] [ 編集 ]
お前ら詳しすぎぃ!!
[ 2013/06/22 14:45 ] [ 編集 ]
どうでもいいが、最初の凛の質問の回答がじわじわくる
[ 2013/06/22 20:56 ] [ 編集 ]
寂しがり屋なんだよ。
[ 2013/06/22 21:29 ] [ 編集 ]
ドンピシャで飴玉婆さん思い出したわ
舌を切り取って交換しちゃうルートが好きだった
[ 2013/06/24 02:46 ] [ 編集 ]
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