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2012 02/15

千早「寝坊しちゃったわ…」



1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 14:48:47.83 ID:VNvPMg/V0


極力入れないようにはするけど、結構地の文入っちゃうかも



千早(昨日何年かぶりに寝坊したっていうのに…どうして目覚しをつけ忘れちゃったのかしら)



ザー…



千早「…はぁ」

よりによって、雨。



千早「…それじゃあ、行って来るね、優」



バタン




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2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 14:53:07.51 ID:VNvPMg/V0


ガチャ



千早「遅れまし…た…?」キョロキョロ



千早「音無さん?

   …誰もいないの?」



時間は10時、土曜のこの時間に誰もいないなんて…。



千早「送信…っと」



[To:プロデューサー

 件名:今どちらですか?

 本文:今日は、収録の打ち合わせの前に

 レッスンを見てくださるとの事でしたが…

 事務所に誰もいないのですが、何かご存知でしょうか

 返信、早めに頂きたいです。]



千早(CDプレイヤー、忘れちゃったわ…

   最近本当におっちょこちょいね

   春香のが感染ったのかしら

   なんて、言ったら春香に怒られちゃうわね)





3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 14:58:26.27 ID:VNvPMg/V0


外「アハハウフフ」



千早「…?」



ガチャ



春香「--って真が言ったんだよ?」



美希「真クンらしいの」



千早「春香、美希!」



春香「…あれ?今日は千早ちゃんまだ来てないね」



千早「っ!?」



美希「千早さんが遅刻なんて珍しいの

   あ、おはよー!」



小鳥「待ってたよー、今日の収録千早ちゃんも一緒よね?」



千早「お、音無さん…?あれ?さっきまで誰も…」



春香「うん、寝坊しちゃったのかな…」



千早「ちょっと…いい加減無視しないでよ…」



美希「あれ、真クンも今日収録控えてるんだー」



千早(…私を無視する。そういう、遊び…なのかしら)





4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:03:51.03 ID:VNvPMg/V0


真「おはようございます!…あれ?美希達も今日仕事?」



春香「うん、何も平日の昼にしなくてもいいのにねー」



美希「真クン、来るまでに千早さん見なかった?」



真「千早?いや、見たら一緒に来てるよ

  千早も収録なの?」



美希「まだ来ないの…」



真「美希は千早の事心配しすぎだよ、本当に千早の事大好きなんだね」



美希「うん!美希ね、千早さんの声とかすっごく好き!」





千早「…平日の昼、収録?」

私は、今日はレッスンに…。



ガチャ



千早(?)「おはよう」



美希「やっと来たの!」



春香「もう、遅いよ千早ちゃん!」







千早「…え?」





5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:09:58.06 ID:VNvPMg/V0


千早(?)「ごめんなさい、寝坊してしまって…」



春香「はいはい、言い訳はタクシーで一杯聞かせてもらうからね♪」



美希「それじゃ、真クンばいばい!」



真「うん、頑張ってね!」



バタン



千早「ねえ、まこt…っ!?」キョロキョロ



誰も、いない。



千早「お、音無さん!?真!!」



社長室も、給湯室も、誰もいない。

時計の秒針だけが聞こえる。



ガチ…ガチ

春香を追いかけようにも、ドアノブは動かない。



千早「この…!!」



バタン!



千早「痛っ…」



やっと、開いた。

目の前には、森。





6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:13:37.09 ID:l4GykRxA0


なにこれこわい





7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:16:41.54 ID:VNvPMg/V0


慌てて振り返ると、すでに後ろには事務所はない。

千早(雨…止んでる)



…、何か聞こえる。

千早「…声?」



わからない、どうするべきだったなんて。

ただ、不安で、不安で。

私はとにかく声の聞こえる方へ進んだ。



P「そう焦らなくても…」



千早(?)「…」



机、窓、気がつけば私は事務所の中に立っていた。

目の前にいるプロデューサーは困った顔をしていて

私は無愛想な表情で、ただプロデューサーを見つめていた。



P「…まあ、歌の活動が基本になるよう

 俺も最大限の善処はするよ」



千早(?)「…ありがとうございます」



今でも覚えている。

これは、プロデュサーが765プロダクションに入社した日の事。



千早「プロ…」



声をかけようとした瞬間、周りの壁も、椅子も机も

プロデューサーも、私も、ドロドロになって溶けた。





10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:23:16.25 ID:VNvPMg/V0


千早「ひっ…!?」



声にならない悲鳴が出てしまった。

人の姿をしていた何かが、一瞬で溶けるその様は

凄く恐ろしい光景だった。



千早「誰か…!誰かいませんか!?」



シーン



千早「誰か!!返事をしてください!!」



ライブでも、こんなに声を張った事はないような気がした。



肩に何かが当たり、嬉々として振り返っても誰もいない。



千早「…誰か、誰かいるんですか?」



グシャ

嫌な音がした、カタツムリを踏み潰したような感覚が足に伝わる。

思わず足をあげると、そこには潰れた卵があった。

コンコンと、軸足を叩くのも卵。

振り返れば、そこら中から卵がコロコロと転がってくる。

私の足元まで来ると、ピタリと止まっる。

少しすると私の周りに円を描くように、くるくるくるくる。





13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:29:45.76 ID:VNvPMg/V0


(やよい「私って、スーパーの卵も温めたらヒヨコさんが産まれてくると思ってましたっ」)

驚いた表情で、昔高槻さんが言った言葉が頭に響く。

必死に、これは無性卵だと言い聞かせても、体がこわばる。



千早「来ないで…!!」



卵はころころ転がりながら、追いかけてくる。



ズブッ

千早「きゃっ!?」



足元に不注意だったからか、沼のような物に嵌ってしまう。



千早「誰、か…」

背中に嫌な感触があり、卵が私に追いついたのだと悟る。

もう、どうにでもなれと呟くと一気に沼に引きずり込まれる。



千早「げほっ…ごほっ…!」



千早「…!?」



水の中で、私は呼吸をしていた。

水面とは違い、水の中は綺麗な蒼い色をしている。



千早「…」



見渡すと、色々な動物が泳いでいる。

鹿や、虫が、水中生物のように。





14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:30:45.30 ID:4QecCqV00


世にも奇妙な物語





15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:36:04.15 ID:VNvPMg/V0


千早(…あれは、イルカ?)



(千早[本文:いつか、イルカと泳いでみたいですね

    イルカは、人の悲しみを癒す力が、あるそうですから…。])



以前、私がプロデューサーへ送ったメールを思い出した。

イルカが私のことを見ているような気がして、私の事を助けてくれるような気がして

私はイルカへ向かって泳いだ。



イルカまでたどり着くと、まだイルカは私を待ってくれていて

嬉しくて、思わずイルカに手を触れてしまった

イルカは一瞬でバラバラになり、無数の鳥となってどこかへ飛んでいってしまった。

私を置いて水の中を飛んでいく鳥の姿を見ると、酷く切なくなった。





17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:41:35.01 ID:VNvPMg/V0


だんだん、水の色が黒ずんできて

視界はかなり悪くなってきてしまった。

先の見えない水が怖くて、私は上へと急いだ。



千早「っぷは…」

キョロキョロ



千早(あっちに、岸がある…早いうちに上がりましょう)





〜〜

優「お姉ちゃん、1人で上がれる?」







千早「…優?」



優「はい、手」



春香も、美希も、プロデューサーも

私には気付かなかったのに、優は私に気付いてくれた。

私はそれが嬉しくて、涙が止まらなくて

優の手をとらないまま、少しの間泣き続けてしまった。

優は、手を出したまま、ずっと待っていてくれた。





やっと、私が手を差し出すと

優の手をすりぬけて、むなしく地面に落ちた。





19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:46:24.08 ID:VNvPMg/V0


優の手を掴んだ手は、私のものではなかった。



その手の持ち主は、水面から上がると優をそっと抱きしめた



千早(?)「ありがとう、優」



優「行こう、お姉ちゃん

  向こうで歌って!」



千早「ま、待って…!」



慌てて水面から上がるも、暫く水中にいたせいか、思ったように立ち上がれなかった。

無様に地面を這って、優を追いかけるのは、凄く惨めだった。



千早「待って…待ってよ…優…」



私は、歌手になって

トップアイドルとは言えなくても、それなりにテレビにも出れるようにもなって

歌も、歌も、凄く頑張ったから

だから、お姉ちゃんの歌、聞いてよ



そう言いたくても、優の背中はずっと遠くへ行ってしまい

私にはただ無力感だけが募った。





20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:52:04.58 ID:VNvPMg/V0


(春香「そんなんじゃなくて、もっと単純でいいんじゃないかな

    千早ちゃんが、歌いたいから歌うんじゃ、駄目なのかな」)



千早(聞いて、欲しい

   優に、聞いて欲しい)



前に一度した決意を、もう一度かみ締めて。

私は立ち上がって、よたよたと優を追った。





太い倒木を乗り越えた途端、風景はがらりと変わった。

さっきの、事務所のように突然現れたのは、大きな交差点だった。

私の人生で、1秒たりとも頭から離れる事のない、あの交差点だった。



嫌な予感を振り払い、急いで優を追いかけた。



私に見えたのはやっぱり、あのトラックだった。





21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 15:56:13.04 ID:VNvPMg/V0


でも、さっきの私も、道路の向かいには立ってなくて

一瞬の期待をしてしまった。



トラックが過ぎる時、優の隣に立っていた私が

そっと、優を押したのだ。



軽くて、小さくて、可愛い優の体が

拍子抜けたようにトラックの前に進んでしまう。





ゆっくり、ゆっくり

トラックが進んだ。

ゆっくり、ゆっくり

優を巻き込んで、潰れていくのが見える

眼を瞑りたくても、体が言う事を聞かず

ただ出来るのは時間が早く過ぎるのを祈るだけで





それでも、残酷なほどに時間はゆっくり進んだ





25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 16:01:20.34 ID:VNvPMg/V0


千早「…どうし、て…」



座り込むしか、出来なかった。

腰が抜けてしまい、ただ、泣く事しか。



千早「あなたがいなければ…あなたが押さなければ…」



千早(?)「…」



泣いている、もう1人の私が憎かった。

お前が押したから、優が死んだのに、なんでお前が悲しむのか。



気がつけば、もう交差点も、もう1人の私もいなくて。

森の中には座り込んでいる私と、生臭い優の死体だけが残っていた。





26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 16:07:04.69 ID:VNvPMg/V0


千早「ごめんなさい、優…」



近づけば、近づく程その臭いが強烈になっていく。

そういえば、あの時は夏だった、臭いが酷くなるまでそう時間はかからなかった。



やっと、すぐそばまで来たら

原形をとどめていないその死体に、ただ涙を零した。





P「千早」



声が聞こえた。

プロデューサーの声だった。

その声を、確かめたかった。

でも優の死体が視界に入っている間は、何もする気が起きなかった。



P「千早」



千早「放っておいて下さい」



P「千早」



その声は、私が近づかずとも、向こうから近づいてきてくれた。



千早「プロデューサー、私が見えるんですか?」



どうせ、また別の私が出てくる。

もう、どうでもよくなってきた。





28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 16:12:39.83 ID:VNvPMg/V0


ポン

P「千早」



プロデューサーは、私の頭に軽く手を置いた。

ここに来て、初めて人に触れられた気がした。



P「辛かったな」



頼りないけど、優しい笑顔だった。

そう、初恋のあの人に似た、頼りない笑顔だった。



千早「前に、言いましたよね

   プロデューサーは、なんだか私の初恋の相手に似てます」



P「聞いたよ」



千早「これは最後のライブの時、言うつもりだったんですけど

   …プロデューサーの事、好きでしたよ」



P「ああ、知ってる」



どうしてか、わからないけど、涙が止まらなかった。





29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 16:18:07.58 ID:VNvPMg/V0


P「…帰ろう、千早」



千早「…」



P「帰ろう、千早」



プロデューサーは、私の手を引いてくれた。



千早「…どこへ行くのですか?」



P「あそこに光が見えるか?あそこへ帰るんだ」



すっかり、存在を忘れていた携帯電話がなった。

それを手に取る間もなく、プロデューサーは早足にその光へ向かって歩いていった。











〜〜

『最近どんどん人気を集めていた、如月千早さん

 失踪してから一週間が経ちましたが、いまだ何も手がかりは掴めていません

 事務所もいまだノーコメント』



春香「…はぁ、千早ちゃんどこ行っちゃったんだろう…

   いけない、もうこんな時間!事務所に行かないと」



〜〜

ガチャ!

春香「すいませーん!遅れまし…た?誰もいないのー?」    おわり





30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/15(水) 16:26:04.08 ID:0jzW2MmAO


こえーよ




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(3)

AFTER 【1レス完結SS】小鳥「プロデューサーさん、チョコです」P「小鳥さん大好き!」

BEFORE P「律子ってプロデューサー向いてないよな」2

まっくら森が天国に見えるレベル
[ 2012/09/14 14:06 ] [ 編集 ]

怖すぎだよーヽ(゚Д゚)ノ
[ 2012/09/23 13:23 ] [ 編集 ]
こええよ……
[ 2013/03/22 18:27 ] [ 編集 ]
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