2012
03/28
水
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:27:08.77 ID:8Gllp2T6O
美希「ハニー! お仕事終わったのー!」
P「あぁ、美希か。お疲れさま」
美希「あのね、ミキ今度のCMにも使ってもらえるかも知れないの!」
P「ん? 誰かに聞いたのか?」
美希「収録現場に、あのマスカラ作ってる会社のだいひょーとりしまりやく?
の人が来てて、ミキのことたくさん誉めてくれたの」
P「そりゃ凄いな」
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56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:31:03.46 ID:8Gllp2T6O
美希「それで、『次のCMも必ずお願いします』って!」
P「そうか。さすが天下のアイドル星井美希だ」
美希「えへへ、ミキえらい? ミキ、きらきらしてる?」
P「してるしてる。
最近は一段とな」
美希「全部ハニーのおかげなの!
もっとハニーがミキのこと誉めてくれたら、
誉められた分だけ次も頑張れると思うな?」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:37:19.79 ID:8Gllp2T6O
P「そうだな。
ここの所は結構ハードなスケジュールも元気にこなしてくれてるし、
いろんな現場の人から美希の頑張りは良く聞いてる。
俺が一番嬉しいのは、そんな風に美希達が現場のスタッフや、
スポンサーの人に誉められてるのを聞くことなんだ。
良くやったな、美希。俺も嬉しいぞ」
美希「じゃあ、えへへ……ミキ、ご褒美、欲しいな?」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:42:47.43 ID:8Gllp2T6O
P「ご褒美、か。
まぁ一応リクエストは聞いてやろう。あんまり無茶は言うなよ?」
美希「簡単なの!
あのね……ちょっと立って、後ろ向いてくれる?」
P「ん? こうか?」
美希「いいよ! そのまま、しばらくじっとしててね!」
P「あぁ。でも、一体何を」
美希「えいっ!」ムギュー
P「お、おい、美希」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:45:05.75 ID:8Gllp2T6O
美希「ハニーの背中、あったかいの……」スリスリ
P「やれやれ……」
美希「ミキ、次のお仕事も頑張るから。
それで、いっぱいいろんな人から誉めてもらって、
ハニーに喜んでもらうから。
それから、ハニーにいっぱい誉めてもらうから……」
P「わかったわかった、その時はまたいっぱい誉めてやるよ」
美希「ハニー、大好きなの!」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:50:54.93 ID:8Gllp2T6O
美希「じゃあね、ハニー!
また明日なのー」フリフリ
P「あぁ、また明日な」
……バタン。
P「全く美希のやつ、最近どんどん甘えん坊になってる気がするな……」
響「……お疲れさま、プロデューサー」
P「おぉ、響もお疲れさん。
今日の収録はどうだった?」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:54:40.13 ID:8Gllp2T6O
響「……自分としてはよくやれたと思うけど、どうかな」
P「響がそう言うなら大丈夫だろう。
お前も良くやってくれてるよ」
響「うん。自分、完璧だからな」
P「ははは。
ほんとに、同じAランクアイドルでも美希と違って全然手が掛からないからな。
俺としても、やりやすくてありがたいよ」
響「……うん」
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 05:59:06.10 ID:8Gllp2T6O
P「まぁでも、あれだ。
たまには何かちょっとぐらいのわがままなら聞いてやれるぞ?
美希を引き合いに出すわけじゃないが、
ちょっと響はストイック過ぎるように思えるんだが」
響「そうかな?
別に自分は平気だけど……」
P「それならいいんだがな。
でも、ほんとに何もないか?」
響「――――うん。今のところは」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:03:15.25 ID:8Gllp2T6O
P「そうか?
別に無理にとは言わないが」
響「……何か思い付いたら、その時に相談してもいいか?」
P「あぁ、もちろんだ」
響「じゃあ、そうする。
……自分もそろそろ帰るぞ」
P「気を付けてな。また明日」
響「ばいばい、プロデューサー」フリフリ
……バタン。
響「……」
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:08:42.64 ID:8Gllp2T6O
響(ほんとは、美希みたいに、プロデューサーにたくさんなでて欲しい。
頑張ったなって、抱きしめてほしいぞ。
……でも、自分、家に色んな動物が居るから……
きっと、どんなにお風呂に入っても、美希みたいに、
良い匂いにはなれないんだ。
それで、もしプロデューサーに変な匂いだって思われたら……
……それに……)
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:12:39.93 ID:8Gllp2T6O
響「プロデューサーから、美希の匂いがしたら……
……きっと、自分、すっごく惨めな気持ちになっちゃうから……」
響「……」
響「……良いんだ、ちゃんと気にしてもらえるだけで。
それで、自分はもう、満足なんだぞ、プロデューサー」
響「……」
響「……はぁ……」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:19:01.51 ID:8Gllp2T6O
響「……あ」
『あなたの髪に、あの人を振り向かせる香りを――――』
響「美希のCMしてるシャンプー……
……うぅん、やめとこう。
気にしないって、決めたんだ。
自分は、自分のお仕事をしてれば……振り向いてもらえなくたって……
……」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:26:20.91 ID:8Gllp2T6O
響「……え? 美希と競演?」
P「あぁ、例のシャンプーのCMな。
美希のオファーは決まってたんだが、
せっかくだから他のアイドルも勧めたら、お前が指名されたわけだ」
響「そう、なのか。
で、でも、自分そんな、美希みたいに出来るかどうか……」
P「なんだ、らしくないな?」
響「……」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:32:35.73 ID:8Gllp2T6O
P「俺は良い人選だと思うんだけどな。
ほら、響、こんなに髪の毛綺麗だし」スッ
響「――――やっ」パシッ
P「お、おっと」
響「……あ、……ご、ごめん、プロデューサー!」
P「い、……いや、俺の方こそごめんな?
不用意に触ろうとして、嫌だったよな?
つい美希によくやるクセで、……すまん……」
響「――――……」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:37:14.03 ID:8Gllp2T6O
P「ほんとにすまなかった。
もうしないから、許してくれ……」
響「……ちょっと驚いただけだから、別に怒ってるわけじゃないぞ、自分」
P「そうなのか?
いや、でも、……とにかく、ごめんな、響。
もし、嫌じゃなかったら、CMの件、考えておいてくれ」
響「……うん」
P「じゃあ、俺は美希を迎えに行ってくるから」
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 06:39:10.76 ID:bwR3gtKi0
病み響とか最高です
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:40:43.20 ID:8Gllp2T6O
響「……気を付けて、いってらっしゃい」
P「あぁ」
……バタン。……
響「……違うんだ。プロデューサー。
プロデューサーになでられるのは全然嫌なんかじゃないんだ。
ただ、……ただ、プロデューサーに、変な匂いだって思われるのが……
……
……プロデューサー……」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:48:34.43 ID:8Gllp2T6O
美希「響、今日はよろしくなの!」
響「うん。よろしくな、美希」
P「もう説明があったと思うが、今回は二種類のシャンプーのCMだ。
美希のはこないだのと同じで、響の方は新商品だな」
美希「美希も新しいやつがよかったのにー」
P「まぁそう言うな。
新商品の方は、落ち着いたツヤと海のイメージだから、
響の方がぴったりなんだよ」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:52:18.91 ID:8Gllp2T6O
美希「むー……それなら仕方ないの」
響「で、でも、自分ちょっとシャンプーのCMなんてよくわからないから、
美希に色々教えて欲しいぞ」
美希「教えるって言っても、ミキは普通に家のお風呂でシャンプーしてるときと
あんまり変わらないかなー。うーん、強いて言えば……」
響「言えば……?」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 06:56:35.15 ID:8Gllp2T6O
美希「ミキ、シャンプーの匂いって好きだから、
あわあわーってなるだけで、楽しくなっちゃうんだよね。
自分がどんどん可愛くなる感じ、って言うか」
響「……」
美希「だから、とにかく、シャンプーを楽しむようにすればいいと思うな!」
P「今回は特に香りが大事なコンセプトだしな」
美希「まぁ美希はハニーの匂いが一番好きだけどね!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 07:00:41.57 ID:8Gllp2T6O
P「またお前はそう言うことを……」
美希「だってほんとなんだもーん」
響「……プロデューサーは、シャンプーの匂い、好きなのか?」
P「そうだな、うん、人並みには。
と言うか、嫌いなやつはなかなか居ないと思うけど」
美希「よく言う『女の子っぽい匂い』だよね」
P「そうそう。不思議と安心すると言うかなんと言うか」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 07:04:36.49 ID:8Gllp2T6O
美希「美希の匂いだったら、好きなだけ嗅いで良いよ?」
P「変態か俺は。
それにわざわざそんなことしなくても、近くに居たら普通に香ってくるよ」
響「――――え?」
P「ん? まぁ、こう、すぐ横をすれ違った時とかにな」
響「……そ……そう、なのか……」
P・美希「「?」」
響「……」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 07:09:36.53 ID:8Gllp2T6O
「765プロさん、そろそろ準備お願いしまーす!」
P「あ、はーい!
まぁそう言うことで、あとは頼んだぞ」
美希「えー! ハニー帰っちゃうの?」
P「お前ら二人とも収録で服脱ぐだろ。
俺が居ていいのか?」
美希「ミキは全然いいよ?」
P「はぁ……お前はともかく、……響がだな。
俺がいたら嫌だろ? 響」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 07:13:51.75 ID:8Gllp2T6O
響「さ、……さすがに恥ずかしいぞ……」
P「と言うわけで、俺はもう行くからな。
二人とも、頑張れよ」
美希「ちぇー。はーいなのー」
響「……」
美希「あーあ。
せっかく美希の入浴シーンでハニーを骨抜きにしようと思ったのに」
響「……美希はいつも良い匂いがするよな」
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 07:18:47.47 ID:8Gllp2T6O
美希「最近は、一日に絶対二回はお風呂入ってるからねー」
響「……そうなんだ」
美希「乙女のたしなみなの。
そう言う響は……」クンクン
響「あっ、や、やだぞっ!」
美希「……うん、響らしい、良い匂いがするの」
響「……私……らしい……?」
美希「そうだよ。響らしい匂い」
響「そ、それっつどう言う――――」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 07:20:55.98 ID:8Gllp2T6O
「星井さん、我那覇さん、スタンバイお願いしまーす!」
美希「あっ、もう行かなきゃ!
響も急いで!」
響「え? あ、う、うん」
響(自分の匂いって……やっぱり、変、なんだな……)
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:08:49.01 ID:8Gllp2T6O
P「ほー、良く撮れてるじゃないか」
美希「思ったより健康的な感じでちょっと拍子抜けなの」
響「自分はこれでも充分恥ずかしいぞー……」
P「最近は色々うるさいからな。
しかし、そうは言ってもやっぱりドキッとするものはあると思うが」
美希「えへへ、そうかな?
ほらほら、実物もよく見るの!」ファサッ
P「おー、良い匂いだ」
142 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:15:30.12 ID:8Gllp2T6O
響「……自分、ちょっと疲れたから、ちょっと控え室に戻ってるぞ」
P「ん? 響、大丈夫か?」
響「へーき。なんくるないさー」
P「……なら、良いんだけど、無理はするなよ」
響「うん。わかってるぞ、プロデューサー」
P「もうじき出発するからな」
響「はーい」
P「……」
143 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:20:32.15 ID:8Gllp2T6O
P「……なぁ美希、今日の撮影、響の様子どうだった?」
美希「響? うーん……ちょっと恥ずかしがってたぐらいで、
別に普通だったと思うけど……慣れない撮影で緊張したんじゃないかな。
シャンプーとか化粧品のCM、初めてなんだよね?」
P「そうだと良いんだが……
あぁ、それと、……」ナデナデ
144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:24:17.84 ID:8Gllp2T6O
美希「ん……あれっ、今日は言わなくてもなでなでしてくれたの!
ハニーもついにミキの魅力に」
P「普通さ、いきなり男に髪の毛触られたら嫌だよな?」
美希「そりゃそうなの」
P「だよなー……」
美希「でも、例えばミキとか、事務所のみんななら基本的に
ハニーのなでなではいつでも歓迎だと思うな」
145 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:27:48.56 ID:8Gllp2T6O
P「みんな、って……千早とか、響もか?」
美希「うん。千早さんは照れて嫌がるかもしれないけど。
……響? 響は素直に喜ぶんじゃないの?」
P「そう……だったら良かったんだが」
美希「?」
響「……いいなぁ、美希は……」
148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:33:16.12 ID:8Gllp2T6O
響(でも……やっぱり美希みたいに、プロデューサーに甘えるのは……
自分、どんなにお風呂に入っても、変な匂いだし……
きっと、べたべたくっついたら、プロデューサーに嫌われちゃうんだぞ……
……イヌ美たちのせいじゃなくて、自分が元々変な匂いなのかもな……
美希は、別にあのシャンプーじゃなくてもいつも良い匂いだし……)
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:38:49.41 ID:8Gllp2T6O
響(……あれ、気にしないって決めたはずなのに……なんか変だな、自分。
それに……もし、自分が変な匂いじゃなくても、
きっとプロデューサーには、あんな風に甘えられないし……
……大好き、なんて、言えるはずないぞ……
……うん、だから自分は、一生懸命お仕事して、
それで、プロデューサーにちょっとだけ誉めてもらえたら……)
150 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 14:41:41.26 ID:8EsPB3CK0
響はかわいいなあ
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:42:22.69 ID:8Gllp2T6O
『ハニー、大好きなの!』
響(……プロデューサーも、自分なんかより、
美希みたいなきらきらしてる子の方が良いに決まってるぞ。
自分なんかより……美希の方が……
プロデューサーって、美希のこと、どう思ってるのかな……?)
153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:48:28.55 ID:8Gllp2T6O
P「じゃあ、二人ともお疲れさん。
もう暗いから、気を付けて帰るんだぞ」
美希「また明日ね、ハニー!」
P「おう、また明日。
響も、気を付けてな?」
響「うん。明日もよろしく、な」
P「あぁ。一緒に頑張ろう」
響(美希と比べて、この距離感が……ちょっとだけ寂しいんだぞ、プロデューサー)
154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 14:53:20.70 ID:8Gllp2T6O
響(やっぱり、こないだのこと、気にしてるのかな……
でも、あれはいきなりプロデューサーが……
うぅん、あんなことしたら、距離を置かれても当然だぞ。
……髪の毛、触られてても、変な匂いって思われただろうし、
結局どっちにしても……同じかな。
……お仕事、頑張ろう。
これ以上、プロデューサーに嫌われないために……)
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:02:04.41 ID:8Gllp2T6O
美希「ハニー! ミキ、やったの!」
P「あぁ。ソロアルバム、初登場オリコン一位。
千早は悔しがってたが、間違い無く美希の実力だよ。
頑張ったな、美希」ナデナデ
美希「んーっ、もっと! もっと誉めてなの!」
P「も、もっとって」
美希「……ぎゅっとしてほしいな?」
P「バカ、そんなこと出来るわけないだろ」
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 15:08:22.38 ID:7gZYI4EbO
真美とはまた違った思春期だなぁ
159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:08:46.14 ID:8Gllp2T6O
美希「でもやっちゃうもんねー!」ギュウッ
P「こ、こら、離れないか。まだ話は……
あー、響。
響のソロアルバムも僅差の二位だ。ほんとにほとんど差は無いんだけどな。
実質、同着一位と考えて良い。良くやったな」
響「うん。プロデューサーのおかげだぞ」
響(……でも、美希を無理やり引き離したりはしないんだよな)
160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:13:34.25 ID:8Gllp2T6O
美希「んー……えへへ……」スリスリ
P「二人とも、例のシャンプーのCMのタイアップが……おい、いい加減にしろ」
美希「だって嬉しいんだもん!
美希とハニーの力が認められたんだよ? ハニーは嬉しくないの?」
P「嬉しいに決まってるだろ。
俺のアイドルが同着一位なんて、夢みたいだ」
美希「だったら、今日ぐらいいいでしょ?」
161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:18:24.17 ID:8Gllp2T6O
P「あー、もう、わかったわかった。
今だけだからな。ちゃんと話は聞いてろよ」
美希「やったぁ! んふー」ムギュウ
響(……ほらな)
P「で、あー、二人はこれから更に忙しくなると思う。
お前たちの勢いに引っ張られて、春香や千早、雪歩なんかもかなり好調だ。
だから、二人とはこれまで以上に密な連携を取りたいと思う」
162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:22:47.34 ID:8Gllp2T6O
響「密な連携?」
P「あぁ。
何かちょっとでも気になることがあったら、
なんでも遠慮無く俺に相談してくれ。
可能な限り力になるようにする」
美希「じゃあじゃあ、例えばどーしても二人っきりで落ち着いてお話したいな……
って美希がお願いしたら、どうなるの?」
P「……まぁ、考えてやる」
美希「ほんとに!?」
164 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:27:36.62 ID:8Gllp2T6O
P「美希も響も、今は特に自分で思ってる以上にハードワークになってるんだ。
知らないうちに疲れが溜まることもある。
それで体調崩したりしたら元も子も無いからな」
美希「それって要するに、
お仕事頑張ったらハニーとデート出来るってことだよね?」
P「デートじゃない。仕事の一環」
美希「どっちでもいいの! 約束だからね、ハニー!」
165 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:32:01.52 ID:8Gllp2T6O
P「響も、何かあれば、遠慮しないで言うんだぞ」
響「うん、……そうする」
美希「ねぇねぇ、響はハニーとデートしたくないの?」
響「えっ……そんな、自分は別に……」
P「響はお前と違って、仕事に対してストイックなんだよ。
ちょっとは見習え。
……まぁ、だからこそ美希より心配ではあるんだが」
166 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:37:01.20 ID:8Gllp2T6O
美希「えー! ハニーはミキのこと心配じゃないの?」
P「何かあればすぐわかるって意味ではな」
美希「うー……貴音みたいなミステリアスさがほしくなってきたの……」
P「美希には似合わないな。
いつも通り、美希は素直な方が良いよ」
美希「ハニーが良いなら、それで全然かまわないの!」ギュッ
響「あはは。……」
169 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:41:00.83 ID:8Gllp2T6O
響(……プロデューサー、やっぱり、
ちゃんと自分のことも考えてくれてるんだな。
でも、……美希があんな感じだから、
自分はあんまりプロデューサーに迷惑掛けないようにしようと思ってたのに、
なんだか逆効果だったみたいだ……
どうしよう……どうしたらいいのかな……
わからないよ、……自分には。プロデューサー……)
170 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:46:21.60 ID:8Gllp2T6O
〜♪
〜♪
〜♪
響「プロデューサー、また美希からメールか?」
P「あぁ。
まったく美希のやつ、早速権利をフル活用しやがって……」
響「……でも、プロデューサーもまんざらじゃなさそうだな?」
P「そう見えるか?
まぁ、……楽しいことは否定しないよ。
美希にも響にも、俺の方が元気をもらうことは多いからな」
171 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:51:12.90 ID:8Gllp2T6O
響「え? 美希はわかるけど……自分も?」
P「あぁ。響が一生懸命仕事を頑張ってくれてるのを見てると、
俺も頑張らないとなーって思うわけだ。
それに、何というか……こんな言い方したら嫌かも知れないが、
響の場合、こう、……ほんとに大丈夫かな、と。
頑張りすぎてないかって、どうしても気になっちゃってな」
173 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:54:56.73 ID:8Gllp2T6O
響「……自分は、大丈夫だぞ、プロデューサー」
P「うーん……実は、美希に『仕事は響の方をよく見てあげて』って言われてな」
響「……え?」
P「美希から見ても、やっぱりちょっと心配なんだと思うぞ。
だから、しばらくは響と同じ現場に行くことが多いと思う」
響「……美希……」
174 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 15:58:48.24 ID:8Gllp2T6O
P「もちろん、響が嫌じゃなかったら、だが」
響「そんなの!……嫌じゃないに、決まってるぞ」
P「ん、そうか。そりゃ良かった。
じゃあ、これからも一緒に、ますます頑張って行こうな」
響「あぁ、自分、もっともっと頑張るぞ!」
〜♪
〜♪
〜♪
P「……はぁ、人が大事な話をしてるときに……」
175 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:02:08.84 ID:8Gllp2T6O
響「ひょっとして、その……デートのお誘い、ってやつか?」
P「んー、まぁ、さすがにもう大っぴらに出歩けたりはしないから、
ちょっと喫茶店で話したりするぐらいだけどな。
仕事は響とか、他の子をよく見とく代わりに、
こう言う……デートは、こまめにしてくれ、ってさ」
響「――――……」
176 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:07:39.55 ID:8Gllp2T6O
響(自分がうじうじ悩んでる間に、美希はどんどんプロデューサーと……
……自分がどんなにお仕事を頑張っても、素直で女の子らしい美希に、
勝てるわけないって、最初からわかってたのに……
万に一つなんて、なんの根拠もなくぼんやり考えてた自分が、余計に情けないぞ。
そりゃ美希の方が……プロデューサーも、楽しそうだったし……)
179 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:11:37.77 ID:8Gllp2T6O
響(……自分も、今より、もうちょっとだけ、素直になっても、良いかも知れない。
せっかく、プロデューサーと一緒にお仕事することは増えたんだし、
美希みたいには出来なくても、美希に勝てなくても、
もうちょっとだけ、……プロデューサーに甘えても、良いかも知れない。
それでもしプロデューサーに嫌われたら……そのときは、仕事が恋人、さー)
180 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:17:41.68 ID:8Gllp2T6O
P「おはよう、響。
こんな早くからすまないな。
車の中で寝て良いぞ」
響「おはよう、プロデューサー。
今日はスキー場で収録だよな」
P「あぁ、そうだ。
このところ特に寒いから、風邪とかひかないように気を付けろよ」
響「うん。ほんと、今日は寒いな……」
P「……あれ、響、マフラーはどうしたんだ?」
181 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:21:05.67 ID:8Gllp2T6O
響「あ、あぁ、朝あせって家を出たから、うっかり忘れちゃって……」
P「おいおい、首もと冷やしちゃだめだろ。
ほら、これ巻いとけ」シュルッ
響「え?……えっと、……」
P「……あ、嫌なら、もちろん無理にとは言わないけどさ」
響(プロデューサーの、マフラー……)
182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:24:24.75 ID:8Gllp2T6O
響「い、嫌じゃないぞ!
ただ、その、えっと……えっと、だな……」
P「ん? どうした?」
響「そのマフラー、自分に巻いて!……ほしいぞ、プロデューサーに……」
P「俺が響に、これを巻くのか?
そりゃ別に構わないが……良いのか?」
響「……」コクン
P「そ、そうか。じゃあ、もうちょっとこっちに来てくれ」
184 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 16:27:37.60 ID:8Gllp2T6O
P「よっと」シュルシュル
響「……っ」ギュッ
P「ははは。
そんな思いっきり目をつむるぐらいなら、自分でやればいいじゃないか。
ほら、巻けたぞ。変になってるところは、自分で直してくれ」
響「……」
響(プロデューサーの匂い……これが……
ふわってして、優しくて……あったかい……)
190 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:02:10.83 ID:8Gllp2T6O
響「ぷ、プロデューサー」
P「なんだ?」
響「えいっ」ギュッ
P「ちょっ、ひ、響?」
響「さ、寒いから! 自分寒いのは苦手だから、ちょっとだけ――――」
P「おいおい、だからって」
――――パッ
P「……も、もう良いのか? いや、聞き分けがよくて助かるが」
響「うん……もう、良いよ」
191 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:05:39.73 ID:8Gllp2T6O
響「あ、出発の前にちょっとお手洗い行って来て良い?」
P「まだ少し時間に余裕はあるから、構わないぞ」
響「うん。なるべく急ぐから」
タッタッタッ……
響「プロデューサーから美希の匂いがするぞ……
プロデューサーも自分も朝一番で来たのに、なんで……?
なんで、なんで、なんで、……」ポロポロ
198 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:20:28.45 ID:8Gllp2T6O
響「……なんで、って……そんなの、わかってるけどさ……
そっか、そうだよな、美希とプロデューサーだもんな……
……うん、もうぐちゃぐちゃだ。
頭の中も、お化粧も……
でも、……暖かいなぁ……プロデューサーのマフラー……暖かいなぁ……」ポロポロ…
201 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:26:02.39 ID:8Gllp2T6O
P「そろそろ出発するか」
響「うん。遅刻したら、早起きしたのが無駄になっちゃうもんな」
P「だな。
暖房が効き始めるまで寒いけど、我慢してくれよ」
響「平気だぞ。……平気だ」キュッ
P「ん……どうかしたか、響?」
響「別に、なんでもないぞ。ちょっと寝ていい?」
P「あぁ、もちろん。着いたら起こすよ」
203 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:30:08.30 ID:8Gllp2T6O
響(……このマフラーのせいで、プロデューサーと一緒に寝てるみたい……
すごく、安心する匂い……気持ちいい……暖かい……
……これが、もう、全部、美希のものなんだなぁ……
自分なんか、こんなおこぼれをちょっとだけ貰えたら、ラッキーなんだな……
良いんだ、それで……)
204 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:33:48.63 ID:8Gllp2T6O
響(きっと、自分といるより、美希と居た方が、
プロデューサーも良いだろうし……
自分はやっぱり、プロデューサーにもう、迷惑を掛けないようにしよう。
それで、二人を応援しよう……お仕事を一生懸命頑張って、
プロデューサーが美希のお仕事も見てあげられるように、しよう。
プロデューサーが幸せなら、自分も、それで……)
205 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:37:15.19 ID:8Gllp2T6O
響(……わかってる。
言い訳なんだ、これ。
自分が美希みたいに、ちゃんと頑張らなかった、言い訳なんだ。
ほんとは、悔しくて、羨ましくて、仕方ないんだ。
これからはもう、美希がプロデューサーの、
あの優しい言葉も、あの優しい暖かさも、あの優しい匂いも、
好きなだけ全部、全部独り占めできるっていうのが)
206 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 17:39:16.70 ID:8Gllp2T6O
響(……マフラーに、自分の変な匂いがついてたら、
プロデューサー、自分のこと、嫌いになるかな……)
214 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:15:33.80 ID:8Gllp2T6O
P「響、響。もうすぐ到着するぞ」ユサユサ
響「……うん。運転お疲れさま、プロデューサー」
P「響にはこれから頑張ってもらわないといけないけどな。
よく寝れたか?」
響「かなり熟睡出来たぞ。
プロデューサー、安全運転だったし、それに、……」
P「ん?」
響「……なんでもない。
マフラー、返すね」
216 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:20:17.53 ID:8Gllp2T6O
P「別に、まだ着けてて良いぞ。
外は雪だからな、事務所よりずっと寒い」
響「……でも、プロデューサーが風邪引いちゃったら……」
P「バカ、そんなこと気にするなよ。俺は平気だ。
さぁ、着いたぞ。……お、おっと、地面が凍ってるなこれ。
響、ちょっとそのまま待ってろ」
響「え? う、うん」
217 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:22:42.53 ID:8Gllp2T6O
ガチャッ、
P「ほら、こけないように気をつけて降りろよ」
響「……ありがとう、プロデューサー」
……ギュッ、
P「ここから少し歩くから、ゆっくり行こう」
響「……うん」
218 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:29:27.09 ID:8Gllp2T6O
響(このまま手をつないで、どこか遠く、
もっと寒いところに、逃げられたらな……なんて。
こんなこと考えてたら、プロデューサーに怒られちゃうかな)
P「……それにしても、寒いな。道路も凍るわけだ」
響(……。
……。
……、……)
220 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:32:25.93 ID:8Gllp2T6O
響(やっぱり、やめとこう。
今こけるふりしてプロデューサーに抱き付いたりなんかしたら、
きっと、もう二度と離れられなくなる。
……どんなに惨めな気持ちになっても。
今は……これで、充分すぎるぐらいだよな)
ギュッ……
P「お、雪も降ってきたな」
響「……そうだな」
221 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:40:18.74 ID:8Gllp2T6O
P「……おい響、どうしたんだ?
泣いてるのか?」
響「……雪が、目に入った、だけだぞ」
P「そうか……? それなら良いんだが……ほんとに大丈夫か?」
響「なぁ、プロデューサー」
P「ん、どうした?」
響「……やっぱり、マフラー返すよ」
222 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:43:18.83 ID:8Gllp2T6O
P「え? いや、寒いだろ?」
響「いいから。ほら、こっち向いてくれ」グイッ
P「わっ、ちょっ、わっぷ」
響「……うん、これでよし」
P「な、なんだよいきなり」
響「プロデューサー、そのマフラー、何の匂いがする?」
223 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 18:45:57.94 ID:8Gllp2T6O
P「なんのって……」
響「プロデューサー」
P「……響の匂いが、するよ。ちょっとだけ」
響「変な匂い? 嫌な匂い?
……ごめんな、プロデューサー。マフラー、そんなにして」
P「いや、いやいや、なに言ってんだ。
そんな変な匂いなんかしないぞ」
響「……プロデューサーは優しいな」
225 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:48:33.95 ID:73gAcJmEO
これは結ばれないかな…
226 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 18:51:02.00 ID:tXTiygS90
ここまで来て美希エンドだったら軽く鬱だな
まぁ美希も可愛いからいいけど
228 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:00:07.82 ID:8Gllp2T6O
P「ほんとだって。
全然嫌じゃないぞ。
響は……そうだな、元気な匂いと言うか、お日様の匂いがする」
響「……」
P「色んなことを一生懸命頑張ってる、響の匂いだ。
俺は好きだよ、これ。変な匂いなんかじゃない」
響「……プロデューサーの、ばか」
229 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:03:45.32 ID:8Gllp2T6O
P「え?」
響「なんでもない。行こ?」ギュッ
P「お、おい、響」
響「自分も好きだぞ、プロデューサーの匂い。
……大好きだ」
230 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:09:59.11 ID:8Gllp2T6O
数年続いた我那覇響と星井美希のトップアイドル争いは、
星井美希の電撃入籍によって終結する。
当時は下世話な週刊誌に酷く煽られたりしていたが、
我那覇響が急遽開いた記者会見で二人を必死に擁護すると、
誹謗は幻に消えていった。
そして今やその座を不動のものにした我那覇響は、
しかし、時折、あの雪の降る日の出来事を思い出し、――――
232 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:13:00.00 ID:8Gllp2T6O
ペラ…
響「あはは、赤ちゃんはお母さん似だ。
よかったな、プロデューサー。
……マフラー、やっぱり、あのときに無理言ってもらっておけば、よかったかな」
END
234 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:14:45.00 ID:Xc7grpFs0
ええー…
235 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:15:39.94 ID:UU15/8qA0
切ない感じがまた良いですな
乙
237 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:15:54.78 ID:t/fqFB3F0
ルート分岐間違えたのだれや!!
242 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:22:07.30 ID:IjUHuYtw0
いや有終の美を飾るならこれでいいだろ
244 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:24:48.95 ID:tFCO4Y4L0
(アカン)
247 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:25:59.63 ID:BsWS/P4d0
(響が報われなくて)辛いです……
252 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:34:15.51 ID:8Gllp2T6O
俺が響を書くといつも病んでしまう法則
なんでだろうね。でも好きなんだ。
ちょっと病める切ない響。
存外HAPPY ENDになることもあるし。
でもこの話はこれでおしまい。
分岐もないし、続きもない。
響の恋は、終わってないけど続かない。
そう言う話が書きたかったんだ。
253 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 19:36:23.20 ID:tXTiygS90
響ハッピーエンド書ける奴はよ
257 : REST@RT [sage] :2012/03/24(土) 19:54:35.25 ID:8Gllp2T6O
響「プロデューサー」
P「おぉ、なんだ響、もう帰ったんじゃなかったのか?
みんな結構前に出て行っちゃったぞ」
響「あ、あのさ、……」
P「ん? 何か相談か?」
響「自分……こないだ、シャンプーのCMに出ただろ?」
P「あぁ、あれな。かなり評判が良いみたいじゃないか」
響「う、うん。それで、な……う、うぅ……あの……」
261 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 19:59:16.26 ID:8Gllp2T6O
P「どうしたんだ、珍しく煮え切らないな」
響「……匂いを……」
P「え?」
響「じゃなくて、えっと……ほら、あの普段、よく美希にしてるみたいな……」
P「美希? なんのことだ?」
響「うぅー……プロデューサー! 手、だして! 手!」
P「うおっ、な、なんだいきなり」
響「いいから、早く!」
265 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:05:58.53 ID:8Gllp2T6O
P「わ、わかったわかった。こうか?」スッ
響「もうちょっと上」
P「上?」ススッ
響「その辺。そこで掌を下に向けて、そのままな」
P「あぁ。
それで、しゃがんでどうするつもりだ?」
響「えいっ」バッ
スカッ
響「あ、あれ?」
P「ほら、暴れるから書類落ちただろ」バサバサ
響「……」
266 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:09:40.88 ID:8Gllp2T6O
響「そのままって言ったのに……」
P「それで、なんだったっけ。手?」
響「も、もういいっ!」フイッ
P「なんだそりゃ。
……ん、あ、なんか良い匂いがするな、響。
あのシャンプー使ってみたのか?」
響「なっ、なっ、……」
P「これなら、あの人も振り向く、ってやつだな。ははは」
響「……プロデューサーの、ばか」
268 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:13:44.56 ID:8Gllp2T6O
P「ところで、次は同じ会社のトリートメントのCMのオファーがあるんだが」
響「……自分でいいならやるぞ」
P「そうこなくっちゃな。
響にぴったりの仕事だ。確か、海をイメージ商品でな」
響「へぇ、そうなのか。
それはちょっと楽しみだぞ」
P「だろ?」
269 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:18:17.81 ID:8Gllp2T6O
響「でも自分、そこまで髪の毛とか気にしてこなかったからよくわからないけど、
自分なんかがやっていいのか? もっとこう、美希とか……」
P「なに言ってんだ。
さっきも言ったけど、お前が適役だよ。
髪の毛だってほら、さらさらだし」ナデナデ
響「あっ」
P「あ、嫌だったか?」
響「べ、べっ、べ、別に……」
270 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:22:43.66 ID:8Gllp2T6O
P「さて、じゃあそろそろ帰るか」スッ
響「あっ……うん」
P「んー、ちょっと遅いけどなんか食べていくか?」
響「えっ、あ、うん、なんでも食べるぞ自分!」ガタッ
P「そんなに腹が減ってたのか」
272 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:26:35.29 ID:8Gllp2T6O
P「おー、雪だなぁ。
春分を過ぎても七回は積もるって言うが」
響「プロデューサーは、寒いのは好きか?」
P「んー、別に普通かな。
暑いのも寒いのも苦手だ」
響「そっか。
自分はこっちに来てから、結構寒いのも好きになってきたぞ」
P「へぇ。そりゃたくましいな」
273 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:30:39.30 ID:8Gllp2T6O
響「前に雪がちょっとだけつもったときにさ」
P「うん」
響「雪だるまを作ってみたんだ。ちっちゃいやつだけど」
P「ほほう。響と雪だるまって、なんか結構新鮮な組み合わせだな」
響「でも、次の日からまた急に暖かくなっただろ?」
P「あぁ、確かそうだったかな」
276 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:33:34.56 ID:8Gllp2T6O
響「そしたら、ベランダに置いてあった雪だるまがだんだん溶けて来ちゃって……」
P「まぁそう言うもんだしな。仕方無い」
響「……かわいそうだったから、冷凍庫に入れてあるんだ」
P「えっ、今も?」
響「うん」
P「マジかよ」
響「なんか、ほっとけなくて……」
P「ははは、響は優しいなぁ」
281 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 20:55:06.80 ID:o7h0juB90
こういうSSいいねー
他の子のも見たい
283 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:01:18.19 ID:8Gllp2T6O
響「この雪が積もったら、仲間を作ってあげられるかな」
P「おいおい、冷凍庫が一杯になるぞ」
響「うぅ……だって……」
P「……まぁ俺も昔、同じことやって親に怒られたけどさ」
響「そうなのか?」
P「まだちっちゃかった時にな」
響「……ひょっとしてプロデューサーって、泥団子とか大切にするタイプ?」
P「正解」
286 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:03:51.56 ID:8Gllp2T6O
響「それで、何食べよっか、プロデューサー」
P「俺も何でもいいんだけどな。
あんまり高いものじゃなけりゃ」
響「うーん……今日はラーメンの気分な気がするぞ」
P「ラーメンか。いいな、それで行こう。
実はこないだ結構うまい店を見つけてな」
響「貴音に教えてもらったのか?」
287 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:06:00.09 ID:8Gllp2T6O
P「いやぁ、たまたま入った店だったよ。
今度貴音を連れて行ってやろうと思ってたんだが、
まずは響で事前調査だな」
響「むっ、自分も結構貴音に付き合ってラーメン食べてるから、
きびしめに審査するぞ!」
P「もちろん、それを見越してのチョイスさ」
響「自信満々だなぁ。楽しみだぞ」
P「まぁ付いて来いって」
289 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:12:19.46 ID:8Gllp2T6O
P「しかし、なんか冬の匂いってあるよな」
響「あぁ、冬の都会の匂いならわかるぞ。
冷たい排気ガスの匂い」
P「それそれ。
なんかちょっと切なくなるよな」
響「そうだな。自分はちょっと好きだけど」
P「変わってるな」
響「そうか?」
P「……あ、とんこつの匂い」グー
響「カレーっぽい匂いもするぞ」グゥ
291 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:15:47.56 ID:8Gllp2T6O
P「さぁ、ここだ」
響「こんな路地裏にあるんだな」
P「名店っぽいだろ?」
響「いかにもにわかっぽいコメントだな」
P「実際にわかだし良いんだよ別に。
俺はチャーシュー麺だ」
響「自分は普通の醤油ラーメンで」
P「ほほう、シンプルに行くのか」
響「まずは基本からだぞ」
293 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:24:13.07 ID:8Gllp2T6O
響「ごちそーさまだぞ」
P「ごちそうさま。で、どうだった?」
響「うーん……思いの外公正な審査が難しいかも」
P「ん? どうしてだ?」
響「だって、元々かなりお腹減ってたし、それに……
……プロデューサーと……久し振りの……ご飯だったし……」
P「? 久し振りのなんだって?」
響「なっ、ななっ、なんでもないぞ!」
294 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:29:41.16 ID:8Gllp2T6O
P「響、ガムいるか?」
響「うん」
P「はい」スッ
響「まさかのバブリシャスだぞ……」
P「冗談だ。キスミントをやろう。おい、冗談だってば。そんな引くなよ」
響「いつも持ち歩いてるのか?」
P「たまたま見かけたから買っただけだって。
たまに噛むとうまいんだよこれ」
響「ふぅん……」
297 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:38:11.43 ID:8Gllp2T6O
P「まぁそう言うわけで、また明日な」
響「うん。今日はラーメン、ありがとうな、プロデューサー」
P「気にするな。俺も久し振りに響と飯食えて楽しかったよ」
響「……」
P「ん? なんだ、忘れ物か?」
響「……なんでもないぞ。
それじゃ、おやすみなさい、プロデューサー」
P「あぁ、おやすみ。寒いから暖かくして寝ろよ」
298 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 21:48:36.72 ID:8Gllp2T6O
ガチャッ、
響「ただいま。
元気か? 形はあんまり変わってないけど……ひょっとしたら、
明日になったら仲間が出来るかも知れないぞ。どうなるかな。
……お前、ひょっとしたら、
プロデューサーの作った雪だるまの生まれ変わりなのかも……なんて」
……パタン。
響「……ラーメン、美味しかったな」
303 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:02:56.06 ID:8Gllp2T6O
P「おはよう、響」
響「プロデューサー、おはよう」
P「残念だったな」
響「え? 何が?」
P「雪、積もってなくて」
響「あぁ……まぁ、仕方ないさ。
こんなに寒いなら積もってくれてもいいのに、とは思ったけど」
P「だよな。
今日もよく冷える」
304 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:06:18.79 ID:8Gllp2T6O
響「昨日、寝てるときに思ったんだけどさ」
P「うん」
響「多分、美希だったら、
『雪だるまを南極あたりまで連れて行けば良い』とかって言いそうだよな」
P「あー、多分な。
っつーかあいつなら本気でやりかねん」
響「あはは。
でも、冷凍庫の中よりはずっと良い環境かもな……」
P「すっかり情が移ってるな」
305 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:10:51.43 ID:8Gllp2T6O
P「それはさておき、今日の仕事は……撮影だな。雑誌の表紙とカットの」
響「うん、昨日確認したぞ。
前と同じスタジオだよな?」
P「そうだ。俺は今回、別件で顔を出せないが……響なら一人で大丈夫だろう」
響「自分、完璧だからな!」
P「よーし、その意気だ。
じゃあ早速で悪いが、そろそろ出発してくれ」
響「はーい」
309 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:21:30.92 ID:8Gllp2T6O
響「はぁ……なんかいつもと違う感じの撮影だったから、
ちょっとくたびれたな……」
P「響、お疲れさん」
響「あれっ、プロデューサー? なんで?
今日は来れないんじゃなかったっけ?」
P「予定より早く用が済んだからな。
こっちの撮影も気になってたし。
ほら……なんと言うか、アーティスティックな感じだっただろ?」
311 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:24:18.81 ID:8Gllp2T6O
響「う、うん。
なんか、こんな服、いつの間に用意したんだ?
って感じの衣装で撮影だったぞ……」
P「だろうな。
で、どれどれ、出来映えの方は」
響「だっ、ダメだぞっ!」バッ
P「おいおい、そりゃないだろう。せっかく来たのに」
響「ダメだったらダメだ!
恥ずかしいんだから!」
314 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:39:42.96 ID:8Gllp2T6O
P「まぁ結局使うカットは事務所に届くんだけどな」
響「うわぁああああっ!
これ使わないって言ってたのにぃ……」
P「ははは、盛大にこけてるな。
その後の恥ずかしそうな表情も良い。
文句なしの完璧だな」
響「そんなじっくり見ないでってば!」
P「こっちのはこんなキメ顔なのにな」
響「ううううぅ……」
322 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 22:59:45.69 ID:8Gllp2T6O
P「いやぁ、響の魅力全開だ。眼福眼福」
響「ひどいぞプロデューサー……人を笑い者にして……」
P「何を言ってる。
思わず笑顔になっちゃうんだから仕方ないだろ。
ほら、こんな可愛いんだぞ? 笑うなって方が無理だ」
響「なっ、まっ、またそうやってからかってるんだぞ!」
323 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:02:48.78 ID:8Gllp2T6O
P「だから違うって。
……しかしまぁ、あれだな」
響「こ……今度は何を言うつもりさー……」
P「やっぱり写真より、実物の方が可愛いもんだよな、うん」
響「……っ、……プロデューサーのばか……もう知らないんだぞ……」プイッ
P「ははは、照れるな照れるな」
325 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:06:54.83 ID:8Gllp2T6O
響「雪山でロケ?」
P「雪山っていってもスキー場だけどな。
子供と雪合戦して、おいしい鍋を食べて、温泉に入るってやつだ」
響「おおっ! なんかすごい役得だな!」
P「だろ?
日帰りだからちょっとバタバタするけど、まぁそんな感じの仕事だよ」
響「スキー場かぁ、初めてだなぁ」
P「そうなのか。じゃあまぁ、楽しみにな」
326 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:09:58.89 ID:8Gllp2T6O
響「へぇー、このホテルに行くのかぁ……
ほんとにこんな一面ずっと雪なのかな……
今度一回スキーとかスノーボードもやってみたいぞ。
765プロのみんなで旅行とか出来ないかなぁ。
それにしても、やっぱり寒そうだぞ……
……あっ、そうだ!」ガタッ
328 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:13:45.35 ID:8Gllp2T6O
P「響、響。もうすぐ到着するぞ」ユサユサ
響「う、うぅーん……もう着いたのか……ふぁーあ……」ゴシゴシ
P「見ろ、すっかり銀世界だぞ」
響「ん……うわっ、ほんとだ!」
P「雪焼けしないように日焼け止め塗っとかないとな」
329 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:17:14.18 ID:8Gllp2T6O
響「プロデューサー! もう車から降りて良いかっ?」
P「おっと、こりゃ地面が凍ってるな。
ちょっと待ってろ響」ガチャッ
響「早く早くっ! 早く外に出たいぞっ!」
P「そんなにはしゃいでたらこけるぞー。
ほら、気をつけて降りろよ」スッ
響「あっ……うん、ありがとうな、プロデューサー」
ギュッ、
332 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:21:54.63 ID:8Gllp2T6O
響「すごいな! ふわふわだぞ、ふわふわ!」ザクザク
P「新雪だな。昨日ちょっと降ってたんだろう。
足元のは一旦溶けかかった雪だな」
響「ずっとこんなに雪があるのか……通りで……へくちょっ!」
P「お前マフラーはどうしたんだよ、寒いとこに行くなんてわかりきってただろ」
響「いや、朝寝坊しちゃってさ……それでうっかり」
334 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:26:01.39 ID:8Gllp2T6O
P「まったく、はしゃぎすぎだっつーの。
ほら、じっとしてろ」シュルッ
響「えっ、うわわっ」
P「帰ったら歌の仕事もあるんだから、喉元冷やしちゃいかんだろうが」クルクル
響「こ、これ……で、でも、プロデューサーの……」
P「安物のマフラーだが、無いよりずっと良いだろう。
……嫌だったか?」
響「そっ、そんなことないぞっ!」
336 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:28:37.61 ID:8Gllp2T6O
P「じゃあ、しばらくそれで我慢してくれ」
響「……えへへ。暖かいぞ」
P「そうか、そりゃよかった」
響「……プロデューサーの匂い……」ボソッ
P「ん?」
響「あっ、いやっ、なっ、なんでもなっ」ツルッ
P「うわバカ、危ないぞっ」
337 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:31:39.06 ID:8Gllp2T6O
P「じゃあ俺は、ちょっと用事を済ませてくるから」
響「わかったぞ。そんなに難しい仕事でもないし、
楽しんでやるさー」
P「それが一番だ。頑張ってくれよ。
ただし、無茶はしすぎないようにな」ナデナデ
響「も……もう、わかってるってば……」プイッ
340 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:36:47.58 ID:8Gllp2T6O
響「さて、プロデューサーは……まだみたいだな。
じゃあ、今のうちに……」ゴソゴソ
ザクッ、ザクッ、ザクッ、……
響「よし、この辺でいいかな」
パカッ
響「お、よかった、とけてないな。
ほら、ここがお前の新しいおうちだぞ。
冷凍庫よりずっと広いだろ? 南極ほどじゃないけどさ」
ザクッ、ザクッ、ギュッ、ギュッ、
345 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:54:25.53 ID:8Gllp2T6O
響「……ほら、友達も作ったぞ。
これで寂しくないな? ひとりぼっちじゃないもんな?
仲良くしないとダメだぞ、二人とも。
約束だからな」
P「おーい、響ー。
そんなところで何やってるんだー?」
響「うっ、うわっ、プロデューサー!?
い、今行くから待っててーっ」
P「あっ、こら、だから走るなって――――」
346 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:57:23.91 ID:8Gllp2T6O
響「うわぁっ!」ツルッ
P「予想通りすぎる」ガシッ
響「……ぷ、プロデューサー……」
P「なんだよ、世話の焼けるアイドルだな」ギュッ
響「こ、これ、誰かに見られたら、その……」
P「それもそうだな」パッ
響「あっ……うぅ……そんなあっさり……ん?」
P「なんだ? どうかしたか?」
348 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/24(土) 23:59:18.93 ID:8Gllp2T6O
響「……」
P「響?」
響「……」ムギュッ
P「お、おいなにやってるんだ」
響「……」スンスン
P「響、こら、離れろって」
響「プロデューサーから美希の匂いがするぞ……」
P「なっ」
350 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/25(日) 00:02:19.12 ID:8Gllp2T6O
響「どういうことだ? なんで美希の匂いが……
今日はプロデューサーと自分だけのお仕事じゃなかったのか……?」
P「い、いや、だからそれはだな……」
響「……」
P「……」
響「……」
P「……」
響「……」
P「いや、いつまで抱きついてるつもりだよ」
「あーーーーっ!!」
351 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/25(日) 00:05:39.27 ID:lrxPC4BFO
美希「こらぁーっ!
ハニーから離れるのーっ!」グイグイッ
響「うわぁっ! 美希!?」
P「あっ、おい、まだ出てくるなって言っただろ!」
美希「こんなの見過ごせるわけないの!
でも……まさか響がここまで抜け目なかったなんて知らなかったの」
響「……えっ、あっ、そんな、べ、別に自分は……!」
353 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/25(日) 00:08:45.61 ID:lrxPC4BFO
響「って言うかなんで美希がこんなところにいるんだよっ!」
美希「響が抜け駆けしないようにと、ハニーが浮気しないように見張るためなの。
まったく、みんな油断ならないの……こしたんたんってやつなの」
響「なにそれ? ラーメン?」
P「何もかも違うっての。
あー、響、実はな……」
354 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/25(日) 00:13:35.36 ID:lrxPC4BFO
響「慰安旅行?」
P「そうだ。
企画したは良いが、響だけどうしても予定が合わなくてな。
だったらいっそ、ここにみんなを集めたら、ってことになったわけだ」
響「む……むちゃくちゃだぞ……」
P「社長と律子に言ってくれ」
美希「ちゃんと響の着替えも準備しといたから、今日の夜はみんなで女子会なの。
ハニーも来る?」
P「やだよ。なんか怖い」
355 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/25(日) 00:17:37.25 ID:lrxPC4BFO
響「……なんかいきなりだけど、つまり、みんな来てるんだな?」
P「あぁ、上の部屋にいるぞ」
美希「響もはやく浴衣に着替えて、温泉に行くのっ!」グイッ
響「あっ、ちょ、美希っ、引っ張るなよーっ」
P「やれやれ、急に騒々しいな」
356 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/25(日) 00:22:17.43 ID:lrxPC4BFO
響の家の冷凍庫から引っ越してきた小さな雪だるまと、
その隣の、もうひとまわり小さな雪だるま。
二つの雪だるまの首には、毛糸の小さなマフラーが一本巻かれていて、
寄り添うようにして三人の後ろ姿を眺めていたと言う。
END
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2966
▼返信コメ
美しい話だ
[ 2012/07/17 01:46 ]
[ 編集 ]
47340
▼返信コメ
そして雪だるまは、いつかは溶けて無くなってしまう、と。
切ないなあ…この雪だるまは、響の恋心か。
溶けて無くなって欲しくないけれど、変わっていってしまう時間に取り残されたまま、
ひっそりと想う恋心…(´・ω・`)
切ないなあ…この雪だるまは、響の恋心か。
溶けて無くなって欲しくないけれど、変わっていってしまう時間に取り残されたまま、
ひっそりと想う恋心…(´・ω・`)
[ 2015/12/10 16:58 ]
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