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2013 05/11

小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 第十一夜



135VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:00:58.76 ID:w4LDhPwmo


第十一夜 星


茄子「さて、本日もアイドル百物語のお時間となりました」
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ほたる「……今日はどんなお話なのでしょうか」
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小梅「きょ、今日も、まゆさんと同じく家に伝わる……お話」
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茄子「ほほう」

ほたる「……佐久間まゆさんのお話は、実に鬼気迫るものでしたけど……」

小梅「今回は、ちょっと違う……かな?」

茄子「情念や執念のお話とは違う……ということでしょうか」

小梅「……うん。明るめの……お話」

茄子「なるほど。とはいえ、中身は聞いてみないとわかりませんね。それで、今日はどなたのところへ?」

小梅「う、うん。櫻井桃華ちゃん」

ほたる「……それでは、お聞きください」



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136VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:01:35.89 ID:w4LDhPwmo


櫻井桃華(12)
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○一言質問
小梅「もし悪魔が現れて、願いを一つ叶えてくれると言ってきたら……なんて言う?」
桃華「とっとと地獄にお帰りなさいまし」




137VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:02:32.33 ID:w4LDhPwmo


 ごきげんよう、小梅ちゃん。

 今日は怪談でしたわね。
 怖いお話でなくとも良いと聞きましたけれど?

 ええ、そうですの。
 わかりましたわ。

 では、不思議なお話を一ついたしましょう。

 これは、徳川の世が終わり、明治のご一新がなった。
 そんな頃のお話ですわ。

 その頃の商家は、奉公人も共に暮らしているのが普通でした。
 時代劇などでもおなじみの風景ですわよね?

 まあ、時代劇では、盗賊に襲われて住み込みの一人が手引きしていたなんて話のほうが多いわけですけれど……。

 このお話は、とある京の商家に奉公していた女中の話ですの。
 この人は、働き者ではあるものの、目立つ所もなく……そうですわね、実に地味に、けれど堅実にそのお店で働いておりましたわ。

 ところが、ある夜、寝所で髪をくしけずっていると、なにか明るいものが畳に落ちるのに気づきましたの。




139VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:03:52.30 ID:w4LDhPwmo


 なにが……と思って見直すと、もうそれは消えていたそうですわ。

 小首を傾げながら、また櫛を通すと、明るい……火花のようなものが飛びますの。

 どうやら髪に櫛を通すと何事か起こるようだ、とはわかりましたが、髪がくしゃくしゃのままでは寝ることもできません。

 困り果てた女中は奥方のところへ走り、事の次第を話しましたの。
 結局、主人と奥方の目の前で、彼女は髪をくしけずりました。

 すると、先ほどよりさらに激しく……そう、火焔と言えるようなものが、まるで露のようにはらはらと落ちていったそうですわ。

 その炎は熱くなく、燃え移ることもなく。
 誰かが触れる前、あるいは畳に落ちきる前に消えてしまったそうですけれど。
 
 これは何事かと商家の人々が皆集まって、女中が髪に櫛を通す度に星のような火花が落ちるのを眺めやったそうですわ。

 結局、別の櫛を使っても彼女の髪から火は起き、他の者が彼女の櫛を使っても他の者の髪から火が起きることはありませんでしたの。




140VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:05:02.37 ID:w4LDhPwmo


 このことを恐れ怪しんだ主人は奥方の制止も聞かず、この女中を追い出してしまいましたの。
 ひどい話ですわ。

 そうして、女中は生きるためにほうぼうを歩き、結局、神戸の港に至ったようですの。
 その頃は、外国に向けて開港してしばらく経ち、そのあたりがどんどん発展して行く時期だったようですわね。

 しばらくそこで生きる道を見つけていた女中でしたが、ある日、身なりのいい男性がやってきました。
 そして、あなたの髪からは火星が走ると聞くが本当か、と尋ねましたの。

 女中はたいそう恥ずかしがりながら、それを認めましたわ。
 なにしろ店を追い出された元ですものね。

 恥ずかしがるのも理解できますわ。




141VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:06:19.79 ID:w4LDhPwmo


 ところが、男性はそれを聞いて大喜び。

『衣を脱ぎ、髪を梳く時に火が現れるは、陽気あふれる証拠にして、貴徴、あるいは寿徴なりと、唐土の古き書に言う』

『ぜひ、我がもとへ来たれ』

 男性はそんな風に女中を誘ったそうですわ。

 その後二人は結婚し、男性が手がけた事業は当たりに当たり……この櫻井の家の基を作り上げましたの。

 そう、髪より星を放つ女性とは、わたくしの祖先であり、彼女を見つけ出した男性とは、櫻井家中興の祖と言われる方ですの。

 このお話を聞いて思いましたの。
 スターというのは、文字通り光り輝く人物なのだと。

 そう、わたくしは、星を産む者の裔に生まれ、ファンのみなさまに光を届ける者となるのですわ。




142VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/05/04(土) 23:06:57.22 ID:w4LDhPwmo


茄子「たしかに、明るいお話でしたね!」

ほたる「……櫛を通す度、星が落ちてくるなんて……。きっと……綺麗なんでしょうね」

小梅「う、うん。でも、不気味に思う人も、中には……」

茄子「最初の商家の人たちですね」

ほたる「でも……。そこにいたら、もしかしたら」

茄子「そちらの家が栄えていたかもしれませんね?」

小梅「う、うん。そういうことも、あるかも……しれない」

茄子「不思議ですねえ……」

ほたる「でも……昔話では、せっかくの幸運を取り逃がす人は……出てきますよね」

小梅「うん。……たいていは、いじわるな人……」

茄子「そうですね。では、ここからは、伝承などに残る幸不幸の兆しや徴といったものを特集していきたいと……」


 第十一夜 終



転載元:小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365945798/


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BEFORE 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 第十夜

管理人さん、前スレの第三夜のリンクが第四夜になってますよー。
[ 2013/05/11 04:47 ] [ 編集 ]
この雰囲気がすばらしいな
[ 2013/05/11 17:36 ] [ 編集 ]
櫻井財閥が興った話か…
アイマス世界の水瀬、東豪寺、櫻井は作中では物凄い家だから
こういう言い伝え話があってもおかしくないね
[ 2013/05/11 22:12 ] [ 編集 ]
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