2012
04/09
月
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:07:30.73 ID:8pOW85mC0
高木「…ついにここまで来たねえ」
赤P「はい」
高木「こうなると私にも感慨深いものがあるよ」
青P「恐縮です」
高木「…これも全てきみたちのおかげだと思っている」
黄P「やーだなあ社長!水くさいっすよ!」
高木「いや、ははは…」
高木「…ライブ、絶対に成功させよう!」
Pたち「「「はいっ!」」」
第13話『そして、彼女たちはきらめくステージへ』
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5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:12:13.77 ID:8pOW85mC0
赤P「…うん、曲順はこれで…」
青P「ここで如月さんにトークをしてもらいましょう」
黄P「千早にぃ?サービス精神ほとんどゼロのあいつにか?」
青P「いいえ、最近の彼女は違いますよ」
赤P「まあ春香も一緒だから、なにかあったらフォローしてくれるだろ」
黄P「千早も巻き込んでコケるとかは勘弁してほしいなー」
青P(如月さん…)
青P(あなたが書きこんだ72冊のダジャレノートは裏切らないはずです…!)
青P(健闘を…祈ります…っ!!)
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:18:59.60 ID:8pOW85mC0
-楽屋-
千早(私も少しでもライブを盛り上げるためになにかできないかとプロデューサーに相談したら)
千早(ゲリラダジャレショーを提案された…)
千早(…)
千早(…大丈夫かしら)
春香「ちーはーやーちゃん!」
千早「は、春香…」
春香「大丈夫?緊張してる?」
千早「…ええ、そうね…だいぶ緊張してるわ」
春香「えへへ…私もだよ」
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:23:38.86 ID:8pOW85mC0
春香「でもあれだけレッスン頑張ったからね、きっと大丈夫だよ!」
千早「…そうね、頑張りましょう」
真「…それにしても、竜宮小町は間に合うのかな」
雪歩「前のお仕事も、時間に余裕があるようにはしたらしいけど…」
貴音「…なにやら、嫌な予感がしますね」
響「なんだか不安になってきたぞ…」
美希「うーん、でも、心配してもなにも変わんないよ?」
真美「うん、今は真美たちにできることをやんないと!」
やよい「うっうー!そうですよ、準備しましょう準備!」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:27:17.26 ID:ZcW1h90L0
もう書き溜め終わったのか?
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:28:33.94 ID:8pOW85mC0
春香「…うん、そうだね!」
千早「各自、必要な準備をしましょう」
ワイワイ ガヤガヤ
赤P「…うん、わざわざハッパかける必要も無いな」
青P「…はい、はい…」
青P「…本当ですか、それはまずいですね…」
赤P「…?」
青P「わかりました、できるだけ急いでみてください」
青P「…はい、それでは」ピッ
14 : >>11 全部は終わってないんですが、1スレじゃ25話までいかないので途中まで投下予定です:2012/03/18(日) 13:34:59.91 ID:8pOW85mC0
赤P「…どうしたんだ?」
青P「竜宮小町が出先で台風による渋滞にみまわれたそうです」
赤P「…それってもしや」
青P「…ライブ開始に間に合わないかもしれません」
赤P「まずいなそれは…」
青P「ですが、まだ遅れると決まったわけではありません」
赤P「ああ、それじゃあセットリストを少し変更して…」
青P「実はもう頭に浮かんでいます」
赤P「仕事はえー」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:39:38.88 ID:8pOW85mC0
青P「…うん、これで大丈夫でしょう」
スタッフ「了解です!すいませーん、セトリ変更でーす!」
ドタドタ バタバタ
赤P「成功の確率は?」
青P「……60%、でしょうか」
赤P「…あとはアイドル達次第だな」
青P「彼女たちに期待しましょう」
赤P「ところで黄羽根は?」
青P「バイクで竜宮小町を迎えに行ってます」
赤P「行動はえー」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:45:32.72 ID:8pOW85mC0
-竜宮小町、車内-
律子「く…こんな渋滞するなんて…」
あずさ「困りましたね〜…」
亜美「…間に合うのかなあ」
伊織「…なによ、どれだけ頑張っても…!」
伊織「みんなに見てもらえないんじゃ意味無いじゃない!」
あずさ「伊織ちゃん…」
コツコツ
亜美「窓に石でも当たってるのかな…」
亜美「!!!」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:51:01.02 ID:8pOW85mC0
亜美「い、いおりん!窓!窓!」
伊織「…別に窓なんて見ても雨しか…」
伊織「!!!」
律子「き、黄羽根P!?」
ウイィーン
伊織「あ、アンタなんでこんなところにいるのよ!」
黄P「バイクで来た」
伊織「手段を聞いてるんじゃないわよ!」
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 13:56:12.30 ID:8pOW85mC0
黄P「バイクならどうにか間を縫って行ける、このまま車でのんびり旅行するよりマシだ」
伊織「マシってアンタ…!ずぶ濡れじゃない!」
黄P「そりゃそうだ、台風の中かっとばしてきたんだからな」
伊織「…ああもう!バカなんだから!」
黄P「それで…バイクだから一人ずつしか送れねえんだ」
伊織「…それじゃ結局ダメじゃないの」
黄P「この中で一人でもステージをつなぐ自信があるのは誰だ?」
伊織「!」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:03:31.34 ID:8pOW85mC0
黄P「今からならせいぜい30分遅れで会場に着く」
黄P「竜宮小町が一人でもいれば場は盛り上がるだろ、そこからできるだけ急いで残りの二人を迎えに行く」
黄P「まあ俺としては二人乗りのうしろはあずささんがいいんだけどな」
あずさ「あらあら〜」
伊織「…私が行く!」
亜美「いおりん!」
黄P「できんのか、お前に」
伊織「できるわよ!竜宮小町のリーダー、水瀬伊織ちゃんに向かって生意気な口たたくんじゃないわよ!」
黄P「へへ、おらヘルメットだ」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:09:12.20 ID:8pOW85mC0
黄P「そんじゃ律子、行ってくるわ」
律子「…お願いします、事故だけには気をつけて」
黄P「おう、任せとけ」
伊織「…ねえ」
黄P「あ?」
伊織「…大丈夫なんでしょうね」
黄P「大丈夫に決まってんだろ?俺はお前の元プロデューサーだぞ?」
黄P「いいか伊織」
伊織「…?」
黄P「お前が信じる、俺を信じろ」ドヤァ
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:16:30.11 ID:8pOW85mC0
あずさ「行っちゃいましたね〜」
律子「…良かったんですか?伊織で」
亜美「今の竜宮小町の中で一番実力があるのはいおりんだもん、仕方ないよ」
あずさ「それに、センターの振り付けを覚えてるのは伊織ちゃんですから…」
律子「それは、そうかもしれないけど…」
あずさ「あと、あんなこと言ってましたけど」
亜美「…黄色の兄ちゃんが一番信じてるのはいおりんだもんね、悔しいけど」
律子「…二人に、期待しましょう」
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:21:14.94 ID:8pOW85mC0
-ライブ会場-
「次、次の曲は!?」
「す、スカートが破けたー!」
「うあうあー!これどうすんの→!?」
赤P「み、みんな、落ち着け!って言ってもダメか…!」
真「ぷ、プロデューサー!」
赤P「どうした!?」
真「このあとの曲順なんですけど…!」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:27:17.45 ID:8pOW85mC0
赤P「これは…美希が続いて出ることになるな…」
響「い、いくら美希でもこのダンサブルな曲を2曲続けては無理だぞ!」
真「た、確かに…このダンサブルな曲を続けては…!」
赤P「くっそ…!ダンサブルすぎるだろ…!」
響「ダンサブルさー…」
真「ダンサボゥ…」
美希「3人ともダンサブル言いたいだけじゃないの?」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:34:16.59 ID:8pOW85mC0
美希「今の美希ならできるの…ううん、やらせて!」
赤P「だ、だけど…」
青P「やらせてあげてください」
赤P「青羽根…!」
青P「…星井さん、できますね?」
美希「うん!」
赤P「…わかった、真と響はサポートに入ってくれ」
真「了解です!」
響「わかったぞ!」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:40:18.19 ID:8pOW85mC0
真「それじゃあ早く打ち合わせしよう!」
響「真が美希の左、自分が右で…」
美希「あそこのステップは交差するから…」
ガヤガヤ…
青P「…すみません」
赤P「美希がやれるって言ったんだ、信じるさ」
青P「…ありがとうございます」
赤P「……正念場だな」
青P「はい」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:47:05.39 ID:8pOW85mC0
-会場-
春香「えーっと、天海春香と如月千早で『GO MY WAY!!』でした!ありがとうございました!」
千早「…どうも」
パチ… パチパチ…
客A「…なぁ、さすがに竜宮の出番ひっぱりすぎじゃね?」
客B「確かに…もう30分くらい経つのに1曲も無しはなぁ…」
客C「これもいおりんからのじらしプレイと考えればまた一興」
春香「あ、あはは…」
千早(お客さんが飽き始めている…これはまずいわね)
千早(ならばここは…!)
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:53:52.53 ID:8pOW85mC0
春香「え、えっと!千早ちゃん!こんな立派な会場でライブができてとってもうれしいよね!」
千早「そうね、マンモスうれぴーわ」
春香「!?」
客たち「!?」
青P「如月さん…!それはダジャレじゃなくてギャグです…!」
赤P「突っ込むところはそこじゃないだろ」
千早「チョベリグな気分よ」
春香「え、ちょ、千早ちゃん…?」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:58:11.50 ID:RoHdXtRqO
違う意味で伝説のライブになっちゃう!
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 14:58:55.97 ID:E2DcICNUO
やめたげてよぉ!
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:00:51.59 ID:8pOW85mC0
客たち「な、なんだあの子…急に古い流行語を…」
千早(よし、お客さんはかなり盛り上がっている…!)
春香(すごくザワついてるよぉ…)
千早(ここでとっておきの…!)
千早「ねぇ春香、こんなときなんて言うか知ってる?」
春香「え?」
千早「お客さんのおかげで…」
千早「O脚が治りました、ってね」
春香「え?」
客たち「え?」
千早「え?」
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/18(日) 15:01:48.67 ID:tjtnu7yl0
やっちまった
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:04:24.56 ID:OxTHgpdR0
これは春香がいちばんつらい
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:04:47.07 ID:RoHdXtRqO
これをこの時の千早が言ってるかと思うと…
失礼ながら大爆笑ですな
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:07:25.47 ID:8pOW85mC0
春香(え?お客さん関係無くない?)
客たち(え?なんでO脚なの?)
千早(え?)
千早(…)
千早(え?ちょ、…え?)
青P「“おきゃく”と“おーきゃく”…なるほど、これは盲点でした…」
赤P「真、響、行ってくれ」
真「え?あ、はい!」
響「み、美希!曲始まっちゃうぞ!」
美希「…」
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:12:16.69 ID:8pOW85mC0
美希「ハニー、ミキ頑張るの」
青P「だから俺はハチミツじゃありませんよ」
美希「いっぱいキラキラしてるとこ、見ててほしいの」
青P「…ええ、2曲続けては大変でしょうが、頑張ってください」
美希「千早さんの失敗はミキが取り返すの」
青P「あれを失敗と言いますか…」
美希「…それじゃ、行ってきます!」ダッ
青P「行ってらっしゃい」
赤P「…すごいなお前」
青P「俺は自分のやりたいようにやってるだけですよ」
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:17:24.17 ID:8pOW85mC0
ネェ キーエテシマーッテモ サガシーテクーレマスーカー♪
客たち「うおおおぉぉぉぉ!!」
客A「あの星井美希って子、ちょーかわいいじゃん!」
客B「お米のCMの子だよな?俺あずささんから乗り換えちゃうかも…」
客C「所詮ミキミキもいおりんの前座に過ぎん」
春香「すごい…美希、あんなに盛り上げてる…」
千早「…くっ」
春香「ち、千早ちゃんも美希のあとにソロがあるからそこで頑張ろうよ!ね?」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:23:48.09 ID:8pOW85mC0
千早「…ええ、わかってるわ」
春香「千早ちゃ…」
千早「…所詮ダジャレはダジャレよ」
春香「…え?」
千早「私は歌手なの、歌で勝負するわ」
春香「う、うん…」
春香(…なんだろ)
春香(千早ちゃん、すごく悲しそうな顔してる…)
スタッフ「竜宮小町、水瀬伊織さん到着しましたー!!」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:26:42.67 ID:DP05C93G0
千早ギャグ失敗可愛い
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:28:55.96 ID:8pOW85mC0
バタバタ ドタドタ
伊織「ステージは!?」
赤P「美希が頑張って盛り返してくれてる、でもお前もそんなすぐには…」
伊織「そんなこと言ってられないのよ!」
赤P「!」
伊織「今日のライブに竜宮小町目当てで来たファンがどれだけいると思ってんの!?」
伊織「私を信じて先に行かせてくれた他の3人…いえ、4人の気持ちは!?」
伊織「アイドルってのはね!」
伊織「無理を通して道理を蹴っ飛ばさなきゃいけないのよ!」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:34:34.44 ID:8pOW85mC0
赤P「…美希の次、千早のソロが終わり次第『SMOKY THRILL』だ!いけるな!?」
伊織「トーゼン!」
「水瀬さん衣装こっちです!」「はい!」タッタッタッ…
青P「…黄羽根くんに似てきましたね」
赤P「…似なくてもいいところまで似てきたけどな」
青P「竜宮小町の残りのメンバーが揃うまで、頑張りましょう」
赤P「ああ!…っと、その前に褒めてやる相手がいるんじゃないか?」
青P「?」
美希「ハニー!」タッタッタッ
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:39:45.23 ID:8pOW85mC0
青P「お疲れ様です、星井さん」
美希「はぁ…はぁ…!…ハニー!ミキ、キラキラしてた!?」
青P「ええ、すごくキラキラして、輝いてましたよ」
美希「!」パアァァ
千早「美希、お疲れ様」
美希「千早さん!頑張ってね!」
千早「ええ、もちろんよ」
千早「…私には、歌しか無いもの」
青P「…」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:46:03.13 ID:8pOW85mC0
メトメガアウー シュンカンスーキダトキヅーイター♪
客A「おお…この子ホントは歌うめえんだな…」
客B「さっきのよくわからんギャグしか頭に無いわ…」
客C「いおりん…いおりん…」ハァ ハァ
青P「…」
赤P「なんだ、浮かない顔して…千早も上手く歌ってるじゃないか」
青P「いえ、それはいいのですが…」
赤P「…?」
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:46:44.51 ID:t3uyvBxy0
客Cがヤバイ
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:52:14.46 ID:ZgGKyCEN0
客Cは伊織が出てきたら失神するな
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:52:25.89 ID:8pOW85mC0
パチパチパチパチ チハヤチャンヨカッタヨー!
千早「ふぅ…」
伊織「千早、お疲れ!あとは任せなさい!」タタタッ
千早「あ、水瀬さん…」
青P「如月さん、お疲れ様でした」
千早「プロデューサー…はい、ありがとうございます」
青P「…どうでしたか?」
千早「…そうですね、やはり」
千早「私には歌しか無いんだな、と…再確認しました」
青P「…そう、ですか」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:52:27.42 ID:u7N6Jd1/0
客Cとは気が合いそうだ
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 15:57:28.69 ID:8pOW85mC0
青P「このあとも何曲かありますし、最後のフィナーレもあります」
青P「今は体を休めてください」
千早「はい…それでは失礼します」スタスタ
青P「…」
青P「お疲れサマーバケーション」
青P「…」
青P「…面白く、ないですね」
『みんなー!お待たせー!』
『うおおおお!いおりんだーーーー!!!!』
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:02:13.81 ID:8pOW85mC0
伊織「ごめんねファンのみんなー!到着が遅れちゃってー!」
客A「大丈夫だよー!何があったのー!?」
伊織「実は仕事先で台風に遭遇しちゃって、渋滞に巻き込まれたのー!」
客B「大変だったねー!」
伊織「ありがと!にひひっ♪」
客C「ううっ…いお、いおりん……ひぐっ、ぐすっ…おええっ…」
伊織「まあ水瀬家の伊織ちゃん専用ヘリでひとっ飛びだったけどね!」
客A「亜美ちゃんとあずささんはー!?」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:08:07.94 ID:u7N6Jd1/0
客C・・・・・
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:08:36.52 ID:8pOW85mC0
伊織「『悪いけどこのヘリ、あと一人しか乗れないんだ』って言って置いてきちゃったわ」
客B「いおりんの鬼畜ー!スネ夫ー!」
伊織「仕方ないからあと2台チャーターしてあげたわよ!」
客C「あれがいおりんの真髄にして原点、シンプルイズツンデレやでぇ…うぅっ…」
伊織「だから亜美とあずさもすぐに来るわ!心配しないで!」
客たち「うおおおお!!」
伊織「それに、今日のお客さんには特別なショーを見せてあげるんだから」
客たち「うおおおお??」
伊織「…『SMOKY THRILL』、水瀬伊織ソロバージョン!いっくわよー!」
客たち「うおおおおおおおおおお!!!!!!」
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:14:17.69 ID:8pOW85mC0
-楽屋-
シラヌガーホトケ ホットケナイ♪
真美「ふわー…いおりんさっすがー」
やよい「伊織ちゃんかっこいいですー!」
貴音「萩原雪歩も犬らいぶのときはあのような感じですよね」
雪歩「や、やめてくださいぃ…」
響「自分たちも頑張らないとな!ね、千早!」
千早「…ええ、そうね」
春香「…」
『竜宮小町、双海亜美さん三浦あずささん到着しましたー!』
全員「!!」
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:20:12.12 ID:8pOW85mC0
バタバタ ガヤガヤ
律子「みんなお待たせ!」
真「律子!こんなに早く着くと思わなかったよ!」
亜美「黄色の兄ちゃんが下のルートを教えてくれて、そしたらめっちゃスムーズだったんだよね→」
あずさ「私は高速道路の方が早いと思ったんですけどね〜」
律子「…さすがに道に関することであずささんは信用できないですよ」
春香「あ、あの!今伊織が一人で頑張ってて…!それで…!」
律子「さっきモニターで見たわ!亜美、あずささん、すぐ行きますよ!」
あずさ「了解です〜」
亜美「朝6時からの特訓の成果見せちゃうよ→!」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:27:28.85 ID:8pOW85mC0
律子「それじゃあなたたちもしっかり準備しておきなさいよ!」
美希「はいなの!」
タッタッタッ…
真美「…やっぱ竜宮小町はすごいなあ…」
雪歩「う、うん…プロって感じだよね…」
響「う…今のところ美希と千早くらいしか盛り上げられてないし…」
全員「…」
春香「…でもさ!逆に言えば美希と千早ちゃんは盛り上げられたんだよ?」
春香「こんなの、ちょっと前の私たちじゃ考えられなかったよね?」
全員「…!」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:36:13.78 ID:8pOW85mC0
春香「竜宮小町の3人が道を開いてくれて」
春香「美希と千早ちゃんが先陣を切ってくれた」
春香「じゃあ次は私たちの番だよ!」
真「…そうだね、うん、そうだよ!」
やよい「うっうー!『キラメキラリ』の準備してきますー!」ダッ
真美「や、やよいっち!真美も行くってばー!」ダッ
貴音「ふふ、天海春香」
春香「な、なんですか貴音さん…」
貴音「いえ、なんでも」
春香「うー…にやにやしないでくださいよぉ!」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:45:16.39 ID:8pOW85mC0
雪歩「四条さん!私たちも次の曲の準備しましょう!」
貴音「ええ、参りましょう」
美希「…春香はすごいの」
春香「え?」
美希「みんなを元気づけるってなかなか出来ないんだよ?少なくとも、ミキにはできないなーってカンジ」
春香「そんな…私はただ普通に」
美希「その“フツー”が春香のいいところなの」
春香「…それ褒められてるのかな」
美希「えへへ、さいこーに褒めてるの」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:53:30.97 ID:8pOW85mC0
美希「でも、ミキは竜宮小町に負けるつもりは無いの」
春香「…うん!そうだよね!みんなライバルってことで」
美希「もちろん春香にも」
春香「え」
美希「他の誰にも負けないで、トップアイドルになって」
美希「ハニーを喜ばせてあげるの」
美希「それが、ミキの夢なの」
春香「…!」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 16:59:41.78 ID:8pOW85mC0
春香「そ、そんなの私だって…!」
春香「…で、できればトップアイドルになりたいかなーって…その…」
美希「あはは、春香は優しいの」
春香「うぅ…」
美希「…でも、今日のライブを成功させないでトップアイドルなんてちゃんちゃらおかしいの」
春香「…うん」
美希「成功させようね、春香!」
春香「…うん!」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:05:44.59 ID:8pOW85mC0
『こらー!いおりーん!』
『私たちを置いていくなんて…もうぷんぷんですよ〜!』
『あ、アンタたちぃ!到着が早いのよー!』
客A「いおりん謝ってー!」
客B「仲間割れする竜宮小町なんて見たくないよー!」
『ほらー、ファンの兄ちゃんたちもああ言ってるよ→?』
『どうしましょう、伊織ちゃん?』
『…そうね、お詫びと言っちゃなんだけど…』
『新曲披露しちゃおうかしら!』
客たち「うおおおおおお!!!!」
『聞いてください!『七彩ボタン』!』
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:12:25.26 ID:8pOW85mC0
トードカーナイ メーッセージ フカシナラビリンスー
客A「うおー!真ちゃんダンスうまいし歌もうめー!」
スキスキ ダイスキ マルデジェットコースターミータイネー
客B「うおー!貴音ー!雪歩ー!俺だ-!ジェットコースターで轢いてくれー!」
キラメキラリ モットモワットー
客C「見える、見えるぞ…!やよいおりという可能性が…!」
マミチャンモカワイー!コッチムイテー!
ハルカ!コンドハコロブナヨー!
ヒビキー!ダンサブルー!
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:21:13.34 ID:8pOW85mC0
赤P(…いい盛り上がりだ!これはいけるぞ!)
青P「最後は全員での新曲…」
黄P「『自分REST@RT』だな」
赤P「黄羽根…!お前戻ってたのか!」
黄P「さすがに雨に打たれたからな、先にシャワー借りてたわ」
青P「お疲れ様です、はい飲み物」
黄P「バカ野郎、アイドルが頑張ってんのに俺だけ先に飲むわけねぇだろ」
青P「だと思って実はカラのペットボトルです」
黄P「…お前な」
赤P「ははは、何やってんだよお前ら」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:28:19.38 ID:8pOW85mC0
赤P「…ついにここまで来たんだな」
黄P「なんだぁ?お前も高木のおっさんみたいなこと言ってんじゃねぇよ」
青P「そうですよ、むしろアイドルとしてはこれからです」
赤P「…ああ、そうだな、その通りだ」
『プロデューサーさーん!最後みんなで円陣組みましょ、円陣!』
黄P「よっしゃ!俺あずささんの隣!」
青P「円陣組んでエンジン全開…おや、これは…」
赤P「…よし!みんなで声出して勢いつけるぞ!」
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:33:49.02 ID:8pOW85mC0
春香「…みんな、いい!?」
真「竜宮小町も」
真美「いっしょに!」
雪歩「私たち!」
千早「歌って」
貴音「踊って」
やよい「最後まで!」
響「力いっぱい!」
美希「頑張るのー!」
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:39:15.40 ID:8pOW85mC0
伊織「全員で!」
亜美「盛り上がって!」
あずさ「ファンのみんなも」
律子「いっしょに!」
青P「だって」
黄P「俺たち!」
赤P「仲間だもんげ!」
春香「765プロー…!」
『ファイトーー!!!オーー!!』
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:46:39.93 ID:8pOW85mC0
赤P「よし!お前ら行って来い!」
青P「頑張ってきてください」
黄P「ドカンと見せつけてやれ!」
タッタッタッタッ…
ウオオオ!!ナムコプロー!!イオリーン!ミキミキー!
赤P「…」
黄P「…なあ赤羽根」
赤P「……なんだ」
青P「噛みましたよね?」
赤P「…言うな」
キノウマデノイーキカータヲ ヒテイスルダケジャナークテ…♪
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:51:57.12 ID:8pOW85mC0
-後日、765プロ事務所-
高木「諸君!この前のライブは大成功だったね!」
黄P「いやあ、それほどでもありますよ」
小鳥「あの日以来ファンレターも増えたし、仕事のオファーも増えたんですよ」
青P「ようやく世間にアイドルのみんなが認められましたね」
赤P「いーや、アイドルとしてはまだまだこれからだ」
黄P「おいおい、それこの前青羽根が言ってたやつじゃねーか」
青P「盗作は感心しませんね」
赤P「お、おい!それ言うなよ!」
小鳥「うふふ」
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 17:57:33.09 ID:8pOW85mC0
高木「だが、アイドルとしてはまだ未熟なのも確かだ」
高木「もしかしたら強大なライバルも出てくるかもしれない」
高木「…そんなときに必要なのがきみたちプロデューサーの存在だ、頑張ってくれたまえ」
赤P「はい!」
青P「任せてください」
黄P「どんなライバルでもボッコボコにしてやりますよ!」
高木「いや、ボコボコは困るのだが…まあいいか」
小鳥「よくないですよ!」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 18:03:11.87 ID:8pOW85mC0
ガチャ
「おはようございまーす!」
青P「おや、早いですね」
黄P「んだよ、もうちょっとゆっくりさせてくれよ」
赤P「そうはいかないだろ」
赤P「だって、プロデューサーなんだし」
青P「…ええ、そうですね」
黄P「…ったく!しょうがねえなあ!」
赤P(さて、と)
「それじゃ今日のスケジュールだけど…」
第13話『そして、彼女たちはきらめくステージへ』 完!
123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 20:32:46.27 ID:RGxG7yex0
各Pの担当は
赤 春香 やよい 真
青 千早 美希 響
黄 雪歩 真美 貴音
律子 竜宮小町
であってるのかな?
124 : 保守ありがとうございます:2012/03/18(日) 20:34:38.46 ID:8pOW85mC0
春香(見上げる秋の空は、抜けるような青)
春香(河原にはすすきも顔を出して)
春香(自転車をこぐと、風が少し冷たく感じたりして)
春香(もうすっかり秋の気配です)
春香(…移り変わったのは、季節だけではありません)
春香(私たち765プロと、それを取り巻く環境も)
春香(大きく変わったんです!)
第14話『変わり始めた世界!』
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 20:39:24.20 ID:8pOW85mC0
-テレビ収録スタジオ-
やよい「高槻やよいのー…お料理さしすせそー!」
赤P(よし、さ行がちゃんと言えたな)
やよい「今日はふんわりオムレツを作っていきますー!」
赤P(うん、今日も順調にいきそうだ)
やよい「それではさっそく調理していきます!アシスタントの豚さん、卵お願いしまーっす!」
赤P(はいはい卵ね)
赤P(あー、それにしても)
赤P(豚の着ぐるみあっついなー)
129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 20:44:23.48 ID:8pOW85mC0
-ファッションショー会場-
『きゃー!美希ちゃんかわうぃー!』
『こっちー!こっち向いてー!ほんぎゃああぁあぁ!』
美希「あはっ☆いぇーいなのー」
青P(星井さん、モデルとしての初仕事の割には堂々としてますね)
青P(これなら心配なさそうです)
青P(…)
青P(私、モデルの仕事も出る!)
青P「くっ、ふ、ふふふ…」
スタッフ(なにこの人)
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 20:49:35.64 ID:8pOW85mC0
-ラジオ収録スタジオ-
MC「へえ、じゃあ来週に次の曲をリリースすると」
雪歩「は、はい!新曲です、ありがとうございますぅ」
黄P(雪歩のやつ、相手が男なのにけっこうしゃべれてるじゃねえか)
黄P(これも毎日会話の中に下ネタを織り交ぜてきたおかげか?)
黄P(へへ、そんなわけねえか)
黄P(…)
黄P(……そろそろ、潮時か)
雪歩「そ、それじゃあ一発芸やりますぅ!」
MC「は、萩原さん!ウチそういう番組じゃないから!まだお昼だから!」
雪歩「ふわあああ!」
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 20:56:01.28 ID:8pOW85mC0
-後日、テレビ雑誌表紙撮影スタジオ-
伊織「ね、ねえ、今日の撮影なんだけど」
黄P「あーあずささんの衣装、なんでスイカじゃねえんだろうなー、絶対似合うのになー」
亜美「んっふっふ〜、あれはきっとあずさお姉ちゃんそのものがスイカだということなのだよ兄ちゃん!」
真美「なるほど→、これは納得の理由ですな→」
伊織「ちょ、ちょっと双子!今は私がこいつと話してるんでしょうが!」
貴音(水瀬伊織の言動は実に面白いですね)
真「うーん、この変装じゃファンの人にバレちゃうのかー」
響「だから自分くらいしっかり変装しなきゃダメだぞ!」
赤P「いやお前ら変装ってのはもっと自然に帽子とかメガネとか…春香を見習えよ」
春香「そ、そうだよ二人とも!」
春香(ぷ、プロデューサーさんに褒められちゃった!やった!)
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:03:47.76 ID:8pOW85mC0
青P「如月さん、今日の衣装も似合っていますよ」
千早「…ありがとうございます、新曲のチェックがしたいのでもういいですか?」
あずさ「千早ちゃんは最近歌の方もがんばっているものね〜」
律子「これは竜宮小町もうかうかしてられないかもしれませんね、プロデューサー殿!」
青P「…ええ、そうですね」
律子「?」
カメラマン「それじゃ撮りますよー!」
春香「はーい!それじゃみんな、せーのっ」
全員「いぇーい!!」
カシャッ オッケーデース!
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:09:49.39 ID:8pOW85mC0
-数日後-
亜美「最近のウチら絶好調だね!」
真美「ね!この前の表紙撮影もばっちりだったしね!」
響「ねープロデューサー、写真の見本とか無いのー?」
赤P「んー、なんでかまだ来てないんだよなぁ…今日発売の実物見て確かめるしかないな」
やよい「伊織ちゃん、事務所来るときにその雑誌買ってくるって言ってましたよ!」
赤P「おお、それじゃ伊織待ちで…」
ガチャ
伊織「…」ツカツカツカツカ
赤P「お、今ちょうど伊織の話を…」
伊織「これ、どういうことよ!」バンッ!
赤P「ど、どうしたんだ?」
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:15:53.71 ID:8pOW85mC0
赤P「…これは」
伊織「なんで表紙が私たちじゃなくてジュピターの連中になってるのよ!」
赤P「どういうことだ、出版社に電話を…」
青P「いえ、その必要はありません」
響「ど、どういうこと?青羽根プロデューサー」
青P「連絡が無いまま表紙さしかえなんてあるわけがありません、だとすればこれは…」
赤P「…言えない理由があるってことか」
やよい「ど、どういうことですかー?」
亜美「もしかして亜美たちよりジュピターの方がいいって思われたってこと!?」
真美「でもこの表紙の写真なんかダッサイよー?」
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:22:40.33 ID:8pOW85mC0
赤P「ああ、なんだか急に埋め合わせするように撮られた写真だ」
青P「発売日を考えると、我々の撮影が終わったあとに撮られたものでしょうね」
伊織「で、でも…なんでそんなことを…」
高木「…おそらく、961プロの黒井社長だろう」
赤P「社長!いたんですか!?」
青P「これは想定外でした」
亜美「しゃ、社長!びっくりさせないでよ!」
響「な、なんくるなくないさー!」
やよい「あ、社長!おはようございますー!」
高木「…」
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:30:07.40 ID:8pOW85mC0
高木「…というわけなのだよ」
赤P「社長と961プロにそんな過去が…」
青P「これは勉強不足でした」
伊織「……」
伊織「…こうなったらお父様に連絡して…!」
赤P「い、伊織!それは…!」
ガチャ
春香「ただいま戻りましたー!」
千早「…?なにかあったんですか?」
真美「あ、他のみんなも帰ってきた」
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:39:05.82 ID:8pOW85mC0
貴音「…なんと」
真「それは…許せないね」
伊織「そうよ!だから水瀬グループの力を借りて仕返しを…!」
黄P「別にいいだろ、そんなことしなくても」
雪歩「ぷ、プロデューサー…」
伊織「アンタ!連中にこんなことされて悔しくないの!?」
黄P「悔しくねえよ、イカサマ使ってくるような相手に何されようが悔しいわけねえだろ」
赤P「…そうだ、それに仕返しなんてしたらあいつらと同じになるぞ」
伊織「う…で、でも…!」
青P「…なにも水面下で争わなくても良いのではないでしょうか」
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:46:38.57 ID:8pOW85mC0
青P「雑誌には売り上げというものがあります」
青P「…今週分のジュピターが表紙のものと、来週分の我々が表紙のもの」
青P「どちらが多く売り上げたかで勝負すればいいのではないでしょうか」
あずさ「で、でも来週の表紙が私たちが撮ったものになるとは限らないんじゃ…」
赤P「そこは俺たちプロデューサーの仕事ですよ、あずささん」
律子「…ええ、どちらにせよこの後出版社に確認の電話をしますから、そのときに打診してみます」
黄P「ま、男が表紙と女が表紙じゃ当然女の方買うわな」
美希「しかもミキたちが表紙だしね!」
高木「はっはっはっ!威勢がよくてなによりだ!」
春香「しゃ、社長!いたんですか!?」
高木「…」
143 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 21:53:11.93 ID:8pOW85mC0
赤P「…とにかく!今は新しい仕事も続々決まって忙しい時期だ!みんなはアイドルとしての仕事に専念してくれ!」
千早「…そうね、他人が何をしようが私は私のやるべきことをやるだけだもの」
小鳥「ねえみんな、こんなときになんだけど…これを見てくれる?」
やよい「あ、ファンレターですかー?」
貴音「ふふっ、なんともかわいらしい文面と絵ですね」
黄P「貴音のおっ○いでかく書かれすぎだろ!でもまあこれはこれでいいな!」
小鳥「みんなの活躍を楽しみにしてる人がたくさんいるのよ?だったらまずはそれに応えなきゃ」
響「…うん、そうだね!自分たちだってまだまだ頑張らなきゃいけないんだし!」
美希「春香、いつものオネガイなの!」
春香「…うん!いくよ、みんな!」
「765プロー!ファイトー、オー!!」
144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:00:40.45 ID:8pOW85mC0
ワイワイ ガヤガヤ
小鳥「ふふ、みんな元気になったみたいですね社長」
高木「…音無くん、今晩一緒に酒でも飲みにいかないか」
小鳥「お断りします」
高木「…」
小鳥(今日はゆきまこの新しいネタが浮かんだから、忘れないうちに書いておかないと!ごめんなさい社長!)
高木(……あとで善沢くんにでもメールしよう…)
黄P「おうデコすけ、満足したか」
伊織「…ふんっ!お仕事に全力で取り組むのはいつも通りよ!」ツカツカ
赤P「はは、相変わらずだなお前らは」
黄P「まあ担当外れてからはデコすけと遊ぶのもだいぶ減ったけどな」
青P「なんにせよ、アイドルのみんなが前向きになってくれたようでなによりです」
赤P「…なあ、提案があるんだが
145 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/18(日) 22:02:44.03 ID:o2qca60E0
残念な小鳥さん…
146 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:06:22.60 ID:8pOW85mC0
黄P「あ?めずらしいな、お前がそんなあくどい顔するのも」
青P「先ほど仕返しはダメだと赤羽根くんが…」
赤P「いや、そうじゃなくてな…出版社の人にもっと俺たち765プロを覚えてもらえるように…」
-出版社-
善沢「…うん、この前のライブ記事はこんな感じでいいだろ」
善沢「それにしても…日曜の昼に生番組、しかも全員で映画出演か」
善沢「まさに波に乗ってると言った感じだな、765プロの諸君は」
善沢「ん?高木からメール…」
善沢「『アイドル事務所の社長だが社員に嫌われてるかもしれない』…?何言ってるんだあいつは…」
善沢「…今日の8時にいつものバーでいいか」
若手編集者「善沢さん!」
善沢「ん?どうした」
147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:12:25.54 ID:8pOW85mC0
編集者「765プロと善沢さんって仲良いですよね?」
善沢「まあ昔からの仲だからな、なにかあったのか?」
編集者「な、なにかっていうか…こんな画像が送られてきたんですけど…」
善沢「画像…?」
善沢「!」
編集者「765プロのプロデューサーが3人でそれぞれ果物持ってる写真なんですけど…」
善沢「…これ、お前の担当してる『テレビチャン』の表紙のパロディだよな?」
編集者「た、多分そうです…今回の表紙の件で迷惑かけちゃったから怒ってるんでしょうか?」
善沢「……ああ、なるほど」
善沢(黒井の件か…)
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:19:07.33 ID:8pOW85mC0
編集者「ど、どうしましょう?謝罪とか入れなきゃまずいですかね…?」
善沢「…いや、『今後もよろしくお願いします』って書いてあるしな、怒ってるわけじゃないだろ」
善沢(まあ、今の765プロが啖呵切ったところで逆効果だしな)
編集者「そ、それで…編集長には伝えない方がいいですかね?」
善沢「『テレビチャン』の編集長ってあいつだろ?俺から言っておくよ」
編集者「で、でも…」
善沢「あいつは俺の昔の部下だ、とやかく言わせないさ」
編集者(善沢さんかっけええええ!!!)
善沢「ま、今回は過ぎたことだが…お前はできるだけこういうことするんじゃないぞ」
編集者「は、はい!」タッタッタッ…
善沢(…さてと)
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:26:25.27 ID:8pOW85mC0
善沢「おい、今日の夜ちょっと付き合えよ」
善沢「先輩の誘いだろ?久しぶりにお前と話がしたいと思ってさ」
善沢「それにお前に会わせたい人もいるんでな」
善沢「…おう、まあ業界の人だな」
善沢「そう、俺の友人。ちょっとバカだけど仕事はできるんだ」
善沢「…それと見せたいものもあるんだが」
善沢「……うん、それは店に行ったときに見せるよ」
善沢「よし、それじゃ決まりな」
善沢「場所は…」
善沢「8時に俺の行きつけのバーだ」
第14話『変わり始めた世界!』 完!
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:33:22.15 ID:8pOW85mC0
見てる人いるか分からないけど番外編やっていいですか?
15話行った方がいいですか?
154 : 忍法帖【Lv=25,xxxPT】 :2012/03/18(日) 22:36:48.31 ID:mnEPQ6jk0
番外編オナシャス!
156 : ありがとうございます じゃあ番外編やります:2012/03/18(日) 22:38:19.64 ID:8pOW85mC0
「それじゃリハいきまーす!」
「シーン1、亜美と真美の日常風景!よーい…スタート!」
赤P(最近波に乗っている765プロですが)
赤P(大きい仕事も徐々にいただけるようになりました)
赤P(…今日はその大きい仕事のうちのひとつです)
赤P(そう、今日は)
「ねーねー真美、最近なんかつまんないよね→」
「うんうん、シゲキが欲しくなっちゃうよね!」
赤P(『劇場版無尽合体キサラギ』の撮影初日です!)
番外編『映画のお仕事!』
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:44:50.54 ID:8pOW85mC0
-撮影開始前-
赤P「今日はよろしくお願いします、今石監督」
今石「こちらこそよろしく、765プロさん」
赤P「手のかかる子たちですが、根は真面目で良い子ばかりですので…」
今石「いや、最近勢いのある765プロさんですからね…僕の方こそ勉強させてもらうつもりですよ」
赤P「いやいやそんな…ははは」
春香(あ、なんかプロデューサーさんがプロデューサーっぽい!)
千早「なにニヤニヤしてるの、春香」
春香「な、ななななんでもないよ千早ちゃん!」
千早「?」
160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:50:12.66 ID:8pOW85mC0
今石「それにしても魅力的な子が揃ってますね、765プロには」
赤P「あはは、光栄です」
今石「えーっと、あの…星井美希ちゃん、だっけ?あの子にはなんだかインスピレーションを感じましたね」
赤P「でしたら次回作もウチの美希を是非」
今石「あっはっは、上手だなあ」
貴音「あ、あの!今石監督殿!」
赤P「た、貴音?」
今石「キミは…四条貴音さんだよね?」
貴音「な、名前を覚えていただけているとは…!わたくしは今、感動しております!」
赤P「貴音は今日撮影するシーン無いだろ?なんで現場に…」
貴音「わ、わたくし!今石監督殿の作品の大ふぁんでして…その…」
赤P「こ、こら!失礼だろ!」
162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:58:38.38 ID:t3uyvBxy0
>>160
これは美希のパンスト主演フラグ
161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 22:55:35.62 ID:8pOW85mC0
今石「あはは、いいんですよ。むしろ作品を見ていただいてるみたいでうれしいですし」
貴音「な、なんという心の広さでございましょう…」
赤P「すみません監督、ウチのアイドルがわがまま言って…」
今石「いえいえ…四条さんは後半からの出番ですけど、こうやって現場の雰囲気を知ることも大切ですしね」
赤P「そう言っていただけると助かります…」
今石「四条さん」
貴音「ひゃ、ひゃい!」
今石「普段アニメを作ってる僕としては、今回の実写映画はあらたな挑戦になります」
今石「そこで何より大切なのは、演じてくれるアイドルの皆さんだと思っています」
今石「良い作品になるように、僕たちも一生懸命努力します」
今石「だから、一緒に頑張りましょう」ニコッ
貴音「は、はわ、はわわわわ…///」
赤P(監督かっけー!)
164 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:02:03.27 ID:8pOW85mC0
赤P(その後、貴音はウキウキ顔で今石監督からサインを2枚もらっていた)
赤P(…おそらく黄羽根の分だろう、あいつは雪歩の仕事についていってるはずだからな)
赤P(公私混同しないようあとできつく言っておかなければ…)
真「プロデューサー!おつかれさまです!」
赤P「お?おお、真も見学か?」
真「はい!近くで撮影があったんですけど、早く終わったので」
今石「…あれ?菊地くんだよね?」
真「あ、はい!おはようございます、監督!」
今石「あー、今日来るんだったらあいつにも声かければよかったかな」
赤P「あいつ?」
今石「いや、僕の知り合いに以前から真くんの大ファンがいるんですけどね?会えるなんてうらやましいなーってずっと言われてて」
赤P「あはは、有名になる前から好きだなんてよっぽどのファンですね」
今石「ええ、あいつはよっぽどのファンですよ」
166 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:08:33.01 ID:8pOW85mC0
今石「まあ、今は一仕事終えたあとで疲れてるみたいだから…また機会があればってことで」
真「えへへ、ボクからも会いたいって伝えておいてください!」
今石「はは、あいつも喜ぶよ」
赤P「さ、真は春香と千早に声でもかけてきてくれ」
真「わっかりました!それじゃ監督、失礼します!」
タッタッタッ…
今石「いやあ、こりゃあいつがファンになるのも分かるな」
赤P「監督、ところであいつってのは」
今石「おっと、そろそろ休憩も終わるな…それじゃプロデューサーさん、今日1日よろしくお願いします」
赤P「あ、はい!よろしくお願いします!」
167 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:15:11.90 ID:8pOW85mC0
スタッフ「それではシーン4!閣下登場の場面いきまーす!」
スタッフ「よーい…スタート!」
真美「あ、亜美!上だよ上!」
亜美「ビルの屋上に人!?誰だ、名を名乗れぇ!」
「ふはッ、ふははッ、ふぅーははははははッ!!」
春香「私の名前はハルシュタイン閣下ッ!」
春香「新生国家アマーミの総統であるッ!!」バーン!
赤P(春香のやつハマりすぎだろ)
今石「カット!春香ちゃん笑い声長すぎ!」
春香「す、すみません!」
赤P(怒られとる)
170 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:22:04.73 ID:RoHdXtRqO
自分で閣下言うなww
171 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:22:12.00 ID:8pOW85mC0
スタッフ「シーン6!キサラギ起動シーンいきまーす!」
スタッフ「よーい…スタート!」
亜美「…これがおじいちゃんの遺した…!」
真美「汎用壁型巨大歌謡ロボ、キサラギ…!」
亜美「……今はとにかくやるしかない!」
真美「行こう、亜美!」
亜美「うん!行くよ、真美!」
亜美真美「無尽合体キサラギ…!」ゴゴゴゴゴゴ…
亜美真美「見ッ!参ッ!」ズギャーーーーン!!!
キサラギ(cv千早)「…くっ」
今石「はいオッケー!」
千早「…これ別に後録りでもいいんじゃ」
赤P「耐えろ千早」
175 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:31:05.17 ID:8pOW85mC0
スタッフ「それじゃ今日のラスト、シーン12!キサラギが必殺技でリッチェーンを倒すシーンいきまーす!」
スタッフ「よーい…スタート!」
美希「す、すごいパワーを感じるの!」
亜美「スーパァァァァ!」
真美「イナズマァァァァァ!」
亜美真美「ビィィィィィィッッムッッッ!!!」
キサラギ(cv千早)「…くっ!」ズバババババ!
リッチェーン(cv律子)「メガネっ…!!」チュドーン!
今石「はいオッケー!」
千早「だからこれ後録りで」
律子「そもそも私プロデューサーなのに」
赤P「みなまで言うな」
律子「しかもやられるときのセリフがメガネって」
赤P「耐えろ律子」
177 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:39:17.00 ID:8pOW85mC0
赤P(ふぅ、なんとか今日の撮影は無事に終わったな)
今石「お疲れ様です、プロデューサーさん」
赤P「あ!こちらこそありがとうございました!」
今石「いやいや、アイドルのみんなもよく頑張ってくれましたよ」
赤P「これからもよろしくお願いします」
今石「ええ、良いものを作りましょう!それではまた」スタスタ
赤P「…はぁ、大きな問題も無く終わったようで…よかった」
春香「プロデューサーさん!」
赤P「お、春香か、お疲れさん」
春香「お疲れ様です!あ、あの、今日の私の演技どうでしたか?」
赤P「…ふは、ふはは、ふーははは!春香ちゃん笑いすぎィ!」
春香「もー!からかわないでくださいよぉ!」
178 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:45:43.12 ID:8pOW85mC0
赤P「ははは、悪い悪い」
春香「…こっちは真面目に聞いてるんですからね」
赤P「まあ最初だしな、芝居そのものはそんなに気にしなくていいんじゃないのか」
春香「で、でも映画なんて初めてだし…それにもっと良いものをファンの人に見せたいし…」
赤P「うん、だからその気持ちがあれば大丈夫ってことだ」
春香「え?」
赤P「そりゃあ映画なんだから芝居が上手い方がいいだろうけどさ」
赤P「春香を観に来てる人は、一生懸命頑張る春香を見たいはずだ」
春香「…」
赤P「今日の笑いすぎってのも頑張りすぎた結果だ、違うか?」
春香「……そういうことにしておいてください///」
赤P「ははは」
179 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/18(日) 23:46:34.06 ID:cGXvbvXx0
春香(実は楽しかったなんて言えない)
180 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:51:17.06 ID:8pOW85mC0
赤P「…ま、とにかく俺が言いたいのはさ」
赤P「小手先の演技よりも、体当たりでぶつかってる春香の方が魅力的」
赤P「少なくとも俺はそう思うな」
春香「!!」
赤P「だから芝居の技術はこれから身につけていくとして」
赤P「今はとにかく全力で撮影に取り組んで……」
赤P「…どうした?」
春香「…なんでもないですっ!」プイッ
赤P「?」
181 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/18(日) 23:57:46.27 ID:8pOW85mC0
赤P「よし、それじゃ帰るか」
春香「あ、あの!プロデューサーさん!」
赤P「ん?」
春香「きょ、今日クッキー作ってきたんですけど…食べませんか?」
赤P「作ったって…撮影もあるのに大変だったろ」
春香「い、いえ!今日は私の出番ちょっとだけだったし…みんなの疲れがちょっとでもとれればって思って…」
赤P「…春香はやさしいなあ」
春香「へ」
赤P「甘いもので疲れがとれるってのも青羽根に教わったやつだろ?それを時間を割いてまで実践してあげるなんてやさしいと思ってさ」
春香「え、ち、ちが…」
赤P「それに黄羽根に言われたとおり今石監督の作品全部見てきたらしいな、貴音に聞いたよ」
赤P「そこまでしなくてもいいのに…黄羽根とも話が合うようになるし、本当に春香はやさ」
春香「そんなんじゃないです!」
183 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/19(月) 00:04:27.50 ID:hJuoNVk00
赤P「そ、そんなに黄羽根のこと嫌いなのか?」
春香「ち、違います!黄羽根プロデューサーさんのことは嫌いじゃないですけど…」
赤P「…じゃあなにがいったい」
春香「監督の作品を見たのは映画のためになると思ったからです!演技の勉強もしたかったし!」
春香「クッキーを作ったのも青羽根プロデューサーさんの知識を広めたいわけじゃなくて、本当にみんなの疲れがとれればって思って…!」
赤P「…えっと」
春香「それに、わざわざクッキーを残しておいたのは…!」
赤P「春香」
春香「ぷ、ぷろ、プロデューサーさんの…!」
赤P「はる」
春香「プロデューサーさんのことが、す」
貴音「春香!くっきぃはまだ余っていますか!?」
赤P「!?」
春香「!?」
186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/19(月) 00:10:23.61 ID:hJuoNVk00
貴音「…はて?面妖な雰囲気でございますね…」
赤P「な、なんでもないぞ貴音!」
春香「そ、そそそうですよ貴音さん!今日のお仕事について話してただけで…」
貴音「なら良いのですが…ところでくっきぃは…」
春香「あ、えっと…」
赤P「…あー、すまん!さっき俺が全部食べちゃったんだ!」
春香(…え)
貴音「…それは……仕方ないこととはいえ…」
貴音「……くぅっ…!」
赤P「いやいや、悔しがりすぎだろ」
貴音「たいへん美味だったものですから…」
赤P「へぇ、楽しみだな」
貴音「楽しみ…?」
赤P「あ、いや、なんでもない」
190 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/19(月) 00:16:20.24 ID:hJuoNVk00
赤P「とにかくもう遅いしな、早く帰ろう」
貴音「わたくしはくっきぃ屋さんに寄ってから帰りますので、これにて…」
赤P「どんだけクッキー食いたかったんだよ…あ、もう行っちゃった」
赤P「それじゃあ俺たちも帰ろうか、春香」
春香「…はい!」
赤P「……ま、さっきの話の続きはまた今度な」
春香「それよりもクッキー食べてくださいよ、クッキー!」
赤P「おわ、ちょ、口に押し込むな…!んぐ…!」
春香「ど、どうですか!?」
赤P「……うん、うまい」
春香「…えへへ」
191 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/19(月) 00:22:30.45 ID:hJuoNVk00
赤P「こりゃ譲らなくて正解だったな、貴音には悪いけど」
春香「プロデューサーさんがいいなら毎日でも作ってきますよ?」
赤P「いや、毎日はいいかな…」
春香「ふふ、冗談ですよー」
赤P「…なあ、春香」
春香「はい」
赤P「明日も、頑張ろうな」
春香「当然です!えへへ」
赤P「…」
192 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/19(月) 00:26:43.68 ID:hJuoNVk00
春香「それじゃ私はここで」
赤P「ああ、気をつけてな」
春香「…あの、プロデューサーさん」
赤P「ん、どうした?」
春香「…えっと」
春香「クッキー、食べてくれてうれしかったです!」
春香「それじゃ、お疲れ様でした!」ペコリ
タッタッタッ…
赤P「…」
赤P「…ダメだろ」
赤P「…」
赤P「プロデューサーとアイドルで恋愛なんて……」
番外編『映画のお仕事!』 完!
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:16:43.76 ID:m3+way/D0
赤P「よし、映画も大切だけど明日は生放送だ!」
黄P「へへ、あいつらのためにもいろいろ手助けしてやんねえとな」
青P「番組を成功させるためにも頑張りましょう」
律子「ええ、配置はさっき決めた通りということで」
赤P「よーっし、765プロー!ファイトー!」
4人「オー!!」
高木「はっは!元気で何より!」
赤P「しゃ、社長!いたんですか!?」
高木「…」
第15話『みんな揃って、生放送ですよ生放送!』
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:21:14.36 ID:m3+way/D0
メインスタジオ-
春香「日曜午後の新発見!『生っすか!?サンデー!』」
律子(…うん、メイン司会3人は問題無さそうね)
春香「それでは最初のコーナーです!」
美希「響チャレンジ、なのー!」
千早「それじゃさっそく我那覇さんに中継をつなぎましょう、我那覇さん?」
『はいさーい!我那覇響だぞ!自分は今回、マラソンにチャレンジするさー!』
春香「というわけで、今回のミッション内容はこちら!」
【番組終了までにスタジオにたどりつけるか!?】デデン!
美希「響、頑張ってなのー」
千早「それでは…響チャレンジ、スタート!」
『うおおおお!頑張るさー!』ダダダダダ
春香「あはは…響ちゃん元気だね」
美希「空回りしすぎて道とか間違えないようにねー」
観客「ドッ」
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:27:11.53 ID:m3+way/D0
-響チャレンジスタート地点-
スタッフ「…はいオッケーでーす!中継終わりましたー!」
青P「…それで、本当に響ちゃんには道を教えないんですか?」
スタッフ「ええ!道間違えたら間違えたで面白いと思うんですよね」
青P「……面白い?」ピクッ
スタッフ「それにあたふたしてる響ちゃんってのもかわいいだろうし」
青P「あなたとは友達になれそうだ」
スタッフ「え?あ、はあ…ありがとうございます…」
青P(しかし…こと都会において土地勘の無い響ちゃんのこと…)
青P(なにかイヤな予感がしますね…)
響「うおおおお!ゴールはすぐそばさー!」ドドドドド
スタッフ「響ちゃんはえー」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:31:25.51 ID:m3+way/D0
-たけのこ幼稚園-
やよい「私は今、たけのこ幼稚園に来ていまーす!」
『わあ!楽しそうだね、やよい!』
『高槻さんとってもかわいい……!!!!』
やよい「それに、今日は助っ人が来てくれてるんですよー!この2人です!」
伊織「伊織ちゃんよ!にひひっ♪」
あずさ「三浦あずさです、よろしくお願いします〜」
黄P(あずささんの園児服とか…)
黄P(犯罪だろ…っ!!)
伊織「…む」
園児「いおりんデコさわらしてー!」グイグイ
伊織「だ、誰がデコよー!」
園児「あずさおねえちゃーん!」ダキッ
あずさ「あらあら〜」
黄P(俺は園児になりたい)
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:36:29.96 ID:m3+way/D0
-菊地真改造計画収録現場-
雪歩「す、すばらしい企画ですね赤羽根プロデューサー!」
赤P「あはは、この企画をハガキで応募してくれたファンに感謝しないとな」
真「へへー!今日のボクはフェロモンバリバリですよ!」
赤P「お、真も楽しそうだな」
真「そりゃあもちろん!新しい自分をみんなにアピールするチャンスですからね!」
雪歩「そうだね!真ちゃんの魅力をみんなに知ってもらわないと!」
真「雪歩!」
雪歩「真ちゃん!」
真・雪歩「ジャスティス!!」
赤P(いかんこいつら悪い方向にヒートアップしてやがる)
赤P(ここはプロデューサーの俺がしっかりしないと…)
スタッフ「それじゃ菊地さん萩原さんスタンバイお願いしまーす!」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:40:44.33 ID:m3+way/D0
真「よーっし!それじゃボクが持参したこのぷりちーな衣装で…」
赤P「…真、その紙袋の中ちょっと見せてみろ」
真「え、あ!プロデューサー!」
赤P「…これは」キャッピピピピーン
雪歩「ひ、ひどい…」
真「かわいいと思うんだけどなあ…」
雪歩「違うよ真ちゃん!そんなの誰も望んでないよ!」
真「そ、そんな!」
赤P「…ああ、ファンのみんなはこういう真は望んでないはずだ」
真「ぷ、プロデューサーまで…うう…」
雪歩「ま、真ちゃんはもっとカッコイイ服装を」
赤P「よし、俺がいちファンとしての意見を述べよう」
雪歩「へ?」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:44:54.27 ID:m3+way/D0
赤P「普段の真はどんなイメージだ?」
真「そ、それは男らしいっていうか…自分で言うのもなんですけど…」
雪歩「そ、そうです!もっとカッコイイ真ちゃんをみんなに知ってもらって…!」
赤P「だからそれは普段の真だろ?今日はいつもと違う真の魅力を知ってもらうんじゃないのか?」
雪歩「あ…」
赤P「だから俺が考える新しい真像は…」
真「……」ゴクリ
赤P「…白のワンピースだ」
雪歩「!!」
真「なん…だと……」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:49:55.02 ID:m3+way/D0
-メインスタジオ-
スタッフ「それじゃ四条さんのVTRまわしまーす!」
美希「あふぅ、疲れたの…」
千早「ダメよ美希、まだ序盤が終わっただけなんだから」
春香「でもなんていうのかな、心地よい疲れっていうかさ!」
律子「3人とも、お疲れさま」
春香「あ、律子さん!お疲れさまです!」
千早「お水を持ってきてくれたのね、ありがとう」
美希「ミキはおにぎりが欲しいの!」
律子「アンタお腹いっぱいになったらすぐ寝ちゃうでしょうが」
美希「それにハニーは?ハニーも欲しいの!」
律子「…そのハニーって呼ぶのやめた方がいいわよ」
美希「へ?なんで?」
律子「な、なんでって…」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:54:55.69 ID:m3+way/D0
春香「い、一応お仕事の場所だしさ!それにファンの人もいるんだし…」
律子「そ、そうよ!それに青羽根プロデューサーは違う現場に行ってるから…!」
美希「ふーん…?ま、いっか」
春香「千早ちゃんもそう思うよね?」
千早「…私は、どうでもいいけれど」
春香(あ、あれ?)
千早「……まあ、ファンの前では言わない方がいいとは思うけど、美希がプロデューサーのことを好きなら別にいいんじゃないかしら」
美希「さっすが千早さんは話が分かるの!」
律子「と、とにかく!VTR明けにはまた出番なんだからちゃんと準備しておきなさいよ!」
美希「はーいなの」
春香(千早ちゃん…?)
千早「……」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:59:15.61 ID:m3+way/D0
貴音「…」
貴音「四条貴音の、らぁめん探訪」
貴音「本日はここ」
貴音「わたくしの楽屋からお送りいたします」
貴音「…」
貴音「…てれびの前で驚きの表情を浮かべておられる視聴者の皆様」
貴音「一番驚いているのはわたくしです」
貴音「…」
貴音「どうやら前回の収録でらぁめん二十郎さんにお邪魔したところ」
貴音「わたくしがおかわりを繰り返したことで予算が尽きてしまったようです、ふふっ!」
貴音「…」
貴音「面妖な」(カメラ目線)
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:04:06.82 ID:m3+way/D0
貴音「…そのような理由から、本日はげすとの方もおりません」
貴音「ちなみに食すらぁめんの材料なども完全実費です」
貴音「…面妖な」
貴音「…」
貴音「落ち込んでいても仕方ありません、本日のらぁめんを紹介しましょう」
貴音「本日はこちら」
貴音「響に作っていただいた『そーきそば』です」
貴音「…」
貴音「らぁめんではないではありませんか!」
貴音「すたっふ!すたっふぅー!」
貴音「…」
貴音「ふふっ!」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:07:40.12 ID:hE5Y5dSFO
貴音さんかわいすぎ
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:08:55.81 ID:m3+way/D0
貴音「最近共演した芸人さんから教えてもらった一発ぎゃぐです」
貴音「食事に誘われたのはもちろん断りましたが」
貴音「初対面の異性を食事に誘うなど…いくらいけめんでも許せませんね」
貴音「浮気などはもってのほかです」
貴音「…」
貴音「これを響に作っていただく際に」
貴音「メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシで」
貴音「と言ったところ、日本語で話すよう怒られました…」
貴音「…」
貴音「まあわたくしも響の沖縄弁はたまに何を言ってるのかわから」
【しばらくお待ちください】
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:16:33.78 ID:m3+way/D0
貴音「…失礼いたしました、さっそく食していきましょう」
貴音「いただきます」
貴音「……」ズルズル
貴音「む、これは…」
貴音「蕎麦と言いつつも蕎麦粉ではなく小麦粉のみで麺が作られており…」
貴音「それでも太めの麺や和風だしなどの組み合わせから、らぁめんよりもむしろ肉うどんのような…」
貴音「…」
貴音「新食感でございますね…」
貴音「…」
貴音「ふふっ!」
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:20:53.53 ID:m3+way/D0
貴音「ふむ、おいしゅうございました」
貴音「…聞けば『そーきそば』は近年まで日本のらぁめん文化の影響を受けることの無かった沖縄において」
貴音「沖縄独自の麺料理として広まったそうですね」
貴音「ならばこの『そーきそば』は、沖縄のらぁめんと言ってもよいのではないでしょうか」
貴音「…」
貴音「ふふっ!」
貴音「このようなことが書いてあるなど、うぃきぺでぃあは本当に便利」
【しばらくお待ちください】
貴音「失礼いたしました」
貴音「…しかし、このように美味な食が世の中にあふれているのもまた事実」
貴音「まだまだ奥の深い世界であることを実感いたしました」
貴音「…四条貴音のらぁめん探訪」
貴音「今週はここまでにございます」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:23:55.83 ID:m3+way/D0
貴音「それでは、また来週」
貴音「…」
はいオッケーでーす!
貴音「…あの」
はい?
貴音「その…来週はお店でらぁめんを食すことができるのでしょうか…?」
…四条さんがおかわりしなければ
貴音「ぜ、善処いたします…!」
じゃあ来週はロケに行きましょう
貴音「…!」
貴音「これが…!感動の極み…!」
貴音「わたくし、今日は早く帰って来週の“いめとれ”をしてまいります!それでは!」
ガチャ バタン!
不安が拭いきれないスタッフ一同であった
【四条貴音のらぁめん探訪 終】
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:00:18.51 ID:m3+way/D0
【あみまみちゃん】
亜美「あみまみちゃーん」
真美「…」スッ スッ
亜美「…」グイッ
真美「エッフェル塔」
観客「ドッ」
亜美「…」ストン スッ
真美「…」バッ ピタッ
亜美「グァテマラコーヒー」
観客「ドッ」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:05:09.63 ID:m3+way/D0
「…」ギュッ ドタプン
「あずさお姉ちゃん」
「ドッ」
春香「あはは…亜美と真美は相変わらずだなあ」
春香「ね、ちは…」
春香「……?」
千早「私だったら今のは…このパインすっぱいん、おっ○いんというダジャレで…」
春香「…えへへ、またダジャレ考えてるの?千早ちゃん」
千早「!! い、いえこれは…」
春香「青羽根プロデューサーさんから教わったんだもんね、ダジャレ」
千早「…っ!」
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:09:01.97 ID:m3+way/D0
春香「でも面白いよね、ダジャレって!私もいくつか考えて…」
千早「…それで観客から冷たい目を向けられたのを覚えてないの?」
春香「あ、ああ!この前のライブでしょ?あのときはなんというか…あはは…」
千早「とにかく、私にはダジャレなんて必要無い…私には歌しかないのよ」
春香「…千早ちゃん」
千早「……ごめんなさい、春香のことを悪く言うつもりはないわ」
春香「う、ううん!大丈夫だよ!」
千早「…なにはともあれ、今は目の前の生放送をしっかり終わらせましょう」
春香「…うん、そだね」
スタッフ「『無尽合体キサラギ』の予告明けからスタジオ中継入りまーす!」
千早「それじゃ先に行くわ、遅れないようにね」
春香「あ、うん…」
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:13:03.63 ID:m3+way/D0
春香「…」
春香「私には…」
春香「ダジャレを考えてるときの千早ちゃんの方が楽しそうに見えたんだけどな…」
「春香ー!早く来ないと始まっちゃうのー!」
春香「あ、ごめん!今行く…うわわっ!」
ドンガラガッシャーン
観客「ドッ」
春香「えへへ…」
春香「…」
春香(そうだよね、今は目の前のお仕事を頑張らなきゃ)
春香「よーっし、がんばるぞー!」
観客「ドッ」
春香「い、今の真面目なところなんですけど…」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:17:44.91 ID:m3+way/D0
響「ま、ら、そん♪ま、ら、そん♪」タッタッタ
スタッフ1「いやーそれにしても順調だな、響ちゃん」
スタッフ2「だって間違いそうな道が全部工事中で封鎖なんて…これじゃだいぶ時間余ったまんまスタジオ到着だよ」
スタッフ1「昨日の段階じゃ工事なんてやってなかったんだけどなあ」
スタッフ2「あ、また工事中だよ…なんだこりゃ」
警備員「すみませーん、向こうの道を通ってくださーい」
響「わかったぞ!警備員のお兄さんも頑張ってねー!」タッタッタ
スタッフ1「ああ…また迷いもなく正しいルートに…」
スタッフ2「ところであのおカタイ感じのプロデューサーどこ行ったんだ?」
スタッフ1「知らねえよ…ああ、またディレクターに怒られる…」
警備員「…」
警備員「ふふふ…」
警備員(青P)「計算通り!」バーン!
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:22:46.69 ID:m3+way/D0
青P(なんの導きも無く響ちゃんを一人で走らせたら迷うのは明らか…)
青P(ならばプロデューサーである俺が導いてやればいいだけのこと!)
青P(…)
青P(証明してあげますよ…)
青P(響ちゃんは……)
青P(響ちゃんは不憫じゃないってことをね!!!)
子供「ママー、あそこのけいびいんさんニヤニヤしててこわーい」
母「しっ!見ちゃいけません!」
青P(それにしても…)
青P(この警備員コスプレを持っていた赤羽根くんに感謝しなくてはいけませんね…)
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:27:44.72 ID:m3+way/D0
やよい「明日の天気は、や、やま…やまあいだ…?」
伊織(山間部よ山間部!)
やよい「さ、さんかんぶで…ごう、ごうあめ…」
伊織(豪雨よ豪雨!)
園児「いおりんのデコまじぺちぺち!」ペチペチ
伊織(こら!やよいがしゃべってるんだから静かにしなさい!)
園児「すぅ…すぅ…」
あずさ「あらあら、寝ちゃってるわ」
黄P(俺は園児になってあずささんの山間部で集中豪雨を降らせたい)
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:33:37.67 ID:m3+way/D0
春香「さあ!それでは菊地真改造計画はどうなったかなー?」
美希「中継先の雪歩ー!」
『…はい、萩原雪歩です』
千早「は、萩原さん?なんだか様子がおかしいみたいだけど…」
『スタジオの皆さん…』
春香「は、はい?」
『今日は、歴史が変わる日になるかもしれません』
美希「へ?」
『これが新しい真ちゃんです!どうぞ!』
千早「はぎわ…」
千早「!?」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:38:32.51 ID:m3+way/D0
真「ど、どうも…菊地真です…」
真「こ、こんなヒラヒラした服、普段着慣れてないから…」
真「…き、緊張するなぁ……えへへ…///」
『う、うおおおおお!真うおおおおお!』
真「で、でも!皆さんが喜んでくれるなら…」
真「ボク…恥ずかしい服装だってなんだってしますよ…?」
真「……」
真「…ボク、かわいいですか…?///」
『うわああああああああああああああ!!!!!ま、真ーっ!まこ、まっことぉーーっ!!!!』
赤P(よし!会場はボルテージマックスだ!)
雪歩(真ちゃんふわああああ!!)
赤P(こんなこともあろうかと白のワンピースを買っておいてよかったぜ)
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:43:54.25 ID:m3+way/D0
春香「…」
美希「…」
千早「…はっ!」
千早「つ、次はお土産を紹介します」
千早(危ない…ニュー真の威力に失神しかけていたわ…)
千早「ほら美希、お土産を紹介して」
美希「え?お土産なんてどうでもいいの…はぁ、真クン…」
春香「じゃ、じゃあ私が取ってくるよ!ちょっといってきます!」タッタッタ
千早(お土産は食べ物だというのに…さすがね、ニュー真…)
春香「…あのー」
千早「どうしたの春香、舞台袖から顔だけ出して」
春香「…」
春香「…」スッ(ゆうパック)
観客「ドッ」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:49:01.96 ID:m3+way/D0
春香「これあれですよね!?先週私が箱開けるの失敗したからですよね!?」
千早「ふ…ふふっ…、い、いいから春香…あ、開けてちょうだ、ぶふっ!」
春香「千早ちゃんまでひどいよ!職権乱用だよこんなの!」
美希「意味が分からないの春香、ほらお客さんも期待してるよ?」
春香「へ?」
観客「ハルカチャーン」
春香「は、はい?」
観客「アケルノシッパイシナイデネー」「ゼッタイダゾー」
春香「うるさいなーもう!」
観客「ドッ」「カワイー」
春香「開けますよもう!開ければいいんでしょ!?」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:54:19.09 ID:m3+way/D0
春香「い、いきまーす」
千早「…」ドキドキ
美希「…」ゴクリ
春香「…えいっ!」パカッ
春香「……」
春香「…あれ?」
春香「お、おっかしいなー、普通に開けちゃ」
ガチャッ! ガシャーーン! カランカラン
春香「あいたーーーっ!」
千早「ふはっ!」
美希「た、タライが降ってきたの!」
春香「なんなんですかここのスタッフさんは!もー!」
千早「……っ!…っ!」ヒクヒク
観客「チハヤチャンワライスギー」「カワイー」
美希(春香のプロ根性…さすがなの!)
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:59:02.13 ID:m3+way/D0
春香「……」
千早「ご、ごめんなさい春香…さっきのはその、さすがに笑いすぎたというか…」
春香「ふんだ」
美希「二人は置いといて、響チャレンジにいくのー!」
美希「響ー、番組終了まで残り15分だけど、どんな調子ー?」
『はいさーい!自分は今、○○交差点にいるぞー!』
美希「おー!そこからなら10分もかからないの」
『ふふーん!自分完璧だからな!尺が余るくらいの時間でゴールしちゃうぞー!』
美希「それは困るからほどよくゴールしてねー!それじゃ最後まで頑張るのー!」
『任せとくさー!今日こそは達成す』ブツッ
美希「あ、中継が切れちゃったの…響は相変わらず不憫なの」
美希「それでは、今週から始まる新コーナー!」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:04:13.76 ID:m3+way/D0
【秋月ディクショナリー】
律子「…」
律子「秋月ディクショナリー」
ペラリ
『メガネ』
律子「…」
律子「わたし」
律子「…」ニコッ
【秋月ディクショナリー おわり】
観客「…?」
千早「…?」
律子(急にやらされたうえにこの空気…)
律子(3倍増しで恥ずかしいわ…)
美希(これがハニーの考えた企画だっていうから驚きなの)
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:09:19.20 ID:m3+way/D0
響「よーし!あともうちょっとでゴールさー!」タッタッタ
青P(ふう、なんとか合流できました)
青P(ここまで来たらあとは響ちゃんでも…ん?)
響「……」
青P(まさか)
響「…なんだか木が多いからこっちに行くさー!」タッタッタ
青P(違う!テレビ局なんだから普通は都会っぽい方に行くでしょう!)
響「うーん!自然のにおいだぞー!」タッタッタ
青P(自然児響ちゃんかわいい!違う!そうじゃない!)
スタッフ1「お!おお!響ちゃんがミラクルを起こしたぞ!」
スタッフ2「ヒャッハー!これで視聴率もうなぎのぼりだー!」
青P(まさかこんなところで道を間違えるとは…想定外にもほどがあります)
青P(ど、どうすれば…)
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:14:52.35 ID:m3+way/D0
青P(…!)ピッ ピピッ prrrr prrrr
青P「黄羽根くん、ちょっといいですか?」
『ああ?なんだよまだ仕事中だろうが』
青P「仕事の話です」
『…なんだってんだよ』
青P「今日テレビ局にはバイクで来ましたよね?それを貸してくれませんか」
『はあ?なんでお前に…』
青P「秋月さんにもらったあずささんのプライベート写真を取引条件として出しましょう」
『ダチの言うことなら仕方ねえな、バイク貸してやるよ』
青P「ありがとうございます」ピッ
青P「…」
青P「まあプライベート写真なだけであずささんが普段着でただ座ってるだけなんですけどね」
青P「…嘘はついてないのでよいでしょう」
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:20:43.88 ID:m3+way/D0
青P「…スタッフさん、俺は一足先にテレビ局に戻ります」
スタッフ1「え?あ、はい」
スタッフ2「い、いいんですか?響ちゃんのゴールを見届けなくて」
青P「…今のままでは響ちゃんが時間内にゴールするのは」
青P「限りなく0%ですからね」キリッ
スタッフ1(何言ってんだこいつ)
青P「それでは、俺はこれで」タッタッタ
スタッフ1「…」
スタッフ2「…そんなことより今は響ちゃんだ!」
響「ま、ら、そん♪ま、ら、そん♪」タッタッタ
響「…あれ?なんだかひとけの無いところに出てきちゃったぞ…」
響「…」
響「や、やばいかも…」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:25:48.20 ID:m3+way/D0
響「う、うう…よく見たら番組終了まで10分くらいしかないし…」
響「ま、また間に合わないかも…」
響「…んぎゃー!今日こそは時間内にミッションクリアーするはずだったのにー!」
響「これも青羽根プロデューサーが道を教えてくれな」
男「ヒャッハー!汚物は消毒だー!」ブロロン ブロロン
響「!?」
男「ああん!?なんだかカワイ子ちゃんがいるなあ」
響(ニット帽にサングラス、おまけにマスクして上下スーツ…)
響(へ、変態だぞ…!)
男「お嬢ちゃん、こっちは俺たち不良のたまり場になってるんだぜ?」
響「ひ、ひっ!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:31:08.94 ID:m3+way/D0
男「俺たちに乱暴されたくなかったらなあ…」
男「そこの左手にある道をまっすぐ行って2つ目の信号を右に曲がって」
男「『うきうき通り』を500メートルほどまっすぐ行くんだな!そしたらテレビ局があるからああぁぁぁぁぁ!!」
響「う、うわあああああ!!!」ダダダダダ
スタッフ1「ひ、響ちゃーん!」
スタッフ2「お、追えー!追うんだー!」
ドタバタ ワーワー
男「…」
男(青P)「計算通りっ!!」
青P「口調は苦労しましたが…黄羽根くんを参考にしてよかったですね」
青P「それにしても…」
青P「響ちゃんに変装の才能が無くて助かりました」
青P「…」
青P「響ちゃんは…」
青P「響ちゃんは不憫じゃなぁーい!!」ナーイ ナーイ ナーイ…
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:37:07.63 ID:m3+way/D0
-メインスタジオ-
春香「というわけで今週の『生っすか!?サンデー』はそろそろお別れのお時間です!」
美希「結局響は間に合ってないの…あふぅ」
千早「じゃあ今回の響チャレンジも失敗ということに…」
「うああああああああああああああああああああ!!!!」ダダダダダ ズザーッ
千早「!?」
春香「ひ、響ちゃん!?」
響「へ、変態が、山の中で、道、道を」
美希「お、落ち着くの響」
春香「ゴールだから!ここゴールだから!」
千早「じ、時間ギリギリですが、今回の響チャレンジは…!」
【響チャレンジ 成功!!】テレッテー♪
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:40:19.39 ID:H2mwItK00
ひびきはかわいいなぁ!
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:41:23.34 ID:m3+way/D0
「それではみなさん、また来週ー!」
「生っすかー…」
「サンデー!!!」
小鳥「……」
小鳥「ふう、今日も終わったわね…みんなお疲れ様」
小鳥「…それにしても、あの変な男って青羽根プロデューサーさんよね…」
小鳥「結果的に時間内にゴールしたけど、一部始終はカメラに収められているというのに…」
小鳥「…ハァ」
小鳥「…」
小鳥「響ちゃんは不憫ねー」
第15話『みんな揃って、生放送ですよ生放送!』 完!
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:46:21.25 ID:m3+way/D0
-765プロ事務所-
響「それで変な男が来て、散々だったんだぞ!」
春香「あ、あはは…」
響「まったく!青羽根プロデューサーもいざというときに頼りにならないんだから!」
青P「はは、申し訳ない」
赤P(…おい、いいのか本当のこと言わなくて)ヒソヒソ
青P(構いません、俺は響ちゃんの喜ぶ顔が見れればそれで十分ですから)ヒソヒソ
赤P(いや、別に喜んではなかったけどな)ヒソヒソ
響「なあ、いぬ美もそう思うだろ?」
いぬ美「……」
響「ねえいぬ美!聞いてるの!?」
いぬ美「……」
第16話『ひとりぼっちの気持ち』
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:51:59.27 ID:m3+way/D0
赤P「…というわけで、今日は響一人でお願いします」
オカマD「あら、響ちゃんといぬ美ちゃんケンカしちゃったの?」
赤P「ええ…理由は俺たちにもよく分からないんですが」
オカマD「あらー、心配ねえ響ちゃん」
響「べ、別に心配じゃないぞっ!自分一人でもやれるんだからねっ!」
オカマD「健気ねー、んふふ」
赤P(なんだ今のツンデレ)
オカマD「でも困ったわねー、いぬ美ちゃんの代わりになる動物を探さないと」
悪い人「それならこいつを使おう」
オカマD「あら、担当ちゃん」
悪い人「ブラックファルシオン3世だ、こんなこともあろうかと準備しておいたのさ」
オカマD「うーん、助かるけど…」
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:58:15.59 ID:m3+way/D0
オカマD「なんだかいぬ美ちゃんと比べると、愛想が無いわねぇ…」
響「そんなことないぞ!よろしくね、いぬ三郎!」
悪い人「い、いぬ…!こいつはブラックファルシオン3世だって…」
いぬ三郎「……」ジョワァー
響「う、うわわ!なにするんだいぬ三郎!」
赤P「…大丈夫でしょうか」
オカマD「どうにかなるんじゃない?」
-撮影現場-
響「はいさーい!我那覇響です!」
響「飛び出せ動物ワールド、まずは動物探検隊のコーナー!」
響「今日は新しい友達が来てくれてるんだぞ!な、いぬ三郎!」
いぬ三郎「…」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:03:24.96 ID:m3+way/D0
響「い、いぬ三郎!ほら!今の気持ちはどうだ!?」
いぬ三郎「…」モグモグ
響「うぎゃー!ま、マイクを食べられたー!」
赤P「あちゃー…」
オカマD「あらら……」
「一旦休憩でーす」
響「はぁ…いぬ美がいればこんなことにはならないのに…」
響「…!」
響「ち、違う違う!今日はいぬ美なんて知らないぞ!」
ハム蔵(ふむ…)
赤P「響、お疲れ様」
響「あ、プロデューサー…」
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:09:14.34 ID:m3+way/D0
赤P「このあとはいつも通り場所を変えて撮影だ、しっかり気持ちも入れ替えるんだぞ」
響「…うん!分かった」
赤P「…それと、このあと特別ゲストでジュピターが来るらしい」
響「ジュピターが!?」
赤P「何をしてくるか分からないやつらだ、気をつけるんだぞ」
響「…自分、卑怯なやつらには絶対に負けないさー」
赤P「それじゃ俺はあいさつがてらジュピターのところに行ってくる、ちゃんと休憩しておけよ」
響「了解だぞ!」
響「…むぅ」
ダメスタッフ「あ、あの、我那覇さーん…」
響「?」
ダメスタッフ「じ、実はロケバスに乗りきらなくてですね…」
ハム蔵(……)
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:14:51.66 ID:m3+way/D0
スタッフ「ジュピターさん到着でーす!」
ガチャ バタン
今井「うきゃー!冬馬ー!!と、とととうまーっ!」
浅倉「ふぉくとー!こっち向いてェーっ!!」
滝田「翔太ー!翔太サイコー!ふわああああっ!!」
赤P(し、知ってはいたけどすごい人気だな…)
冬馬「…アンタ765プロの」
赤P「き、キミはジュピターの……姉ヶ崎寧々さん」
冬馬「“ヶ”しか合ってねえじゃねえか!それに俺は凛子派だ!」
北斗「え?」
翔太「え?」
冬馬「あ」
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:19:59.39 ID:m3+way/D0
冬馬「と、とにかく!俺はお前らみたいな卑怯な連中には負けねえからな!」
赤P「…キミが黒井社長から何を言われたかは知らないが」
赤P「俺たちはそんなことはしない…正々堂々勝負させてもらうさ」
冬馬「うぐ…」
赤P「…今日は頑張ろう、それじゃ」
冬馬「…ちっ!なんだあいつ」
翔太「……ねえ冬馬くん」
冬馬「ん?」
北斗「ラブプラスやってるって本当か?」
冬馬「…」
冬馬「…発売当初から凛子は俺の彼女だ」
北斗「…」
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:24:39.40 ID:m3+way/D0
翔太「…へー、そうなんだ」
冬馬「……笑いたければ笑えよ!地方から上京してきて寂しかった俺の心を埋めてくれたのは間違いなく凛子で…!」
北斗「冬馬」
冬馬「なんだよ!」
北斗「俺は愛花派だ」
冬馬「!!!!」
翔太「へへ、僕は寧々さん派」
冬馬「お前ら…そんな大事なことをどうして今まで…」
北斗「…お前と同じさ、冬馬」
冬馬「俺と…?」
翔太「笑われるかと思ったんだよ、こんなゲームなんてって」
冬馬「…!」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:29:44.10 ID:m3+way/D0
北斗「だけど、こんな業界で生きてて寂しくないやつなんてなかなかいない…」
翔太「そんなときに出会ったのが、ラブプラス…ただそれだけさ」
冬馬「お前ら…」
北斗「…しかし、お前が凛子派でよかったぜ」
翔太「もしどっちかとかぶってたら、戦争が始まるからね!」
冬馬「…へっ!凛子は俺の彼女だ、誰にも渡すもんかよ!」
北斗「ははっ、それでこそ冬馬だ」
翔太「今日の収録がんばろうね!そのあとすれちがい通信しようね!」
冬馬「よーっし!961プロー、ファイトー!」
3人「オー!!」
オカマD「んふふ、いいわね〜男同士の友情!」
黒井(あいつら…あのかけ声はダサいからやめろと言ったのに…)
黒井(……)
黒井(…)ウズウズ ←実はちょっとやりたい
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:36:04.20 ID:m3+way/D0
赤P(いかんいかん、よくわからんが寧々さんの名前を出してしまった)
赤P(ところで響はどこに…)
赤P「お、こんなところにいたのか」
響「あ、プロデューサー!ここのスタッフなんかあやしいぞ!」
赤P「あやしい?」
響「スタッフの人がロケバスに入りきらないから別の車に乗れって言うんだけど、そんなことあるはずないよね!?」
赤P「ん、ああ、もし本当に入りきれないなら普通はアイドルを別の車にはしないだろうな」
響「だよねだよね!えらいぞハム蔵!」
赤P「お前が教えてあげたのか?すごいなハム蔵!」
ハム蔵(…ふん、褒められても何も出ねぇぞ)
響「あー!ハム蔵照れてるー!」
赤P「お、俺には何も分からんが…」
ハム蔵(…ふん///)
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:41:30.81 ID:m3+way/D0
赤P「それにしても、響は本当に動物たちと心が通い合ってるんだな」
響「ふふーん!当然だぞ!なんたって自分カンペキだからな!」
赤P「そんなカンペキな響でも、いぬ美とはケンカしちゃうんだな」
響「あ…」
赤P「…なあ、お互いに素直にならなきゃ解決しないことだってあるんだぞ?ここはお前が大人になって…」
響「…う、うるさいうるさい!いぬ美が悪いんだから向こうから謝るまで許さないぞ!」
赤P「あ、おい!響!」
赤P「……うーん、難しいなあ…」
ハム蔵(…プロデューサーの旦那)
赤P「うおっ、ど、どうしたハム蔵」
ハム蔵(今は…今はあいつの好きにさせてやってくれねえか)
赤P「そ、そんなにチューチュー言われても俺には分からないんだが…」
109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:46:37.10 ID:hE5Y5dSFO
ハム蔵さんかっこいいな
110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:47:15.92 ID:m3+way/D0
ハム蔵(…分からなくてもいい、ただ俺の言うことを聞いてくれればそれでいい)
赤P「…?」
ハム蔵(……あいつは…響は、俺たちのことを家族だと言って仲良くしてくれている)
ハム蔵(それは俺たちにとってはうれしいことなのかもしれねえが…)
ハム蔵(果たしてそれが響にとって良いことなのか…俺には分からねえ)
赤P「……」
ハム蔵(この芸能界という厳しい世界を生き抜くにあたって)
ハム蔵(家族という逃げ道があることは…必ずしもプラスになるとは限らないと思うんだ)
ハム蔵(…ここで一歩前に進まなきゃいけない、そんな気がする)
赤P「…ハム蔵」
ハム蔵(…へへっ、すまねえな言葉も通じてないのにこんな話しちまって)
113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/23(金) 22:51:49.63 ID:85KyUuRu0
どうしてハム蔵さんはいつもカッコいいんだろう…
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:52:24.82 ID:m3+way/D0
赤P「…確かに、俺にはお前の言葉は分からないけど」
赤P「お前が響のことを心配しているのは伝わってきたよ」
ハム蔵(…!)
赤P「……だから、今日は俺がお前たちの代わりに響を見守る」
赤P「それで、いいかな?」
ハム蔵(旦那…)
赤P「大丈夫だ、なにか問題があったらすぐに飛び出てやるさ」
赤P「それが、プロデューサーの仕事だ」
ハム蔵(……)
ハム蔵(…感謝いたしやす)
オカマD「んふふ、いいわね〜男と動物の友情!」
スタッフ(この人なんでもいいのかよ)
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:58:08.39 ID:m3+way/D0
悪い人「なにやってるんだお前は!作戦がめちゃくちゃじゃないか!」
ダメスタッフ「す、すんません!でもハムスターがうるさくて…!」
悪い人「ハムスター…?ええい、とにかくこれじゃ黒井社長に会わせる顔が…」ム゙ーッ ム゙ーッ
悪い人「!」
悪い人「く、黒井社長からメールだ…一体なにが…」ピッ
from:黒井社長
本文:ウィ。私だ。
作戦はうまくいっているかね?
と言っても私も現場に来てるからなんとなく分かってるんだけどね(笑)
形はどうあれ、765プロの妨害をするのがキミの今日の役目だ。
それが遂行できないときは…分かっているね?
まあ気負わず頑張りたまえ。はーっはっはっは!
961プロー、ファイトー!
悪い人「……」
悪い人「お、おー?」
ダメスタッフ「?」
117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:04:58.54 ID:m3+way/D0
響「それじゃジュピターの3人は動物たちと上手に触れ合えるかなー?」
冬馬「へっ!そんなの楽勝だ…、おい!なんで俺の肩に鳥という鳥がとまりまくってるんだよ!」
今井「きゃー!鳥たちの憩いの場にもなれる冬馬くんサイッコー!!」
翔太「あはは!冬馬くんおもしろーい!」
浅倉「きゃー!ヘビとも物おじせずスキンシップできる翔太きゅんまじ魔性の少年!!」
北斗「はっ!やっ!とうっ!」
滝田「きゃー!市民公園でダチョウを華麗に乗りこなす北斗くんチャオー!!」
響「あっはは!いいぞいいぞーその調子!」
響(ジュピターの連中…こうやって見ると案外悪いやつらじゃないかも!)
悪い人(ぬうう…!このままじゃ普通の動物番組で終わってしまうじゃないか…!)
悪い人(このままじゃいかん!やれ!ブラックいぬ三郎3世!)
118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:10:18.80 ID:m3+way/D0
いぬ三郎「……」
響「さ、いぬ三郎もこっちでみんなと一緒に…」
いぬ三郎「……!」
シュバッ シュババッ グイッ ブチブチブチィッ!!
響「へ」
北斗「…わお」
翔太「ありゃ、これ放送できるのかな」
冬馬「…!……っ!」
響「…あ、あ…!」
赤P「す、すみません!カメラ止めてください!」
響「うぎゃああああああああああ!!!!」ドドドドド
赤P「ひ、響ぃー!!」ダダダダダ
120 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:16:57.05 ID:m3+way/D0
悪い人(よし!よくやったぞ!なんとかいぬ三郎3世!)
悪い人(服をビリビリに破られては765プロの連中も仕事どころではないはず)
悪い人(人気上昇中アイドル、我那覇響の上半身ヌード!これは評判ガタ落ちだ!)
悪い人(これで765プロの仕事を妨害できたはず!勝った!第3部…)
オカマD「…ねえ、担当ちゃん」
悪い人「ひっ!?…な、なんだディレクターか」
オカマD「勝手に盛り上がってるところ悪いけど…あの犬は担当ちゃんの犬なのよね?」
悪い人「あ、ああそうだ!あれは私が連れてきた!」
オカマD「…せっかく良い画が撮れてたのにさ、どうオトシマエつけてくれるのかしら?」
悪い人「…え?」
122 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:21:59.84 ID:m3+way/D0
オカマD「おかしいと思ったのよ、さっきは若いスタッフが響ちゃんに嘘ついてどっか連れていこうとしてたみたいだし」
悪い人「ち、違う!それは私じゃなくてそいつが勝手に…」
オカマD「男ならこの期に及んでウダウダするんじゃねェッ!!!」
悪い人「!!!!」
オカマD「…お前ちょっと裏来いや」
悪い人「は、はい…」
悪い人(俺、これが終わったら実家の酒屋継ぐんだ…)
-山の中-
響「う、うう…」
響(な、なんだよいぬ三郎のやつ!急に服をひきちぎるなんて…)
響(…もしかして自分がそんなに魅力的だったのかな、うへへ…)
響(って違う違う!今はそれどころじゃないぞ!)
125 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:26:57.67 ID:m3+way/D0
響(……気付いたらよく分からないところにいるし…ここ、山の中だよね)
響(………)
響(へ、変態が現れるかも…!)
響(で、でもこんなカッコじゃプロデューサー呼ぶのも恥ずかしいし…うう…///)
響「…ど」
響「どうすればいいんだー!うわー!」
赤P「はぁ…はぁ…どこに行ったんだ響のやつ…!」
ハム蔵「…!」ピクッ
ハム蔵(響の声……山の方角か!)
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:31:31.32 ID:m3+way/D0
ハム蔵(旦那…すまねえ!)ヒョーイ モゾモゾ
赤P「あ、おいハム蔵!急にポケットに入って何を…!あ、あは、あはははは!やめろくすぐったいひぃん!」
ハム蔵(……あった!これでこのボタンをこうして…!)ポチポチ ポチッ
赤P「ひーっ…ひーっ…ハ、ハム蔵お前ってそういう…」
赤P「…!」
赤P「俺のケータイ…青羽根にかけろってことか?」
ハム蔵「…!」コクコク
赤P「…分かった!信じるぞハム蔵!」
ハム蔵(俺の方こそ頼んだぜ旦那!)ダッ
赤P「青羽根は事務所待機だったはずだ…」
赤P「でも青羽根に電話をかけたところで一体何の意味が…」
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:36:48.63 ID:m3+way/D0
-765プロ事務所-
いぬ美「……」
青P「今日はヒマですね、いぬ美さん」
いぬ美「……」
青P「ほら、ドッグフードですよ…っと、そういえば響ちゃんの手作り以外は食べないんでしたね」
ジャアネナンテイワナイデー マタネッテイッテー♪
青P「おっと、赤羽根くん…ロケ中のはずですが」ピッ
青P「はい、青羽根です」
『青羽根か!?響がどこかに走り去ってしまったんだ!』
青P「…それでなんで俺に電話を」
『俺にも分からん!ただ、ハム蔵がお前に電話をかけろって…!』
青P「……分かりました、場所とそうなった経緯を教えてください」
『あ、ああ!場所は△△市民公園の中で…』
129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:42:33.96 ID:m3+way/D0
青P「…なるほど、そういうことなら近くの山に逃げ込んだ確率が約90%でしょう」
『分かった!そっちの方を探してみる!』ピッ
青P「…」
青P「赤羽根くんだけでは少し心配ですね、俺も現場に…」
青P「おっと」
いぬ美「……」
青P「…いぬ美さん、あなたも一緒に来ますか?」
いぬ美「……」
いぬ美(…ええ、行くわ)
いぬ美(あの子の…ピンチだもの)
130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:46:07.88 ID:m3+way/D0
赤P「響ー!響、どこ行ったー!!」
赤P「くっそ…けっこう長いこと探してるけど見つからない…!」
赤P「雨も降ってきたし…響に風邪なんてひかれたら…」
赤P「……」
赤P「…ええい!落ち込んでる場合じゃない!」
-響が隠れている林-
「響ー!聞こえてるなら返事してくれー!」
響「うう…こんなカッコでプロデューサーの前に出れるわけないぞ…」
響「…ごめんねハム蔵、一緒にいさせちゃって」
ハム蔵(気にすんな、俺とお前の仲だろうが)
響「えへへ、やっぱりハム蔵はやさしいなー」
ハム蔵(…なあ、響)
響「?」
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:50:52.70 ID:m3+way/D0
ハム蔵(お前、いつまで今のまんま甘えてるつもりだ?)
響「あ、甘えてるって何が…」
ハム蔵(…お前、赤羽根の旦那のことが好きなんだろうが)
響「!!」
ハム蔵(……ああ、勘違いすんな、俺も旦那はいい男だと思うよ)
響「…///」
ハム蔵(春香…とか言ったか、あのリボンの女)
響「う、うん…多分春香のことだと思うけど…」
ハム蔵(あいつ、おそらく旦那のこと好きだぞ)
響「へ!?なんでそんなこと知ってるのハム蔵!!」
ハム蔵(……これだから人間ってやつぁ)
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:01:56.10 ID:m3+way/D0
ハム蔵(とにかく、うかうかしてたら春香に旦那を取られちまうぞ、ってこった)
響「う…で、でも…」
ハム蔵(……それに、お前もいつまでも俺たちと一緒ってわけには)
「ばうっ!!わんわんっ!!」
ハム蔵(!)
響「い、いぬ美の声だ!いぬ美ー!」
「響ちゃん、そこにいるんですかー!?」
響「うわー!青羽根プロデューサーはこっち見ちゃダメー!」
「了解しましたー!」
ハム蔵(旦那…うまいことやってくれたんだな)
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:06:09.60 ID:IRGGvwsZ0
ハム蔵(…それじゃ俺は行くわ)
響「へ!?ハ、ハム蔵もここにいてよぉ…」
ハム蔵(ダメだ、女同士のケンカなんざとても近くでみてらんねえ)
響「うう…ハム蔵の薄情者…」
ハム蔵(それによ、響)
響「?」
ハム蔵(ケンカってなあ、当人同士が納得しなきゃ解決しないもんなんだぜ)
響「ハム蔵…」
ハム蔵(…おっと、姐さんのお出ましだ!うまくやれよ響!)
響「あ!ハムぞ…」
響「……」
いぬ美「……」
響「…いぬ美」
いぬ美(……お疲れ様)
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:11:30.76 ID:IRGGvwsZ0
いぬ美(…またずいぶんと派手にやられたもんね)
響「う、うるさいぞ!別にいぬ美に心配されなくたって…!」
いぬ美(あんたね…この状況でまだそんなこと言うつもり?)
響「うぐ…」
いぬ美(はぁ…これだからお子様は…)
響「じ、自分子供じゃないぞ!」
いぬ美(自分の好きな相手に気持ちを伝えられない子のどこがお子様じゃないのよ)
響「そ、それは…」
いぬ美(…あんたはまだいいわよ、相手が同じ人間なんだから)
響「いぬ美…」
響「…」
響「今朝、いぬ美の好きな人…青羽根プロデューサーを悪く言ったのは謝るさー…」
いぬ美(……)
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:17:25.94 ID:IRGGvwsZ0
響「で、でも…あのときの青羽根プロデューサーは本当に薄情だったし…」
いぬ美(あんた…ホントにそう思ってんの…?)
響「え…?」
いぬ美(…っ!)
響「じ、自分…なにか勘違いとか…」
いぬ美(……あのときあんたが道を間違わずにゴールできたのは…!)
いぬ美(あの人のおかげで…っ!)
「おーい!響ー!どこだー!」
いぬ美(!)
響「っ!プロデューサー!?」
いぬ美(……あーあ!なんだかケンカする気も失せちゃったわ!)
響「い、いぬ美?」
いぬ美(…ほら、ちゃんとおめかししなさい)
140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:23:27.51 ID:IRGGvwsZ0
響「お、おめかしって言っても…」
いぬ美(……顔、汚れてるわよ)ペロッ
響「あ…」
いぬ美(…うん、綺麗な顔してる)
響「いぬ美ぃ…う、うう……」
いぬ美(あーほらほら、そこで泣いたら台無しじゃないのよ…まったく)
いぬ美(……)
いぬ美(ねえ、響)
響「…?」
いぬ美(私たちは、何があってもあなたの家族なの)
いぬ美(だからときどきケンカもするかもしれないけど…)
いぬ美(心から嫌いになることなんて無いってことだけは覚えておきなさい、いいわね?)
響「いぬ美…」
いぬ美「……」スゥ
いぬ美「アオオォォーーン!!!」
144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:28:59.92 ID:IRGGvwsZ0
「響!ここだったのか、探したぞ!」
「う、うぐ…ぷ、プロデューサぁ〜…うわあああぁぁん!!」
「ごめんな、怖かったよな…」
青P「…これにて一件落着、と言ったところですかね」
ハム蔵(すまん青羽根の兄貴…赤羽根の旦那に連絡までさせちまって)
青P「しかし、携帯電話の電話帳から赤羽根くんの電話番号を指示するとは…ハム蔵くんは本当に頭がいいんですね」
ハム蔵(…ふん///)
いぬ美(どうも、お疲れ様)
ハム蔵(姐さん…!すんません、嫌な役目押しつけちまって…!)
いぬ美(…いいのよ別に、私も当事者だしね)
ハム蔵(しかし…)
いぬ美(ハム蔵)
ハム蔵(は、はい!)
146 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:34:33.36 ID:IRGGvwsZ0
いぬ美(あんた、まさかあの子に私たちが必要無いなんて思ってないでしょうね)
ハム蔵(そ、そんなこたぁ…!)
いぬ美(…)
ハム蔵(……少なからず考えておりやした)
いぬ美(…いい?あの子はまだまだ子供なの)
いぬ美(あの子が大人になったとき、私たちの元を去るか…はたまた私たちが捨てられるか)
いぬ美(それはあの子が決めることよ)
ハム蔵(姐さん…)
いぬ美(…だから今は、ただ近くで見守ってあげましょう)
いぬ美(それが…こんな都会じゃ一人では生きていけない私たちの役目よ)
ハム蔵(姐さん…俺、一生ついていきます!!)
青P(なんだか分からないですが熱い展開が繰り広げられているようです)
147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:39:51.31 ID:IRGGvwsZ0
赤P「みんなすまん、待たせたみたいだ」
ハム蔵(おう響!おかえ…!?)
いぬ美(…あらら、うらやましいこと)
響「うう…おんぶなんて恥ずかしいぞ…///」
赤P「仕方ないだろ、お前足くじいてるんだし」
響「そ、それにプロデューサー風邪ひいちゃう…」
赤P「響に風邪ひかれるほうが俺にとって一大事だ、いいからおとなしく上着着とけ」
響「…はい///」
青P「あはは、うらやましいですね」
響「あ、青羽根プロデューサーまで!もー…///」
青P(いえ、あなたの方がね)ジロッ
赤P(いいとこ取りしてすまん…今度メシでもおごるから…)
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:44:28.90 ID:IRGGvwsZ0
赤P「…ま、とにかく現場に戻ってディレクターさんに謝ろう」
響「うう…怒られないかな…?」
赤P「んー、まあ理由が理由だからな…大丈夫だろ」
響「…だといいけど」
赤P「それにな、響」
響「…?」
赤P「怒られるときは俺も一緒だから、安心しとけ」
響「…はい///」
ハム蔵(旦那…!響を、響をよろしく頼んますぅ…!)
いぬ美(…なに泣いてんのよ、まだ早いわよ)
いぬ美(……)
赤P「お?い、いぬ美…どうした?」
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:49:44.57 ID:IRGGvwsZ0
いぬ美(……)
いぬ美(あんた、響を泣かせたら承知しないわよ)
いぬ美(…その子は、私たちの家族なんだから)
赤P「お、おい響…いぬ美はなんて言ってるんだ?」
響「…えへへー、秘密だぞ!」
赤P「そ、そうか…ところで俺、犬苦手なんだけど…」
いぬ美(……ふふ)
赤P「や、やめて!わざわざ二本足で立って寄りかからないでぇ!」
響「あはは!プロデューサー情けないぞー!」
響(……)
響(ああそうか、自分がプロデューサーのことを好きになったのは)
響(なんとなく、沖縄のにいにと似てるからかもしれない)
響(…)
響(家族って、やっぱりいいものなんだな…)
153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:00:23.34 ID:IRGGvwsZ0
赤P「すみませんでした!」
響「ご、ごめんなさいでした!」
オカマD「あらいいのよ!二人が悪いわけじゃないんだし」スッキリ
赤P「そ、そう言ってもらえると助かります…ところで番組の方は…」
オカマD「それがね、ジュピターちゃんたちが予想以上に頑張ってくれちゃって…今週はこれでどうにかなりそうなの!」スッキリ
響「え…」
赤P「そ、そうなんですか…」
オカマD「…んふふ、何暗い顔してんのよ!別にレギュラー動かそうなんて気はさらさら無いわよぅ!」スッキリ
響「あ、そんなつもりじゃ…!」
オカマD「この番組はあくまで響ちゃんのものなんだから!他のポッと出には渡さないわよ!」スッキリ
赤P「あ、ありがとうございます!」
響「ありがとうございます!」
響(ところでなんでディレクターは妙にスッキリした顔をしてるんだろう)
155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:05:52.26 ID:rbyFlix00
タチだったか…
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:06:38.20 ID:IRGGvwsZ0
オカマD「…ま、今日のところは帰ってゆっくり休みなさい」
赤P「はい、お言葉に甘えてそうさせてもらいます」
オカマD「あ、それと響ちゃん」チョイチョイ
響「?」
オカマD(困ったらとにかく押しの一手よ!プロデューサーさん草食系みたいだし!)ヒソヒソ
響(!!!???)
オカマD「んふふ!それじゃまたね!」
赤P「ひ、響?ディレクターはなんて…」
響「うぎゃー!うるさいうるさーい!」
赤P「…?」
冬馬「…おい、765プロ」
赤P「お前は…天ケ瀬冬馬」
冬馬「“ヶ”しか合って…全部合ってるじゃねえか!」
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:11:25.65 ID:IRGGvwsZ0
赤P「そりゃ一回間違えたあとだから普通は間違えないだろ…変なやつだな」
冬馬「ぐ…そっちこそ十分変な……まあいい!」
冬馬「…さっきのことを謝ろうと思ってよ」
響「さっきのこと…?」
冬馬「お前たちのことを卑怯者呼ばわりしたことだ」
冬馬「…今日一日この番組を体験して思ったが、これは卑怯な手段でテレビに出るようになったやつにはとてもできねえ」
冬馬「もっと真剣に…一生懸命やってこなきゃできないくらい大変な番組だってことは俺にだって分かったさ」
赤P「……今もお前の頭に鳥が数羽とまってるもんな」
冬馬「うるせえ!」
冬馬「…だが、まだお前たち全員のことを認めたわけじゃねえからな!」
冬馬「フェスで会ったときには覚悟しとけよ、765プロ!」
「冬馬くーん、早く行こうよー」
「そうだぞ、俺のショートカット愛花を早く見てくれよ」
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:17:10.64 ID:IRGGvwsZ0
冬馬「だー!今行くから待ってろ!」
冬馬「…じゃあな、765プロ!」
タッタッタ…
赤P「……本当に変なやつだったな」
響「でも、悪いやつじゃないってことは分かったかもしれないさー」
赤P「…うん、そうだな…俺たちも悪い噂に動かされてたのかもしれない」
響「ジュピターが表紙を横取りしたのは変わらないけどね!」
赤P「うん…それもその通りだ」
赤P(黒井社長…これからもこんな妨害をしてくるんだろうか…?)
響「…とにかく今日は帰るさー!」
赤P「あ、おい!引っ張るなよ!」
響「なーんくるないさー!」
159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:22:07.61 ID:IRGGvwsZ0
青P「…それじゃ俺たちも帰りますか」
ハム蔵(兄貴…いいんですかい?響を旦那に取られちまったまんまで…)
青P「ですからハム蔵くん、俺にはハムスター語は分かりませんよ」
ハム蔵(く…言葉が通じないのがこんなにもどかしいとは…)
青P「さ、帰りましょういぬ美さん」
いぬ美(…ええ、そうね)
青P「…おっと、尻尾のあたりが汚れていますよいぬ美さん」
いぬ美(!)
ハム蔵(!!!)
青P「これでよしっと…うん、キレイですよいぬ美さん」
いぬ美(…青羽根さん///)
ハム蔵(青羽根ぇぇぇぇぇ!!!貴様ぁぁぁぁぁ!!)
青P「ですからハムスター語は分からないんですってば」
第16話『ひとりぼっちの気持ち』 完!
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 14:52:38.92 ID:IRGGvwsZ0
「きゃー!真きゅーん!風になびいてる髪がフローラルの香りー!」
「うわあああああ!!真ー!俺だー!毎朝味噌汁作ってくれー!」
真「うわわ!し、仕事がありますから!すみませーん!」
ガチャ バタン! マコトキューン ドワアア ドワォ!
真「ふう…人気が出たのはうれしいけど…」
真「なんかこう…ボクの思ってたのと違うような…」
-765プロ事務所-
真「おはようございまーす…」
赤P「おう真、おはよう」
春香「真、おはよ!…あれ?なんか元気無いね」
真「…うん、ちょっと悩みごとっていうか…」
第17話『真、まことの王子様』
4 : >>3 ちょっと休憩のつもりが気付いたら朝でした:2012/03/24(土) 14:56:48.57 ID:IRGGvwsZ0
赤P「おいおい、そういうことなら俺に相談しろよ」
真「…えっと、ボクのアイドル像のことなんですけど…」
……
赤P「…なるほど、そういうことか」
春香「いいじゃない!私なんてこの前の生放送以来すっかりタライアイドル扱いだよ?」
真「でも…最近は確かに女の子らしく扱ってくれる番組も増えたんだけど…」
真「いっつもワンピースばっか着せられて…なんかスースーするし…」
赤P「こら、女の子がそういうこと言うんじゃない」
真「す、すみません!…でも、女の子扱いってそういうことじゃないっていうか…」
真「……あーもう!難しいなあ!」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:02:49.09 ID:IRGGvwsZ0
赤P「うーん、真の言いたいことも分かるけど…とりあえず今日の仕事を頑張らなきゃな」
真「そ、それは当然ですよ!せっかくお仕事もらえてるんだし…」
赤P「おし、それじゃ行ってくるかー!」
春香「プロデューサーさん!いってらっしゃい!」
赤P「ん、おう!いってきます」
春香「…えへへ」
-車内-
真(春香…すっごくうれしそうな顔してたな…)
赤P「ん?また考え事か?」
真「へ?あ、いや!そ、そんなんじゃなくてボーっとしてただけで…!」
赤P「?」
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:07:46.38 ID:IRGGvwsZ0
真「……」
真「プロデューサーは」
赤P「おう」
真「…恋ってしたことありますか?」
赤P「……どうしたんだ突然」
真「いえ…昨日読んだマンガがそんな内容だったなーと思って」
赤P「…そりゃあ無くは無いさ、大人だしな」
真「…恋人とかも?」
赤P「……まあ、いたな」
真「何人?」
赤P「おいおい、それ以上はプライバシーの侵害だ」
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:12:13.92 ID:IRGGvwsZ0
真「ちぇー、教えてくれそうだったのに」
赤P「ほら、テレビ局着いたぞ」
真「じゃあボク早めに楽屋行っておきますね」
赤P「ああ、俺はちょっと偉いさん方に挨拶してくるから…迷子になるんじゃないぞ?」
真「なりませんよーっだ」
赤P「はは、それじゃまたあとで」
真「はーい」
真「…」
真(恋、か…)
真(恋をしたら、ボクも……)
真(…なんてね)
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:17:13.13 ID:IRGGvwsZ0
「それで菊地さんは最近新しい一面を見せているということで話題になっていますが…」
「あ、はい…そんな…恥ずかしいです……」
「あらあら、かわいいこと」
「えへへ…」
赤P「……」
赤P(今の真像は俺が考えだしたと言っても過言ではない)
赤P(清楚で女の子らしい…言ってみればかよわい女の子)
赤P(確かに以前より人気は出たかもしれないが…)
赤P(…以前のファンは果たして満足しているのだろうか?)
赤P(『カッコイイ真』が好きだったファンは…)
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:23:19.82 ID:IRGGvwsZ0
お疲れ様でしたー
赤P「…おう真、おつかれ」
真「あ、プロデューサー!…今日のボク、どうでしたか?」
赤P「ああ、いつも通りいい感じだったよ」
真「そうですか、よかったー……ふぅ」
赤P「はは、やっぱり疲れるか?」
真「そりゃあ疲れますよ!生放送のときは一回きりだと思ってたけど、まさかこんなに続くなんて思わなかったし…」
赤P「……」
真「あ、でもこれがイヤってわけじゃないですよ?かわいいって言われるのはやっぱりうれしいですし…」
赤P「なあ真、このあとヒマか?」
真「へ?」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:28:07.01 ID:IRGGvwsZ0
-ゲームセンター-
真「せーの…おりゃっ!!」
テレッテー キロクコウシンデース
真「やった!プロデューサー、記録更新しちゃいました!」
赤P「ははは…まさかパンチマシンで負けるとは思わなかったよ…」
真「空手やってますからね!」
赤P「空手万能説か…」
真「プロデューサー!他のゲームでも勝負しましょうよ!」
赤P「よーし、じゃあ向こうのシューティングゲームなんてどうだ?俺得意なんだぞ」
真「へへー、負けませんよー!」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:33:16.09 ID:IRGGvwsZ0
真「……」
赤P「真はああいう怖いゲーム苦手か?」
真「苦手っていうか…まあ得意じゃないですけど…」
赤P「はは、そういうところは女の子だなあ」
真「…ねえプロデューサー、なんで今日はこんな遊びに連れてってくれたんですか?」
赤P「…んー、なんか最近の真は息が詰まってるのかなーと思ってさ」
真「…?」
赤P「もしキャラ付けで疲れてるんだったら俺の責任だろ?だから今日は真のやりたいことにとことん付き合おうと思ってさ」
真「じゃ、じゃあ!ボク遊園地に行きたいです!」
赤P「よし任せろ!俺も久々だから楽しむぞー!」
真「へへっ!やーりぃ!」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:40:11.00 ID:IRGGvwsZ0
真「あ!ジェットコースター乗りましょうよ!」
赤P「ちょ、ちょっと待て休憩を…」
真「今度は向こうのコーヒーカップ!」
赤P「お、おい、早く回すなよ?絶対だぞ?」
真「それじゃ休憩がてらクレープ!」
赤P「まかせなさーい」
真「ふー、楽しいなー!」
真(…でも、これってデート、だよね……)
真(…春香に悪いことしちゃってるかな)
「ちょ、ちょっと!離してください!」
真「!」
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:46:36.75 ID:IRGGvwsZ0
男1「いいだろ?なあいいだろ?」
男2「最近ムシャクシャすることがあってイライラしてんだよ!いいからついてこいよ!」
女1「や、やめてください!」
女2「ついていったりしませんから!離してください!」
男3「まあ俺は女でも男でもどっちでもいいんだけどな」
真「あれは…!」
真(…見逃しちゃいけない気がする!行こう!)
男1「なあいいだろ?いいだろなあいいだろ?」
真「お、おい!ちょっと待て!」
男2「ああん?」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:52:24.61 ID:IRGGvwsZ0
真「い、嫌がってるじゃないか!離せよ!」
男2「…なんだお前」
女1「あ!あれって真きゅんじゃない!?」
女2「本当だ!あの女の子っぽい男の子っぽい女の子の真きゅんよ!」
男3「結局どっちなのか分からん」
真「え、あ、ちょ…」
女1「真きゅん!サインくださーい!」
女2「暴力なんて真きゅんには似合わないよぉ!いつもみたいに草原に行こ?」
真「そ、その…ボク、助けに来たんですけど…?」
男1「おい無視すんなやこらぁ!」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:58:34.81 ID:IRGGvwsZ0
赤P「いかんいかん、クレープにいろんな種類がありすぎて選ぶのに時間がかかってしまった」
赤P「…しかし俺も甘いもの好きになっちまったなあ」
赤P「春香の影響…なのか?」
赤P「…む、あれは…真!?なにやってんだあいつ!」ダッ
真「う…いつっ…!は、離せよ!」
男1「生意気な女だなあ、ああん!?」
男2「うひょー、腕の引き締まり方とかモロ俺のタイプ!」
男3「どうでもいいから俺の家行こうぜ」
赤P「あ、あの!真がなにかしたんですか!?」
真「ぷ、プロデューサー…!」
男3(おや、この男もなかなか…)
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:03:59.45 ID:IRGGvwsZ0
男1「こいつが俺たちにイチャモンつけてきやがったんだよ!ああん!?」
赤P「…それは申し訳ありませんでした」
真「プロデューサー!こんなやつらに頭を下げるなんて…!」
赤P「真は黙ってろ!」
真「!!」
男2「…へへ、ずいぶん物分かりのいい兄ちゃんじゃねえか」
赤P「…真はアイドルです、どうか暴力などはやめていただきたい」
男3「ふむ…」
女1(ね、ねえ、私たち早めにどっか行く…?)
女2(そ、そだね…これ以上ストーリーに絡めそうもないし…)
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:08:38.28 ID:IRGGvwsZ0
男1「そうだな…真ちゃんを暴力以外で好きにできるってのは?ああん?」
赤P「…勘弁してください」
男2「じゃあ、金とか?」
赤P「…そういうのがダメだというのは分かっていただけると思います」
男3「…じゃあ、お前を好きにするってのはどうだ?」
真(え?)
赤P「…それで気が済むんですか?」
真(えーっ!?)
赤P「では、気が済むまで俺を殴ってください」
真(あ、そっちか…よかった///)
男3(あ、そっちじゃなかったのに…)
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:13:42.50 ID:IRGGvwsZ0
男1「アン!」バキッ
男2「ドゥ!」ドカッ
男3「トロワ!」ボコッ
赤P「ぐわっ!」
男1「アン!」バキッ
男2「ドゥ!」ドカッ
男3「トロワ!」ボコッ
赤P「ぐわわっ!」
真(なんだこれ)
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:18:25.74 ID:IRGGvwsZ0
赤P「はぁ…はぁ…」
男2「な、なんだこいつ…しぶといぞ…」
真(プロデューサー…)
男1「んだよ!いくらプロデューサーでもここまで体張る意味ねェだろうがよ!」
赤P「…いいや、あるね」
男3「……」
赤P「女の前で…」
赤P「……女の前でカッコ悪いところ見せられるかよ!」
真(!!!)
男2「こいつ…!こうなったらとどめを…!」
真「…もうやめろぉ!」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:24:05.89 ID:IRGGvwsZ0
真「…さっき警察を呼びました、あと少ししたら来ると思います」
男1「んぐ…!こいつ!」
真「それともその疲れ切った体で空手有段者のボクと闘いますか!?」
男2「くっそ!逃げるぞ!」
男3「おい、あんた」
赤P「…?」
男3「…なかなか、いい男だったぜ」
赤P「へ?あ、どうも…」
「おい、早くずらかるぞ!」
「分かった、今行く!」
赤P「…なんだったんだあいつらは、いてて…」
真「ぷ、プロデューサー!」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:29:50.04 ID:IRGGvwsZ0
赤P「…ん」
真「プロデューサー!大丈夫ですか!?」
赤P「ここは…そうか、俺、不良どもに殴られて…」
真「もう…!目を覚まさなかったらどうしようって、ボク、ボク…!」
赤P「はは…それはすまなかった」
赤P「……って、真…」
真「な、なんですか!?」
赤P「…これ、膝枕だよな?」
真「そうですけど…なにかまずかったですか?」
赤P「……いや、問題は無いけど…」
赤P(こりゃファンに見つかったら刺されるな…)
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:34:27.69 ID:IRGGvwsZ0
真「はぁ…でもよかった…本当に、うう…」
赤P「おいおい真…泣いてるのか?」
真「な、泣いちゃ悪いですか!?本当に心配だったんですからね!」
赤P「…うん、心配させてごめんな…」
赤P「……!」
真「…どうしたんですか、プロデューサー?」
赤P「…あー、ようやく分かったぞ真」
真「へ?な、なにがですか?」
赤P「…真のアイドル像についてだ」
真「…?」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:40:21.05 ID:IRGGvwsZ0
赤P「よいしょ、膝枕ありがとうな」
真「い、いえ…それでアイドル像っていうのは…」
赤P「ああ…まず、真はどんなアイドルになりたいんだ?」
真「それは…男の人からの人気があって、かわいいってみんなから言われて…」
赤P「つまり『女の子らしい』アイドルになりたいんだな?」
真「え、ええ…そうなると思います」
赤P「でも今の売り出し方も『女の子らしい』アイドルだよな?」
真「そういうことになりますよね」
赤P「そこの“ズレ”が真にとっての最大の問題になるわけだ」
真「ふぇ?」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:45:39.40 ID:IRGGvwsZ0
真「あ、そっか…!本来なりたかったもののはずなのに、どこか不満を感じている…!」
赤P「それはつまり、真が本当になりたいアイドル像とは違うってことなんだ」
真「で、でも…それが分かったところでどうすれば…」
赤P「…なあ真、今からちょっと恥ずかしいこと言うけど聞いてくれるか?」
真「へ?」
赤P「今日のゲーセンで怖いゲームが苦手だって言った時の真は、すごく女の子らしかった」
赤P「その前のパンチマシンではあんなにはしゃいでたのにな」
真「あれは…だって得意だったし…」
赤P「はは、続けるぞ」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:52:30.58 ID:IRGGvwsZ0
赤P「そのあと遊園地に来て、めいっぱい楽しむ真は本当にかわいらしかった」
真「か、かわ…///」
赤P「…いつもの元気なお前だって感じがした」
赤P「それから…不良たちに絡まれて、俺が殴られて…」
赤P「あいつら相手に意気込む真は堂々としててカッコよかった」
真「……」
赤P「…それで、俺が真の膝枕で目を覚ましたとき、真は俺のために泣いてくれてて」
赤P「そのときかな」
赤P「あ、これが真の魅力なんだって気付いたのは」
真「…!」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 16:56:35.36 ID:IRGGvwsZ0
赤P「…だからさ、真は無理に女の子らしくするんじゃなくて」
赤P「真が本来持ってる女の子の部分を自然に出していくっていうか…」
赤P「自分の思うがままに行動した方がいいんじゃないかな?…って俺が言えた義理じゃないかもしれないけど」
赤P「……あれ?真?」
真「…卑怯ですよ、プロデューサー」
赤P「へ?」
真「もう!最後にあれ乗りましょう、あれ!」
赤P「あれって…メリーゴーラウンドか?」
真「遊園地と言えばあれですよ!へへーっ、競走ですよー!」
赤P「あ、おい!俺一応けが人…いてて…」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:07:10.91 ID:IRGGvwsZ0
真「……」
赤P「やっと追い付いた…ってどうした真?乗るなら早く…」
真「ねえプロデューサー」
赤P「…どうした?」
真「…明日からは、テレビでもいつも通りのボクでいいんですよね?」
赤P「…まあすぐにってのは無理だけど、徐々にそうなるだろうな」
真「残念だなー、あのキャラけっこう好きだったのに」
赤P「うん…でも、“お姫様”はもう卒業だ」
真「……だったら」
赤P「…?」
真「……」
真「…だったら、今日の間は“お姫様”扱い…してください」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:12:59.66 ID:IRGGvwsZ0
赤P「…真」
真「……っ」
赤P「……」
赤P「…乗っていかれますか?」
真「…え」
赤P「お姫様」
真「……へへ」
真「…よきにはからえ」
赤P「それじゃお殿様だろ?」
真「あはは、そうですね!」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:17:52.27 ID:IRGGvwsZ0
真「それじゃ…馬に乗ろうっと」
赤P「姫様、そちらではございませんよ」
真「え」
赤P「こちらの馬車に、お乗りください」
真「…ふふ」
真「では、あなたが王子様となって白馬に乗ってください」
赤P「え、俺が?」
真「……だって、他にいないんだもん」
赤P「…しょうがないな、よいしょっと」
真「…ね、プロデューサー」
赤P「んー?」
真「王子様、ですからね」
赤P「…おう」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:23:52.41 ID:IRGGvwsZ0
-帰路-
真「…今日はありがとうございました、プロデューサー」
赤P「いえいえ、お姫様の頼みならなんなりと」
真「もー、それは遊園地の中だけでしょ?」
赤P「真は“今日中”って言ってたけどな」
真「…さすがに恥ずかしいから外ではやめてください」
赤P「はは、了解」
真「…あの、プロデューサー」
赤P「ん?」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:30:28.19 ID:IRGGvwsZ0
真「ボクが目指すアイドル像…なんだか分かった気がしました」
赤P「…そっか、それならいいんだ」
真「でも、明日の収録はまだワンピース着ていった方がいいですよね?」
赤P「いや、明日から徐々に服装もチェンジしていこう」
真「え?でもそんなすぐには…」
赤P「…いや、あのさ」
真「はい?」
赤P「真のワンピース姿はそんなに安売りすべきじゃないっていうか、その…」
赤P「……あんまり他の男に見てもらいたくない」
真「!!」
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:35:58.07 ID:IRGGvwsZ0
赤P「まあなんだ、ここぞと言うときに着るべきっていうか…あーもう」
赤P「とにかく!俺の前以外では着るな!」
真「は、ははははいわかりました」
赤P「それじゃまた明日!おやすみ!」スタスタスタ
真「お、おやしゅみなさい…」
真「…」
真「ええぇぇぇ〜……///」
赤P「…」スタスタ
赤P(いかんいかんいかん、何を考えてるんだ俺は!)
赤P(あんな勘違いさせるようなことを言って…)
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:39:18.77 ID:IRGGvwsZ0
赤P(確かに真のワンピース姿はかわいいけど…)
赤P(……)
赤P(…えーい、くそ!)ピッ ピピッ prrrr prrrr
赤P「小鳥さん!?ちょっと飲みに行きませんか!?」
赤P「は?ひびたかの新作?何書いてんだあんたは!!」
-翌日、765プロ事務所-
ガチャ バタン
真「おっはようございまーす!」
赤P「お、おう真…おはよう…」
真「あれ?プロデューサー元気無いですね」
赤P「いや、あのあとちょっとな…」
真「?」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:43:15.94 ID:IRGGvwsZ0
赤P「それで今日の仕事だけど…」
真「ちょっと控えめな衣装ですよね、分かってますよ!」
赤P「…すまんな、すぐに真のやりたいようにやらせてやれなくて」
真「いえいえ!ボクも今みたいな扱い楽しいですし、それに…」
赤P「…?」
真「…ちゃんとボクをボクとして見てくれる人がいるなら、別にゆっくりでもいいかなーって///」
赤P(うぐ…!)
真「…へへっ、大丈夫ですよ!ボクは別にプロデューサーのことを困らせるつもりは無いですし!」
真「ただ、ボクも女の子なんだなって実感しただけです!」
赤P「そ、それはいいことだな…」
真「それじゃ先に車まで行ってますね!」
ガチャ バタン
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:47:46.24 ID:IRGGvwsZ0
赤P「……」
小鳥「…プロデューサーさん」
赤P「…はい」
小鳥「……浮気性な男は嫌われますからね」
赤P「…肝に銘じておきます……」
小鳥「…とにかく車の運転にだけは気をつけて」
赤P「はい…行ってきます…」
ガチャ バタン
小鳥「……」
小鳥「…酒飲み友達としか見られてないのも寂しいんですけどー…」
真美「ピヨちゃん何言ってんの?」
小鳥「ピヨーーーーッ!!!!!!」ドキーッ
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:52:21.16 ID:IRGGvwsZ0
赤P「……」
真「〜♪」
赤P「…なあ真」
真「はい?」
赤P「昨日の帰り際のことは…その…」
真「ああ、分かってますよ!ボクのやる気を出そうとしてくれたんですよね!」
赤P「…え」
真「確かにああいうのはたまに着るから威力が高いんですよね!いやー、勉強になるなあ!」
赤P「……お前はそれでいいのか?」
真「はい!」
真「…ただし、今のところは、ですけどね」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 17:57:13.89 ID:IRGGvwsZ0
真「トップアイドルにもなってないのにそんなこと言えないし…」
真「プロデューサーってけっこう競争率高いんですよ?知ってました?」
赤P「いや、それは…どうだろう」
真「あはは、自覚無いってのは一番怖いなあ」
真「…とにかく!今はプロデューサーの言うことにしたがって頑張るだけです!」
赤P「…真は強いな」
真「えへへ、王子様が隣にいますからね」
赤P「…よし!俺も王子様の名に恥じないよう頑張らなくちゃな!」
真「その意気ですプロデューサー!」
赤P(そうだ、俺はこの子たちをトップアイドルにしなきゃならない)
赤P(…たとえ、なにがあっても)
第17話『真、まことの王子様』 完!
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:02:51.72 ID:IRGGvwsZ0
-レッスンルーム-
律子「亜美!腕が伸びきってない!」
亜美「でぇん!」
律子「あずささん!ステップ意識して!」
あずさ「ひぃん!」
律子「伊織!また動きがちょっと早い!」
伊織「づわぁん!」
律子「ダメ!全然ダメ!」
律子「それじゃ最初からもう一回通しでいくわよー!」
亜美「ちょ、ちょっとりっちゃん…!タンマタンマ!」
あずさ「ふぅ…ふぅ…」
伊織「す、少しくらい休憩はさみましょうよ!」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:08:00.56 ID:IRGGvwsZ0
律子「別にいいけど…そんなんじゃ他の子たちに抜かれちゃうかもしれないわよ?」
亜美「で、でも今日も朝6時から特訓だし…」
律子「真美に抜かれちゃってもいいのかなー?」
亜美「それは…!」
律子「ごめんごめん、そんなつもりは無いのよ」
律子「ただ、竜宮小町のプロデューサーである以上、手は抜きたくないだけ」
律子「もっとできるもの、あなたたちなら」
伊織「…よっし!休憩終わり!続きやるわよ!」
亜美「うへー、いおりんの鬼二等兵…」
伊織「ほら!あずさも始めるわよ!」
あずさ「あ、は〜い…よいしょっと…」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:13:27.68 ID:IRGGvwsZ0
律子「じゃあ『七彩ボタン』最初からいくわよー」
伊織「どんときなさいよ!」
亜美「えーい、かかってこんかーい!」
あずさ「……はい、大丈夫です」
キミガクレタカラ ナナイーロボタンー♪
春香「…頑張ってるね、竜宮小町の3人」
真「うん、ボクたちも負けてられないね!」
千早「…そうね、あの根性は見習わなきゃいけないわ」
春香「今度のシークレットライブも大丈夫だね、きっと!」
「こら亜美!今度はヒザが曲がってる!」
「どひぃん!」
第18話『たくさんの、いっぱい』
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:18:17.35 ID:IRGGvwsZ0
-765プロ事務所-
伊織「はぁぁぁ…もう足パンパンよ!」
赤P「はは、お疲れさん」
亜美「ねえねえ、黄色の兄ちゃんは→?」
青P「今日は萩原さんのライブに付き添ってますよ、はいあずささん冷たいお茶です」
あずさ「あ…はい、ありがとうございます」
赤P「しかし気合い入ってるなー、律子」
律子「当然です!なんたって今度のシークレットライブはファンクラブ限定ですからね!」
律子「普段の恩返しの意味も込めてなんとしても成功させないと!」
伊織「…そう言われたら頑張るしかないじゃないの」
あずさ「…うふふ、そうね」
真美「ねーねーみんな→!面白いもの発見したよ→!」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:23:57.67 ID:IRGGvwsZ0
赤P「面白いものって…おお、これは」
青P「ふむ、噂には聞いていましたが」
律子「なになに?なんですか?」
青P「秋月さんのアイドル時代の写真です」
律子「どわーーーーーーーーっ!!!なな、なんでそんなものがここにあるんですか!?」
真美「んっふっふ〜、竜宮小町宛てのファンレターを読んでたらそれが手紙に挟んであったのだ」
亜美「そんじゃ、りっちゃんの殺し屋時代の写真もあるかもね!」
律子「そんなものはありません!」
亜美「わー!りっちゃんが怒ったー!逃げろー!」
真美「殿中でござる殿中でござるー!」
律子「あ、こら!…まったくあの二人は」
60 : >>54 20話いきたい あとよければ番外編も:2012/03/24(土) 18:29:44.96 ID:IRGGvwsZ0
赤P「でも懐かしいんじゃないのか?アイドル時代」
律子「…そりゃあ懐かしいっちゃ懐かしいですけど」
青P「もう一回アイドル復帰してみてはどうです?」
律子「そ、そんな!何言ってるんですか、まったくもう…」
律子「…ま、でも」
律子「もう一回、ステージに立てたらそれはそれで面白いなとは思います」
律子「…だけど、今の私は竜宮小町のプロデューサーですから!竜宮小町が成功するように頑張らないと!」
青P「…うん、そういうことなら大丈夫でしょう」
あずさ「あの、律子さん…」
律子「あ、どうしたんですかあずささん」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:34:32.75 ID:IRGGvwsZ0
あずさ「…なんだか体調があまり良くないみたいで…今日は早めに帰らせていただきますね」
律子「あ、はい…大丈夫ですか?」
あずさ「はい…では失礼します」
律子「あの…家に帰ったら手洗いうがいはしっかり」
青P「風邪のときは水分を多めにとり、極力ストレスを減らすよう心がけてください」
律子「!?」
青P「また、入浴やシャワーは適温で短時間なら問題ありません」
青P「病期を短縮するために解熱剤はなるべく使わず、普段からお酒を飲まれる場合は市販の風邪薬は避けてください」
青P「咳が続くときは抗生物質を使いましょう、そうすれば…」
青P「風邪が治る確率は100%です」キリッ
あずさ「あ、はい」
律子(知識豊富ー!)
63 : 番外編は時間見ながら入れるか考えます さるさん無い程度に早めの投下頑張ります:2012/03/24(土) 18:40:27.33 ID:IRGGvwsZ0
-その日の夜-
律子「…ふーっ、終わった〜…!」
青P「お疲れ様です、秋月さん」
律子「プロデューサー…コーヒー、ありがとうございます」
青P「あずささんのこと、心配ですね」
律子「ええ、でもどうにかなるんじゃないかって思ってます」
青P「信頼してるんですね」
律子「信頼っていうか…どうにかなるって思ってるだけですよ」
青P「ふむ」
律子「私たちは4人で竜宮小町ですからね」
律子「全員がどうにかなるって思っとけば、どうにかなるんじゃないですかね?」
青P「…確率論的に言うとそれは…むぅ」
律子「あはは」
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:45:03.10 ID:IRGGvwsZ0
-ライブ会場、リハーサル-
「水瀬さんマイクチェックお願いしまーす!」
「はーい!大丈夫でーす!」
律子(うん、順調ね…あずささんがまだ来ていないことを除けば)prrrr prrrr
律子(…!あずささんから電話!)ピッ
律子「はい、もしもし!今どこにいるんですか?」
律子「…病院ですか、それならよかったですけど」
律子「…はい、はい、熱は下がったけど…うん」
律子「……はぁ!?」
スタッフ「」ビクッ
律子「おたふく風邪で5日間は外に出れそうにないぃ!?」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:49:50.99 ID:IRGGvwsZ0
亜美「りっちゃんりっちゃん、あずさお姉ちゃんライブ来れないってホント?」
律子「ええ…今から5日後のライブだから、ちょっと厳しそうね」
伊織「どうすんのよ!今更代役なんて…」
律子「…伊織と亜美、二人でステージに立つしか…」
亜美「でも、こんだけ広いステージで二人だと動き回るのも大変だよ…」
伊織「そうね…フォーメーションも変わるし…」
律子「…あー!竜宮小町のダンスを全部覚えてて、かつスケジュールが全部合う人がいれば…!」
亜美「へ」
伊織「あ」
律子「…ん?」
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:17:57.18 ID:IRGGvwsZ0
-その日の夜、765プロ事務所-
律子「…ただいま戻りました」
青P「おかえりなさ…おや、なんだか疲れていますね」
律子「いや、なんかなし崩しに代役としてライブに出ることになりまして…」
青P「ほう、それは興味深い」
律子「興味深いじゃないですよ!…ああもう、体力だって完全に衰えてるのにステージなんて…!」
青P「…そのわりには楽しそうですけどね」
律子「へ?」
青P「それに不安だからと言って『やめたい』じゃなくて『どうすればいいか』を考えてる」
青P「…もう答えは出てるんじゃないですか?」
律子「……」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:22:15.99 ID:IRGGvwsZ0
-レッスンルーム-
伊織「律子!膝のノビが甘い!」
律子「どひぇん!」
亜美「りっちゃん!テンポ遅れてるよ!」
律子「ふわぁ!」
伊織・亜美「はい!もう一回!」
律子「とっぺぺぺ〜ん!」
律子「…はぁ、はぁ……」
亜美「んっふっふ〜、りっちゃんもまだまだですなあ」
伊織「そんな体力じゃライブなんてやっていけないわよー?にひひっ♪」
律子「あ、あんたたち…私がアイドルやめてからどれだけ経ってると…ふぅ…」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:27:56.10 ID:IRGGvwsZ0
伊織「とーにーかーく!律子がやるって決めたんだからやんなきゃダメなのよ!」
亜美「そうだよりっちゃーん!がんばろがんばろ!」
律子「…あーもう!分かったわよ!頑張るわよまったく!」
-765プロ事務所-
青P「……」
青P「今日は担当アイドルが全員オフなのでヒマですね…」
青P「…」
青P「ひぃ!待って!私、ヒマなの!」
青P「…違う、なにかがおかしい…」
青P「む、あずささんから電話ですか…」
青P「はい青羽根です、あずささん体調は…え?」
青P「…頼みごと?」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:33:10.95 ID:IRGGvwsZ0
-ライブ当日-
律子「…」
伊織「あら律子、ガラにもなく緊張してんの?」
律子「…そりゃするに決まってるでしょ…」
亜美「大丈夫だよりっちゃん!なんとかなるなる!」
伊織「そうよ、どうにかしてくれなきゃ困るしね」
律子「そ、そうよね…なんとかなる…なんとかなる…」
亜美(あちゃー、りっちゃん本格的に緊張してるよ)
伊織「…よし、それじゃ律子は私たちが紹介したらステージに出てきなさいよね!」
律子「え、ちょ…!」
亜美「だってプロデューサーが急に出てきてもファンの兄ちゃん姉ちゃんも困るっしょ」
律子「そ、それはそうだけど…」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:38:41.11 ID:IRGGvwsZ0
伊織「とにかく!律子は私たちの言う通りにしなさい!」
亜美「そんじゃりっちゃん、行ってくるよーん!」
律子「あ、あんたたち!」
律子「……」
律子「あ、やっばい…すっごい緊張してきた…」
-ステージ-
伊織「みんなーおっまたせー!」
客A「うおー!いおりーん!」
亜美「待たせたのうおまえら!」
客B「あれ?あずささんは…?」
客C「いおりんがいれば俺の心臓は動き続ける」
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:44:44.71 ID:IRGGvwsZ0
伊織「あずさは…残念だけど…」
客A「ま、まさか…」
亜美「惜しいやつをなくしたぜ…おろろん…」
客B「そんな…俺たちのあずささんは…」
伊織「おたふく風邪です!」
客たち「ズコー!」
客C「いおりんのミスリードマジ疑心暗鬼!」
伊織「でもそんなわけであずさは会場には来れないのよ、ごめんね!」
客たち「そんなー!がっかりだぜー!」
律子「さ、さすが…観客のあたため方もそつがないわね竜宮小町…」
スタッフ(そうか?)
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:49:25.70 ID:IRGGvwsZ0
亜美「だから今日はあずさお姉ちゃんからビデオレターを預かってるよ→!」
客たち「おお?」
伊織「とりあえず見てみましょうか、スタッフさんお願いしまーす!」
客たち「ひゅーひゅー!」
律子(あずささんの…ビデオレターですって…?)
『…』
『…あら、これってもう撮ってるんですか?あらやだ〜』
亜美「相変わらずだなーあずさお姉ちゃんは」
『…会場の皆さん、今日は私の体調管理が不十分なために迷惑かけてしまってごめんなさい』
客たち「残念だよー!本当に残念だよーい!」
律子(…そうよね、観客はみんな竜宮小町を見に来てるわけで…)
『だから今日は皆さんにお詫びをしたいと思います〜』
律子(へ?)
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:54:19.70 ID:IRGGvwsZ0
客たち「お、おいなんだあの男…そこそこイケメンだけど…」
あずさ「あずさと」
青P「青羽根の」
あずさ・青P「ショートコント」
客たち「!?」
律子「!?」
青P「ショートコント、10回クイズ」
あずさ「プロデューサーさんプロデューサーさん、シャンデリアって10回言ってください」
青P「シャンデリアシャンデリアシャ(ry」
あずさ「ここは?」
青P「肘」
あずさ「正解!」
青P「なんか違う!」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:59:49.09 ID:IRGGvwsZ0
客たち「お、おい…なんだこりゃあ…」
青P「続きましてショートコント、テレフォンショッキング」
青P「それじゃそろそろ友達を紹介してくれるかな?」
あずさ「あ、は〜い」
青P「誰を紹介してくれるのかな?」
あずさ「タモリさんで」
青P「俺〜!?」
客A「ふ、ふふ…」
客B「…なんだよアイツ、俺たちのあずささんを一人占めしやがって」
客C「いおりんのモニターを眺める姿マジ微動だにしない!」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:03:51.05 ID:IRGGvwsZ0
青P「続きましてショートコント、ライブ」
あずさ「今日は俺のライブに来てくれてどうもありがとう!」
青P「イエー!」
あずさ「だけど次が最後の曲だ…」
青P「えー!」
あずさ「聞いてくれ……『君が代』」
青P「なんか違う!」
青P「続きましてショートコント、ipod」
青P「あれ、ipod聞いてるんですか?」
あずさ「最近ダウンロードした曲聞いてるんです〜」
青P「へえ、なんていう曲?」
あずさ「『君が代』」
青P「なんか違う!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:08:36.18 ID:IRGGvwsZ0
『続きまして…』
客A「あは、あははは!」
客B「……」
客C「手に口をあてて笑いを抑えるいおりんマジ淑女の嗜み!」
律子(な、なに考えてんのよあの二人…)
客B「おい、あの男765プロのプロデューサーらしいな…」
客A「へ?あ、ああ…面白いな、765プロのプロデューサーって」
客B「…他にどんなプロデューサーがいるんだろうな」
律子(……!)
『…というわけでショートコントは終わりです、楽しんでいただけましたか〜?』
客たち「面白かったよあずささーん!」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:13:11.11 ID:IRGGvwsZ0
『私は今日そちらに行くことはできないんですが…代役としてすばらしいゲストが来てくれてます』
客たち「誰だ誰だー?」
『紹介はステージ上の伊織ちゃんと亜美ちゃんに任せるとして…』
『その人は私たち竜宮小町にとって、とても大切な人です』
律子(!)
『…今は緊張してるかもしれないけど』
『なんとかなりますよ!ファイト!』
律子(あずさ、さん…)
『それじゃあとは伊織ちゃんと亜美ちゃんに任せますね〜、三浦あずさでした〜』
亜美「…それではさっそく紹介いたしましょ→!」
伊織「竜宮小町のプロデューサー、秋月律子でーす!どうぞー!」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:19:07.20 ID:IRGGvwsZ0
律子「……」ギクシャクギクシャク
「お、おい…誰だよあれ…かわいいけど…」
「ぷ、プロデューサーって言ってたよな?なんかすげぇな765プロ…」
律子「う、うう…」
亜美(りっちゃんりっちゃん!ほら、自己紹介しないと!)
律子「あ!えと、りゅ、竜宮小町の秋月律子です!今日はあずささんの代役を務めます、よろしくお願いします!」
「……」パチ、パチパチ…
律子「う…」
律子(…だ、ダメよ!プロデューサーもあずささんも会場を盛り上げようと協力してくれたのに…!)
律子(私がやらないでどうする!!)
律子「は、反応が薄くて、私困っちぁう!竜宮小町なだけに!」
律子を除く全員「!?」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:24:13.23 ID:IRGGvwsZ0
律子「あ、えと…」
律子「今のは竜宮小町の“小町”と“こまっちゃう”をかけたわけで…」
伊織(さ、さすがに分かるわよそれくらい!)
青P(…秋月さんが心配で見に来ましたが…)
青P(解説が必要なダジャレはダジャレと言わないのです、秋月さん…!)
律子「えと…」
律子(…やっぱり、私なんかじゃ)
客B「……がんばれー!!」
律子「!!」
客B「765プロのプロデューサー面白いぞ!期待してるぞー!」
客A「そ、そうだぞー!ダジャレはどうかと思うけどー!」
青P(なん……だと……)
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:29:02.96 ID:lPAi9kNM0
青Pどうしたwww
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:30:03.13 ID:IRGGvwsZ0
伊織「…ほら律子、ファンのみんなが待ってるわよ」
律子「え、あ…」
亜美「りっちゃん!亜美たちは4人で竜宮小町っしょ?」
律子「…!」
客B「竜宮小町!困っちゃう!」
客A「!」
客たち「…竜宮小町!困っちゃう!」
客たち「竜宮小町!!困っちゃう!!」
律子「やめてー!!」
客たち「ドッ」
青P(これが…ダジャレの新しい可能性…!!)
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:35:49.39 ID:IRGGvwsZ0
律子「はぁ…はぁ…///」
亜美「あはは、りっちゃんかわいー!」
客A「りっちゃんかわいー!」
伊織「にひひっ、赤くなってるわよ律子」
律子「い、伊織まで…やめてよもー!!」
客C(いおりつ…だと…!?)
律子「もう…ここまでで私、いっぱいいっぱいよ」
亜美「へ?」
律子「…というわけで聞いてください、『いっぱいいっぱい』!」
伊織「あ、アンタ!どこから計算で…」
客B「りっちゃんの曲紹介マジ狡猾ー!」
ネェイッパイ イッパイ イッパイ イッパイ…♪
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:39:26.00 ID:IRGGvwsZ0
-ライブ後-
律子「……」
青P「お疲れ様です、秋月さん」
律子「…プロデューサー」
青P「やっぱりアイドルに戻りたくなったんじゃないですか?」
律子「いえ、私には竜宮小町がありますから」
青P「なんなら竜宮小町を4人編成にして、俺がプロデューサーになってもいいですが」
律子「ほ、ホントですか?」
青P「ジョークです」
律子「…プロデューサーって笑いのセンスは無いですよね」
青P(なん……だと……)
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:44:00.02 ID:IRGGvwsZ0
律子「あはは、そんなに暗そうな顔しないでくださいよ」
青P「…笑いのセンスを否定されると、どうしても…」
律子「それもジョークだって言ったらどうします?」
青P「……人間不信になりそうです」
律子「…ふふ、ホントに面白いですね、プロデューサーは」
青P「…?」
律子「…今日はありがとうございました、ビデオレターの件も」
青P「ああ、あれはあずささん考案ですからね…俺はちょっと手伝っただけですよ」
律子「それでもうれしかったですよ」
青P「それはなによりです」
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:48:33.44 ID:IRGGvwsZ0
青P「今日のライブで765プロのプロデューサーは面白いってことが広まりましたからね!これからは一層頑張らなければ!」
律子「ふふ、そうですね」
青P「…なにかおかしなことを言いましたか?」
律子「いーえ、なんにも」
律子「…ねえ、プロデューサー」
青P「はい?」
律子「…その、もし私が…」
律子「じ、自分の夢を叶えたいって、言ったら…」
律子「ぷろ、プロデューサーは…」
ガチャ!
亜美「あー!りっちゃんこんなところにいたー!」
伊織「二人で何やってんのよ、もう!」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 20:54:08.40 ID:IRGGvwsZ0
律子「あ、あんたたち…!」
亜美「今からご飯行って、あずさお姉ちゃんのお見舞い何にするか考えるんでしょ→!?」
伊織「早く行かなきゃお気に入りのお店が閉まっちゃうじゃない!」
律子「ちょ、ちょっと…!引っ張らないでよ!」
青P「秋月さん」
律子「は、はい?」
青P「俺は何があっても、765プロの皆さんを応援しますよ」
青P「だから、みんなで一緒に頑張りましょう」
律子「…はい!」
亜美「おろー?なんか青色の兄ちゃんとりっちゃんいい雰囲気じゃない?」
伊織「このあとファミレスでゆっくり聞かせてもらうからね!」
律子「そ、そんなんじゃないわよ!もー!」
95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:00:08.05 ID:IRGGvwsZ0
ワイワイ リッチャンカオアカーイ チガウ!コレハオタフクカゼヨ! エェ!?
青P「……」
青P「…応援してますよ、オウ!イエーン…」
青P「これは言わなくてよかったですね……」
-後日、レッスンスタジオ-
律子「亜美!指先まで伸ばして!」
亜美「どわぉ!」
律子「あずささん!腰のキレが足りない!」
あずさ「すわわん!」
律子「伊織!デコの汗がまぶしい!」
伊織「ごんだら…私だけ関係無いじゃないのよ!」
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:05:40.06 ID:IRGGvwsZ0
律子「はい、もう一回やるわよー」
亜美「うへー、りっちゃん最近ますます厳しくなっちょるよー…」
伊織「何かイライラすることでもあったの?」
律子「そんなことはないわよ、ただ…」
亜美「ただ…?」
律子「“765プロの”竜宮小町をもっと立派にしなきゃって思っただけ」
律子「私たち4人で竜宮小町なんだから、ね?」
あずさ「…そんなこと言われたら頑張らないわけにはいきませんね〜」
伊織「……よっし!レッスン続けるわよ!」
律子「それじゃあ最初から通しを20セット!」
伊織・亜美・あずさ「ふわあああああああああ!!!???!?!?!?」
第18話『たくさんの、いっぱい』 完!
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:09:38.15 ID:IRGGvwsZ0
このあと番外編いくか19話いくかどっちがいいですかね?
番外編はあっても無くても支障は無い感じなので、読んでくれてる人が早く19話いきたいって思ってたら19話いこうと思います
ちなみに19話はアニメ通り貴音回、番外編は雪歩犬ライブ回です
101 : 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 :2012/03/24(土) 21:17:46.25 ID:WX6Ziora0
番外編読みたいです
102 : それじゃ雪歩犬ライブ回投下します お付き合いください:2012/03/24(土) 21:19:32.52 ID:IRGGvwsZ0
「萩原さーん!マイクの感じどうですかー!?」
雪歩「あ、はい!いつも通り大丈夫です!」
「了解でーす!」
雪歩「…」
雪歩(今日は、私が普通のアイドルに戻る日)
雪歩(…今日が過ぎれば、私は他のみんなと何の変わりも無い普通のアイドルになる)
雪歩(…)
雪歩(…今日は)
雪歩(犬限定ライブ、最終公演の日です)
「それじゃあ最初から通しでいきまーす!」
番外編『アイドルとして』
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:23:54.67 ID:IRGGvwsZ0
黄P「おう、おつかれ」
雪歩「プロデューサー…おつかれさまですぅ」
黄P「いつも以上に仕上がってんな」
雪歩「ええ、まあ…最後ですから…」
黄P「…」
雪歩「…」
黄P「…ま、お前が決めたことなら俺は何も言わない」
黄P「頑張れよ」
雪歩「…はい」スタスタ
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:27:59.54 ID:IRGGvwsZ0
黄P「…」
黄P(最近の雪歩…まあ雪歩だけじゃなくてうちの連中全員だが)
黄P(もっぱら仕事も増えてアイドルとしての人気も出てきた)
黄P(…売れないころの黒歴史ってなあこの業界にゃたくさんあるもんだが)
黄P(清純派として売り出したい雪歩にはこの犬限定ライブはイメージダウンにつながる)
黄P(……スポンサー様の要望ってのは絶対だしな)
黄P(…難しいもんだ)
黄P(それに、なによりあいつ自身が…)
スタッフリーダー「あの、プロデューサーさん?」
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:32:43.76 ID:IRGGvwsZ0
黄P「あ、ああ!どうしたんすか?」
スタッフリーダー「大丈夫ですか?ぼーっとして…」
黄P「いやー、昨日深夜にエロい洋画がやってましてね…ついつい…」
リーダー「あはは、相変わらずですね」
黄P「へへ、光栄です」
リーダー「ところで、相談したいことがあるんですけど…」
黄P「相談…?」
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:37:09.00 ID:IRGGvwsZ0
-楽屋-
雪歩「…」
雪歩「今日で終わり、かぁ…」
雪歩「…」
雪歩(プロデューサーさんには、私もこのライブをやめたいって言った)
雪歩(だって四条さんとかいっつも感想言ってくるし…うぅ…)
雪歩(……まあ褒めてくれるのはうれしいけど…)
雪歩(でも…)
雪歩(…そろそろ潮時なのかな、とも思う)
109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:42:17.03 ID:IRGGvwsZ0
雪歩(正直、このままじゃ私はいわゆるトップアイドルにはなれない)
雪歩(だったら…)
雪歩(……だったら、普通のアイドルに戻るしか…)
「萩原さーん!そろそろ準備お願いしまーす!」
雪歩「!」
雪歩「…よし」
雪歩「はい!今行きます!」
雪歩(…今日は)
雪歩(今日は、私が普通のアイドルに戻る日)
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:47:04.76 ID:IRGGvwsZ0
-ライブ-
犬A「わんわーん!雪歩様ー!」
犬B「わんわーん!もっと投げてくださーい!」
雪歩「ほら!あなたたちの好きなドッグフードよ!お食べ!」
犬たち「わんわーん!」
黄P「…」
黄P(…あと一曲で、ラストか)
黄P「すんません、スタッフの皆さん準備お願いします」
スタッフ1「あはは、水臭いなあプロデューサーさん」
スタッフ2「俺たちの仲でしょ?最後まで付き合いますよ」
黄P「…ありがとうございます」
112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 21:51:39.63 ID:IRGGvwsZ0
雪歩「はあ…はあ…」
犬A「わんわーん!雪歩様ー!」
犬B「わんわーん!本日もすばらしい歌声でしたー!」
雪歩(次が…次が最後の曲…)
雪歩「…」
雪歩(…い、言わなきゃ…!)
雪歩(普通のアイドルに戻りますって…!雪歩様は卒業だって…!)
雪歩(なのに…!なのに!)
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:00:08.61 ID:IRGGvwsZ0
犬A「わんわ…お、おい…」
犬B「雪歩様泣いてる…」
雪歩「う、うう…ぐすっ……!」
ザワザワ ザワザワンワン
黄P(…正念場だ、雪歩)
黄P「…」
黄P「頑張れ……!」
雪歩「…ひぐっ、ぐすっ…」
雪歩(やめるって言わなきゃ…萩原雪歩に戻るって…!)
雪歩(なのに、言えない…!私、私…!)
雪歩「やめたくないよぉ…!」
犬たち「!!」
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:05:04.67 ID:IRGGvwsZ0
犬A「お、おい…今やめるって…!」
犬B「…う、嘘だろ…雪歩様アイドルやめちゃうのかよ…?」
雪歩「雪歩様って呼ばれてもいい!ちょっとくらい変なアイドル扱いされたっていい!」
犬たち「!」
雪歩「私のアイドルとしての出発点はここで!私を成長させてくれたのもここで!」
雪歩「私に声援を送ってくれたのはここのみんなだった!」
犬たち「…」
雪歩「やめたくないよぉ…最後なんてやだよぉ…う、うう…!」
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:10:26.81 ID:IRGGvwsZ0
犬A「さ、最後…?」
犬B「…もしかして雪歩様ライブが最後ってことじゃあ…」
「そ、そんな!」「雪歩様ー!やめないでくれー!」「わ、わんわーん!」
雪歩「うう…、ぐすっ…」
黄P「…すんません、今お願いします」
スタッフ1「了解」ポチッ
スタッフ2「…それにしても、プロデューサーさん」
黄P「……はい」
スタッフ2「…この写真の雪歩ちゃん、めちゃくちゃかわいいですね」
黄P「…ええ」
黄P「なんたって、雪歩ですから」
119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:23:30.00 ID:IRGGvwsZ0
雪歩「う、うう…」
雪歩(…ダメだな私、こんなことも言えないで…)
雪歩(これじゃトップアイドルなんて夢のまた夢で…)
雪歩(…? 客席が騒がしい…?)
犬A「…お、おい…あの雪歩様…」
犬B「……ああ、すっげえかわいいな…」
雪歩(…私のうしろ?)
雪歩(一体何が…)クルッ
雪歩「!!」
121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:28:01.46 ID:IRGGvwsZ0
雪歩「こ、これ…今度の映画のスナップ写真…!」
雪歩「なんでスクリーンに…!」
黄P「…今度の映画で準主役もらったんすよ、雪歩のやつ」
黄P「…ちなみにこの写真も、今日見本もらったばかりの未公開です」
スタッフ1「へえ、どうりで見たこと無い写真なわけだ」
黄P「病院で不治の病と闘うお嬢様の役…だったかな、確か」
スタッフ2「いいんですか?そんな写真ここで見せちゃって」
黄P「今までついてきてくれた犬へのご褒美ですよ」
スタッフ2「はは、それじゃこんな仕事続けるわけにはいかないな…残念だけど」
黄P「…そうっすよね」
黄P「あいつは、もっと先に進まなきゃいけないんだ」
122 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:32:58.79 ID:IRGGvwsZ0
雪歩(で、でも…こんな写真を見せられたって…!私は…!)
「雪歩様ー!!!」
雪歩「!」
雪歩(あの人…)
雪歩(いつも欠かさず来てくれてる…)
雪歩(夏祭りの村の…!)
若者「わんわーん!雪歩様ー!」
黄P「…曲の準備、お願いします」
スタッフ1「…了解」
123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:36:56.00 ID:IRGGvwsZ0
若者「俺は、今まで現実の女性に興味が持てずにいました!」
若者「三次元なんてくそくらえ!そう思ってた時期が私にもありました!」
オ、オレモダ… ムシロゲンザイシンコウケイダ… ユキホサマハジゲンガチガウワン
若者「でも!雪歩様に出会ってからそんな考えは吹き飛びました!」
若者「こんな素敵な女性がこの世にいるのかと思いました!」
雪歩「…」
若者「そして、今スクリーンに映ってる写真を見て実感しました!」
若者「俺は、なにがあろうと雪歩様のファンです!」
雪歩「!!」
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:42:32.64 ID:IRGGvwsZ0
若者「でも、萩原雪歩に戻るなんて思わないでください!」
雪歩「あ…」
若者「一歩進んで、トップアイドルを目指してください!」
若者「前に、先に進んでください!」
若者「俺はいつでも、雪歩様を応援してます!」
若者「…」
若者「…すぅ…はぁ…」
若者「雪歩ぉぉぉー!!!頑張れぇぇーーー!!!!」
雪歩「…!!」
127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:46:53.09 ID:IRGGvwsZ0
「あ、あいつ雪歩様を呼び捨てで…!」「犬の風上にも置けん!」
雪歩「あ、あの!」
犬たち「…ゆ、雪歩様……!」
雪歩「…じ、実は私、今日でこのライブをやめるつもりだって…この場で言うつもりでした」
「や、やっぱりか…」「嘘だって言ってくれー…」
雪歩「……でも、皆さんの顔を見てたらやっぱり言えなくて…」
雪歩「私にとってここは、とても大切な場所なんだって実感しました」
雪歩「…ありがとうございます」
「ゆ、雪歩様が頭を…」「こんな雪歩様初めて見た…」
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:52:05.67 ID:IRGGvwsZ0
雪歩「…でも、いつまでも甘えてちゃいけないって思ったんです」
雪歩「ここにいれば雪歩様雪歩様ってみんなが言ってくれる」
雪歩「だけど、トップアイドルを目指すにはそれじゃダメだって思ったんです」
雪歩「……今日で、雪歩様は卒業です」
「そ、そんな…」「くぅん…」
雪歩「…だから、今日は最後に新しい私を見てもらおうと思います」
雪歩「…聞いてください」
雪歩「『Kosmos,Cosmos』」
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 22:57:51.36 ID:dPDRinOZ0
いい話だなぁ
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:00:16.95 ID:IRGGvwsZ0
Kosmos,Cosmos
跳び出してゆく 無限と宇宙の彼方
Kosmos,Cosmos
もう止まれない
イメージを塗り替えて
ユラリ フワリ 花のようにユメが咲いて
キラリ
光の列すり抜けたら二人
Access to the future
Reason and the nature
133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:05:41.95 ID:IRGGvwsZ0
-ライブ後、楽屋-
雪歩「…」
雪歩(……終わっちゃった、な…)
雪歩(みんな、どう思ってるんだろ…急にライブやめるなんて言って…)
雪歩「…」
雪歩(…やっぱり、怒ってるよね)
雪歩(……ごめん、なさい)
ガチャ
黄P「…おつかれさん」
雪歩「プロデューサー…」
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:10:16.39 ID:IRGGvwsZ0
黄P「どうだったよ、卒業してみて」
雪歩「…なんだか、ふわふわしてます。実感が無いっていうか…」
黄P「へへ、そりゃそうだろうな」
雪歩「……今までの私を作ってくれたって言っても、おかしくないですから」
黄P「…まあ、あいつらは今までよくついてきてくれたよ」
雪歩「…」
黄P「不安か?やっぱり」
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:14:03.78 ID:IRGGvwsZ0
雪歩「…不安じゃないわけないです、急にこんなことして…」
雪歩「今まで見に来てくれたお客さんも、怒ってるかもしれないし」
黄P「…」
雪歩「これでもし、嫌な噂とかされたらって思うと、私…!」
黄P「…雪歩、ちょっと耳を澄ましてみろ」
雪歩「…なんですか、こんなときに」
黄P「いいから」
雪歩「…」
……ホー …キホー …コール! …ンコール!
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:19:27.74 ID:IRGGvwsZ0
…キホー!! ユキホー!! アンコール!! アンコール!!
雪歩「…あ……」
黄P「思えば、今まではあいつらライブ後はわんわん言うだけでアンコールなんて一度も無かった」
黄P「でもよ、アイドルってのはアンコールに応えるのがお決まりなんだぜ?」
雪歩「わ、私…私……!」
黄P「それによ」
雪歩「…?」
黄P「『雪歩様』じゃなくて、せっかくお前の名前呼んでくれてんだ」
黄P「行ってやれ、雪歩」
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:24:25.64 ID:IRGGvwsZ0
雪歩「ぷろ、プロデューサー…!う、うう…!」
黄P「…泣くのはライブが全部終わってからだ、雪歩」
黄P「別に泣くお前も悪かねえけどよ、ファンが見たいのは笑ったお前だぜ?」
雪歩「…!」
黄P「おら!分かったらさっさと行って来い!」
雪歩「…はい!行ってきます!」
ガチャ バタン! タッタッタッ…
黄P「へへ、いい顔してやがる」
黄P「…」
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:28:21.82 ID:IRGGvwsZ0
黄P「…あいつは」
黄P「俺が初めて企画して、今までずっといっしょにやってきたアイドルで」
黄P「…最初はこのライブハウス借りるのも一苦労で」
黄P「それでも徐々に人気が出てきて、それで…」
黄P「…」
黄P「……こんな顔、赤羽根と青羽根のヤローには見せらんねえなあ…」
ミンナー!オマタセー! ウオオオ!ユキホー! ヤッパリカワイー!!
…
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:33:40.13 ID:IRGGvwsZ0
-後日、765プロ事務所-
雪歩「おはようございますっ!」
小鳥「あら雪歩ちゃん、最近いきいきしてるわね」
雪歩「そうですかぁ?えへへ」
小鳥「今度の映画も頑張らないとね!」
雪歩「はい!もちろんですぅ!」
黄P「…」
『…相談てのはなんですか、リーダーさん』
『いや、先日ファンの方がいらしてですね…』
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:38:07.25 ID:IRGGvwsZ0
リーダー『ステージの調整とかしてるときだったんですけど、真剣だったから話を聞いてみたら』
リーダー『どうも雪歩ちゃんの今後を心配してるって旨を伝えてきたんです』
リーダー『これからもっと有名になるにあたって、このライブは邪魔なんじゃないのかって』
黄P『……、そいつぁ…』
リーダー『…普段なら帰れって言ってたところですけど』
リーダー『ちょうど今回で終わりだってときだったから…つい話してしまいました』
黄P『いえ、遅かれ早かれ分かることなんで、大丈夫ですよ』
黄P『…それに、多分そいつは一番言うこと聞く犬なんで』
142 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 23:43:15.41 ID:IRGGvwsZ0
リーダー『それで、その人が言っていたのは』
リーダー『…とにかく、雪歩ちゃんの魅力をみんなに伝えてほしい、って』
黄P『…!』
リーダー『ライブに集まる犬は、みんななにかしら雪歩ちゃんに魅力を感じているはずだ』
リーダー『だけど雪歩様は、雪歩ちゃんの本当の魅力じゃない』
リーダー『…雪歩ちゃんの本当の魅力を、見せつけるようなライブにしてくれ…だそうです』
黄P『……だったら、ちょうど今日…』
…
145 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:00:28.81 ID:IRGGvwsZ0
黄P「…忠犬ってなあ、いつの時代にもいるもんだな」
雪歩「プロデューサー?」
黄P「だわっ!!び、びっくりさせんじゃねえ!」
雪歩「だってボーっとしてたから…大丈夫ですか?」
黄P「…大丈夫だよ!昨日の夜にエロい情報番組がやってたから夜更かししただけだ!」
雪歩「え、エロって…!うう…!」
雪歩「今から映画の撮影なんですから、早く行きましょう!」
黄P「…ずいぶんとノリノリじゃねえか」
雪歩「もちろんですよ!だって…」
雪歩「犬ライブを無かったことにするんじゃなくて、それを土台にして頑張ろうって思ったら、すっごく楽になったんです」
雪歩「つらいけど楽しかったっていうのは本当ですし」
黄P「…そうか」
146 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:05:05.01 ID:61gEGj0C0
雪歩「それに、今度の映画がヒットすればファンの皆さんにも恩返しになるかなーって」
黄P「…お前も強くなったなあ」
雪歩「プロデューサーのおかげですよ」
黄P「お世辞までうまくなりやがって」
雪歩「えへへ…」
黄P「いや、そこはお世辞じゃないって否定しろよ」
雪歩「プロデューサー!」
黄P「?」
雪歩「今日も、よろしくお願いしますね!プロデューサー!」
番外編『アイドルとして』 完!
147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:08:28.01 ID:A/CQP0t40
いい話だった、掛け値なしに
148 : さるさんにビビりながら19話投下していきます:2012/03/25(日) 00:10:42.83 ID:61gEGj0C0
貴音「…これぞまさに本物の味、たいへんおいしゅうございました」
貴音「四条貴音のらぁめん探訪、本日はここまでにございます」
貴音「それでは皆様、また来週」
スタッフ「OKでーす!」
貴音「お疲れさまでした」
スタッフ「あ、四条さん来週は楽屋での撮影になります」
貴音「…なぜでしょう」
スタッフ「予算の都合です」
貴音「…」
貴音「うふふ」
貴音「面妖な」(真剣)
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:13:18.77 ID:+QhlG5jo0
どれだけの予算が割かれているんだろうか?
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:14:33.35 ID:IQkBMGpf0
スタッフ「予算の都合です(迫真)」
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:15:14.70 ID:61gEGj0C0
貴音「なぜです!本日は3杯しかおかわりしていないはずです!」
スタッフ「ここ高級中華料理店ですよ!?3杯分だけで僕の何日分の食費になるか…ちくしょう!」
貴音「ちくしょうと言いたいのはこちらです!ちくしょう!」
黄P「おら貴音、さっさと次の現場行くぞ」ガシッ ズルズル
貴音「3杯しか…3杯しか食べてないではありませんか…っ!う、うう…!」ズルズル
黄P「そんじゃお疲れさんでしたー」
スタッフ「あ、お疲れ様でした…」
貴音「あなた様はいけずです…うう…」
黄P「もっとそそられる場面で聞きたかったわ」
153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:19:54.61 ID:61gEGj0C0
黄P「お前あんだけ食ったのにまだ足りてねえのかよ」
貴音「3杯だけではありませんか!」
黄P「普通は1杯食えば十分なんだよ」
貴音「…ふふ」
黄P「…んだよ」
貴音「普通とはいったいなんなのでしょうね」
貴音「普通という言葉などでは縛られない」
貴音「そんなあいどるに、わたくしはなりたいのです」
黄P「うるせぇ」
貴音「ああん」
第19話『雲間に隠れる月の如く』
154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:24:33.34 ID:61gEGj0C0
-移動中の車内-
黄P「ていうか次の仕事が雑誌のモデルなんだからあんまり食うなよ」
貴音「大丈夫です、食が体型に表れるようなやわな鍛え方はしておりません」
黄P「…どういうことだよ」
貴音「ふふ、とっぷしーくれっとです」
黄P「うるせぇ」
貴音「ああん」
黄P「…分かったよ、次の仕事終わったらメシ行くぞ」
貴音「らぁめんですか!?」
黄P「なんでもいいよもう!」
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:29:07.58 ID:61gEGj0C0
-撮影場所の公園-
ファン1「わー…貴音さんやっぱりきれいね」
ファン2「不思議っていうか…まるで人間じゃないみたいっていうか…」
ファン3「もしかして月から来たかぐや姫じゃねえのか、なんてな」
黄P(月…実はあいつは地球の生命を監視するアンチスパイラルの手先で…)
黄P(…ん?電話か)
カメラマン「はいオッケーです、今日はこれで終わりにしましょう」
貴音「ありがとうございます」
貴音「プロデューサー、本日の仕事はこれで…」
黄P「…ういっす、了解しました…失礼します」ピッ
貴音「どうかされたのですか?」
黄P「あー…すまん、仕事が入ってメシ行けそうにねえわ」
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:33:09.51 ID:61gEGj0C0
貴音「…そうですか、いえ、仕事ならば仕方ありませんが…」
黄P「悪いな」
貴音「それでは今日のところは一人で帰ることといたしましょう」
黄P「大丈夫か?タクシー呼んでも構わないんだぜ、お姫ちん」
貴音「ふふ、今日はなんだか歩いて帰りたい心持ちですので…それでは」
黄P「おう、お疲れさん」
黄P「…」
黄P「からかっても動じないってなあ寂しいもんだな」
-街中-
貴音「今日の昼食は…」
貴音「とんこつ…それとも味噌…いえ、塩もいいかもしれませんね!ふふっ!」
貴音「らぁめん♪らぁめん♪」ウキウキ
160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:38:15.04 ID:61gEGj0C0
貴音「らぁめん♪らぁめん♪」テクテク
貴音「ら…」テクテ ドンッ
紳士「おっと、これは失礼」
貴音「いえ、こちらこそ……ふふっ!」
紳士(すっごいニコニコしてるけど…うれしいことでもあったんだろうか)
紳士「それでは私はこれで」
貴音「あの、もし」
紳士「?」
貴音「お財布を落とされましたよ」スッ
紳士「む、これはこれは…すまないね」
164 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 00:42:10.55 ID:61gEGj0C0
貴音「いえ…それでは失礼いたします」
紳士「お嬢さん、よければお礼をさせてくれないか」
貴音「そんな…」
紳士「せめてもの気持ちだ、昼食でもどうだい?」
貴音「…よろしいのですか?」
紳士「お嬢さんがよければ」
貴音「わたくしはなかなか大食いでございますが…」
紳士「はっは、若い女性がお金のことを気にしちゃいけないよ」
貴音「…それでは、ご一緒させていただきます」
紳士「じゃあ私の行きつけの店へ…」
貴音「そのお店はらぁめん屋でございますか?」
紳士「は?」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:10:52.07 ID:61gEGj0C0
-後日、765プロ事務所-
貴音「おはようござ…おや、どうしたのです?皆で集まって」
やよい「あ、貴音さん!」
雪歩「四条さん!他の事務所になんて行ったらイヤですぅ!お茶もありますからぁ!」
響「そ、そうだぞ!サーターアンタギーもブタ太もいるからぁ!」
ハム蔵(ちょwwwwwww)
貴音「…はて?」
黄P「…おい貴音、この雑誌に書いてることはマジか?」
貴音「雑誌…?」
貴音「…!この方は昨日の…!」
黄P「昨日…?」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:13:08.30 ID:61gEGj0C0
貴音「ということでして…まさかえるだぁれこーどの社長殿とは知らず…」
黄P「…そうか、よかったじゃねえかメシおごってもらえてよ」
貴音「そんな…わたくしの不注意でこのような写真を撮られてしまい…」
黄P「ちっ…ミスったな、売れてきたころだからこういうことがあってもおかしくねえはずなのによ」
貴音「……申し訳ありません」
黄P「終わったことだ、気にすんな…それでこの記事に書いてあるのは、全部嘘なんだな?」
貴音「事実無根でございます」
黄P「おし、ならお前はいつも通りラーメンむさぼり食っとけ」
貴音「命令とあらば」
響「ち、違うぞ貴音!本当にそういう意味じゃないぞ!」
黄P「……961プロか、くそが」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:15:52.16 ID:61gEGj0C0
-961プロ事務所-
黒井「ふーっははははっ!なかなかいい仕事をしたじゃないか」
渋澤記者「へへ、光栄でさぁ黒井の社長…まさかエルダーレコード社長との食事が撮れるとは思いもよらなかったですよ」
黒井「ふむ、これで765プロの勢いも削がれるというもの…」
黒井「あとは“トドメ”をさせば……」
黒井「…チェックメイトだ……ッ!」
渋澤(この人、一人でチェスの駒並べてて楽しいんだろうか)
渋澤「それでは、あっしはこれで…」
ガチャ
渋澤「…おっと、ジュピターの小僧どもが来やがった、くわばらくわばら…」
冬馬「…なんだ、あのオッサン?」
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:25:30.91 ID:61gEGj0C0
翔太「あの人ってたしか…765プロの四条さんの記事を書いた…」
北斗「…そういうことか」
冬馬「…なんだと…!」
冬馬「つまり…」
冬馬「どういうことだよ……ッ!」
翔太「冬馬くんはかわいいなあ」
-冬馬に説明が終わったあと-
冬馬「おいオッサン!!」
黒井「なんだ騒々しい、私は今ごましおの黒ゴマと塩を分ける作業で忙しいのだ」
冬馬「気持ち悪い趣味だなオイ!…って違う、そうじゃねえ!」
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:29:02.78 ID:61gEGj0C0
冬馬「765プロのあの記事…オッサンが書かせたのか?」
黒井「書かせたわけではない、765プロをマークしろと言った結果、ああいう記事を書いたまでだ」
冬馬「テメェ……!」
北斗「冬馬!」
冬馬「…卑怯な真似してるのはどっちだよ、オッサン!」
黒井「なんとでも言え、お前たちもしょせん私の駒に過ぎんのだ」
冬馬「……!」
翔太「…冬馬くん行こう、このあと仕事もあるんだし」
冬馬「…くそっ!」
ガチャ バタン!!
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:31:43.04 ID:61gEGj0C0
黒井「…ふん、うるさいガキどもだ」
黒井「私の言う通りにすれば失敗などありえない…ありえないはずなのだ」
黒井「…私は、それを証明しなければいけないのだよ、高木…!」
-それから-
春香「貴音さん!一緒にごはんいきましょー!」グイグイ
貴音「え?あ、よろしいですが…」
真美「お姫ちん!一緒にかえろー!」グイグイ
貴音「わたくしとは帰る方向が違うはずでは…」
真「あ、ああ!今日はこっちから帰りたい気分だなー!」グイグイ
貴音「…はて」
渋澤(ちっ!765プロの連中勘付いたか…?他のアイドルたちのガードが固くてパパラッチどころじゃねえ…)
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:33:57.63 ID:61gEGj0C0
渋澤(しょうがねえな、今日はこのへんにしておいて…)
黄P「…うちのアイドルに何か用かい、記者さんよ」
渋澤「!?」
黄P「ストーカー行為は困りますね」
渋澤「へ、へへ…765プロさんは普段から仲がよろしいこって…」
黄P「ああ、うちはみんな仲がいいのが自慢なもんでね…」
黄P「だから…それを崩すような真似ぇしたら」
黄P「…俺は何するか分からねえぞ?」
渋澤「ひっ!し、失礼しやした!」
タタタタ…
黄P「ちっ、おととい来やがれボケナスが」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:40:09.64 ID:61gEGj0C0
渋澤「はぁ、はぁ…なんだアイツ…本当にプロデューサーかよ…!」
渋澤「いや、まだだ…あと1枚決定的な写真を撮れば記事なんていくらでも捏造できる…!」
渋澤「…そういえばあの四条貴音っての、今度1日警察署長のイベントするらしいな…」
渋澤「そこにはあのエルダーレコードの社長も来るとか…」
渋澤「…よし決まりだ、なんとしてもそこですっぱ抜いてやらぁ、へへへ…」
-1日警察署長イベント会場-
『…そのようなことから、わたくしはこの地域の事件発生率の低さを実感し…』
黄P(…ま、仕事自体はいつも通り問題ねえか)
黄P(……ん?あいつはこの前のストーカー記者…)
黄P「野郎…ぶっつぶしてやらぁ…!」
一般記者「」ビクッ
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:43:18.93 ID:61gEGj0C0
署長「すばらしいスピーチでしたよ」
貴音「ふふ、ありがとうございます」
副署長「た、貴音さんと握手できるなんて…わた、私はこの日を一生忘れません!」
貴音「ふふ、面妖な」
紳士「…やあ、どうやら迷惑をかけてしまったようだね」
貴音「あなたは…」
紳士「本当ならすぐに誤解であることを発表したかったんだが…あの記事が出回る直前に海外に出てしまってね」
貴音「いえ、気にしておりません」
紳士「はは、それは助かる…このイベントが終わったらマスコミにすぐ伝えるつもりだ」
貴音「お心遣い痛み入り…むっ!?」
渋澤「ヒャッハー!スクープだー!」ダダダダダ!
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:47:31.15 ID:61gEGj0C0
貴音「…あなたが先日の記事を書いたのですか!?」
渋澤「だったらどうした!今日も激写させてもらうぜ!」
黄P「待てオラ!」ガシッ
渋澤「へっ!甘いな、俺は柔道の段持ちで…えっ!?」
黄P「オラ!オラオラ!どうだコラ!」ボコッ ボコボコッ
渋澤「いたっ!やめて!肩パンやめて!」
黄P「貴音!最後は任せた!」ドンッ!
渋澤「え、ちょ…!」ヨロヨロ
貴音「せいっ!」ガッ
ブワッ ズシーン!!
渋澤「せ…」
渋澤「背負い投げ、だと……」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:50:22.46 ID:J7kfB7iN0
肩パンwww中学生かよwww
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:51:28.65 ID:61gEGj0C0
貴音「…このようなふとどき者には、制裁を加えねばなりませんね」
渋澤「…へっ?」
黄P「ああそうだな、警察署長様がそう言うならしかたねえ」
渋澤「え、ちょ、ちょ…」
貴音「偶然にも、ここに支給された拳銃があります」ジャキッ
黄P「それはすげぇな、撃っちまうか?」
渋澤「じょ、冗談だよな…?へ、へへ…」
貴音「ふふ…さあ、どうでしょう?」カチャリ
渋澤「や、やめ…!」
パァン!!
貴音「…わたくし、じょーくは得意なのです」
黄P「おう、知ってた」
渋澤「」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:55:43.18 ID:61gEGj0C0
-イベント終了後-
貴音「…よかったのですか?あのような大立ち回りをしてしまって…」
黄P「ああ?問題ねえよ、サプライズイベントだって言ったらみんな納得してたしな」
貴音「ふむ…皆さまに喜んでいただけたのなら何よりですが」
黄P「護身術の大切さを広めるきっかけにもなったって警察側も大喜びだったしよ」
貴音「そうですか…」
黄P「それよりお前もいいのかよ?せっかくメシ行こうっつってんのに」
貴音「いえ、それもたいへん魅力的ですが…」
貴音「やはり事務所の皆と食べるのが一番おいしいですからね」
黄P「おう、そりゃあその通りだ」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 10:59:08.96 ID:61gEGj0C0
765プロ事務所-
黄P「おーう帰ったぞー」
真美「お姫ちんおかえり!あ、兄ちゃんも!」
黄P「ついでみたいに言うなよテメェ、買ってきたハンバーガーやらねえぞ」
真美「うあうあ〜!そんな殺生な→!」
貴音「ふふ、皆の分を買ってきているので大丈夫ですよ、双海真美」
雪歩「わ、私お茶いれてきますぅ!」
響「あはは、雪歩うれしそうだなー」
やよい「響さんもすっごくうれしそうですよー!」
響「そ、そんなことないぞ!」
貴音「…ふふっ」
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:02:58.50 ID:61gEGj0C0
ワイワイ ガヤガヤ ピクルスイラナイノー ダメダヨミキ!
ガチャ
伊織「ただいまー…って何よこの状況」
春香「あ、竜宮小町も帰ってきた」
赤P「これで全員集合か?」
貴音「…いえ、如月千早がいませんね」
青P「如月さんは…その、用事があるとかで早く帰りましたよ」
貴音「そうですか…それは残念」
亜美「チーズバーガー最後の1個いただき→!」
貴音「あ…」
亜美「…半分こしようか、お姫ちん」
貴音「…ふふっ!」パアァァァ
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:06:46.13 ID:61gEGj0C0
「あらあら〜、じゃあこのエビバーガーを…」
「あ…」
「…うふふ、半分こしましょうね貴音ちゃん」
「ふふっ!」パアアアアァァァァァ
赤P「やっぱり仲いいな、この子たちは」
黄P「女同士でこんだけ仲良しってのもなかなか無いけどな」
青P「…ええ、そうですね」
赤P「やっぱり仲間ってのはいいもんだよな、うん!」
黄P「クッセェこと言いやがる…ただよ、千早みたいなのはどうにかしなきゃなんねえな」
青P「……ええ、そうですね」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:10:15.69 ID:61gEGj0C0
黄P「…んだよ、真面目に返されても困るだろうが」
青P「……すみません、ジョークは苦手なもので」
赤P「…なにか千早に問題があるのか?今日だって早く帰ったとか…」
青P「いえ、これは俺の問題です…あまり広めるべきじゃないとも思うので」
黄P「ならいいけどよ…」
赤P「俺たちの力が必要だったらすぐ言えよ?俺たちだって仲間なんだから」
青P「…はい、ありがとうございます」
渋澤「くっそ…!なんだよ765プロの連中…無茶苦茶じゃねえか!」
渋澤「…これも普段から良くないことばっかしてる罰かなぁ…いや、でもそうしないと暮らしていけねえし…」
渋澤「えーい!墓参りでもしてご先祖様に詫びでも入れてくっかなー!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:13:20.56 ID:61gEGj0C0
-墓地-
渋澤「とりあえずお供えの饅頭と…やっべ、じいちゃんの酒忘れてきちまった…」
渋澤「…まあいいか、近いうちにまた来て…」
渋澤「……あれは765プロの、如月…!」サッ
千早「…!……っ!」
女性「…、…」
渋澤(…もう一人もキレイな女だ、母親か?)
渋澤(しかし墓場で言い争いたぁ穏やかじゃねえなあ…)
渋澤(……これを撮れば、あるいは…)
渋澤(いや、ここは墓場だぞ?写真なんて撮ったらもしかしたらご先祖様からの祟りが…)
渋澤(…えーい!じいちゃんばあちゃんごめん!)
カシャリ
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:17:05.93 ID:61gEGj0C0
-961プロ事務所-
黒井「…ふは、ふはは!これは面白い写真じゃないか!」
渋澤「あ、ありがとうございます…ところで霊魂とか写ってないですよね…?」
黒井「何を言ってるんだ、そんなものはどこにも写ってないだろう」
渋澤「…ほっ」
黒井「墓場で親子喧嘩、そして如月千早の知られざる過去…ふふ、この2つの結びつきが私には見える…見えるぞ…!」
黒井「待っていろ765プロ!今度こそ貴様らの息の根を止めてやる!ふぅーははは!」
渋澤(あ、ばあちゃん白あん派だった…明日もう一回行こ…)
青P(如月さんの家庭環境…俺にはまだまだ知らないことがたくさんあります)
青P(弟さんの墓参り、普通なら両親と一緒に行くでしょうが…まさか別居中とは)
青P(……)
青P(…なんだか、嫌な予感がします…)
第19話『雲間に隠れる月の如く』 完!
55 : ありがとうございます 再開します:2012/03/25(日) 11:44:46.33 ID:61gEGj0C0
ディレクター「千早ちゃんの声が出ない!?どういうことだよ!!」
スタッフ「わ、分からないんです…さっきの収録で急になったみたいで…」
ディレクター「どうすんだよ!生放送じゃないからまだいいものの…!」
青P「…申し訳ありません、こちらの管理不足です」
ディレクター「765プロさん…どうしたんですか千早ちゃん、急に声が出ないなんてのは…」
青P「すみません、我々にも理由はまだ…」
ディレクター「……今日は他の子に代わりに歌ってもらいます、次はよろしくお願いしますよ」
青P「本当に、申し訳ありません…!」
青P(……歌声が、出ない…)
青P(一体何が…)
青P(如月さん……!)
第20話『約束』
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:50:17.40 ID:61gEGj0C0
-楽屋-
真「…くそっ!なんなんだよこの記事!」
春香「千早ちゃん…」
ガチャ
青P「…お疲れ様です」
真「あ、青羽根プロデューサー!この雑誌…!」
青P「雑誌…?」
……
青P「…これは……」
真「こんな、こんな嘘ばっか書いて…!書いていいことと悪いことが…!」
青P「…いえ、ここに書いてあるのは概ね事実です」
真「…え」
春香「……」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 11:57:45.38 ID:61gEGj0C0
真「そんな…千早の家族が…」
青P「…まあ、この記事には多少誇張表現が含まれていますが……天海さんは知っていたのですか?」
春香「……以前、少しだけ本人から」
青P「そうですか…」
春香「あ、あの!私、千早ちゃんの力になりたくて…!できることがあればなんでも…!」
青P「…この問題は簡単なものではありません、よく考えてから行動した方がよいでしょう」
春香「で、でも…!」
青P「まずは、俺たち大人に任せてください…お願いします」
春香「青羽根プロデューサーさん…」
真「大丈夫かな、千早…」
青P「……」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:01:25.45 ID:61gEGj0C0
青P(…如月さんの家庭状況が週刊誌に掲載されてから数日)
青P(テレビでもこのことは取りあげられ、よほど世の中に疎い人以外は如月さんのことを知るところとなりました)
青P(……マスコミによる過剰な報道、又聞きの又聞きによる情報の錯綜…)
青P(今では、ただ休養している如月さんのことを悪く言う風潮も出てきてしまいました…)
青P(……)
青P(…一体、どうすれば)
青P(如月さんの歌声、それから…)
青P(笑顔を、取り戻せるのでしょうか……)
「日曜午後の新発見!『生っすか!?サンデー』!!」
「千早さんは今日おやすみなの、ごめんねー」
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:05:45.07 ID:61gEGj0C0
青P『弟さんを、交通事故で…?』
千早『…ええ、今日は弟の命日なんです』
青P『それで墓参りに…それは分かりましたが、親御さんとは一緒に行かれないんですか?』
千早『…っ!』
青P『…すみません、理由があるのでしたら無理には』
千早『……いえ、単純な理由です…ただ親が離婚して別居しているというだけで…』
青P『それは単純な理由とは言わないのでは…』
千早『プロデューサーに私の何が分かるんですか…!』
青P『え』
千早『…すみません、もう行きます…それでは』
青P『…はい、お疲れ様でした』
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:10:07.03 ID:61gEGj0C0
青P『ストレスから来る、発声の障害…?』
医者『ええ、如月さんの場合はおそらく過去のトラウマが原因でしょう』
青P『…治療方法は』
医者『…本人が乗り越えるしかないでしょうね』
青P『そんな…!』
千早『……私は大丈夫です』
青P『如月さん…』
千早『先に帰ります、失礼します』
青P『……』
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:14:04.78 ID:61gEGj0C0
赤P「…千早、まだよくならないのか」
青P「ええ…あとは精神的な問題だけだと思います」
黄P「家に引きこもってるからいけねえんだよ!さっさと外に引きずりだして…」
青P「ムリヤリはいけません!!」
黄P「…だから冗談だって言ってんだろうがよ」
青P「それでも言っていいことと悪いことが…!」
赤P「…青羽根、お前も疲れてるんだよ…少し休め」
青P「赤羽根くんまで…!」
赤P「これは冗談じゃない」
青P「…っ」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:17:56.62 ID:61gEGj0C0
青P「…それでは俺も今日は帰ります、お疲れさまでした」
黄P「おう、おつかれさん」
赤P「…あんまり考えすぎるなよ」
青P「……すみません」
ガチャ バタン
「私には歌しか無いんだな、と…再確認しました」
青P「…歌、しか」
青P「……ダジャレじゃ、ダメですか」
青P「……」
青P「くそ…!」
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:22:46.48 ID:61gEGj0C0
-961プロ事務所-
冬馬「これがあんたの手口かよ、オッサン!」
黒井「……何が言いたい」
冬馬「汚い手を使ってんのはオッサンじゃねえか!こんな卑怯な手を」
黒井「誰に口をきいている!」
冬馬「…!」
黒井「言ったはずだ、お前たちは指示に従って動けばそれでいい」
黒井「3流プロが自滅していくのを、横目で見ながらな」
冬馬「…っ!」
北斗「……」
翔太「……」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:26:15.30 ID:61gEGj0C0
-765プロ事務所-
律子「…千早、まだ戻れないんでしょうか」
赤P「ああ…食事だけはちゃんととるようにいろいろ置いてきたりしてるんだが…」
黄P「家まで行ってもドアを開けようともしねえしな…ぶち破ろうかと思ったぜ」
赤P「…とにかく、今は本人に気持ちの整理がつくまで待つしかないな」
律子「そうですね…もしかしたら、今度の定例ライブも…」
黄P「……悪い方を考えとかなきゃいけねえな」
ガチャ バタン
青P「…おはようございます」
赤P「おはよう、お前は大丈夫か?」
青P「ええ…星井さんの仕事についていかないと…」
律子「無理、しないでくださいね…?」
青P「…はい、ありがとうございます」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:30:23.50 ID:61gEGj0C0
美希「おはようなのー!ハニー、早くお仕事行こ!」
青P「ああ星井さん…そうですね、行きましょう」
美希「…今日って何時入りだっけ?」
青P「今日は…10時だったと思いますけど」
美希「むー、違うの!変更になって9時半入りになったでしょ!」
青P「…そういえばそうでした」
美希「…ねえハニー、疲れてるんだったら今日はミキ一人で…」
青P「いえ、大丈夫です…心配させてしまってすみません」
美希「…分かった、信じてるからね」
青P「それでは、先に行ってきます」
律子「はい、行ってらっしゃい」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:35:00.85 ID:61gEGj0C0
「ハニーそっち違うの!そっちはトイレなの!」
「おやおや…」
黄P「…相当キてんじゃねえか、アイツも」
律子「……とにかく、今は私たちにできることをやりましょう」
赤P「ああ、そうだな…」
-千早宅前-
春香「…」
春香「…すぅ」
ピンポーン
春香「……千早ちゃん、いる?春香だけど」
ガチャ
『…なに?』
春香「!」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:39:24.45 ID:61gEGj0C0
春香「あ、あのさ!ダンスレッスン一緒に行こうと思って!ほら、体動かすと気持ちいいし!」
『……行かない』
春香「…それからさ、みんなからいろいろ預かってきたんだ!お茶とか、のどあめとか、ラーメンとか!」
春香「そんなに持てないよーって言ったのに、私なんだかサンタクロースみたいになっちゃって…」
『もう構わないで』
春香「…え」
『私はもう歌えない…歌えない私に、意味なんて無いもの』
春香「千早ちゃん…」
春香「千早ちゃん、弟さんのために歌うって言ってたよね…もっと簡単じゃダメかな?」
春香「歌が好きだから、歌うことが好きだから歌っちゃダメなのかな?」
『…いまさら、そんなふうには考えられないわ』
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:44:15.51 ID:61gEGj0C0
春香「もっとこう…私は歌いたいから歌うんだって思った方が、気持ちが楽だよ?」
『やめて』
春香「それで、また一緒に歌えたら…私たちもうれしいし!」
『…やめて』
春香「それに、それに…」
春香「天国の弟さんだって、きっと喜んでくれ」
『やめてっ!!!』
春香「!!」
『春香に私の…優の何が分かるのよ!?』
『もう…おせっかいはやめて!!』
春香「…!」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:48:59.79 ID:61gEGj0C0
春香「……」テクテク テクテク
春香「……」テクテク ピタッ
春香「…う」
春香「……うう…」
「アイドルがこんなところで泣いてなにしてるんだ?春香」
春香「!」バッ
春香「あ…」
春香「プロ、デューサー…」
赤P「よう」
春香「あ、ああ…ううう…!ぐすっ…!」
赤P「あああ、おいおい…泣くなって言ったばかりなのに…」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:52:12.08 ID:61gEGj0C0
-765プロ事務所内-
赤P「落ち着いたか?」
春香「……はい、ずびばせん…」
赤P「はは、ほら鼻かめ」
春香「うう…」
赤P「…千早の家に行ってたんだな?」
春香「…分かっちゃうんですか?」
赤P「友達想いの春香のことだ、だいたい想像つくさ」
春香「…」
赤P「それで…うまくいかなかったんだな」
春香「…すみません」
赤P「いや、春香が悪いわけじゃ…誰も悪くないか」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 12:56:37.72 ID:61gEGj0C0
春香「あんな千早ちゃん初めてで…私どうしたらいいか…」
赤P「…実はさっき、千早のお母さんが事務所に来た」
春香「…え」
赤P「それで、これを千早に渡してくれと言って置いていった」
春香「これ…お絵かき帳…?」
赤P「…千早の弟さんのだそうだ、生前のな」
春香「!」
赤P「それで自分より事務所の人から渡した方がいいって言ってな…すぐ帰っちゃったんだ」
春香「で、でも…!やっぱりお母さんから渡してあげた方が…!」
赤P「…なあ春香、ちょっと聞いてくれ」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:00:27.40 ID:61gEGj0C0
赤P「俺さ、千早は大人を信用してないんじゃないかって思うんだ」
春香「そんな…!プロデューサーさんだって、それに社長や小鳥さんも…!」
赤P「…言い方が悪いな、信用しきれてないんだと思う」
春香「……」
赤P「今回の件だってそうだ、千早の家庭環境を調べて暴露したのは誰だ?」
春香「…記者の人」
赤P「そもそも千早の家庭環境を悪くしてしまったのは?」
春香「……千早ちゃんの、ご両親…」
赤P「俺としては交通事故を起こした運転手を言うべきかと思うが…それも全部大人だ」
赤P「……すまん、千早の両親に対しても言い方が悪くなったかもしれない、ただ…」
赤P「これは、それくらい重い、大きい問題なんだ」
春香「…!」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:04:31.17 ID:61gEGj0C0
赤P「…それに、青羽根のやつも言ってたんだ」
春香「青羽根プロデューサーが…?」
赤P「自分は、千早に嘘をついてしまったかもしれないってな」
春香「嘘を…」
赤P「…人ってのは、その人やその言葉を信じているほど、それが嘘だったときほどそのダメージはでかくなる」
赤P「……少なくとも、最初のころの千早は青羽根を信用していたと俺は思う」
春香「それは…私もそう思います」
春香(あのゲロゲロキッチンの収録の後くらいから…千早ちゃんは青羽根プロデューサーとよく話してたし)
春香(多分…ダジャレを教わったのもそのときじゃないかと思う)
赤P「…青羽根が電話しても家を訪ねてもダメだったんだ、おそらく俺や黄羽根、律子じゃ余計にダメだろう」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:08:19.46 ID:61gEGj0C0
春香「だ、だったらどうすれば…」
赤P「…春香、つらい役目を頼んでいいか?」
春香「え」
赤P「千早を連れ戻してくれ、頼む」
春香「…そんな、さっきだってダメだったのに」
赤P「…それでも、俺は春香に行ってほしい」
春香「……どうして、ですか」
赤P「千早のことを一番理解してるのは春香だと思う、それに…」
春香「それに…?」
赤P「簡単にはあきらめない、前向きに他の人を引っ張るのが春香の魅力だと俺は思う」
春香「…!」
赤P「…だから、俺は春香に頑張ってほしい」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:12:11.77 ID:61gEGj0C0
春香「で、でも!私さっき千早ちゃんからおせっかいはやめてって…!」
赤P「おせっかいなんかじゃない!」
春香「!!」
赤P「春香が他のみんな…俺だってそうだ!どれだけその声に元気づけられたか!」
春香「……」
赤P「…お前は覚えてないかもしれないけど、竜宮小町がデビューしたころ俺にくれたキャラメル」
赤P「俺だけ他のプロデューサーから遅れとってるときだったから、正直焦ってたんだ」
赤P「そんなときに春香がくれたキャラメル…あれのおかげで俺はもっと頑張ろうって思えた」
赤P「…いや、正確にはそんな俺にも気を配ってくれる春香に勇気づけられたんだ」
赤P「だから…春香には本当に感謝してる、ありがとう」
春香「プロデューサーさん…」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:16:11.31 ID:61gEGj0C0
赤P「…千早は、不器用だけど人の気持ちが分かるやさしい子だ」
春香「…はい」
赤P「だったら春香の気持ちもきっと伝わるはずだ」
春香「…はい!」
赤P「……お願いしてもいいか」
春香「…ふふ、プロデューサーさんの頼みならしょうがないですね」
赤P「…うん、その笑顔があれば大丈夫だ」
春香「……このお絵かき帳の中の千早ちゃんも、笑ってますね」
赤P「春香なら、その笑顔も取り戻せると思うぞ?」
春香「…はい、がんばります!」
赤P「…ごめんな」
春香「……いえ」
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:20:48.28 ID:61gEGj0C0
-それから-
美希「それ、春香が書いたの?」
春香「ち、違うよ…千早さんの弟が書いた絵で…千早ちゃん全部マイク持って笑ってるんだ」
美希「ふーん…でも、そんなふうに歌ってる千早さん見たこと無いの」
春香「美希も、そう思う?」
美希「うん…今はなんか、何のために歌ってるのかなって思うの」
春香「何のために…」
美希「あ、上手いのはホントだよ?でも楽しそうに見えないっていうか…とにかくこの絵の中の千早さんとは全然違うの」
春香「…」
春香(楽しそうに歌う、か…)
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:25:35.44 ID:61gEGj0C0
律子「…それで、今度の定例ライブの曲順はどうしますか?」
青P「……やはり如月さんの出番を削った形で」
赤P「いや、できるだけ千早は最後にまわして曲順を組もう」
青P「そんな…確率的に考えて…」
黄P「バカ野郎、お前が信じねえでどうすんだよ」
青P「…」
黄P「いいか?確率なんてなあアテにならねえ、自分が100%だって思えばそれは100%なんだよ」
青P「…!」
赤P「…だから、千早の出番もちゃんと残しておく」
律子「大丈夫です、まずはライブの成功が第一なのはいつもと一緒ですよ」
青P「…申し訳ありません」
黄P「謝んじゃねえバーカ」
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:29:40.94 ID:61gEGj0C0
-千早宅-
ピチョン… ピチョン…
千早「……」
千早(…歌えなくなって、どれくらい経つだろう)
千早(何日?何週間?何カ月?)
千早(……とても短くも感じるし、長くも感じる)
千早(どちらにせよ、歌えない私に意味なんて…)
ピンポーン
千早「…」ガチャ
千早「…はい」
『…千早ちゃん?私です』
『春香です』
千早「……」
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:34:59.09 ID:61gEGj0C0
『あのね、今日は渡したいものがあって…ここ、開けてもらえる?』
千早「…何も欲しくない」
千早「私の事はほうっておいて」
『……』
『ほっとかない』
千早「…っ」
『ほっとかないよ!』
千早「……!」
『知らぬが〜仏ほっとけない!!』
千早「!?」
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:38:54.92 ID:61gEGj0C0
『えへへ…びっくりさせちゃってごめんね』
千早「…?」
『…今の、なんだか分かる?』
千早「それは…竜宮小町の…」
『ううん、ダジャレだよ千早ちゃん』
千早「…!」
『ね、今千早ちゃん笑った?』
千早「…こんな状況で笑えるわけないでしょう!」
『そっか、残念』
千早「……ねえ春香、あなたふざけてるの?」
『こんな状況でふざけてると思う?』
千早「…っ!」
103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:45:21.68 ID:61gEGj0C0
『私ね、ダジャレを言ってるときの千早ちゃん好きだったよ』
千早「……」
『笑ってて、本当に楽しそうで…』
『まるで子供みたいだなって思っちゃった』
千早「……」
『…私、そんな千早ちゃんの歌がもう一度聴きたい』
『一緒にステージに立って、歌、歌いたい!』
『おせっかいでもなんでもいい、それでも!』
『私!千早ちゃんにアイドル続けてほしい!』
千早「…!!」
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:49:23.89 ID:61gEGj0C0
『…それじゃ、荷物ここに置いておくから!中の手紙もちゃんと読んでね!』
千早「…春香」
『じゃあ千早ちゃん、またね!』
キィ バタン カツカツ カツカツ…
千早「……」
千早「…」スッ
千早「……手紙と、楽譜…?」
千早「それから…」
千早「…!」
千早「これ、優の…っ!!」
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:54:20.62 ID:61gEGj0C0
春香「…ふぅ、緊張したなあ」
春香「でも、言いたいことは全部言ったもんね、うん」
赤P「お疲れさん、春香」
春香「プロデューサーさん…待っててくれたんですか?」
赤P「当然!なんたってプロデューサーだからな」
春香「あはは、なんですかそれ」
赤P「…どうだった?」
春香「…分かりません、でも…千早ちゃんなら戻ってきてくれると思います」
赤P「……そっか、春香がそう言うなら大丈夫だろ」
春香「…私は、プロデューサーさんのこと誰より信じてますよ?」
赤P「うん、俺もだ」
春香「…ふふ」
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 13:58:22.64 ID:61gEGj0C0
-定例ライブ当日-
「すみませーん、マイクチェックお願いしまーす」
「自分は大丈夫だぞー!」
真「…プロデューサー、千早は…」
赤P「……今は信じて待つだけだ」
真美「でも、もし間に合わなかったら…」
黄P「でもとかもしとか言うんじゃねえ、男なら腹ァくくってどっかり待ってろ」
亜美「亜美たち男じゃないよー…」
律子「とにかく、今は各自ができることをやりましょ!ほらあなたたちも早く準備しなさい」
青P「……」
美希「だいじょぶだよハニー、千早さんは絶対来るの」
青P「…絶対などという言葉は軽々しく」
美希「ぜったいなの」
青P「…分かりました」
108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:03:20.23 ID:61gEGj0C0
貴音「…もう本番直前ですね」
雪歩「うぅ…千早ちゃんやっぱり…」
春香「…ねえみんな!いつも通り円陣組もうよ!」
やよい「…え?」
春香「ほら、ね!いつも通り!」
伊織「…そうね、いつも通り円陣を組みましょう」
あずさ「うふふ、そうね」
春香「よーっし、いくよ!765プロー…」
タッタッタッタ…
響「…ちょっと待って、なにか聞こえるぞ…?」
春香「……」
ガチャ!
千早「遅くなりました!」
109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:09:38.42 ID:61gEGj0C0
真「ち、千早…!」
雪歩「よかった、ホントによかった…うぅ…!」
千早「…ごめんなさいみんな、迷惑を」
美希「千早さん」
千早「…?」
美希「謝るくらいなら、早く円陣組むの」
千早「!!」
美希「えへへ、なーんちゃって」
春香「そうだよ千早ちゃん、早くしないとライブ始まっちゃうよ?」
千早「美希、春香…」
真美「ほら千早お姉ちゃん、早く早く→!」
亜美「早くしないと腕がつっちゃうよ→!」
千早「みんな…」
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:13:54.88 ID:61gEGj0C0
春香「…よし、それじゃ円陣組むよ」
全員「……」スッ
春香「千早ちゃん」
千早「…?」
春香「おかえり」
千早「…!!」
春香「765プロー!ファイトー!」
全員「オー!!」
律子「よかった…千早が戻ってきて」
赤P「…いや、まだ最大の問題が残ってる」
青P「……歌が、残っています」
112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:17:38.16 ID:61gEGj0C0
-ライブ開始後、しばらく-
千早「……」
青P「お疲れ様です、如月さん」
千早「…プロデューサー」
青P「…よく、戻ってきてくれました」
千早「……その、すみませんでした…迷惑かけてしまって」
青P「いえ、戻ってきてくれたのなら何も問題はありません」
千早「……」
青P「……以前の会話を、覚えていますか?」
千早「…?」
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:21:50.19 ID:61gEGj0C0
青P「ゲロゲロキッチンの収録途中です、如月さんがスタジオ裏で発声練習をしようとして…」
千早「あれは…あのときもすみませんでした」
青P「はは、いや…そんなことが言いたいのではなくてですね」
青P「如月さん、あのときもっと大きな場所で歌を歌いたいと言っていたんです」
千早「…そういえば、そんなことを」
青P「…そして俺は、それに応えた」
青P「その“約束”を、俺はまだ果たしていません」
千早「……!」
青P「如月さんはまだまだ大きな場所で、たくさんの人に歌を届けられる」
青P「…そのためにも、今日のライブ…頑張ってください」
千早「…はい!」
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:26:18.28 ID:61gEGj0C0
-ライブ終盤-
赤P「いよいよ千早の出番か…」
律子「ああ、観客もなんだかざわついてる…」
青P「……大丈夫でしょうか」
黄P「…もうステージに上がっちまったんだ、あとは見守るしかねえだろうが」
〜♪
赤P「…演奏が始まった…!」
春香「千早ちゃん…!」
千早「…」スゥ
千早「…っ」
千早(…声が、出ない…!!)
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:30:20.00 ID:61gEGj0C0
ザワザワ オイオイダイジョウブカヨ…
千早(ああ、やっぱりダメだった…)
千早(ごめんなさい、優、事務所のみんな…)
千早(…それに、プロ…)
「ねぇ 今 見つめているよ 離れていても」
千早(春香…!)
「もう涙を拭って 微笑って」
千早(みんな…!)
赤P「頼む…!」
黄P「……!」
青P「……」
118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:35:18.58 ID:61gEGj0C0
「歩こう 果てない道 歌おう 天を超えて」
「想いが届くように 約束しよう前を向くこと Thank you for smile」
千早「……」
千早「…!」
千早「…」
千早「……うん」ニコッ
青P「……!」
千早「…」スゥ
「 」
119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:39:20.19 ID:61gEGj0C0
赤P「やった!」
律子「…!」
黄P「…バッカ野郎、一人だけいち早く泣いてんじゃねえよ」
青P「す、すびば…う、ふぐっ…!ううぅ…っ!」
黄P「謝んじゃねえ、バーカ」グスッ
千早(…歌うのが、こんなに楽しいなんて知らなかった)
千早(……いえ、きっと忘れていただけね)
千早(そうね、まるで)
千早(…全てが楽しかった、子供のころみたい)
121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 14:43:44.60 ID:61gEGj0C0
-ライブ後-
春香「それじゃ千早ちゃん、また明日ね!」
千早「ええ、また明日」
やよい「千早さん、さようならー!」
千早「……」
千早「…事務所に向かいましょう」
千早「それにしても、プロデューサー一体どうしたのかしら」
千早「用事があるにしてもわざわざライブ後にしなくても…」
千早「……」
千早「…のどがかわいたわ、まずは給湯室に…」ガチャ
青P「計算通りです」
千早「!?」
122 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:00:29.42 ID:61gEGj0C0
千早「や、やめてください!びっくりしたじゃないですか!!」
青P「おっと、それは申し訳ない」
青P「アイムソーリーヒゲソーリー」
千早「…いつの時代のダジャレですか」
青P「ええ、自分でもこれは無いと思っています」
千早「……それで、用事とは」
青P「…如月さん、ダジャレのことは嫌いになりましたか?」
千早「…!」
青P「以前のライブでスベったでしょう?あれ以来ダジャレをあまり言わなくなったものですから」
千早「…別に、嫌いになってはないです」
124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:03:29.48 ID:61gEGj0C0
千早「ただ、私には向いてない…歌しか歌えないと思ったから…」
青P「…如月さんは、なぜダジャレが好きになったんですか?」
千早「それは…単純に言葉遊びが面白いと思ったから…」
青P「ええ、俺も同じ理由です」
千早「プロデューサーも…?」
青P「…俺は小さいころからこんな性格で、冗談を言うのがとても苦手でした」
千早「……」
青P「でもある日、テレビでダジャレを言いまくる人を見たんです」
青P「面白いかどうかは別にして、俺はその日からダジャレの虜でした」
千早「…変わってるんですね」
青P「自覚はあります」
125 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:06:26.24 ID:61gEGj0C0
青P「…それからはダジャレを通じてクラスメイトとも話すようになり、友達も増えました」
青P「ダジャレを考える、それ自体が楽しかったのもありますが…」
青P「俺がますますダジャレにのめり込んでいった理由は分かりますか?」
千早「……いえ」
青P「それを聞いた人が笑ってくれるからですよ、如月さん」
千早「…!!」
青P「もしかしたら純粋な笑いではないかもしれない、失笑の方が多かったかもしれない」
青P「でも、自分の好きなことで他人が笑ってくれるんだったら」
青P「…それをやめられるわけ、ないですよね」
千早「プロデューサー…」
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:10:19.87 ID:61gEGj0C0
青P「そういった意味では、如月さんには歌を続けてほしい」
青P「…俺も、如月さんの歌に魅力を感じているうちの一人です」
千早「……プロデューサー、私」
青P「それに、ダジャレに対する評価も悪くはないんですよ?」
千早「へ?」
青P「ほら見てください、これは某巨大掲示板の反応なのですが」
青P「『千早ギャグ失敗可愛い』『ちひゃーのためなら何時間でも笑うよ!!!!!』」
千早「な、な…」
青P「他にも『違う意味で伝説のライブになっちゃう!』など、皆さん前向きな反応で」
千早「なんですかこれはーーーっ!!!!」
青P「鼓膜が破れそうで、僕困っちゃう」
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:14:40.57 ID:61gEGj0C0
千早「はぁ…はぁ…」
青P「まあ冗談は置いといて」
千早(冗談の基準がおかしいわよ…)
青P「如月さんのダジャレにも魅力があるということです」
青P「やっぱり、ダジャレっていうのは人に笑ってもらわなきゃ意味が無いですからね」
千早「…はあ」
青P「ため池の前でため息をつく溜池さん」
千早「ぷはっ!た、溜池さんて…く、くくっ…!」
青P(即興にしては良い反応です)
青P(…今度の忘年会でぜひ披露しましょう)
130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:18:11.99 ID:61gEGj0C0
青P「…おっと、俺はそろそろプレゼントを取りに行ってきます」
千早「プレゼント?」
青P「如月さんの復帰祝い、とでも言いましょうかね」
千早「…そんな大げさな」
青P「如月さんはここで待っていてください、それでは」ガチャ バタン
千早「あ…」
千早「……」
千早(ダジャレ、か…)
千早(そういえば小さいころはどんな些細なことでもけらけら笑ってたっけ…)
千早(それこそダジャレだって言ってたかもしれない)
千早(…いろいろ、忘れてることってあるものね)
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:22:04.84 ID:61gEGj0C0
ガチャ
千早「プロデューサー、おそ…」
千早「……!」
千種「……」
千早「…母さん」
千種「……お墓参りのとき以来ね、千早」
千早「…ええ、今日はどうしてここに?」
千種「あのプロデューサーさんに呼ばれたの、ライブが終わったら事務所に来てくれって」
千早「そう」
千種「……」
千早「…」
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:26:38.10 ID:61gEGj0C0
千早(一体なにを考えているのかしら、プロデューサーは…)
千種「…今日はあなたに謝ろうと思って」
千早「…?」
千種「優のこと、家庭のこと…あなたにはたくさん迷惑をかけたわ」
千早「…そんなこと、今更」
千種「…本当なら、あなたとも笑って会話したかった」
千早「……っ!」
千種「でもごめんなさい、私口下手だから…気の利いたことも言えなくて…」
千早「…わ」
千早「我がママはわがままっ!」
千種「…え?」
133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:30:10.17 ID:61gEGj0C0
千種「ち、千早…?」
千早「マミーが飲んでるのはもちろんマミー!」
千種「どうしたの?何か悩みごとでもあるの?」
千早「おっかさんが言った、そんなミスは犯さん!」
千種「…何?何のことなの?」
千早「母が笑った、ハハ!」
千種「……ダジャレ、なの?」
千早「…っ!母が笑った、ハハ…」
千種「千早…」
千早「母が、う、わら…笑ってよ…う、うう…!ぐすっ…」
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 15:34:37.35 ID:61gEGj0C0
千種「千早」
千早「ぐすっ…お願い、笑ってよ…」
千種「……千早」ギュッ
千早「あ…」
千種「…そういえば優もあなたも、小さい頃はくだらないことでよく笑ってたわね」
千早「…くだ、くだらなく、なんか、ひくっ、ないもん…」
千種「……でも、そんなあなたたちが母さんは大好きなの」
千早「…!!」
千種「ごめんね、今まで苦労かけて」
千早「おか、お母さぁん…!う、うわああああん…っ!!」
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 16:01:00.01 ID:61gEGj0C0
青P(……)
青P(これで、よかったのでしょうか)
青P(…今はまだ分かりませんが)
青P(とりあえず如月さんが笑っているなら、今はそれでいいでしょう)
青P(それにしても……)
青P(『約束』の歌詞を考えるとき、ダジャレを入れなくて本当に正解でした)
青P(もし入れてたら…)
青P(ライブが爆笑の渦で大変なことになっていましたからね!)
青P(……)
青P(…今日は、これで帰るとしましょう)
140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 16:03:02.84 ID:eG99JJji0
青羽根P……
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/25(日) 16:03:35.53 ID:61gEGj0C0
-961プロ事務所-
黒井「…それで、如月千早は見事な復活を遂げた、と…」
渋澤「は、はい…それはもう見事でして…」
黒井「そんなことは聞いていない!」
渋澤「ひっ!す、すんません…」
黒井「…もういい、下がれ」
黒井「……一体何だ、何がいけないのだ」
黒井「雑誌の表紙、我那覇響の番組、如月千早のライブ…あいつらは全て乗り越えてくる…」
黒井「……」
黒井「…そうか、次はあいつか」
黒井「くく…ふは、ふぅーはっはっはっ!!!待ってろ765プロ!」
黒井「お前たちを絶望の闇に引きずりこんでやる…!」
第20話『約束』 完!
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:16:14.76 ID:xkLpayyf0
-フェス会場-
赤P「え!?音が出ない!?」
音響「え、ええ…なんでか分からないんですけど…」
律子「分からないって…どうにかならないんですか!?」
音響「今からやっても間に合うかどうか…やっぱり順番を飛ばすしか…」
青P「ここに音源CDがあります、これでどうにか」
音響「や、やってみますけど…時間かかるし…」
黄P「…そっちのミスだろうが、とりあえずさっさと作業しやがれ」
赤P「お、おい!黄羽根!そういう言い方は…!」
音響「じゃ、じゃあやってみます…」
青P「…俺が付いていきましょう、さあ早く」スタスタ
音響「は、はい…」スタスタ
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:19:10.86 ID:xkLpayyf0
黄P「……」
赤P「おい、向こうだって必死なんだ…ああいう言い方は良くないだろ」
黄P「…そうだといいがな」
赤P「…今なんて言った」
律子「と、とにかく!音が戻らない場合のことを考えてつなぎを考えなきゃ!ね!?」
赤P「……ああ、そうだな」
黄P「…俺はちょっと外に出てくる」
律子「ちょ、ちょっと黄羽根プロデューサー!」
赤P「いいよ律子…おい黄羽根!お前だって仕事なんだ、早く戻ってこいよ」
黄P「…」スタスタ
赤P「……なんだあいつ、そんなに怒ることでもないだろ」
律子「ほ、ほら早くこのあとのことを考えましょうってば!」
第21話『まるで花が咲くように』
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:23:24.45 ID:xkLpayyf0
-アイドルたちの控え室-
律子「…というわけでもしかしたら音が出ないかもしれないの」
響「そんな…」
亜美「せっかく千早お姉ちゃんの歌が…あっ」
真美「あ、亜美!」
千早「……」
真「じゃ、じゃあ!なんとか音が無くてもできることを…」
千早「…ちょっといいかしら」
伊織「ち、千早…」
千早「…みんなが私にいい環境で歌を歌わせてくれようとしてるのはとてもありがたいわ、でも…」
千早「歌ってそういうものじゃないと思うの」
貴音「……」
5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:29:49.31 ID:xkLpayyf0
千早「…もしかしたらまた声が出ないかもしれない、ファンじゃない人からの罵声もあるかもしれない」
千早「それでも、私は今歌いたい」
春香「…!」
千早「みんなに迷惑をかけることだって分かってる」
千早「…でも、だからこそ今日歌って…ファン、プロデューサー、それからみんなの気持ちに応えたいの」
千早「私は、私の意志で歌を歌いたい!」
雪歩「千早ちゃん…」
律子「…そうね、それなら予定通り一番手は千早でいきましょう!みんな異論は無いわね!?」
美希「千早さんの歌をみんなに見せつけてやるのー!」
あずさ「うふふ、歌は聴かせるものよ美希ちゃん」
千早「みんな…ありがとう」
律子「さっき赤羽根プロデューサーが考えてくれた万が一の進行表もあるわ、みんなしっかり準備していきましょう!」
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:32:53.62 ID:xkLpayyf0
音響「こ、これは音が出ないかもしれないなー、厳しいなー…」
青P「…そこをなんとかお願いします」
音響「…が、頑張ってはみますけど…」
青P「お願いします!今日は大事な日なんです!」バッ
音響「…っ」
青P「よろしく、お願いします…!」
-ステージ裏-
千早「……」
春香「ちーはーやーちゃんっ」
千早「…春香」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:34:31.08 ID:0vusUJX70
美希がどうなってるのか気になる
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:36:43.56 ID:xkLpayyf0
春香「えへへ、さっきの千早ちゃんすごくカッコよかったよ」
千早「そう…それならダジャレを言うのは我慢して良かったわね」
春香「……ちょっと聞いてもいい?」
千早「ええ、いくわよ」
春香「うん」
千早「…私は、私の意志で歌を歌いたい!」
千早「その意思はとっても固いわ!石だけにね!」
千早「どやっ!」
春香「千早ちゃん」
千早「どうかしら」
春香「それはない」
千早「…くっ」
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:40:17.04 ID:xkLpayyf0
千早「…それにしてもずいぶんハッキリ言うのね」
春香「へ?あ、それは…その…」
千早「…ふふ、私としてはそっちの方がうれしいわよ春香」
春香「…え?」
千早「気をつかわずにいてくれた方が、私としても気が楽だもの」
春香「あ…」
千早「…それじゃ、スタンバイしてくるわね」
春香「…うん、頑張ってね千早ちゃん!」
千早「ええ、もちろんよ」
春香「……」
春香(…私も、前に進まなきゃ!)
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:44:35.48 ID:xkLpayyf0
冬馬「みんなー!今日はありがとー!」
今井「と、とうまー!とととととうまー!」
北斗「愛してるよファンの女の子たち!」
浅倉「北斗ぉー!ちゃっちゃちゃチャオー!!」
翔太「えへへ、それじゃまたね!」
滝田「翔太ぁーん!翔太きゅんぺろぺろー!!」
北斗「いやあ、今日もいい感じだったな」
冬馬「…へっ、ファンの女どもに媚び売ってたら俺の凛子がうるせえんだけどな」
翔太「冬馬くんラブプラスの話は仕事現場ではしないって約束だったでしょ?」
冬馬「いや、だけどよ……ん?」
冬馬(今すれ違ったのは765プロの如月…次はあいつらの出番なのか)
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:48:33.26 ID:xkLpayyf0
-ステージ-
客A「お、おい千早ちゃんじゃねえか…大丈夫なのかよ…」
客Z「え?千早?この前親の離婚がどうとかで騒がれてた人?」
客X「声が出ないって言ってたじゃん…今日も歌えないんじゃねえの?」
ザワザワ ザワザワ
千早「……」スゥ
千早「…ずっと眠っていられたら この悲しみを忘れられる…」
客B「え…アカペラ?」
客Y「……でも上手いな」
翔太「…あれ?リハのときはオケかかってたよね?」
北斗「おかしいな、普通はこんなことあるはずが…」
冬馬「……!!」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:51:37.72 ID:xkLpayyf0
冬馬(そういえばリハーサルの後に黒井のオッサンが音響スタッフに何か言ってやがった…!)
冬馬(…どこまで卑怯な真似を……っ!!)
冬馬「くっそ!あの野郎!」ダッ
北斗「お、おい!冬馬!」
翔太「と、とにかく追いかけよう!」
-961プロ控え室-
冬馬「おいオッサ…!」
黒井「…冬馬か、来客中は静かにしないか」
冬馬「……なんであんたがここにいる」
冬馬「765プロ…!」
黄P「……」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:55:18.34 ID:xkLpayyf0
冬馬「…まあいい、765プロの件はオッサンがやったのか?」
黒井「だとしたらどうするつもりだ」
冬馬「…テメエ……ッ!」ガッ
北斗「冬馬!熱くなるな!」
翔太「そうだよ!ここで黒ちゃんを殴ってもなんにもならないよ!」
黒井「…ふん」
黄P「…そうだ、ガキは黙ってろ」
冬馬「ガキ…っ!大体なんであんたがここに…!」
黄P「殴るのは俺の役目だ」ザッ
冬馬「へ」
ガッ バキッ ドサッ
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:59:18.16 ID:xkLpayyf0
翔太「ちょ、ちょっと!」
北斗「……まさか本当に社長を殴るとはな」
冬馬「お、おい!765プロ!どういうつもりだ!」
黄P「どういうつもりか聞きてえのはこっちだ!!!」
冬馬「…!」
黄P「おい黒井!お前がうちの社長と因縁があるのは知ってる!!」
黄P「だったらなんでこんな卑怯な真似ばっかしやがる!!男なら正々堂々かかってこいや!!」
黒井「ぺっ…口から血が出るなど何年ぶりかな」
黒井「……言いたいことはそれだけか」
黄P「……てめえまだ懲りてねえらしいな」ジリッ
北斗「…765プロさん、そのへんで」
黄P「…ちっ」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:04:26.90 ID:xkLpayyf0
冬馬「…オッサンのやり方が気に食わないのは俺たちも同じだ、今日こそは聞かせてもらうぜ」
黒井「……所詮お前らは私の駒に過ぎんと何度も」
翔太「もう誤魔化されないよ、黒ちゃん」
北斗「…社長、お願いします」
黒井「………」
黒井「…私は、高木より優れていることを証明しなければいけないだけだ」
黄P「…それだけか?」
黒井「それだけだ」
黄P「……」
冬馬「……本当は殴ってやりたいところだが、もうそんな気持ちも起きねえよオッサン」
黒井「…どういうつもりだ」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:08:46.31 ID:xkLpayyf0
北斗「もう潮時だってことですよ、社長」
翔太「…ここまで来ちゃあ、続けられるわけないよね」
黒井「…辞めるつもりか」
冬馬「もうオッサンには付いていけねえ…今まで世話になったな」スタスタ
翔太「あ、冬馬くん待ってよ!」タッタッタ
北斗「……」ペコッ スタスタ
黒井「ふん、勝手にしろ」
黄P「……もっとマシな理由があるかと思ってたよ、がっかりだ」
黒井「…お前も面白い男だな、私を殴って問題が起きるとは考えなかったのか?」
黄P「そんなことビビってたらそもそもここまで来ねえよ、それに…」
黒井「それに?」
黄P「……」
黄P「あいつらはもう、俺がいなくてもやっていける」
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:13:58.30 ID:xkLpayyf0
黄P「…勘違いすんなよ、俺がいなくても大丈夫なくらい成長したってことだ」
黒井「……ふは、ふはは!面白い、実に面白いな!」
黄P「笑うんじゃねえ、気持ちわりぃな」
黒井「そのなりふり構わん姿勢、すばらしい行動力!」
黒井「気に入った!気に入ったぞ765プロ!」
黄P「…俺一人が765プロってわけじゃねえだろうが」
ネームリーヒメー メザメルワタシハーイマー…♪
黒井「ライブの音も元に戻ったようだな…しかし今はそんなことどうでもいい」
黒井「…おい、私の提案を飲む気は無いか」
黄P「……提案だぁ?」
黒井「ああ、そうだ」
黒井「私の元に来い、765プロ」
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:17:39.76 ID:xkLpayyf0
-駐車場-
赤P(それにしても良かった…音も戻って千早の歌もうまくいって…)
赤P(他のみんなの感触も上々だったしな、これで仕事がもっと増えるかもしれない!)
赤P(…しかし黄羽根は結局最後まで戻ってこなかったな、何してんだアイツ…)
冬馬「おい765プロ」
赤P「き、キミは…ジュピターの小早川凛子」
冬馬「一文字も合ってね……ちょっとうれしいじゃねえか…///」
翔太「冬馬くん、照れに来たんじゃないでしょ」
冬馬「そ、そういやそうだった…おい765プロ、今日はあんたたちにその…礼を言いに来た」
赤P「礼?何の話だ?」
冬馬「…あんたたちのおかげで俺たちの行く道が見えたってことだ、言わせんな恥ずかしい」
北斗「冬馬冬馬、あんまり真面目な感じに聞こえない」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:20:58.04 ID:xkLpayyf0
冬馬「と、とにかく!961プロを辞めたあとも俺たちはあんたたちに負けるつもりはねえってことをだな…」
赤P「そうかそうか…、って辞めた!?961プロを!?」
冬馬「ああそうだ!今日はそれを言いに来ただけだよ」
北斗「あの破天荒なプロデューサーさんにもよろしくお伝えください…では」
翔太「へへっ!じゃあね、765プロさん!」
赤P「あ、ああ…また…」
「それじゃあ今日は僕の家で打ち上げしよっか!」
「いいなそれ、ストでもやるか」
「また俺だけ余るじゃねーか!!」
赤P「……」
赤P「…破天荒って、黄羽根のことだよな」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:25:15.53 ID:xkLpayyf0
-おしゃれなバー-
社長「さ、ここだ」
美希「ふわー…大人の場所ってカンジなの…」
伊織「…ここ、政財界の大物がたくさんいるじゃない」
赤P「それにしても、どうしたんですか急に…こんな立派なお店にみんなを連れてきて」
社長「はは、まあいいじゃないか…さ、みんな座りたまえ」
やよい「あわわ、こんなお店入ったの初めてですー…」
真「あ!あそこのカウンターに座ってるのって……え?」
雪歩「……なんで黒井社長とプロデューサーが一緒にいるの?」
赤P「…!」
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:29:34.60 ID:xkLpayyf0
青P「……急にいなくなったとは聞きましたが、まさかここにいるとは…」
赤P「アイツ…!よりによって黒井社長とこんなところに…!」
高木「…ふむ」
赤P「…ちょっと行ってくる、みんなは座っておいてくれ」
響「で、でも…!」
春香「響ちゃん、みんな…お店の中だしさ、座っておこ?ね?」
貴音「…そうですね、あまり騒ぐのも得策ではないでしょう」
赤P「…春香、すまん」
春香「…いいえ、プロデューサーさんも…ケンカとかしないでくださいね」
赤P「……ああ、分かってる」
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:35:20.15 ID:xkLpayyf0
赤P「…おい黄羽根、お前どういうつもりだ」
黄P「あ?大丈夫だよ、一応バイクだから酒は飲んで…」
赤P「そういうことじゃないって分かってるだろ!」ガシッ
青P「赤羽根くん…!」
黒井「…ふん、765プロの連中は飲食店のマナーすらわきまえてないのかね」
高木「ははは、すまないね…マスター、いつものを頼むよ」
マスター「…かしこまりました」
黄P「…そろそろその手ぇ離せよ赤羽根」
赤P「お前…なんで黒井社長と一緒にいる?仕事はどうした」
黄P「引き抜きだとよ、961プロにな」
赤P「っ!」
青P「……」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:38:51.09 ID:xkLpayyf0
赤P「…それでお前受けるつもりか」
黄P「……どうだろうなァ、お前がいたら765プロにいる意味もねぇかもな」
赤P「…お前っ!!」
高木「赤羽根くん、わきまえたまえ」
赤P「……っ、すみません」
高木「…それで、黄羽根くんはどうするつもりだね」
黄P「どうでしょう…まだ何も考えてないっすね」
黒井「ふん、765プロなんぞよりわが961プロの方が優れているとなぜ分からないのだ」
青P「…黄羽根くん、そういった冗談はあまり好きではありませんね」
黄P「へっ、なんだよどいつもこいつも…」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:42:15.03 ID:xkLpayyf0
黄P「…ま、今のところは辞めるつもりはありませんよ」
黒井「今のところは、な…」
高木「…今日のところはこのあたりにしてやってくれないか黒井、わが社のアイドルもいることだし」
黒井「ふん…」
青P「それでは俺たちは向こうのテーブルに戻りましょう、赤羽根くんも黄羽根くんも」
赤P「…申し訳ありませんでした社長、騒がしくしてしまって」
高木「いやいいんだよ、赤羽根くん」
高木「ただし、アイドルの諸君にとってキミたちは必要不可欠な存在だ…決してそのような姿を彼女たちの前では見せないでくれたまえ」
赤P「……了解しました」
黄P「ごっそさん、黒井の社長よ」
黒井「お前がその気になればいつでも連絡をしてこい」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:46:47.39 ID:xkLpayyf0
春香「あ、プロデューサーさん…」
赤P「ああ…すまん、待たせたな」
千早「…何かあったんですか?穏やかではない雰囲気でしたけど…」
青P「…それは」
黄P「俺が仕事サボってたらたまたま黒井のオッサンと会ってな、一人酒は寂しいから付き合えっつーからよ」
伊織「アンタねぇ!それでよりによって黒井社長と一緒になんて…!」
やよい「…?なんだか急に暗くなりましたね」
響「あ!?す、ステージの上!!」
真美「ぴ、ピヨちゃん!?なんでステージにいんの!?」
亜美「…でもピヨちゃん、すっごいキレイ…」
黄P「…おい、ちょっと付き合え」
赤P「……?」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:50:45.71 ID:xkLpayyf0
高木「…相変わらずだな、お前は」
黒井「変わったのはお前の方だ、高木」
高木「そうかもしれないな、私には第一線でプロデュースする才能は無いと気付いたからだろう」
黒井「…それは私とて同じだ」
高木「……珍しいな、お前がそんなことを言うなんて」
黒井「私とお前、どちらかが優れていればあのようなことにはならなかったはずだ」
高木「……彼女のことは、もう…」
黒井「…だが私は私のやったことを否定するつもりは無い…でなければ彼女そのものすら否定することになるからだ」
高木「楽しいから、ではいけないのか?」
黒井「…」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:56:33.71 ID:xkLpayyf0
高木「歌うことが楽しいから…みんなが笑ってくれるからアイドルをする、それだけで十分ではないのか?」
黒井「……そういった環境を勝ち取らなければ、歌うことすらできないだろうが」
高木「…まあ、ここで分かりあえるようであれば……お互い独立なんてしなかっただろうな」
黒井「私は悟ったのだよ…アイドルに必要なのは絶対的なバックアップ、多少強引でも自らを前に出そうとする意欲と工夫」
黒井「そして何より…優れたプロデューサーの存在」
高木「……最後に関しては同意するよ」
黒井「…私は先に失礼する」スッ
高木「…次は、善沢くんと3人でまたこの店に来よう」
黒井「……ふん」
キィ チリンチリン バタン
高木(……)
高木(アイドルを想うあまり…か)
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:01:13.27 ID:xkLpayyf0
-店の外-
赤P「…なんだ急に」
黄P「お前、俺のこと怒ってるか?」
赤P「…当たり前だろ…!」
黄P「…何に対してだ」
赤P「千早が正式に復帰してからの初ライブだ!それに他の子だって不安がっていたのに勝手に現場を離れるなんて…!」
黄P「わかったわかった、大きい声あげんなよ」
赤P「お前、どのツラ下げてそんなこと…!」
黄P「すまんかった!!」
赤P「…は?」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:05:28.98 ID:xkLpayyf0
黄P「…俺は961プロに行く気もねえし、勝手に現場を離れたのは悪いと思ってる」
黄P「ただよ、うちのアイドルの邪魔ばっかしやがる黒井に…我慢ならなくなったってのはお前に言っとかなくちゃと思ってよ」
赤P「…はぁ、もういい頭上げろよ」
黄P「へへ、お言葉に甘えて」
赤P「……別にお前が961プロに行こうが何も言えないさ、そこは個人の自由だからな」
赤P「ただ…まだ765プロにいる以上、やることはしっかりやってもらわなきゃ困る」
黄P「へっ、お前一人でもどうにかまわりそうな気はするけどな」
赤P「バカ言うな…今まで4人でやってきてそんなこと急にできるわけないだろ」
黄P「ご謙遜」
赤P「…一発殴ってやろうかと思ったけど、そんな気も失せたよ」
黄P「俺は黒井のやつを一発殴ってやったけどな」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:09:36.25 ID:xkLpayyf0
赤P「はぁ!?お前何してんだよ!」
黄P「へへ、黒井のやつ殴られて俺のこと気に入ったとか言ってたからな…実はドMなんじゃねえか?」
キィ チリンチリン バタン
青P「二人とも、ケンカは終わりましたか?」
赤P「ケンカってほどじゃ…ま、どうにか無事に終わったよ」
青P「そうですか…ところで今、ステージで小鳥さんが歌っていますよ」
赤P「え!?本当かそれ!黄羽根、早く見に行こう!」
黄P「俺は一服してから行くわ、お前だけで行ってこい」
赤P「なんだよもう…まあいいや、それじゃ行ってくる」
キィ チリンチリン バタン
青P「……彼はなんと?」
黄P「自分はまだそんな器じゃねえとよ、自分に自信がねえってのも困りもんだな」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:12:26.59 ID:xkLpayyf0
青P「…では例の件も?」
黄P「社長から連絡があるんじゃねえのか?少なくとも俺から言うことじゃねえよ」
青P「そう、ですね…」
黄P「…ま、とりあえず俺たちも小鳥さんの歌でも聴こうや」
キィ チリンチリン バタン
青P「……」
青P(…この話を聞いたら)
青P(彼は、赤羽根くんは…どんな反応をするでしょうか?)
青P(…心配しても、仕方ないでしょうね)
青P(今はただ、自分のやるべきことを…)
第21話『まるで花が咲くように』 完!
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:12:39.38 ID:2GY/Cv070
前も青羽根とか黄羽根とかで、書いてた人か?
42 : >>41 他にいなければそうだと思います:2012/04/08(日) 11:16:10.76 ID:xkLpayyf0
-テレビ局廊下-
赤P「あれ、どこだ…?確かにこの自販機の下に…」
春香「…プロデューサーさん、お金でも落としたんですか?」
赤P「うわっ!!…ってなんだ、春香か」
春香「廊下に膝ついて自販機の下を覗き込んでる人がいたら声もかけたくなりますよ」
赤P「はは、面目ない…実は今使ってる財布がボロボロでな…」
春香「もー、お財布くらいカッコイイの使ってくださいよー」
赤P「そうしたいのはやまやまだけど…買いに行く時間も無いしなー…」
赤P「ま、とりあえずは今日の収録だ!がんばれよ春香!」
春香「はい!」
春香(……お財布、か)
第22話『聖夜の夜に』
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:20:02.74 ID:xkLpayyf0
-収録終了後、楽屋-
春香「ね、最近なんだか忙しくなってきたね!」
千早「ええそうね、うれしいことだわ」
春香「ふふ、前は歌のお仕事以外いらないって言ってたくせに」
千早「そ、それは…バラエティとか出ると近くで芸人さん見れて面白いし…」
春香「あはは、ちなみに千早ちゃんは誰が好きなの?」
千早「だ、ダンディ坂野さんとか…」
春香(んー?)
千早「あ、ち、違うのよ!?好きって言ってもそういう好きじゃ…!」
春香「違う千早ちゃん、分かってる分かってるから」
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:24:33.49 ID:xkLpayyf0
ガチャ
赤P「…どうした千早、ゲッツのポーズなんてして」
春香「あ、プロデューサーさんは好きな芸人さんとかいますか?」
赤P「んー、俺か?俺は正統派が好きだからな…ちょっと古いかもしれないけどオール阪神巨人とかますだおかだとか…」
春香「わかりますわかります!お正月の特番とかすっごく楽しみですもん!」
赤P「はは、この前はそれこそ正月特番の収録でますだおかだと共演してたじゃないか」
春香「はい!岡田さんに『春香ちゃんのリボンうわぉ!』って言われたときはもううれしくてうれしくて…」
赤P「まあ春香たちもそれくらい名前が売れたってことだ…よし、そろそろ帰るぞ」
春香「はーい…千早ちゃん、ダンディさんの持ちギャグやってみてって振ったのは謝るからさ」
春香「だからゲッツのまま固まってないで帰ろ?ね?」
千早「……//////」プルプル
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:30:39.87 ID:xkLpayyf0
春香「うー寒い…もうそろそろクリスマスだね」
千早「そうね…」
春香「もう怒らないでよ千早ちゃーん…クリスマスパーティーのとき好きなお菓子作っていくから!」
千早「それはうれしいけど…今年はパーティーできるか分からないわよ?」
春香「え?」
赤P「クリスマス頃はみんな仕事がたくさん入ってるからな…パーティってのはちょっと…」
春香「……あ、あはは!そうですよね!お仕事忙しいもんなー最近!」
赤P「…なあ春香、パーティーって楽しいか?」
春香「へ?…あ、プロデューサーさんは去年はまだいなかったですもんね」
春香「もうすっごく楽しいですよ!みんなでケーキとか一品料理とか持ってきて…あと社長の手品も!」
赤P「そっか、楽しいのか…」
春香「…?」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:33:02.99 ID:xkLpayyf0
貴音「それではお疲れ様でした」
黄P「おうお疲れさん、今度着物着るんだから帰りにラーメンとか食べすぎんじゃねえぞ」
貴音「……ふふっ!」
黄P「なんだその意味深な…おっとメールか…」
黄P「…赤羽根から?」
美希「それじゃハニー!お疲れさまなの!」
青P「はいお疲れ様、今日は帰ったらすぐに寝て疲れをとってくださいね」
美希「心配無いのー!」
青P「でしょうね」
青P「メール…赤羽根くんからですか、なになに…?」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:02:41.75 ID:xkLpayyf0
春香「それじゃ千早ちゃんまたね!」
千早「ええ、また来週」
テクテク テクテク…
春香「…来週、かぁ」
春香「前は毎日会ってたみたいなものだったのに…」
春香「…ううん!お仕事が忙しいのはいいことだもんね、頑張らなきゃ!」
春香「よーっし、せめてクリスマスパーティーはみんなで集まれるように連絡取り合おっと!」
ピッ ピッ prrrr prrrr
春香「…あ、もしもし真美?クリスマスのことなんだけど…」
春香「……え?うん、うん…」
春香「へ?プロデューサーさんからもう連絡があった?」
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:07:01.77 ID:xkLpayyf0
-クリスマス当日-
春香「もう!ひどいですよプロデューサーさん!私に黙ってみんなに連絡とって!」
『いやいや、ひどいってことは無いだろ…スケジュール調整大変だったんだから』
春香「それはうれしいけど…一言くらい相談してくれても」
『春香は美希との舞台の仕事が決まったばかりだったからな、今日だってちゃんと練習頑張ってるか?』
春香「が、頑張ってますよ!今は休憩中なだけです!」
『はは、分かってる分かってる、無理するなよ』
春香「…なんでクリスマスパーティーしようと思ったんですか、みんな忙しいのに」
『へ?いや、だって春香が楽しいって言ったから』
春香「え」
『それに俺も楽しそうだと思ったからだ、それじゃダメか?』
春香「……」
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:11:04.35 ID:xkLpayyf0
『…おーい春香?聞いてるか?』
春香「…今日、遅れてでも絶対行きますからね」
『ん?おう、待ってるからな』
春香「はい、それじゃ失礼します」ピッ
春香「……」
春香「…よっし!」
スタッフ「休憩終わりでーす、立ち稽古続きいきまーす!」
春香「はい!今いきまーす!」
美希「ねえ春香、今誰と電話してたの?」
春香「えへへ…内緒!」
美希「?」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:15:32.09 ID:xkLpayyf0
春香「お疲れ様でした!失礼します!」
美希「春香!ミキもインタビュー終わったらすぐ行くからねー!」
青P「星井さん迎えに来ましたよ、早く行きましょう」
春香(よし、ケーキ買って早く事務所に行こう!)
-街中-
春香(…えへへ、ついついホールのケーキ買っちゃった)
春香(残ったらプロデューサーさんが食べてくれるよね、うん)
春香(…あ、お財布が飾ってある…)
春香(……)
春香「…よし」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:21:02.59 ID:xkLpayyf0
-765プロ事務所-
春香「お、遅くなりました!」
真美「遅いよはるるん!」
響「準備もそろそろ終わるさー!」
やよい「メリークリスマス、春香さん!」
春香「あ、おいしそうなチキンだねやよい」
やよい「これですかー?えへへ、プロデューサーさんが買ってきてくれたんですよ!」
春香「プロ…あ、プロデューサーさんは…」
赤P「おう、おかえり春香」
春香「あ…」
赤P「ほら、ただいまはどうした」
春香「…た、ただいま!」
小鳥「ふふ」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:25:30.63 ID:xkLpayyf0
-それから-
あずさ「あらあら、とっても立派な会場になってるわね〜」
伊織「ふん!こんな狭いところじゃなくてうちでやった方が…」
亜美「んっふっふ〜、そんなこと言ってうれしそうですぞいおりん」
真美「これぞツンデレですな→」
伊織「んなっ…!う、うるさいのよアンタたちー!」
真「あはは、相変わらずだなあ伊織は」
貴音「あの…このらぁめんのようなものが乗ってるけぇきは一体…」
千早「それはモンブランですよ、四条さん」
貴音「もんぶらん……面妖な…ふふっ!」
律子(ショートケーキおいしそう…)
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:29:01.29 ID:xkLpayyf0
ガチャ!
美希「お、お待たせなの!」
青P「萩原さんは…まだ来ていませんね」
美希「はぁ…なんとか間に合ったの…」
真「よっし!これで準備万端だね!」
高木「ふむ…仕事もいいが、やはりこういうのもいいねぇ」
小鳥「ですね、うふふ」
高木「最近は黒井のちょっかいも無いし…いいことずくめだねぇ!」
小鳥「その通りですね社長」
高木「今日は初の人体切断マジックをしようと思うんだが、音無くんにぜひアシスタントを」
小鳥「お断りします」
高木「知ってた」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:34:22.53 ID:xkLpayyf0
雪歩「はぁ…はぁ…」
黄P「おら雪歩、着いたぞ」
雪歩「うぅ…いつまで経ってもバイクの二人乗りは慣れないですぅ…」
黄P「いいからさっさと行け、ほら」ドン
雪歩「へ?あ、ちょ、押さないでくだ…!」
ガチャ! パーン! パーンパーン!
雪歩「……へ?」
春香「せーの!」
全員「雪歩!メリークリスマス!アンド…ハッピーバースデイ!」
雪歩「み、みんな…うう…」
黄P「おらせっかくのめでたい日に泣いてんじゃねえ、笑え」
雪歩「ぷ、ぷろでゅーさー……えへへ…」グスッ
全員(かわええ)
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:39:10.09 ID:xkLpayyf0
ワイワイ ガヤガヤ
「あー貴音!それは自分のチョコケーキだろー!」
「いつの間にか1ほぉる全部食べてしまいました……面妖なっ!」
「キメ顔されても困るよお姫ちん」
春香(ふふ、みんな楽しそう…プレゼント交換会も面白かったし)
春香(でも当たったプレゼントがスコップっていうのは…)
春香(…いや、何も考えないようにしよう、うん)
春香(……あ、そうだプレゼントって言えばプロデューサーさんのお財布買ってきたんだった!)
春香(今から渡しちゃおうかな、えへへ)
春香「プロデューサーさ…」
春香(…あれ?プロデューサーさんたちが話してる…?)
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:42:51.77 ID:xkLpayyf0
黄P「…でよ、仕方ねえからあのとき黒井の社長に名刺渡したんだよ」
赤P「うん」
黄P「そしたら毎日『961プロに来い』ってメールが来てうるせぇの」
青P「意外とマメなんですね」
黄P「そんでメールの題名が」
赤P「……」
黄P「全部『ウィ。私だ』」
赤P「ぶふっ!」
青P「で、オチはどこなのでしょうか」
黄P「…お前はもうちょっと日常会話を勉強しろよ」
春香(…よかった、この前は心配だったけど仲直りしたみたいで)
春香(んー、でも今はプレゼント渡せそうにないかな…)
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:46:34.59 ID:xkLpayyf0
高木「…よし、そろそろみんな集まってくれるかね」
伊織「?」
ゾロゾロ ワイワイ
高木「ふむ、まずはメリークリスマス!それから…」
高木「星井美希くん、シャイニングアイドル新人部門受賞、おめでとう!」
美希「…へ?」
真「す、すごいじゃないか美希!」
美希「あ、うん…ハニーは知ってたの?」
青P「まあプロデューサーですからね」
美希「…むー!隠し事は良くないの!」
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:50:15.34 ID:xkLpayyf0
やよい「はわー…美希さんすごいですー」
響「最近の美希はすごいもんな!化粧品のCMも出てるし!」
高木「おっと諸君、それだけではないぞ」
千早「…?」
高木「なんとわが765プロが、シャイニングアイドル事務所部門を獲得した!」
雪歩「…そ、それってすごいんですか…?」
律子「す、すごいなんてもんじゃないわよ!該当事務所無しのときだってたくさんあるのに…!」
小鳥「アイドル事務所にとっては最高の名誉ね、所属しているみんなが本当に活躍してないと貰えないもの」
高木「そう!つまり765プロが今現在最も輝いている事務所ということに」
全員「やったーーーーーー!!!!!」
高木「おっとと…ははは、ようやく事の重大さが分かったかな?」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:54:23.34 ID:xkLpayyf0
春香「す、すごいね千早ちゃん!そんな賞を2つも…!」
千早「…ええそうね、これもプロデューサーたちのおかげよ」
春香「うん!うん、そうだね千早ちゃん!」
高木「…それでそれらの賞にはそれぞれ副賞がついてくる」
貴音「副賞…ですか?」
高木「うむ、美希くんには雑誌とのタイアップ企画」
美希「モデルさん?それならミキ、おにぎりが良かったの」
高木「はは…それで事務所部門の方だが」
高木「所属するプロデューサーに1年間のハリウッド研修の権利が与えられる」
春香「…!!」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:59:12.15 ID:xkLpayyf0
高木「…まあ来年4月からという急な話ではあるが、是非ともプロデューサー諸君の誰かに行ってもらいたいと思っている」
亜美「誰かってことは…兄ちゃんたちとりっちゃん全員が行くわけじゃないの?」
黄P「全員行っちまったらその間の仕事どうすんだよ」
真美「あ、そっか」
高木「うむ、連絡は以上だ!それでは遅くなりすぎない程度に楽しんでくれたまえ!」
やよい「はりうっどですかー…飛行機代とか大変そうですー!」
伊織「そんなの向こうが出してくれるに決まってるじゃない」
響「…でもすごいなー!自分たちが一番輝いてるアイドルってことでしょ?」
あずさ「そうね、みんなで頑張ったことの証拠だものね」
春香「……」
千早(…春香?)
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:01:35.25 ID:xkLpayyf0
千早「春香、せっかくおめでたい話なのにどうしたの?」
春香「…へ!?あ、いや、そうだよね!おめでたいよね!えへ、えへへ…」
千早「……それにその手に持っているのは」
春香「こ、これは…なんでもないよ…」サッ
千早「…そう、それならいいけど…」
春香(……プロデューサーさん…)
-パーティが終わって-
赤P「それにしても驚いたな…シャイニングアイドル事務所部門か…」
黄P「いや、俺は事前に社長から聞いてたけどな」
青P「俺も星井さんの件も含めて聞いてました」
赤P「なんだよお前ら…それなら早く言えよ」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:05:43.64 ID:xkLpayyf0
黄P「まあ律子は知らなかったみたいだけどな、リアクション的に」
赤P「…ハリウッド、か」
青P「ええ、誰が行きましょうか」
赤P「……」
黄P「……」
青P「……」
黄P「…お前が行け、赤羽根」
赤P「……なんで俺なんだよ」
青P「まず秋月さんは年齢的に厳しいところもありますし、正直まだまだ鍛えあげるべきところもたくさんあります」
黄P「…それに、担当アイドルのこともある」
赤P「担当…?」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:10:39.87 ID:xkLpayyf0
黄P「今俺の担当は雪歩、貴音、真美の3人だ」
青P「俺は如月さんと星井さんの2人だけです」
赤P「……」
黄P「赤羽根、お前は春香、真、響、やよいの4人を担当してる」
赤P「……だからそれがどうしたって…」
青P「…赤羽根くんの担当を俺と黄羽根くん…それから秋月さんに割り振れば、人数が増えたうえで均等になります」
赤P「……まさかそれだけじゃないだろうな」
黄P「隠してもしょうがねえな…アイドルの連中の性格を考えてみろ」
赤P「性格…?」
青P「…星井さんは間違いなく俺に依存しています」
赤P「……!」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:14:38.77 ID:xkLpayyf0
青P「最近では俺が現場に行かない日があると一気に機嫌が悪くなります…困ったものです」
黄P「ノロケはあとにしろ…と言いたいところだが、俺も似たようなもんだ」
赤P「…黄羽根も?」
黄P「正直なところ、赤羽根に雪歩を任せたところでうまくいくかわからねえ」
赤P「……否定できないのが悔しいな」
青P「それは俺も同じですがね」
黄P「まあ、このままでいいとは俺も思ってねえ…雪歩も美希も、いつかは一人でどんな仕事でもこなせるようにならなきゃいけねえしな」
黄P「…だが、お前の担当アイドルの連中は違う」
赤P「……」
黄P「……お前がいなくても、頑張れるやつらばっかだ」
赤P「…それは……」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:18:33.82 ID:xkLpayyf0
青P「別に赤羽根くんがいらないというわけではなく、アイドルの子たちが以前に比べて成長したということで…」
赤P「…うん、それは分かってる」
黄P「春香も真も仕事に対して一生懸命だ…響はお前と仕事こなしてるうちに前より明るくなったし」
青P「高槻さんは多少つらいことなら乗り越えられる強い心の持ち主です」
赤P「…だからって、急に担当が変わったらあいつらも…」
黄P「急じゃねえだろうが、あと3カ月はある」
赤P「……でも」
黄P「でもじゃねえ!お前が行かなきゃいけねえんだ!!」
赤P「…!」
黄P「引き抜きの件だけじゃねえ!もし、もし俺たちが急にいなくなったら!」
黄P「お前やっていけんのかよ!?」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:23:18.81 ID:xkLpayyf0
赤P「…いなくなるって、おい……」
青P「……あくまで例えばの話です、赤羽根くん」
黄P「…とにかく、向こうに連絡するまではまだしばらく時間がある」
黄P「お前自身が行くかどうか…しっかり考えて決めろ、俺たちは行かねえ」
青P「…ええ、さっき行けない理由も言いましたからね」
赤P「……」
黄P「俺は帰る、じゃあな」
青P「…それでは、赤羽根くんも気をつけて」
ガチャ バタン
赤P「……」
赤P「俺は…」
第22話『聖夜の夜に』 完!
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:28:13.17 ID:xkLpayyf0
-765プロ事務所-
春香「ただいまー…」
小鳥「はい、失礼します……あら春香ちゃん、おかえり」
春香「あ、小鳥さんお疲れ様です…みんなは?」
小鳥「今日はまだ春香ちゃんしか来てないわね、みんな忙しいみたい」
春香「…そう、ですか」
小鳥「ちなみにプロデューサーさんも外をかけずり回ってるわよ」
春香「へ!?べ、別にプロデューサーさんのことが聞きたかったわけじゃ…!」
小鳥「あら、私は春香ちゃんが“みんな”って言うからそれに答えたつもりだったんだけど」
春香「うう…小鳥さんのいじわる…///」
小鳥「うふふ」
第23話『私』
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:32:45.69 ID:xkLpayyf0
小鳥「…やっぱりプロデューサーさんがいなくなるの寂しい?」
春香「……でもずっといなくなるわけじゃないし…」
小鳥「春香ちゃん、言いたいことは言いたいときに言わないと後悔するわよ?」
春香「…!」
小鳥(…まあ私もそのクチなんだけど)
小鳥「とにかく、プロデューサーさんが安心してハリウッドに行けるように、今度の舞台頑張らなきゃね」
春香「…はい!」
小鳥「うん、やっぱり春香ちゃんは笑顔の方がいいわね」
春香「えへへ…」
春香(プロデューサーさん…)
春香(……やっぱりハリウッド、行っちゃうんですか?)
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:38:07.00 ID:xkLpayyf0
-舞台稽古場-
美希「そう!私は星のように…」
監督「…ストップ!おい天海、お前やってみろ!」
春香「は、はい!」
美希「……」
「休憩15分入りまーす!」
春香「ふぅ…」
美希「よいしょ…っと」ストン
春香「あ、美希…」
美希「おつかれなの、春香」
春香「うん、お疲れ様」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:42:31.01 ID:xkLpayyf0
春香「…やっぱり厳しい監督だね」
美希「そうだね…でもミキは楽しいよ?」
春香「…うん、なんだか自分が成長していくのが分かるっていうか」
美希「そうそう!ここまできたらなんとしても主役とってやるからね、春香!」
春香「…うん、そうだね!どっちが主役になってもいいように…」
美希「……春香、それは違うと思うな」
春香「…え?」
美希「せっかく監督が主役は春香とミキのどっちかにするって言ってるんだよ?」
美希「なんでミキと勝負しようとしないの?」
春香「…!」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:47:24.17 ID:xkLpayyf0
美希「…ミキは、ぜったい主役とるよ」
美希「それで、ハニーをもっともっと喜ばせてあげるの」
春香「……」
美希「だから、春香もぜったい主役とるって思わなきゃダメだよ」
春香「…うん、がんばる」
ドウモー オツカレサマデス
春香「!」
赤P「おいおい、暗い顔してどうした春香…稽古がきついのか?」
春香「プロデューサー、さん…」
青P「俺も時間ができたので来ましたよ」
美希「ハニー!会いたかったの!」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:53:36.83 ID:xkLpayyf0
黄P「はー、これが舞台か…スゲーなセットとか」
春香「き、黄羽根プロデューサーさんはなんで…?」
赤P「こいつは単なる見学、監督の作品のファンなんだってさ」
春香「いろいろと幅広いんですね…」
赤P「それからほら、差し入れのドーナツ」
青P「俺はどら焼きを持ってきましたよ」
黄P「俺はガム」
春香「ガムて…」
美希「やったー!ハニーのどら焼きなのー!」
青P「残念、それはハチミツ味ではなくこしあんです」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:58:16.75 ID:xkLpayyf0
美希「んー!どら焼きおいしいのー!」
青P「それはなによりです」
黄P「ガム…はもういいや、ドーナツくれ」
赤P「勝手にとれよ」
春香「あはは……」
赤P「…で、どうだ?稽古の調子は」
春香「うーん…どうなんでしょうかね、わかんないです」
赤P「なんだそれ」
春香「えへへ…」
赤P「まったく…頼むぞ?俺がハリウッド行くまでに心配事はひとつでも減らしておきたいんだから」
春香「……っ!」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:01:47.80 ID:gvZNC31Z0
さて、落ちるのは誰だ…
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:03:39.63 ID:xkLpayyf0
春香「…あの、プロデューサーさん」
赤P「ん?なんだ?」
春香「……ハリウッド研修は、プロデューサーさんで決まりなんですか?」
赤P「あー…うん、まあな」
春香「…なんで他の人じゃないのか、聞いてもいいですか?」
赤P「うーん、まあ事務所の都合が一番かな…千早はそろそろ海外レコーディングもあるから青羽根は残っておいてほしいし」
春香「…黄羽根プロデューサーさんも、貴音さんと雪歩が映画出演決まりましたもんね」
赤P「うん、長期の仕事だからな…あいつらだけじゃちょっと心配だし」
春香「私は……」
赤P「ん?」
春香「………いえ、なんでもないです…」
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:06:27.89 ID:xkLpayyf0
春香(言いたい)
春香(私のことは心配じゃないんですかって、私のために残ってくれないんですかって)
春香(でも、でも…)
赤P「俺はさ、春香」
春香「! は、はい…」
赤P「春香がいるからハリウッドに行くことを決めたようなもんだぞ?」
春香「……え?」
赤P「春香なら多分一人でも仕事頑張れるし、他のみんなも引っ張っていってくれる」
赤P「だからこの舞台の仕事も早く主役とって、早く安心させてほしいなーって思ってるんだ」
春香(っ!!)
赤P「まあ美希と主役を争うのは気分的にも乗らないかもしれないけどそこは…って、春香?」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:10:15.47 ID:xkLpayyf0
赤P「どうした?急に立って」
春香(…私、いけない子だ)
春香(お仕事がうまくいってなかったら、プロデューサーさんはハリウッドに行かないかもって…)
春香(いつも通りドジな私でいたら、ずっとそばにいてくれるかもって…!)
春香(でも、でもプロデューサーさんは私の成長を喜んでくれてて…っ!)
赤P「おい春香、後ろ向きに歩いたら危ないぞ」
春香(…前に進むって決めたんだもん、トップアイドルになるって決めたんだもん)
春香(だったら私は)グラッ
春香「あ」
赤P「春香っ!」ダッ
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:15:12.24 ID:xkLpayyf0
赤P「…!!」ギュッ
春香「あ…」
赤P「バカ野郎!疲れてるんならもっと足元に気をつけなきゃダメだろ!」
春香「プロデューサーさん、私、私…」
赤P「最近転ばなくなったなって思ったらこんなときにドジっぷり発揮して…」
春香「ぷ、プロ…う、うう…!」
赤P「…大丈夫だ、無理しないで頑張ればいいから…春香はそれでいいから」
春香「う、うえ、うええぇぇん…!ぷろ、ぷろでゅぅさぁさぁん…っ!」
美希「…こんなとこでハグなんて赤色プロデューサーもけっこーダイタンなの」
黄P「……なんだよ、アイツも大丈夫じゃねえか」
青P「…そのようですね」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:19:47.34 ID:xkLpayyf0
-帰路-
赤P「それじゃ春香、あとは電車で大丈夫か?」
春香「はい、大丈夫です!すみません、こんなところまで送ってもらっちゃって…」
赤P「あんなことがあった後だからな…なんなら家まで送ってやってもいいんだぞ?」
春香「そ、それはさすがに悪いですよぉ…」
赤P「はは、やっぱり春香はドジっ子なんだなって再確認したよ」
春香「むぅ…」
赤P「ま、明日からはああいうことにも気をつけて稽古頑張るんだぞ?他の仕事だってあるんだし」
春香「…プロデューサーさん」
赤P「ん?」
春香「私、絶対に主役とりますから」
赤P「…おう、頑張れ」
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:24:24.96 ID:xkLpayyf0
-翌日夕方、765プロ事務所-
春香(うん、今日は稽古もいい感じだった!一歩前進って感じかな?)
春香(…プロデューサーさんがハリウッドにいなくなるのは寂しいけど、だからこそ私が頑張らなくっちゃ!)
春香(…よし!)
ガチャ!
春香「おはようござ…!……あれ?どうしたんですか?」
小鳥「…春香ちゃん、青羽根プロデューサーさんは今日稽古場に来た?」
春香「へ?いえ、来てないですけど…」
赤P「……黄羽根と青羽根に連絡がまったくつかない」
春香「………え?」
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:29:18.86 ID:xkLpayyf0
春香「ま、まったくって…どういうことですか?」
小鳥「そのままの意味よ……電話もメールも、今日2人を見たっていう人もいないわ」
赤P「…くそっ!何してんだあいつら…!」
小鳥「このままじゃあ他のみんなの仕事にも影響が…」
赤P「…俺がやります、そうするしかない」
春香「で、でもプロデューサーさん!アイドル全員を一人で見るなんて…!」
赤P「春香…心配はうれしいけど、今はやらなきゃいけないときなんだ」
小鳥「…律子さんもいるから、分担をうまくやっていきましょう」
春香「…プロデューサーさん、手伝えることがあったら私も手伝いますから」
赤P「……ああ、ありがとう」
春香「……」
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:33:24.06 ID:xkLpayyf0
春香(……それから、プロデューサーさんの激務が始まりました)
春香(最初は律子さんともうまく連携がとれてどうにかなっていたみたいですが…)
春香(…急に2人も中心人物を欠いた状態で今まで通りいくはずもなく)
春香(……プロデューサーさんが日に日にやつれていくのは目に見えて分かりました)
春香(…それもそのはず、仮にもシャイニングアイドル事務所部門を受賞した765プロです)
春香(人気アイドルを複数抱えていて、プロデューサーが1人では仕事もうまくいくわけがありません)
春香(…心の支えをなくした雪歩や美希のモチベーションは下がる一方)
春香(そんな中、私は…)
春香(………)
春香(…舞台の主役を務めることが決まりました)
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:38:28.36 ID:xkLpayyf0
-夜、765プロ事務所-
ガチャ
春香「…おはようございます」
赤P「……いや違う、これだとこっちがキツキツに…ええい、くそっ!」
春香「……プロデューサーさん、お疲れ様です」
赤P「…ああ春香か、お疲れ…そうだ響の仕事を午前中にまわして…」
春香「コーヒー、淹れましょうか?」
赤P「ああ頼む…ブラックでな」
春香「…今日私、主役決まったんですよー、えへへ」カチャカチャ
赤P「主役…?」
春香「…っ、舞台のです、美希と競争してたやつの」コポポポポ
赤P「ああそうか、そんな時期か…うん、おめでとう」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:44:00.51 ID:xkLpayyf0
春香「……そういえば、私がこの前あげたお財布、使ってくれてます?」
赤P「財布……あー、すまん…引き出しの中に入れっぱなしだ…」
春香「…!…だ、ダメですよー、今のプロデューサーさんじゃお金たくさん落としちゃいそうで…」
赤P「…はは、笑えない冗談だな」
春香「……っ!!!」ガチャン
赤P「…おい春香、割れものを扱うときは気をつけろって前から……」
春香「…今のプロデューサーさんにそんなこと言われたくない!」
赤P「!」
春香「なんなんですか!?私には無理するなって言っといて、自分は無理して!!」
赤P「…春香」
春香「周りのことだって全然見えてない!律子さんだって千早ちゃんだってスケジュール管理手伝うって言ってるのに結局全部自分でやるし…!」
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:00:53.63 ID:xkLpayyf0
春香「…それにお財布のことだって忘れてるし、舞台のことだって忘れてるし…!」
春香「私が誰のために稽古頑張って…っ!」
赤P「…おい、春香」
春香「…知らない!プロデューサーさんなんてもう知らない!」
春香「プロデューサーさんなんて…っ!!」
春香「早くいなくなっちゃえばいいんだ!!!」
ガチャ バタン!! タッタッタ…
赤P「……」
赤P「何やってんだ、俺…」
赤P「…くそっ」
ガチャ バタン タッタッタ…
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:05:17.62 ID:xkLpayyf0
春香「はぁ…はぁ…」
春香「……違う、違う!そんなこと言いたかったんじゃないのに…!」
春香「プロデューサーさんだって頑張って、私たちに負担をかけないようにしてくれて…」
春香「…帰らなきゃ、プロデューサーさんに謝らなきゃ」
「……香ー!春香ー!どこだー!」
春香「…!」
春香「プロデューサーさん…!」
赤P「…なんだそこにいたのか、すまん俺も今すぐそっちに…」
春香「…!!」
春香「プロデューサーさん!信号!」
赤P「え」
春香「プロ
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:08:45.38 ID:xkLpayyf0
キキーッ バン ドサッ
第23話『私』 完!
109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:13:52.58 ID:xkLpayyf0
第24話『夢』
-とある病院-
響「はぁ…はぁ…、ぷ、プロデューサーは!?」
小鳥「……今は集中治療室に入ってるわ、まだどうなるか分からないの」
響「そ、そんな…!何も…何も悪いことなんてしてないのに、どうして!」
貴音「響、ここは病院です…少し声を落としなさい」
響「貴音は悲しくないのか!?このままじゃプロデューサーが3人とも…!」
貴音「声を落としなさいっ!!!」
響「!!」
貴音「…申し訳ありません、外の空気を吸ってまいります」
響「…う、ううっ…!」
小鳥「…響ちゃん、貴音ちゃんも悪気があってああいう言い方したわけじゃないのよ?分かってあげてね?」
響「分かってる…分かってるけどぉ…!」
110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:18:04.73 ID:xkLpayyf0
真「……」
雪歩「もうダメだよぉ…!黄羽根プロデューサーも青羽根プロデューサーも…!」
雪歩「赤羽根プロデューサーもいなくなったら私たち…!」
真「……雪歩」ギュッ
雪歩「…あ……」
真「…手を握るくらいしかできなくてごめん、でも」
真「……今は、手を握っておいてくれないか…!」プルプル
雪歩「真ちゃん…」
雪歩「…うん、そうだね…信じなきゃね」ギュッ
真「うう…っ!」
雪歩(プロデューサー…)
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:23:48.71 ID:xkLpayyf0
-レコーディングスタジオ-
千早「…はい、如月です」
千早「どうしたの律子、こんな時間に……」
千早「……!」
千早「赤羽根プロデューサーが…!?一体どうして!」
千早「……交通、事故…っ!」
千早「……」
千早「…ええ、分かった…それで春香の様子は?」
千早「……そう、こっちの仕事が終わったらすぐに行くわ」
千早「…大丈夫、一発で終わらせるわ…それじゃ」ピッ
「如月さん、『眠り姫』レコーディング始めまーす!」
千早「…はい!」
113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:28:44.25 ID:xkLpayyf0
-それからしばらく-
亜美「ピヨちゃん!赤色の兄ちゃんは!?」
小鳥「亜美ちゃん真美ちゃん…プロデューサーさんはどうにか一命を取り留めたわ」
真美「ふわぁー、よかったー…」
小鳥「…ただ、すぐには現場復帰できないのも確かよ…その間は各自責任感を持って頑張ってもらわないと」
亜美「トーゼンっしょ!?こんなときだからこそ、お仕事頑張らなきゃね!」
真美「じゃなきゃ黄色の兄ちゃんにボッコボコにされちゃうよ→!」
小鳥「…うん、そうね…さ、今日はもう遅いから帰りなさい」
亜美「りょうかーい!ピヨちゃんも無理しないようにね!」
真美「夜更かしはお肌の天敵だよ→!」
小鳥「こーら、病院の中で大きな声出さないの」
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:33:37.05 ID:xkLpayyf0
伊織「ちょ、ちょっと小鳥!アイツどうなったのよ!?死ぬの!?」
やよい「そ、そんな…死んじゃうなんていやですぅ…」
小鳥「大丈夫よ二人とも、プロデューサーさんの命に別状は無いわ」
伊織「そ、そうなの…なによ心配ばっかかけちゃって…」
やよい「う、うう…ぷろでゅーさー、よかった…よかったぁ……!」
伊織「ああやよい…泣くんじゃないわよ、家まで一緒に帰ってあげるから…ね?」
やよい「い、いおりちゃん…ごめんね、ありがと……ぐすっ」
小鳥「…それじゃ二人とも、気をつけてね」
伊織「…あんたこそ無理すんじゃないわよ、小鳥」
小鳥「……ありがと、伊織ちゃん」
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:38:49.47 ID:xkLpayyf0
小鳥「……」
あずさ「…音無さん、もうみんなは帰ったんですか?」
小鳥「ええ…あとは治療室前の春香ちゃんと、千早ちゃんだけです」
あずさ「……とりあえず、無事でよかったですね」
小鳥「…ええ、本当に」
あずさ「音無さん」
小鳥「…?」
あずさ「…今は、二人だけですから」
小鳥「あずさ、さん……う、うう…よかった、本当によかったよぉ……」
あずさ「……お疲れ様でした」
あずさ「…」
あずさ(…プロデューサーさん、今あなたはどこにいるんですか…?)
117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:43:43.39 ID:xkLpayyf0
-病室前-
春香「……」
千早「…春香」
春香「………ちは…ちゃん…」
千早「……いくら病院の中だからって、そこまで声を小さくしなくてもいいのよ」
春香「…あはは」
千早「……隣、いい?」
春香「……」
千早「…赤羽根プロデューサーは生きてるのよ?なにもそこまで…」
春香「……私がケガさせたんだもん」
千早「!」
春香「…私がわがまま言って、プロデューサーさんは私を追ってきて、それで…」
パァン!
118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:45:21.26 ID:AuU0a42V0
院内中に銃声が響き渡った……
119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:50:07.84 ID:t7l3NKjG0
殺すなよwww
120 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:51:33.56 ID:d/SiBz/y0
ゴルゴ72か胸厚
121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:03:25.51 ID:xkLpayyf0
春香「…へ?」
千早「甘えないで」
春香「千早…ちゃん……?」
千早「…私は春香のそんな顔を見たいんじゃない、ちょっと前のあなたはもっと輝いてた」
春香「…でも、私はプロデューサーさんのために頑張って……」
千早「本当に誰かのために頑張りたいなら!」
春香「……」
千早「まずは自分のために頑張りなさい!」
春香「…!」
千早「…叩いてごめんなさい、それじゃ」
春香「………私は」
123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:09:21.33 ID:xkLpayyf0
-後日、舞台稽古場-
スタッフ1「…春香ちゃん、しばらく休むらしいな」
スタッフ2「まじかぁ、せっかく主役決まったばっかりだったのにな」
監督「おい星井、今日からお前が天海のところ入れ」
美希「…はいなの」
監督「まあプロデューサーが大怪我してショックなのは分かるけどな…」
監督「お前まで降板なんてことになったらここにいる全員に迷惑がかかる、それだけは覚えておけ」
美希「……春香は」
監督「あ?」
美希「春香は、降板なんてしないの」
監督「…おう、じゃあお前も主役の座ぁ死守してみろ」
美希「はい!」
124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:14:31.74 ID:xkLpayyf0
-春香の自宅-
春香(……もうお仕事休んでからどれくらい経つかな)
春香(律子さんにも、小鳥さんにも迷惑かけて……)
春香(…私は一体何がしたかったんだろう)
「春香ー?たまには外に出ないと体に悪いわよー、買い物でも行ってきなさい」
春香「……」
春香(…太陽、まぶしっ)
春香(そりゃそっか、ここ最近外にも出てなかったし)
春香(……あれ?こんなところにライブハウスなんてあったっけ?)
春香「…ちょっと覗いていこ」
125 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:19:02.65 ID:xkLpayyf0
冬馬「…あれ?お前確か765プロの…」
春香「あ、ジュピターの…」
冬馬「今はジュピターじゃねえ、ジュピタープラスだ」
春香「あ、そうなんだ…961プロ辞めたって聞いたけど…」
冬馬「なんだ知ってんのか…ま、イチからやり直そうと思ってな、ちょっと前じゃ考えられないくらい小さいハコから再出発だ」
春香「……なんで続けられるの?」
冬馬「あ?」
春香「…信じてた人から裏切られて、頼れる人もいなくなって……なのになんで」
冬馬「…お前けっこうきついこと言うのな」
春香「あ、ご、ごめん…」
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:23:31.40 ID:xkLpayyf0
冬馬「…そりゃお前、歌うのが俺の夢だったからな」
春香「…え?」
冬馬「じゃなきゃ田舎から東京になんて出てこねぇよ…そういう意味では黒井のオッサンには感謝してるけどな」
春香「夢…?」
冬馬「途中はファンの女がどうとか黒井のオッサンへの恩義がどうとか…そんなことばっか考えてたけどよ」
冬馬「やっぱ自分のためにやらなきゃ楽しくねえんだよ」
春香「……!」
冬馬「ガキの頃見たんだ、でかいステージで歌って踊って…かっけーアイドルをさ」
冬馬「俺もあんなふうになりてえって…961プロを辞めてから思い出したんだよ」
春香「……」
127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:27:48.21 ID:xkLpayyf0
冬馬「それと765プロのあの…破天荒なプロデューサー」
冬馬「…アイツ見てたら俺もやりたいことやらなきゃ損な気がしてきてよ」
冬馬「だからお前らも…」
「冬馬くーん!照明確認するよー!」
「早く来いよ冬馬ー!」
冬馬「分かった!今行く!」
冬馬「…とにかく、俺たちはお前らに負けないように努力するつもりだ」
冬馬「お前らもサボってんじゃねえぞ!じゃあな!」
春香「…冬馬くん」
冬馬「…あ?」
春香「……ありがと」
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:32:17.88 ID:xkLpayyf0
-病室-
ガララララ パタン
小鳥「…プロデューサーさん、お加減はどうですか?」
赤P「小鳥さん…ええ、だいぶいい感じです」
小鳥「ダメですよ、まだ体は動かしちゃいけないんですから」
赤P「いつもお見舞い来てもらってすみません…みんなはどうですか?」
小鳥「頑張ってますよ、プロデューサーさんたちがいない分、それぞれがスケジュール管理も気を配ってて」
赤P「……春香は?」
小鳥「………」
赤P「…あはは、やっぱりなぁ」
小鳥「プロデューサーさんと一回会えば、大丈夫だと思うんですけど…」
129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:35:58.14 ID:xkLpayyf0
赤P「俺がこんな状態ですからね…春香が自分から来てくれないとなんとも…」
小鳥「…他のプロデューサーさんたちも戻ってこないし」
赤P「……小鳥さん、俺ね」
小鳥「はい?」
赤P「入院してから、青羽根と黄羽根のこと考えてたんです」
小鳥「…2人の行方、ですか?」
赤P「いや、2人が何者なのかってこと」
小鳥「何者って…そう言われれば2人とも不思議な人でしたけど…」
赤P「…俺が入社面接受けたときのこと、覚えてますか?」
小鳥「……?」
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:40:49.38 ID:xkLpayyf0
赤P「面接受けたとき、最初は俺1人だったんですよ」
小鳥「…まあ、あのときはうちの事務所も弱小でしたから」
赤P「社長と1対1で面接して、ティンとこられて、合格して…」
赤P「…正直不安だったんです」
小鳥「……」
赤P「もしかしたら仕事に手が回らなくてみんなに迷惑かけるかもしれない、適当なこと言っちゃってアイドルの信頼を失うかもしれない」
赤P「…こんなふうに俺がケガでもしたら事務所全体が大変なことになるかもしれない」
小鳥「…でも、あの2人はその面接の翌日に事務所に来ました」
赤P「そうなんです、まるで俺の不安をカバーするみたいにポッとやって来た」
赤P「…それで最近、俺が自信を持ち始めたらポッといなくなった」
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:44:30.06 ID:xkLpayyf0
小鳥「それは…偶然じゃ……」
赤P「…ええ、そんなわけないんです…そんなわけないんですけど」
赤P「あの2人はまるで、“夢”みたいな存在だったなって」
小鳥「……そんなこと、あるわけ」
赤P「俺も無いと思います…だけど、現実にあの2人はいなくなってしまった」
小鳥「プロデューサーさん…」
赤P「だから、だからこそ余計に…」
赤P「今何もできない自分が悔しいんです…!」
小鳥「……」ギュッ
赤P「………すみません小鳥さん」
小鳥「いえ…」
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:03:25.53 ID:xkLpayyf0
-街中-
春香「……」
春香(とりあえずぶらぶら歩いてたら…)
春香(……いつの間にか稽古場の前に来ちゃった)
春香(…お仕事休む前は舞台の主役のことばっかり考えてたからかなぁ……)
春香(……美希が私の代わりに主役やってるんだよね、多分…)
春香(私、こんなところでも迷惑かけて……)
「あれ?春香?」
春香「…!!」
美希「……久しぶり」
春香「…あ、み、美希…」
美希「…ちょっと付き合うの」
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:07:17.66 ID:xkLpayyf0
-公園-
美希「……」
春香「………あ、あの…えと…」
美希「さっきね、監督から主役やれって言われちゃった」
春香「…!そう、なんだ…」
美希「もうね、すっごくみっともないなって思ったの」
春香「…え?」
美希「だってさ、ミキ最初は春香にぜったい負けるもんかって思ってお稽古頑張ってたんだよ?」
美希「それなのに春香が休むから代わりに主役やれなんて…みっともないよね」
春香「……っ」
美希「…それに、ハニーにも申し訳ないの」
春香「…!」
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:11:50.48 ID:xkLpayyf0
美希「ハニーはミキに主役とるよう頑張れって言ってくれて、ミキもそれに応えようと思って頑張ってたの」
美希「ミキは頑張って主役取ろうって、主役取ってハニーによろこんでもらおうって」
美希「でも、今日主役貰っても全然うれしくなかった…なんでか分かる?」
春香「……」
美希「…春香がいないからだよ」
春香「!!」
美希「ミキは春香と主役の取り合いしてるときが一番楽しかった」
美希「春香はどう?」
春香「わた、しは…」
美希「…だから、ハニーの気持ちに応えてるつもりでホントは自分のためにしか頑張ってなかった」
美希「そういう意味で、ハニーにはごめんなさいしなきゃいけないの」
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:15:37.68 ID:xkLpayyf0
美希「でもハニーはもういない」
美希「だったら、自分のやりたいことやらなきゃ自分にもハニーにも失礼じゃないかなって思ったの」
春香「……!」
美希「…ミキはお稽古頑張るよ、春香の方が良かったなんて言われないように本気で頑張るの」
美希「だから春香も、本気でミキから主役取りにきてよ」
春香「美希……」
美希「…さてと、それじゃミキは次のお仕事あるからそろそろ行くね!」
春香「……美希、ありがと」
美希「…アリが10匹でありがと、なの」
春香「……」
美希「じゃあね春香……待ってるから」
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:20:19.70 ID:xkLpayyf0
美希「……」
美希(…どこにいるか分かってるだけ、まだマシなの)
春香「……美希…」
春香「私は、私は…」
「ダメだよー!わたしがおひめさま役やるのー!」
「ちがうの!……がおひめさまなの!」
春香「!」
「じゃあ…クンはどっちがおひめさまにふさわしいと思うの!?」
「ええ!?ボ、ボクはどっちでも…」
「だったらわたしと……でしょうぶしようよ!」
「……は……になんてぜったいまけるきしないの!」
140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:25:30.63 ID:xkLpayyf0
春香(…子供たちが遊んでる)
春香(お遊戯…おままごとかな……)
春香(でも、なんにしても……)
春香(…すっごい楽しそう)
「わたしはお歌が歌えればどっちでもいい…」
「ひうぅ…け、ケンカはダメだよぉ…」
「ケンカじゃないっしょ、……ぴょん!」
「そーそー、いつものことじゃん?」
春香(……あれ?なんだかこの子たち…)
春香(私たちに似てる…?)
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:29:54.03 ID:xkLpayyf0
「なんだー?あの2人またお姫様役でケンカしてるのかー?」
「ふん!おひめさま役はわたしでいいじゃない!」
「でも、……ちゃんのおばあちゃん役、わたしは好きだよー?」
「ふむ…めんような」
「あらあら、……ちゃんったらむずかしいことば知ってるのね〜」
「あーもう!早くしないとゆうがたになっちゃうじゃない、まったく!」
春香(……あ、いつの間にか勝負ついたみたい)
「じゃあ今日は……のかちなのー!」
「うう、くやしい……」
「でも、明日はぜったいまけないからね!」
春香「!!」
142 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:34:50.23 ID:xkLpayyf0
春香(…そうだよ、小さい頃はなにがあっても自分の思い通りにならなきゃ悔しかった)
春香(相手が悪かったとか今日は体調が悪かったとか)
春香(いつから言い訳するようになっちゃったんだろう)
『本当に誰かのために頑張りたいなら、まずは自分のために頑張りなさい!』
春香(……ごめん千早ちゃん、言葉の意味を理解するのにこんなに時間かかっちゃった)
春香(私、美希と勝負して舞台の主役取りたい)
春香(みんなと一緒に、歌、歌いたい!)
「ねぇお姉ちゃん」
春香「…へ」
「なんで泣いてるの?おなかいたいの?」
144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:38:13.43 ID:xkLpayyf0
春香「え、あ、これはその…そう!花粉症なんだお姉ちゃん!」グスッ
「かふんしょう?わかんないけどたいへんだね!」
春香「えへへ…心配してくれてありがとね」
「そうだ、これあげる!」
春香「……これ」
「うん、キャラメル!おいしいんだよ!」
春香「…うん、これがあれば涙も止まるよね」
「えへへ、お姉ちゃんリボンかわいいね」
春香「あはは、キミもリボンすっごく似合ってるよ!」
「ありがと!かふんしょうにまけないでがんばってね!じゃあね!」タッタッタ
145 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:42:49.59 ID:xkLpayyf0
春香「…別に人に感謝されたくてなにかするわけじゃないんだよね」
春香「やりたいことをやる…子供ってすごいなあ」
春香「……」
春香「…でも、みんな今更…」
prrrr prrrr
春香「!!」
春香「び、びっくりしたぁ…電話か…」
春香「…千早ちゃん…!?」
春香「……」
春香「…はい、もしもし」
148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:00:23.82 ID:xkLpayyf0
-レッスンルーム前-
春香「はぁ…!はぁ…!」
春香「……っ!」
ガチャ!
春香「…みんなっ…」
千早「あら、遅かったわね」
伊織「こんだけサボっといて遅刻なんていい度胸じゃない、にひひっ♪」
響「さ、早く合わせるぞ春香!」
春香「みんな、どうして…忙しいはずなのに…!」
真「…これ見てよ春香」スッ
春香「……!」
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:03:58.85 ID:xkLpayyf0
春香「これ…プロデューサーさんの写真…!」
あずさ「赤羽根プロデューサーさんが音無さんに撮ってもらったそうよ」
やよい「私は伊織ちゃんに見せてもらいましたー!」
雪歩「…春香ちゃん、赤羽根プロデューサーさんがそばにいなくて寂しいのは分かるよ、でも」
雪歩「みんな、おんなじ気持ちなんだよ?」
春香「……!」
亜美「そーそー!だからこうして集まってんじゃん!」
真美「真美たちだけでもこんくらいできるよってこと、兄ちゃんたちに見せつけてあげなきゃ!」
貴音「…月を見ていれば、またいつか会える日も来るでしょう」
春香「みんな……」
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:06:59.55 ID:xkLpayyf0
ガチャ
美希「おはようございますなのー!」
律子「あら、春香の方が早かったみたいね」
春香「美希…律子さん…」
美希「もー、これだから春香は…全員でお迎えするつもりだったのに」
春香「…美希、私」
美希「春香、おかえり」
春香「……!、う、うう…っ!」
真美「あー!ミキミキ泣かしたー!」
亜美「兄ちゃんに言ってやろー!」
美希「だ、ダメなの!ハニーに言うのだけはダメなのー!」
春香「…あは、あはは」
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:09:49.57 ID:xkLpayyf0
千早「…さ、練習しましょう」
春香「千早ちゃん……ありがとう」
千早「あら?別にお礼を言われることは何もしてないわよ」
春香「え?」
千早「私が春香とステージに立ちたいから勝手にみんなを集めただけ…それじゃダメ?」
春香「ち、ちはやちゃぁん…」
真「よーっし!さっそくみんなで合わせていこうか!」
律子「ニューイヤーライブまで時間無いわよ!少ない時間、死ぬ気でレッスンよ!」
響「とくに春香はな!」
春香「うへぇ…が、がんばります…」
153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:13:11.95 ID:xkLpayyf0
貴音「それでは春香、いつものやつ、というのをお願いします」
春香「へ?」
伊織「そりゃそうよ、そのためにアンタ待ってたんだから」
あずさ「やっぱり春香ちゃんのかけ声じゃないとしまらないものね〜」
雪歩「ほら、春香ちゃん!」
春香「みんな……」
やよい「うっうー!円陣組みましょー!」
春香「……」スゥ
春香「…765プロー!!ファイトー!!!」
『オーーーー!!!』
155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:16:10.65 ID:xkLpayyf0
-その夜-
赤P「…はは、そうかみんないつも通りだったか」
『はい…それにしてもひどいですよプロデューサーさん、私にだけメール送ってくれないで…』
赤P「いやあ…重傷の写メなんて見たら気絶するかと思って」
『もう…そんな冗談笑えないですよ』
赤P「ははは、すまんすまん」
『…ところで、病院って長電話していいんですか?』
赤P「いや、あんまり良くないな…個室だからまだいいかもしれないけど」
『じゃあ言いたかったことだけ言いますね』
赤P「ん」
『プロデューサーさん』
『好きです』
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:19:57.21 ID:xkLpayyf0
『…そうか』
春香「返事はいらないですよ!私が言いたいから言っただけですし!」
春香「…それに、今はそんなこと考えられないですよね」
『はは、春香はなんでもお見通しだな』
春香「今度のライブ、頑張ります」
『うん、頑張れ』
春香「よかったら見に来てください」
『おう、病院抜け出してでも見に行く』
春香「…おやすみなさい」
『うん、おやすみ』ピッ
春香「……」ズルズル
春香「言っちゃったぁ…///」
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:20:33.60 ID:utbOWpMa0
いやっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:21:16.47 ID:J/HeG8V2i
最近春香が可愛いss多くて嬉しい
あざとい、黒いを払拭してくれてる
159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:23:16.00 ID:xkLpayyf0
『春香の将来の夢はなあに?』
はるか『ゆめ?うーん、アイドルと、およめさん!』
『あらあら、欲張りなのね春香は』
はるか『よくばり?』
『ううん、それはとってもいいことだと思うわ』
はるか『…そっか!じゃあがんばる!』
『そうね、お歌もダンスも、お料理も頑張らなきゃね』
はるか『うん!だってわたし、アイドルもおよめさんも』
はるか『どっちもしょうらいの“ゆめ”だもん!』
第24話『夢』 完!
178 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 19:54:58.06 ID:xkLpayyf0
-ニューイヤーライブ当日、楽屋-
真「…とうとうこの日が来たね」
雪歩「うん…プロデューサーたちは戻ってこなかったけど…」
亜美「まーまー!黄色の兄ちゃんも青色の兄ちゃんも、実は客席で見てるんじゃないの?」
真美「ありそ→!『おい、あのデコの動き悪いぞ』なんて言ってそ→!」
伊織「ちょっ…!アンタたちねえ!」
ワーワー ギャーギャー
律子(…どうにか各自のモチベーションを保ちながら練習はしてこれたけど)
律子(全員が全員、以前のような気持ちでないのは私にも分かる…)
律子(とくに赤羽根プロデューサー以外は消息もよく分からない状況だし…)
律子(……プロデューサー…)
第25話『みんなと、いっしょに!』
179 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 19:58:17.15 ID:xkLpayyf0
高木「アイドル諸君、調子はどうかね?」
律子「あ、社長…」
高木「ふむ…まあプロデューサー諸君がこの場にいないとなれば、気分がいまいちのらないのも仕方ない」
高木「よし、ここは私の手品で…」
千早「いえ、私のとっておきのダジャレで…」
響「ち、千早!?それはやめておいた方がいいさー!」
千早「あのダンディさんと一緒に考えたダジャレ…ここで披露せずにいつ披露するのよ」
ワイワイ ガヤガヤ ガチャ
小鳥「おはようございま〜す…なんだか騒がしいわね」
貴音「おや小鳥嬢…もしや差し入れを、……!」
赤P「…おはよう、みんな」
181 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:04:55.85 ID:xkLpayyf0
やよい「…プロデューサー!プロデューサーです!」
あずさ「あ、赤羽根プロデューサーさん!車椅子ですけど大丈夫なんですか!?」
赤P「ははは…小鳥さんに頼んで抜け出しちゃいました…」
高木「ふむ、まあ近々退院するのだからそんなに変わりあるまい!」
小鳥「あはは…そういうものじゃないと思うんですけどね…」
春香「……」
赤P「春香」
春香「…プロデューサーさん」
赤P「ほら、これ」スッ
春香「それ、私のあげたお財布……」
182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:08:04.32 ID:xkLpayyf0
赤P「うん、大事に使わせてもらってる」
春香「……」グスッ
赤P「この財布使ってさっそく差し入れ買ってきたんだ、ほらドーナツ」
春香「…もう、ライブ前にそんなの食べたらノド乾いちゃいますよ?」
赤P「ああ、そうだな」
赤P「だから、ライブ終わったらみんなで食うぞ、いいか?」
春香「……はい!」
真「ぷ、プロデューサぁー!」ガシッ
赤P「お、おい真!俺一応ケガ人…いてっ!いてて!」
春香「…ふふ」
春香(あ、そうだ美希にも教えてあげようっと…多分休憩室だよね)
183 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:11:43.78 ID:xkLpayyf0
美希(……)
美希(…結局ハニーは戻ってこなかったの)
美希(千早さんはすごいなあ…ぜったいさみしいはずなのに…)
美希(……でも、きっとどこかでハニーも…)
「おや、そんな沈んだ表情は星井さんらしくないですね」
美希「…もー、それがハニーのせいだって分かってるくせ、に…」
美希「………え?」
春香「美希、プロデューサーさんが見に来てくれ…」
春香「……え」
「おいバカリボン、今いいところなんだから邪魔してやんなよ」
春香「………えぇ?」
184 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:13:55.26 ID:utbOWpMa0
なん・・・だと・・・!?
185 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:15:58.26 ID:xkLpayyf0
響「…でも結局青羽根プロデューサーと黄羽根プロデューサーは戻ってこなかったさー…」
貴音「響、そのことはそれ以上……」
あずさ「…それでもやっぱり、ちょっと寂しいわね…」
律子「……はいはい!もうすぐライブも始まるんだし、暗い話題はそこまでに…」
ガチャ! ガチャガチャ バターン! ドンガラガッシャーン!!!
赤P「うおっ!?は、春香、一体どうしたんだそんなに慌てて!」
春香「も、戻ってきた!」
千早「…は?」
春香「プロデューサーさんたちが戻ってきた!!」
小鳥「…本物だわ」
青P「どうもお久しぶりです…星井さんいい加減離れてください」
黄P「おーっす!伊織は相変わらずいいデコの光り方してんなあ!」
186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:20:07.87 ID:xkLpayyf0
雪歩「あ…あぁ……ううぅ…ぐすっ」
伊織「あ、アンタねえ!久々に再会して一言目がそれなわけ!?」
黄P「バカデコ、今俺はお前のデコを初めて褒めたぞ?」
伊織「た、確かに…ってだまされないわよこのバカ犬ー!」
黄P「雪歩様わんわーん!」
雪歩「や、やめてくだ……ひうぅぅ…っ、ぐす、ぐすっ…」
亜美「ゆきぴょーん、せっかくメイクしたのに台無しだよ→」
真美「ま、兄ちゃんに会えてうれしいのは真美も亜美も同じだけどね!」
黄P「…へへ、わりいな心配かけて」
伊織「本当よ…このばか……」グスッ
貴音「……ふふっ、おかえりなさい…あなた様」
187 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:24:03.74 ID:xkLpayyf0
青P「みなさん本当におひさし…ですから星井さんいい加減離れてください」
美希「……」フルフル
あずさ「きっと泣いている顔を見られるのが恥ずかしいんですよ…ね、律子さん?」
律子「わ、私は別に泣いてるわけじゃ…!」
千早「…我慢しない方が楽よ、律子」
律子「……う、ううー…心配したんですからぁ…っ!」
青P「申し訳ありません、星井さんも、あずささんも秋月さんも…如月さんも」
千早「私は別に心配していませんでしたよ?」
青P「ほう」
千早「まだ“約束”を果たしてもらってませんから」
青P「…これは如月さんが一枚上手でしたね」
あずさ「うふふ、おかえりなさいプロデューサーさん」
189 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:29:17.87 ID:xkLpayyf0
やよい「うっうー!みんな集合しましたー!」
真「うぅ…良かったね雪歩ぉ…!」
響「あはは!貴音もすっごくうれしそうさー!」
春香「…よかったですね、プロデューサーさん」ギュッ
赤P「……ああ、本当によかった」ギュッ
やよい「ところでなんでお2人は手をつないでるんですかー?」
赤P・春香「!!!」バッ
響「よーっし!その上に自分も手を置くぞー!」スッ
真「あ、ボクもボクも!」スッ
やよい「えへへ、いつもの円陣ですー!」スッ
赤P「あはは、こりゃまいったな春香……春香?」
春香「……うぅ///」
190 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:33:17.05 ID:xkLpayyf0
春香「…よし、みんな揃ったね」
美希「顔が赤いの春香」
亜美「はるるんかわいー!」
春香「うう…と、とにかく!プロデューサーさんたちも、私たちもみんな揃いました!」
赤P「心配かけたな」
青P「おかげで俺の心肺機能も心配です」
黄P「あずささんと手を重ねられるなんて胸が熱くなるぜ」
あずさ「あらあら」
律子「あはは…みんないつも通りね」
貴音「ええ…まこと、いつも通りですね」
191 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:37:06.59 ID:xkLpayyf0
「765プロさーん!そろそろスタンバイお願いしまーす!」
千早「…春香、いつものお願い」
響「ガツンと頼むさー、春香!」
春香「……」スゥ
春香「…765プロー!!ファイトーーー!!!!」
『オーーーーーー!!!!!!』
「よし、行こうみんな!」
「プロデューサー、私頑張ってきますね!」
「ハニー!キラキラしてるところいっぱい見ててね!」
ガヤガヤ バタバタ…
高木「…さて、話を聞こうか」
193 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:42:03.11 ID:xkLpayyf0
赤P「そうだお前ら、今までどこに…」
青P「961プロにいました」
小鳥「…へ?」
黄P「まあ正確には監禁されてた、だな!黒井の社長は俺のことが好きすぎて困るぜ」
赤P「い、いやいや…それって普通に犯罪じゃないか!」
青P「…まあ俺たちも犯罪まがいのことをしてたのでなんとも言えないのですが」
黄P「そうだ社長、新しい事務所の物件…アレ早く手放した方がいいっすよ」
高木「ど、どういうことかね」
黄P「あのブラックなんとかっていう仲介業者、黒井が元締めですよ」
青P「事前に調べた結果そういったことが明らかになりました」
高木「なん……だと……」
200 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:00:52.82 ID:xkLpayyf0
律子「ちょ、ちょっと!そんな情報どこから…!」
黄P「んー…まあ昔の仲間から…」
青P「それで961プロに潜入して、黒井社長の資料まわりをあさってたら黒井社長に見つかりまして」
赤P「そりゃそうだろ…そもそもどうやって社長室とかに入ったんだよ…」
黄P「俺、黒井に気に入られてる」
赤P「うん」
黄P「事前に連絡して顔パスできるようにしてもらう」
赤P「うん」
青P「黄羽根くんが通ったあとに、同じ顔の俺が通る」
黄P・青P「完全犯罪成立っ!!」
赤P「961プロの警備ザルかっ!!」
201 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:06:40.47 ID:xkLpayyf0
青P「まあ結果黒井社長に見つかって、勧誘を断ったらこの有様です」
黄P「放置プレイされたのは初めてだぜ」
赤P「お前ら……とにかく無事でよかったよ…」
小鳥「…本当に、無事でよかった…」
律子「ほら小鳥さん、せっかくならライブで泣きましょ?」
黄P「へへ、さっき青羽根の顔見てボロボロ泣いてたやつに言われたかねえな」
律子「んなっ…!」
青P「…まあ律子さんにはサプライズもあるので期待してもらいましょう」
律子「へ?」
高木「詐欺…新事務所は詐欺……」
赤P「社長、お気を確かに」
202 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:10:22.06 ID:xkLpayyf0
高木「…はっ!こうしてはいられん、早くアイドル諸君の活躍を見に行かなければ!」
小鳥「うぅ…私絶対最後まで泣き通しですよぉ……」
律子「プロデューサーたちも早く来てくださいね!」
ガチャ バタン! スタスタスタ…
青P「…お疲れ様でした、赤羽根くん」
黄P「どうしたその体、真にでもやられたか?」
赤P「これは…まあ、俺のせいだ、信号不注意」
黄P「へへ、そうかい」
青P「黒井社長から大事故だと聞いて心配していましたよ」
赤P「……あの人はなんだかんだうちのことを気にしてるよな」
204 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:15:03.11 ID:xkLpayyf0
赤P「…俺はお前たちこそどっか消えちゃったのかと思って」
黄P「は?そんなことあるわけねえだろ」
青P「そうですよ、そんな非科学的なことあるわけないでしょう」
赤P「そこまでボロクソ言われるとは思わなかった」
青P「……ふふっ」
黄P「へへ、変わんねえな」
赤P「お前らもな」
青P「…それで、どうするつもりですか?」
赤P「ああ、決心がついた」
赤P「俺、やっぱりハリウッドに行くよ」
205 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:15:57.97 ID:JKYIfaw90
だって私たちみんな・・・
206 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:16:12.80 ID:t7l3NKjG0
仲間だ
207 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:16:54.16 ID:ivFmlh8a0
もんげ!
208 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:18:57.54 ID:xkLpayyf0
黄P「…そうかい」
赤P「お前らがいなくなって気付いた、今の俺一人じゃ事務所をまわすなんて到底無理だ」
青P「まあ普通に考えればそうでしょうね」
赤P「…それに一番気がかりだった春香のことも踏ん切りがついた」
黄P「はっ、ニクいねぇ」
赤P「お前たちが戻ってきた今しかないチャンスなんだ、行ってやるさハリウッド」
赤P「…それで、俺一人でも事務所をまわすくらいの力を身につけて帰ってきてやる」
黄P「期待せずに待ってるわ」
青P「何年先になるか分かりませんがね」
赤P「お前らな…」
209 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:22:42.93 ID:xkLpayyf0
黄P「ま、今はあいつらの頑張ってるところをしっかり見てやろうや」
青P「そうですね、俺と黄羽根くんは久々ですし」
赤P「…うん、そうだな」
青P「そろそろ、始まりますよ」
「みんなーお待たせー!」
「うおおおおおお!!765プロだー!!」
「りっちゃーん!今日は出ないのかー!!」
「いおりーん!!!いお、いお、いっおりぃーん!」
「それじゃいっくよー!!!」
「『READY!!&CHANGE!!!! SPECIAL EDITION』!!!!!」
ワアアアアアアア…
210 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:27:04.06 ID:xkLpayyf0
-それからしばらく、春-
真美「いやー、お花見楽しかったですなあ!」
亜美「酒池ちくりんでしたなあ!」
律子「それじゃ竹がいっぱい生えてることになるじゃない…」
あずさ「あらあら、テキーラはもう無いのかしら〜」
千早「あずささん、もう控えた方が…」
伊織「そうよ、もうすぐ空港着くんだし」
雪歩「四条さんもそろそろ残りのご飯を食べるのはやめた方が…」
貴音「ふふ、たっぱぁを忘れてきてしまったのです」
美希「あふぅ…着いたら起こしてほしいの…」
青P「ですからもう着くんですって」
黄P「しかしハイヤーを準備するたぁデコもなかなかやるじゃねえか」
212 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:31:06.05 ID:xkLpayyf0
春香「……」
真「…春香、大丈夫?」
春香「…へっ!?あ、ああ、うん!大丈夫だよ!」
やよい「無理しちゃダメですよ春香さん」
響「…なあ春香、寂しいのは春香もプロデューサーも同じだと思うさー」
春香「…それは分かってるけど」
真「もしかしてボクたちに気を遣ってる?」
春香「そ、そんなこと…!」
真「あはは、図星だ」
春香「うぅ…///」
213 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:35:21.28 ID:xkLpayyf0
やよい「好きな人には好きってちゃんと言わなきゃいけないんですよ!お母さんが言ってました!」
春香「や、やよいまでぇ……」
真「…ボクは、プロデューサーのこと好きかどうか分からない」
真「もしかしたら、恋に恋してるみたいな…そういう感じなのかなって思ってるんだ」
春香「真……」
響「自分もよく分からないんだ、ただにぃにみたいだなーって思っててそれを好きだと勘違いしてるかもしれないし」
春香「…響ちゃん」
真「だから後悔するかもしれないけどさ、ボクたちは春香にちゃんと気持ちを伝えてほしい」
響「電話じゃなくて直接顔見て言えば気持ちもちゃんと伝わる!なんくるないさー!」
春香「…みんなぁ……う、うぅ…」
やよい「ああ!春香さん泣いちゃダメですよー!」
214 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:39:55.66 ID:xkLpayyf0
-空港-
赤P「それじゃ、行ってくる」
貴音「…いざとなると寂しいものですね」
千早「だけど…1年後にはまた会えますからね」
真美「んっふっふ〜、そのころには真美も亜美もボンキュッボンのないすばで→になってるかもね!」
亜美「あずさお姉ちゃんなんて目じゃないぜい!」
赤P「はは…楽しみにしてるよ」
赤P「……それじゃあとは頼んだ、青羽根、黄羽根」
青P「ええ、生水には気をつけて」
黄P「向こうの姉ちゃんに気ぃとられてんじゃねえぞ?」
赤P「おう、そっちこそ俺がいない間頑張ってくれよ」
218 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:00:19.89 ID:xkLpayyf0
高木「赤羽根くん、事務所はキミが帰って来てから引っ越すことにしたよ」
赤P「社長…」
高木「キミが帰ってきやすいようにね、分かったかい?」
赤P「……はい!」
春香「……」
赤P「…春香」
小鳥「……はいはい、それじゃみんなは向こうに行ってましょうね」
あずさ「そうですよ〜、じゃないとお尻ペンペンしちゃいますよ〜」
雪歩「ひうぅ!怖いですぅ!」
美希「あはは、逃げろーなのー!」
220 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:04:31.36 ID:xkLpayyf0
ザワザワ ガヤガヤ…
春香「あの…これ……」
赤P「ああクッキーか…ありがとう、機内で食べるよ」
春香「あ、はい…」
赤P「寂しくなるな」
春香「そ、そうですね…えへへ…」
赤P「……」
春香「……あの」
赤P「春香」
春香「へ」
赤P「好きだ」
223 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:09:08.80 ID:xkLpayyf0
春香「…………へ?」
赤P「聞こえなかったのか?好きだ、春香」
春香「へ?あ、ちょ…」
赤P「…何回も言うの恥ずかしいんだけどな」
春香「…いや、その…はわわわわ//////」
赤P「なんだよ、この前の返事しただけだろ」
春香「そ、そうかもしれないですけどっ!不意打ちは卑怯っていうか…その…///」
赤P「…なあ春香」
春香「……?」
赤P「1年間、待てるか?」
春香「……はい」
228 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:14:34.52 ID:xkLpayyf0
春香「…いくらでも待ちますよ、それくらい好きですもん」
赤P「ん、そうか」
赤P「…そろそろ出発の時間だ、行ってくる」
「赤羽根プロデューサーがんばってくださーい!」
「またね赤色の兄ちゃーん!」
「寂しくなったらすぐ戻ってくるさー!」
赤P「はは、あいつら……それじゃ、春香」
春香「プロデューサーさん」
赤P「ん」
春香「 」
またね!
第25話『みんなと、いっしょに!』 完!
232 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:19:09.26 ID:xkLpayyf0
「えへへ、あんまり変わってないですね」
「そうかー?1年間のアメリカ生活で少したくましくなったような気がするんだけど」
「ハンバーガーばっかり食べてお腹ぷにぷにしてませんか?」
「……ま、これからは忙しくなって少しは痩せるだろ」
「それじゃこのクッキーはあげられませんね」
「なんだよ、それさっきから楽しみだったのに」
「ふふ」
「そうだ、みんなはどうしてる?」
「貴音さんが黄羽根プロデューサーさんの企画でラーメン店をオープンさせましたね、先月」
「それは…ある意味売れるかもな」
「貴音さんがお店のメニューを勝手に食べちゃうから売り上げはプラマイゼロらしいです」
「なんだそりゃ」
233 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:20:29.39 ID:ivFmlh8a0
後日談来た
235 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:23:17.65 ID:xkLpayyf0
「でも面白いからアリだって言ってましたよ、黄羽根プロデューサーさん」
「はは、あいつらしいや」
「青羽根プロデューサーさんは千早ちゃんと全国ツアー中です」
「ああ、小鳥さんから聞いたよ…なんでも歌はもちろんトーク部分がウケてるとか」
「…毎回恒例のご当地ダジャレが大好評だそうです」
「……スベり芸ってやつか」
「でもスベってる千早ちゃんがかわいいって意見がほとんどみたいだし…2人ともダジャレ考えてるとき楽しそうだから」
「まあ、いいのかもな」
「はい!」
「で、お前は?」
「んふふ、それ聞いちゃいます?」
237 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:27:36.58 ID:xkLpayyf0
「なんと!今度の映画で主役とっちゃいましたー!」
「おーすごい」
「えー、それだけですかー」
「だってお前ならそれくらいできるって思ってたしな」
「むぅ」
「……冗談だよ、よく頑張ったな」
「…えへへ」
「オーディションはお前だけだったのか?」
「いえ、美希も一緒でした」
「へえ、リベンジ達成じゃないか」
「けど、美希も準主役で出るんですよね…『今からでも主役勝ち取ってみせるの!』って言われちゃいました…」
「はは、あいつらしい」
238 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:32:51.05 ID:xkLpayyf0
「ま、これからは俺も現場についていくからな!中途半端な芝居するんじゃないぞ」
「他のみんなも寂しがってましたよ?真も響ちゃんも、それからやよいも」
「そうか、それなら早く帰らないとな」
「とくにやよいの急成長ぶりは目を見張るものがあります」
「…まじか」
「ふふ」
「……」
「プロデューサーさん」
「ん」
「おかえりなさい」
「おう」
「ただいま」
赤羽根P「俺が」青羽根P「俺たちが」黄羽根P「プロデューサーだ」 完!
243 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:35:13.42 ID:R0DE6R6+0
わた春香さんが幸せになって良かったです!
244 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:37:02.38 ID:t7l3NKjG0
乙!
長い間頑張ったな
246 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:37:14.14 ID:xkLpayyf0
というわけで終わりです
軽い気持ちで書き始めたものがこんな長くなるとは思いませんでした
最初にスレタイ思いついて、23話のPが奈落に落ちるところで「あそこPが1人じゃなかったらどうにかなるんじゃね?」って思ったのがきっかけです
本当は春香を赤Pがつかみ、赤Pを青Pがつかみ、青Pを黄Pがつかみ、黄Pが柱をつかみ…
という感じで「ゲェー!あの深い奈落に落ちずに済みやがったァー!」っていうふうにするつもりだったんです
なんにせよ書ききれたので良かったです
これまで支援・保守・その他レスありがとうございました 本当にうれしかったです
批判もいろいろ勉強になりました感謝しています
最後に春香さんマジメインヒロイン!
それでは読んでくれてありがとうございました!
250 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:48:56.94 ID:DoK+f/KS0
マジ乙
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- 赤羽根P「俺が」青羽根P「俺たちが」黄羽根P「プロデューサーだ」
- 赤羽根P「俺が」青羽根P「俺たちが」黄羽根P「プロデューサーだ」
AFTER 美希「おにぎりの具?」
BEFORE 春香「私こんなイメージなんだねー」
211
▼返信コメ
ちゃんと最後まで書くとは・・・乙!
[ 2012/04/09 05:29 ]
[ 編集 ]
214
▼返信コメ
まずは乙
で、評価としては微妙・・・
3人のPを活かしきれてないのが第一
既に言われているが、アイドルを分けたのもダメだった
分けたことで、折角のアイドルの絡みが限定されがちになり
自由に動かしづらくなると言うデメリット
青と黄の正体が謎なのもダメだろう、せめて最後に明かす展開にして欲しい
あと、何度も言われてるようだが、犯罪行為、及び、それに近い展開はダメ
SSの中とはいえ、アイマスSSなんだから、そこは守ろうよ
後、気になったのが
冬馬「…アイツ見てたら俺もやりたいことやらなきゃ損な気がしてきてよ」
って部分、言いたいことは分かるんだが、
これだと微妙なニュアンスが伝わりづらい印象を受ける
やりたいことをやらないと損
っていうのと
やりたいことをやれるために努力する
のは違う、そういう書き方をすべきだったと思う
とはいえ、長い間本当にお疲れさまでした。
で、評価としては微妙・・・
3人のPを活かしきれてないのが第一
既に言われているが、アイドルを分けたのもダメだった
分けたことで、折角のアイドルの絡みが限定されがちになり
自由に動かしづらくなると言うデメリット
青と黄の正体が謎なのもダメだろう、せめて最後に明かす展開にして欲しい
あと、何度も言われてるようだが、犯罪行為、及び、それに近い展開はダメ
SSの中とはいえ、アイマスSSなんだから、そこは守ろうよ
後、気になったのが
冬馬「…アイツ見てたら俺もやりたいことやらなきゃ損な気がしてきてよ」
って部分、言いたいことは分かるんだが、
これだと微妙なニュアンスが伝わりづらい印象を受ける
やりたいことをやらないと損
っていうのと
やりたいことをやれるために努力する
のは違う、そういう書き方をすべきだったと思う
とはいえ、長い間本当にお疲れさまでした。
[ 2012/04/09 09:40 ]
[ 編集 ]
306
▼返信コメ
偶然だな、俺も黄羽根は小西克幸で再生されたよ
青は青キジ=子安=黒ちゃんでえらいことになった
内容は、面白かったと思うよ
ストーリー進めながらちゃんと笑わせてくれるから、サラッと読めて良かった
青は青キジ=子安=黒ちゃんでえらいことになった
内容は、面白かったと思うよ
ストーリー進めながらちゃんと笑わせてくれるから、サラッと読めて良かった
[ 2012/04/19 02:08 ]
[ 編集 ]
13371
▼返信コメ
上でも言われてるように青と黄の正体が気になったけど
ちゃんとアニメをベースに1人を個性つけて3分割できてて面白かった
よくわからんけど顔は全員同じなんだから中の人も全員赤羽根さんでいいんじゃないでしょうか
ちゃんとアニメをベースに1人を個性つけて3分割できてて面白かった
よくわからんけど顔は全員同じなんだから中の人も全員赤羽根さんでいいんじゃないでしょうか
[ 2013/01/08 00:31 ]
[ 編集 ]
13945
▼返信コメ
本編で赤が頑張ってたとこが他に奪われてるのがなんか嫌だ
3人まとめてやらないで青版とか黄版に分けて作りゃ良かったのに
惜しい作品だと思う
3人まとめてやらないで青版とか黄版に分けて作りゃ良かったのに
惜しい作品だと思う
[ 2013/01/17 02:30 ]
[ 編集 ]
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