2013
03/26
火
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 00:58:56.87 ID:HhIqsmas0
凛「いらっしゃい、そろそろ来る頃だと思ってたよ」

P「ああ、予約してあった物は届いてるか?」
凛「うん、蛇結茨と……」
P「二つ増やしただろ?」
凛「あったあった、エーデルワイスと彼岸花」
加蓮「それにしても、洒落たことするんだね。 ロマンチスト?」

P「うるさい、って居たのか」
奈緒「悪ィか?」

P「別に悪くないさ」
加蓮「ふふ、ならいいじゃない」
P「まーな」
凛「明日行くんでしょ?」
P「……ま、約束だからな」
凛「私達も、付いて行っていいかな?」
お久しぶり
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7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:04:42.59 ID:HhIqsmas0
P「来ても面白いことは無いと思うぞ?」
加蓮「いやー、別の意味で面白いし」
奈緒「だな」
P「アホか」
凛「明日だけど、何時に行けば良いかな」
P「さあな」
奈緒「は?」
P「気まぐれだから、いつ来るかも分からないし」
加蓮「あ、一緒には行かないんだ?」
P「そりゃな、あそこで会うのが大事なんだよ」
加蓮「やっぱりロマンチストだね」
P「違うっての……」
凛「加蓮はわかってないね」
加蓮「人をロマンの欠片も無いみたいに」
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:09:10.22 ID:HhIqsmas0
P「ま、その話は追々しようか」
凛「うん、私も店を空けるわけにはいかないから」
奈緒「んじゃ、明日3人で迎えに行くから」
P「ん? 俺んち知ってたっけ?」
凛「前の時に……ね」
P「うわ……」
加蓮「アタシらも必死だったからね」
奈緒「主に凛がな」
凛「……うん」
加蓮「否定しないんだ?」
凛「否定しても、もう遅いから」
P「……じゃあな」
凛「ありがとうございました」
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:14:18.43 ID:HhIqsmas0
加蓮「……さて、Pさんは去ったわけだけど」
凛「私は引き続き店番だからね」
奈緒「はいはい、じゃあハナコと遊んでるから」
凛「ちょっと、私だけほったらかし?」
加蓮「店番でしょ? 仕方ないね」
奈緒「仕方ないな」
凛「……ずるい」
加蓮「あはは、冗談だよ」
奈緒「アタシらに手伝えることあれば言えよな」
凛「うん」
奈緒「……ところで加蓮さ」
加蓮「うん?」
奈緒「いつからプロデューサーのこと名前で呼ぶようになったんだ?」
加蓮「……あれ?」
11 : 画像先輩おっすおっす:2013/03/25(月) 01:19:41.88 ID:HhIqsmas0
翌日
ぴんぽーん
P「……はい」
凛「おはよ」
加蓮「おはよー」
奈緒「おっす」
P「もう来たのか、まだ9時だぞ」
加蓮「いつ来るかわからないなら、早めの方がいいんじゃない?」
凛「そういうこと」
P「なるほどね、じゃあ行くか」
奈緒「おう」
P「……遠足じゃないぞ?」
凛「……知ってる」
P「じゃあそのお菓子とジュースはなんだよ」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:24:39.31 ID:HhIqsmas0
加蓮「道中暇だと思って」
奈緒「思い出話を聞きながら電車に揺られるのもいいだろ?」
P「ロマンチスト発見」
奈緒「う、うっさい!」
P「ま、その方がいいか」
凛「じゃ、行こう?」
P「メールは……いいか」
加蓮「送らないの?」
P「送る必要なんて無いかもしれんからな」
奈緒「ふーん、変わってんの」
P「15年同じことしてきたんだ、今更だろ」
凛「……いいな、そういうの」
P「そうか?」
凛「うん」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:29:34.29 ID:HhIqsmas0
加蓮「15年といえば凛の歳と同じだからね」
P「そう考えると長いな」
奈緒「さ、行こうぜ。 電車少ないんだから」
P「そうだな」
・
・
・
凛「お弁当?」
P「2時間くらいだとしても、長旅には変わらんからな」
凛「なんだ、言えば作ったのに」
P「……作れるのか?」
凛「完全にバカにしてるよね?」
P「お前らはどうなんだよ」
奈緒「……あんまり」
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:34:09.55 ID:HhIqsmas0
P「イメージに無いものな」
凛「あはは」
奈緒「ひっでェな! 今に見てろ!」
加蓮「アタシは練習中」
凛「そうなの?」
加蓮「うん、ちょっと前からね」
P「何でまた」
加蓮「……うーん? 何でなんだろ」
奈緒「気まぐれだなァ」
凛「……猫?」
P「……加蓮にゃん?」
凛「ぶふっ」
加蓮「ちょっと、噴き出さないでよ」
凛「けほけほ……ごめん」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:40:43.68 ID:HhIqsmas0
P「ふむ、考えてみるか」
加蓮「やめてよ、変なことになりそう」
P「今度ネコミミと尻尾でもつけてみるか」
奈緒「是非立ち合せてくれよな」
凛「私も私も」
P「あはは、勿論だ」
加蓮「アタシがいじられるなんて……」
P「……お、乗り換えだぞ」
凛「加蓮、置いていくよ?」
加蓮「……むー」
P「不貞腐れてる加蓮って珍しくないか?」
凛「だね」
P「拗ねっ子は放っておいて行くか」
加蓮「ちょ、ちょっと!」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:47:41.78 ID:HhIqsmas0
がたん がたん
P「……変わるものと変わらんものがあるだろ?」
凛「うん」
P「この路線だけはずっと変わらないんだ」
奈緒「景色は変わっちまったのか?」
P「大分かな……駅の数も減ったし、今乗ってるのだって俺達だけだろ?」
加蓮「そういえば……もぐ……全然いないね」
凛「食べながら喋らない」
P「あはは、思い出って大事だぞ?」
奈緒「Pさんとあの人に思い知らされてるって」
P「そう言われるとなんだかな」
加蓮「んぐ……他にも話聞かせてよ」
P「いいや、俺は弁当食うわ」
凛「私も」
奈緒「んじゃアタシも」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:52:15.58 ID:HhIqsmas0
△△駅
P「結局昼過ぎだな」
凛「3時間くらいかかるんだね、去年は短く感じたのに」
奈緒「起こすの任せて寝てたのは何処の誰だよォ?」
凛「……誰?」
奈緒「しらばっくれやがって、もういい」
加蓮「とにかく、これからもう向かうの?」
P「折角だし、ダム見るか」
凛「ダム?」
P「ああ、もともと俺達が住んでた町があるダムだ」
加蓮「……ねえPさん」
P「なんだ?」
加蓮「住んでた町が無くなるなんてアタシ達にはわからないけど、寂しくない?」
P「寂しくないよ、お前達もいるしな」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 01:59:30.70 ID:HhIqsmas0
凛「う……」
奈緒「そう言われると照れるな……」
P「ま、昔を思い返す暇すら無いってことだよ」
加蓮「……大変?」
P「まさか、楽しいさ……さ、こっちだ」
凛「加蓮、平気?」
加蓮「もう大丈夫だよ、去年とは違うから」
奈緒「頼もしいな、出発ー」
・
・
・
P「平気か? 公園化してるから道も舗装してあるけど……」
加蓮「ん、平気……トレーニングのお陰かな」
凛「私達も平気だよ」
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:05:38.81 ID:HhIqsmas0
P「さ、これだ」
加蓮「……うわ……」
奈緒「……すご……」
凛「わ……綺麗……」
P「湖面しか見えないけどな、水位が下がったときは電柱なんかも見えるぞ」
凛「それも……綺麗なんだろうね」
P「んー……どうなんだろ」
奈緒「なァPさん」
P「なんだ?」
奈緒「……ちょっとだけ、思い出ってものがわかったかも」
P「……」
わしわし
奈緒「な、なんだよ……撫でんなよ……」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:08:15.16 ID:L8tjOSh00
奈緒ちゃんきゃわわ
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:10:52.47 ID:HhIqsmas0
P「さて、俺はもうちょっとここに居るつもりだけど……駅に戻ってるか?」
凛「……私達もここにいていい?」
加蓮「もうちょっと話聞きたいな」
奈緒「……アタシも」
P「そのコーヒー取ってくれ、何の話からしようかな……」
―――――
―――
―
P「げ」
凛「……17時、だね」
加蓮「話し込んじゃったね」
P「加蓮……平気か?」
加蓮「自分でもびっくりするくらい平気だよ」
奈緒「アイドルって体力つくもんなァ」
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:15:44.04 ID:HhIqsmas0
P「さて、花の確認もしたし……行くか」
凛「……今更だけどさ、迷惑じゃない?」
P「全部知っておいて何を言うよ」
加蓮「……あー、全部聞いたもんね」
奈緒「何か悪ィことしたな」
P「気にするな、一度下まで戻らないと道が無いからな……暗くなる前に下りるぞ」
凛「わかった」
・
・
・
凛「……着いたね」
P「……」
奈緒「……Pさん?」
P「……ふー……」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:23:40.54 ID:HhIqsmas0
加蓮「緊張してるの?」
P「違うよ、ここはいつ来ても変わらないから……すこし安心するんだ」
凛「……いない……ね」
P「時間潰したつもりだったんだけどなー」
奈緒「……へ?」
P「あの人は夜に来るんだよ」
加蓮「え、アタシ達早すぎた?」
P「今日も昼過ぎに来る予定だったのにさー、お前らがさー?」
凛「……ごめん」
P「いいよ、普段思い出さないことまで思い出したから」
加蓮「あと1時間くらいかな?」
P「そんなでもない、夕暮れには来るさ」
奈緒「ふーん?」
P「……ほら」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:31:28.44 ID:HhIqsmas0
凛「……うん、来たね」
奈緒「おーい! のあさーん!」
のあ「……貴方達……?」
加蓮「こんばんは、のあさん」
のあ「……ええ……」
P「今年は会えたね」
のあ「……そうね……」
P「……」
のあ「……」
奈緒「……お……?」
加蓮「……立ち入れない……」
凛「……二人の世界とか……ずるい」
P「そんなんじゃないよ、懐かしんでただけ」
のあ「……記憶は……違ってしまったりするものだから……」

35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:36:37.72 ID:HhIqsmas0
P「いや、そこまで疎通は無理じゃない?」
のあ「…………」
P「無理だから」
のあ「……記憶の鍵はPの瞳であると言っても……?」
P「何それ……」
凛「わかんない……」
奈緒「……のあさんってさ」
加蓮「うん、時々わからない」
P「さ、もう日没か」
のあ「……待っていた……向こうを見なさい……」
奈緒「あ、さっきのダムだ」
加蓮「こっちの方が高いところにあるんだね」
凛「夕焼け……綺麗だね」
P「俺も見るのは初めてだわ」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:43:53.51 ID:HhIqsmas0
のあ「……この瞬間……Pにあの町で最後に会ったのも……この夕暮れ……」
P「ばいばいって言って……それっきりだね」
のあ「……待っていたわ……15年……」
P「アイツら景色見てて気付いてないな……今のうちに」
のあ「……何……?」
P「で……これ」
のあ「……蛇結茨……」
P「なんとなくだけどさ、毎年持って帰ってたでしょ」
のあ「……想像することは易いわ……」
P「で、持って帰るの?」
のあ「…………」
P「じゃあ、はい」
のあ「…………そう…………」
P「誕生日おめでとう、のあちゃん」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:50:45.76 ID:HhIqsmas0
のあ「…………」
P「初めて会って16年、再開して1年……パーティーでもした方が良かったかな?」
のあ「……無用よ、この瞬間に勝るものなどそう無いわ……」
P「大げさだな」
のあ「……今の私の言葉をどう理解するかは……P次第よ……」
P「……わかってはいるんだけど……ね」
凛「のあさんってさ、回りくどくストレートに言うよね」
P「……凛!?」
のあ「……景色はもういいのかしら……」
奈緒「うん、凄かった」
加蓮「綺麗だったなーって考えてたら二人で誕生日会してるから……見学してた」
P「見てどうにかなるもんでもないぞ」
凛「私達も言わなきゃと思ってね、誕生日おめでとう……のあさん」
奈緒「おめでとう!」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 02:56:22.55 ID:HhIqsmas0
加蓮「おめでとう、のあさん」
のあ「……誕生日……祝う事など……無かったというのに……」
P「珍しく感激してる……?」
のあ「……誰かの為に……など……」
P「こんな形になったけど、小さい誕生会だな」
のあ「……感謝を形に……空を見なさい……」
P「うおお!?」
奈緒「何だよこれェ!?」
凛「……流星群……?」
加蓮「……まさかのあさんが……!」
のあ「……私は人外じゃないわ……」
P「おお、のあさんが傷ついてる」
のあ「……暦の通りなだけ……毎年の事だけれど……」
奈緒「……すげー……毎年これ見てるんだ?」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 03:03:40.23 ID:HhIqsmas0
のあ「……ええ……星が流れる様は……万華鏡のよう……」
凛「……あ……」
P「……本当のロマンチストってのあさんなんじゃ……」
のあ「……Wish upon a star……」
P「……それって?」
のあ「……意味は考えなさい」
P「そっか」
のあ「花……増えてる……?」
P「折角誕生日を祝えるし……去年はおめでとうも言えてなかったからね」
のあ「……言葉より容易く意思を伝える方法はあるわ……」
P「ふーん?」
のあ「……ん……」
P「ちょ、ちょっと」
凛「待った」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 03:09:09.08 ID:HhIqsmas0
加蓮「アタシ達も見てるのに」
奈緒「な、何やってんだよォ!?」
P「何しようとしてんだ!」
のあ「……謝意……」
凛「だめ」
P「同じく」
のあ「……ふっ……」
P「げ、最終行っちまう!」
加蓮「やば、早く帰らないと」
奈緒「急げ!」
凛「ほら、行こうよ二人とも」
のあ「……P……来年も……」
P「ここで会おう」
おわり
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 03:10:27.69 ID:uYpDdRAH0
乙した
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 03:10:52.81 ID:Zu9hbEym0
おつおつばっちし☆
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/25(月) 03:16:42.90 ID:JC4SGqp/0
おっつおっつ
のあにゃん誕生日おめでとう
引用元:モバP「今年も届けに、今日も花屋へ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364140736/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364140736/
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18198
▼返信コメ
しぶりん最高
[ 2013/03/26 14:41 ]
[ 編集 ]
22130
▼返信コメ
でも凛達、しゃしゃりすぎじゃね?
二人きりにさせてあげようぜ
凛も最初は諦める的な発言してたのにな
いきなりお邪魔虫になった
二人きりにさせてあげようぜ
凛も最初は諦める的な発言してたのにな
いきなりお邪魔虫になった
[ 2013/06/21 09:12 ]
[ 編集 ]
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