2013
02/19
火
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:07:14.94 ID:Qdtfa+140
――――――
ワー ワー ワー
凛「……よし。今日のLIVEバトル、上手くいった」

律子「おつかれー。凛」

凛「お疲れ様です、律子さん。今日はありがとうございました」
律子「気にしなくていいわ。一緒にLIVEに出ることはあっても、プロデューサーとして
凛につく事はなかったから、いい機会だったわ。……でも、私がすることはなかったけどね」
凛「そんな事ないです。律子さんのアドバイス、とても助かりました。正直今回ぐらいのレベルが相手だと、不安な時もありますから」
律子「そう? 凛はもうちょっと自信持っていいと思うけど……まあいいわ。とにかくおめでとう凛。あとは事務所に戻りましょう」
凛「はい」
前スレ
凛「先輩アイドルに負けない」
凛「先輩アイドルに追いつく」
凛「先輩アイドルに勝ちたい」
凛「先輩アイドルと直接対決」
凛「先輩アイドルと全力勝負」
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3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:11:45.62 ID:Qdtfa+140
――――――
凛「……」
律子「結構渋滞してるわねー……裏通りから帰った方がよかったかしら……」
凛(……律子さんの運転だと……なんだか新鮮……いつもプロデューサーの運転だったし……)
律子「凛、飲み物とかは大丈夫? 寄るなら今だけど」
凛(今日はプロデューサー、都合が悪いっていってたけど……本当に? やっぱり避けられてるんじゃ……)
律子「凛~? 聞いてる~?」
凛(……こんなんじゃ、プレゼントもなにもない……私、嫌われ)
律子「りーんっ!!」
凛「わっ!?」
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:15:56.29 ID:Qdtfa+140
律子「……聞いてた?」
凛「……すみません。聞いてませんでした」
律子「でしょうね。プロデューサー殿の事、考えるのもいいけど、私のお話は無視なのかしら?」
凛「む、無視したわけじゃなくて……すみません……っ!? な、なんで、プロデューサーの事って」
律子「わかりやすいからよ。凛ってクールに見えるけど、あんまりウソはつけないみたいね」
凛「……先輩たちにはよく言われます」
律子「ふふ。でしょうね」
律子「……まだ仲直りしてないの?」
凛「はい……最近、あまり会えてもないですし」
律子「あー、たしかに最近忙しいみたいね。あちこち飛び回ってるみたいだし。タイミング悪いわねー……」
凛「で、でも大丈夫です。その……今度の、十四日には戻ってこれるって」
律子「十四日? ……あ~。なるほどね~。なるほどなるほど……へ~……」ニヤニヤ
5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:21:03.35 ID:Qdtfa+140
凛「……なんですか」
律子「ふふふ。怒らないで。凛はかわいいなって思っただけよ」
凛「……意味がわかりません」
律子「ごめんごめん。……まあ、とにかく応援してるわ。がんばって」
凛「……上手くいくでしょうか?」
律子「んー……あの人、そんなに根に持つタイプじゃないから大丈夫じゃないかしら。とにかく素直になることね」
凛「なるほど……」
凛「……」
凛「……なんだか、奥さんみたいですね。あの人なんて呼び方」
律子「なっ……」
律子「……さっきのお返しってわけね。いい度胸じゃない凛」
凛「痛み分けってことで許してください」
律子「……最初のころより、なかなか図太くなったわよね……」
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:26:45.88 ID:Qdtfa+140
――――――
凛「―――運転お疲れ様でした」
律子「気にしないで。もう初心者ってわけでもないし……あ」
凛「? ……あ。あずささん」
あずさ「……あら? 律子さんに凛ちゃん。お疲れ様です~」

凛「お疲れ様です。あずささんも仕事終わりですか?」
あずさ「ええ。ちょうど今、帰るところで……二人も?」
律子「私たちも明日の予定を確認したら終わりです」
あずさ「あら~。そうなの」
律子「でも、明日の仕事もだけど、もうひとつ重要なこともあるものね? 凛」
凛「う……またですか」
律子「さすがにしつこいわよね。ふふ……もうやめておくわ」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:30:41.26 ID:Qdtfa+140
あずさ「……明日……? そういえば……もうすぐ……」
あずさ「……」
あずさ「……!」ティン
あずさ「ねえ凛ちゃん。今日、これから予定あるかしら?」
凛「え? いえ、特には……」
あずさ「じゃあ一緒にご飯食べに行かない? ごちそうしてあげるから、ね?」
凛「本当ですか? でも迷惑じゃ」
あずさ「そんなことないわ~。こっちから誘ったんだもの。あ、律子さんもどうですか?」
律子「? 私もですか? いいですけど、なんで急に……」
あずさ「ちょっとお話が聞きたくて……ね?」ジー
凛「? はあ」
律子「……なるほど」
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:35:42.44 ID:Qdtfa+140
律子「いいですよ。付き合います」
あずさ「決まりね。じゃあ、二人が終わるまで待ってるわ~」
凛(話って……何の話だろう?)
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:40:41.33 ID:Qdtfa+140
――――――
あずさ「―――凛ちゃんはプロデューサーの事が好きなの?」
凛「っ!? ―――ごほっ、ごほっ!!」
あずさ「あらあら、ごめんなさい! タイミングが悪かったわね。飲み込んでからにするべきだったわ~」
律子「タイミングというか……直球すぎます、あずささん……」
律子「……んー……。まあ、ここではっきりと聞かせてもらってもいいかもね。どうなの?凛」
凛「ど、どうもなにも……ごほっ、何でそんな事を聞くんですか……」
あずさ「だって、気になるじゃない? 最近の若い女の子の恋愛事情なんて。それが後輩ならなおさら……ふふっ♪」
凛「ふふって……あずささんも充分若いじゃないですか……」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:46:35.98 ID:Qdtfa+140
律子「私も気になるわ。凛は気づいているかわからないけど、プロデューサー殿は結構ライバルが多いわよ?」
凛「それは……まあ……わかってます……けど……」
律子「あら、気づいてたの? だったらもっと焦ってると思ったんだけど」
凛「……一応、これでも焦ってます。プロデューサーが許してくれるかとか、先輩たちもまたチョコあげるんだろうなとか、自分はうまく作れるのかな、とか……」
凛「……不安、なんです……」
律子「凛……」
あずさ「凛ちゃん……」
凛「……」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:47:31.41 ID:Qdtfa+140
律子「……プロデューサーが好きってことは否定しないのね?」
凛「」
律子「ほんと正直ね、凛」
あずさ「やっぱりかわいいわ~、凛ちゃん♪」
凛(……先輩たちがいじめる)
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:51:20.07 ID:Qdtfa+140
――――――
あずさ「凛ちゃんはお菓子作りとか、するの?」
凛「はい。最近はそこそこ……でも、チョコはやったことなかったですね。難しいんでしょうか?」
律子「まったくの初心者ってわけじゃないなら大丈夫じゃないかしら。凛なら余計なことはせずに、レシピ通りに作れるでしょうし」
凛「そうですか? ……レシピ通りだと、面白味がないんじゃ」
律子「そういう余計なことを考えるから失敗するのよ。凛が手作りしてくれたってことが重要なの」
あずさ「うふふ。でも凛ちゃんの気持ちもわかるわ~。大事な人なんだから、喜んでくれるものをあげたいわよね」
凛「ま、まあ……はい……」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/18(月) 23:57:19.78 ID:Qdtfa+140
あずさ「明日、私が手伝ってあげてもいいんだけど……」
律子「明日はレギュラーがありますよ、あずささん」
あずさ「そうなのよねぇ……残念だわ~。凛ちゃんとお菓子作りたかったのに」
凛「ふふ。うれしいです。じゃあまた、次の機会に」
あずさ「本当? ならもちろん、律子さんも。ね?」
律子「また私も? しばらくぶりね、お菓子作りなんて……でも、二人が一緒ならおもしろそうですね」
あずさ「約束ですよ? うふふ♪」
あずさ「……なら明日はだれか、オフの子にお願いするしかないわね~」
律子「そうですね。明日予定は―――」ペラッ
凛「……えっ、いや、そこまでしてくれなくても―――」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/19(火) 00:02:36.07 ID:hYcm9gfc0
あずさ「気にしなくていいわよ?」
律子「そうよ。凛の頼みって言えば、みんな二つ返事でOKするはずだから……お。ぴったりな二人がいたわね。それじゃあ……あずささんはこっちに電話を」プルルル
あずさ「こっちですね……わかりました~」プルルル
凛「……」
ア、ハルカ? ゴメンネコンナジカンニ。トツゼンナンダケド……
チハヤチャン? イマ、オハナシダイジョウブカシラー? アノネ……
凛(……ど、どんどん大事になっているような……)
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:05:49.45 ID:hYcm9gfc0
>>15 16 ありがとうございます
――――――
律子「よし、OKよ」ピッ
あずさ「こっちもOKでした~」ピッ
凛「さっきの電話……春香さんと千早さんですか?」
律子「そうよ。明日、凛のチョコレート作りに協力してくれるって。うちのメンバーの中なら、文句なしの二人でしょ。ちょうどオフで助かったわ」
あずさ「そういうわけだから、明日は三人でチョコレート作り、がんばってね? ……あ、千早ちゃんのお部屋、どこかわかる?」
凛「いえ、知らないです。……えっ!? 千早さんのお部屋でするんですか!?」
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/19(火) 00:13:35.77 ID:hYcm9gfc0
あずさ「そうだけど……都合悪かったかしら?」
凛「い、いえ……その……なんというか……光栄というか……畏れ多いというか……」
律子「あんまり硬くならなくていいわよ? あの二人も、凛のためなら喜んで、って言ってたし」
凛「……恐縮です」
あずさ「待っててね。今、道を教えてあげるわね?」
律子「……いえ。私が教えますね、あずささん……」
凛(……明日、千早さんのお部屋で……春香さんもいっしょに……)
凛(この前は響さんにも、ハナコとお呼ばれされちゃったし……)
凛(どんな感じなんだろう。先輩たちのお部屋って……)
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/19(火) 00:18:13.90 ID:hYcm9gfc0
――――――
ピンポーン
ガチャ
千早「いらっしゃい、待ってたわ。春香。渋谷さん」

春香「おじゃましまーす♪」

凛「お、おじゃまします……」
千早「どうぞ。入って」
凛(うわあ……千早さんの部屋だ……歌姫、如月千早の……765プロの蒼い鳥、如月千早の……)
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2013/02/19(火) 00:20:55.83 ID:hYcm9gfc0
千早「……し、渋谷さん? あんまり熱心に見られると、恥ずかしいのだけれど……」
凛「あっ……す、すみません!」
千早「こちらこそごめんなさい。なにもない部屋だから、つまらないでしょう?」
凛「そ、そんなことないです。なんというか……ええと、その……」
春香「納得した?」
凛「それです……あっ、違うっ、すみませんまた失礼なことを……!」
千早「……春香」
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:21:48.61 ID:hYcm9gfc0
春香「だって~、凛ちゃんと千早ちゃん二人だけで仲良くしてるんだもん。ずるい」
凛「す、すみません春香さん」
千早「気にしなくていいわ渋谷さん。春香は本気で言っているわけではないから」
春香「あはは。凛ちゃんってば緊張しすぎだよ。もうちょっとリラックス! ね?」
凛「は、はい」
凛(なんでだろう、事務所だとそんなことないのに……千早さんのお部屋ってだけで余計に……)
凛(と……とにかくがんばろう!)
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:27:13.08 ID:hYcm9gfc0
――――――
カチャカチャ
千早「春香。こんな感じかしら?」
春香「んー……もうちょっと切るように混ぜたほうがいいかな。こんな感じ」
千早「なるほど……わかったわ」
凛「……」カチャカチャ
凛(さすが春香さん。前にクッキー教えてもらった時も思ったけど、教え方がうまい。わかりやすいし)
春香「よっ、と。……あ、凛ちゃんのはいい感じだね。そろそろいいと思うよ」
凛「あ、はい」
春香「……」
千早「……」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:30:27.48 ID:hYcm9gfc0
凛「ええっと……これを……こう……。よし」
春香(……真剣だね。凛ちゃん)ヒソヒソ
千早(そうね。私たちも渋谷さんのやる気に答えないと)ヒソヒソ
春香(やる気、かあ……)
春香「……凛ちゃん?」
凛「はい。なんですか?」
春香「最初に聞いておけばよかったんだけど……それって、本命だよね?」
凛「えっ」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:33:28.32 ID:hYcm9gfc0
千早「ちょっと春香……ストレート過ぎるわよ」
春香「だって気にならない? 千早ちゃんも」
千早「それは……気にならないと言えばウソになるわね」
春香「でしょ?」
凛「……先輩たちって、みんなストレートにきますよね」
春香「みんな?」
凛「いえ、なんでもないです」
春香「?」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:38:34.99 ID:hYcm9gfc0
――――――
凛「……というわけで……本命といえば本命なんですけど……」
千早「そ、そうだったのね……」
春香「な、なかなか凛ちゃんも過激な攻め方するね……あはは……」
凛「だからそもそも……受け取ってもらえるのかなって……昨日もあずささんと律子さんに話聞いてもらって……」
春香「……」
千早「……」
凛「……あっ、すみません。あげる前からこんな弱気で……。大丈夫です。もう、とにかくがんばろうって決めてきましたから」
千早「渋谷さん……」
春香「……」スッ
ガシッ
凛「……は、春香さん? なんで手を握って」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:42:03.50 ID:hYcm9gfc0
春香「凛ちゃんっ!」
凛「はいっ!?」
春香「大丈夫! プロデューサーさん、きっと喜んでくれるよ! 凛ちゃんだって、悪いことしたなって反省して、そしてがんばって作ろうとしてるんだから! 気持ちのこもった、おいしいチョコが出来上がると思う!」
凛「え……」
千早「そうね。それにプロデューサーは許してくれるわ。その……正直、私も……あんまりプロデューサーに素直じゃなかった頃もあったから」
凛「そうなんですか? 意外です……」
千早「何かあるたびに反発して、衝突して……やめてしまおうかと思ったときもあったわね。……でも……プロデューサーはそんな私でも、今も続けて、いっしょにいてくれているから」
凛「……」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:44:59.88 ID:hYcm9gfc0
春香「凛ちゃん、自分が素直じゃないって言ってるけど、そんな凛ちゃんなんて比べ物にならないくらいだったんだよ。昔の千早ちゃん。ね?」
千早「ええ。……なんだか、あらためて思い出すと恥ずかしいわ……」
春香「若気の至りってやつだね!」
凛「ふふ。二人とも、私とそんなに変わらないじゃないですか。……この前も、あずささんだってまだ若いのに、似たようなことを……」
春香「え、なになに? なにかあったの?」
凛「はい。さっきもちょっと言いましたけど、律子さんもいっしょに……」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:49:01.66 ID:hYcm9gfc0
――――――
凛「……よし、できた」
千早「ふう。なんとかなったわね」
春香「二人ともうまくできたね! 全員大成功! だね!」
凛「本当にありがとうございました。先輩たちのおかげです」
春香「どういたしまして。……でも凛ちゃん。お礼をいうのはまだ早いんじゃないかな?」
凛「え?」
千早「明日、うまくいってから。っていうことじゃないかしら」
春香「そういうこと! 明日チョコを渡し終わってから、結果報告といっしょに聞かせてね」
凛「……はいっ。わかりました」
千早「がんばって、渋谷さん。思いが伝わるように祈っているわ」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:55:39.99 ID:hYcm9gfc0
春香「私たち、応援してるから! 凛ちゃんファイトー!」
千早「おー!」
凛「お、おー……」
春香「声が小さーいっ! ファイトー!?」
凛「おーっ!」
春香「よろしい!」
千早「ふふ」
春香「……よしっ。気合も入ったところで最後の仕上げ。ラッピングしていこう」
凛「はい。これで終わりですね」ゴソゴソ
凛「どんな感じにしようかな……色は……」ゴソゴソ
千早「……」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 00:59:44.63 ID:hYcm9gfc0
千早(大丈夫かしら、渋谷さん)ヒソヒソ
春香(ん? ……千早ちゃん、心配?)ヒソヒソ
千早(ええ……なんだか私の方が不安になってきてしまって)
春香(……んー……でもなー……もしかしたら、なにか足りないのかな……)
春香(……)
千早(……春香?)
春香(……! いいこと思いついた)
春香「……明日、楽しみだね。凛ちゃん」
凛「……? はい。そうですね」
春香「ふふ……」ニコニコ
凛「……?」ニコ
千早「……」
千早(……なにかしら)
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:05:09.96 ID:hYcm9gfc0
――――――
凛(よし。バレンタインイベント終了。ファンのみんな、喜んでくれたかな)
凛(でもこの後に……もうひと勝負……!)
ガチャ
P「―――凛。おつかれ。よかったぞ今日のイベント」
凛「本当?」
P「ああ。……それにしても悪かったな。ばたばたしてしまって。俺の方がギリギリに会場入りで即打ち合わせだったから、ゆっくり話す時間もなかったし」
凛「……そうだよ。久し振りに会ったっていうのに」
P「すまんすまん」
凛「もう……プロデューサーは―――!」
凛(ち、ちがう! そうじゃなくて……今日は素直に……!)
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:10:19.73 ID:hYcm9gfc0
凛「ぷっ、プロデューサーっ!!」
P「うわっ!? な、なんだ、凛」
凛「あの、さ……今日……バレンタインだから……」
P「あ、ああ……だから今日、イベントで」
凛「そうじゃなくて……ええと……こ……これ……」スッ
P「……?」
P「……あっ! もしかしてチョコ? くれるのか?」
凛「う、うん。……もらってくれる?」
P「当たり前だろ。ありがとう、凛!」ガサガサ
凛「えっ、もう食べるの?」
P「ああ。せっかくもらったんだし……だめか?」
凛「い、いいけど……」
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:16:08.19 ID:hYcm9gfc0
P「よかった。どれどれ……」ガサガサ
P「これは……手作りか?」
凛「うん……どうかな。形悪くない?」
P「そんなことないぞ。うまくできてる。結構、手間だったろ?」
凛「実は……その……プロデューサーに……謝ろうと思って」
P「……謝る?」
凛「ちょっと前に、プロデューサーに対して、やりすぎたと思って。……ごめんなさい」
P「ああ……あれな……なるほど」
凛「チョコつくってきたから、許してなんてわけじゃないけど……こんな機会でもないと、素直に言えないと思って……」
P「凛……」
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:19:31.49 ID:hYcm9gfc0
P「……頭をあげてくれ」
凛「……」
P「凛。俺は怒ってないぞ。……まあ、若干傷ついた感はあるが」
凛「……」
P「でもこうやって、凛が謝ってくれたんだ。嫌われたわけじゃないってことがわかったんだから、ほっとしたよ」
凛「……嫌いになんてなってない。むしろこっちが嫌われたかと……」
P「そうか……」
P「……だから凛。この前のことだったら、もう許して……」
凛「……」
P「……」ジー
凛「……? プロデューサー……?」
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:23:48.96 ID:hYcm9gfc0
P「……いや。だめだ」
凛「……え?」
P「やっぱりだめだ。凛のことは許さない」
凛「―――っ」
P「素直に謝ったって、チョコを作ってきたって、俺は傷ついたんだ。こんなことじゃあ許す気にはなれないな」
凛「―――ご、ごめん、なさい―――」
P「……りん。誠意を見せてくれ」
凛「……誠意?」
P「ああ。本当に、許してほしいって言うなら、さ」
凛「……」コク
P「……あーん。って、してくれ」
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:28:52.84 ID:hYcm9gfc0
凛「……」
凛「……ごめん。なんて?」
P「凛が作ってくれたチョコ。これを食べさせてくれ」
凛「……誰が?」
P「凛が」
凛「……誰に?」
P「俺に」
凛「」
P「……なんだ? やってくれないのか、そうか……」
凛「っ!? や、やる! やるよ!」
P「本当か? じゃあ、お願いします」
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:33:32.06 ID:hYcm9gfc0
凛「わ、わかった……チョコだね。チョコを食べさせれば……」
凛「……よし。プロデューサー。口、あ、あけて?」
P「……ちがう」
凛「え」
P「あーん。だ」
凛「」
P「……やっぱりやってくれな」
凛「やる! やるから!」
凛「……い、いくよ?」
P「おう」
凛「……」
凛(な、なんでこんなことに……)
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:38:40.38 ID:hYcm9gfc0
P「……まだか?」
凛「せかさないでっ……」
凛「……」
凛「……ぷ、プロデューサー……」
凛「あ、あーん……」
パクッ
凛(……やっちゃった)
P「……うまい! うまいぞ凛! やるな!」
凛「あ……ありがとう……ふう……」
凛(余計に疲れた気がする)
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:43:04.40 ID:hYcm9gfc0
P「おいしいチョコが食べれた上に、かわいい凛もみれた! 今日はいい日だな」
凛「―――っ!!」
凛(お、落ち着こう……。今日は素直にいくんだ……)
「……そんな事してるから、凛ちゃんに怒られるんじゃないですか?」
「あんまり冗談が過ぎると、本当に嫌われてしまいますよ」
凛「あ……春香さん……千早さん……」
P「見られていたか」
春香「見てますよー。……もう。そんなことばっかりしてると、あげないですからね……はい、どうぞ」
P「お、チョコ。毎年ありがとう春香」
千早「私からもです。お口に合えばいいですけど」
P「ありがとう千早。大丈夫、最近は千早の手作りチョコ、すごくおいしいぞ。はじめの頃は、その……な?」
千早「はい……あのころは未熟でしたから……くっ」
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:51:02.81 ID:hYcm9gfc0
P「……でも二人とも、わざわざ今届けてくれたのか? さっき事務所で渡してくれてもよかったのに」
凛「事務所?」
P「ああ。今朝、先に事務所に寄らなきゃならなくてな。それで遅くなったんだよ。そのときにちょうど二人が」
春香「だってプロデューサーさん、忙しそうだったじゃないですか。引きとめるのも悪いし」
千早「それに……今日の主役は私たちではないので」
春香「……ね? 凛ちゃん」
凛「……え?」
千早「渋谷さんがプロデューサーにあげるまで……仲直りできるまで、見守ってあげようって」
凛「そう、だったんですか……すみません、気をつかってもらって」
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 01:56:36.19 ID:hYcm9gfc0
春香「すみません。じゃなくて……」
凛「え? ……あ」
凛「……ありがとうございました」
凛(本当に……よかった……)
凛(先輩たちのおかげだ。先輩たちが協力してくれなかったら……)
凛(あ、そうだった。先輩にもチョコあげないと)
凛(……貴音さんには、期待されてるみたいだし。ふふ)
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:03:14.35 ID:hYcm9gfc0
ガチャ
凛「おはようございます」
P「おはよう。今日も頑張っていこうな、凛」
凛「うん。……こうしてあいさつするのも、久しぶりな気がする」
P「あ……わるかったな。しばらくついていてやれなくて。もう大丈夫だぞ」
凛「……私もデビューしてから結構たつし、たまにはひとりでも大丈夫だよ」
P「もちろん凛のことは信頼してる。ひとりでもまかせられるくらいにはなったろう。……でも、約束したじゃないか」
凛「約束……あ」
P「ずっと凛のこと、見てるって。な?」
凛「……」
凛「……そうだね。あいがとう、プロデューサー」
P「ああ」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:08:15.93 ID:hYcm9gfc0
凛(プロデューサー、ちゃんと覚えてくれた)
凛(……やっぱり……)
凛(私も……もうちょっと素直になっていいのかな)
P「……それにしても昨日は本当にいい日だったよ。たくさんチョコがもらえたしな」
凛「毎年の事でしょ?」
P「いやいや。毎年みんなパワーアップしてるからな。いつも楽しみにしてるんだよ。これだとお返しを考えるのも大変だな。……見てろよ凛。凛が泣いて喜ぶようなお返しを用意してやる」
凛「ふふ。ほんと? なら期待してる……いつも大変だね」
P「いや、今年はいつもよりお返しには困らなくてすみそうだ」
凛「……なんで? もしかして、誰かにもらってないとか?」
P「いや、また全員からもらったぞ。ちひろさんからも」
凛「? じゃあ、なんで?」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:17:48.92 ID:hYcm9gfc0
P「昨日、凛だけじゃなくて、伊織たちからも謝られてな。チョコと一緒に。しかも、お返しはいらないって」
凛「……?」
P「ホワイトデーには、むしろ自分たちがなにかしたいって言って……なんでも、一回だけどんな事でもしてくれるそうだ」
凛「な」
凛(そんな手が……先輩たち、きたな―――もとい、さすが!)
P「まあ、なにかしらお返しはするけどな。なにかしてもらったあとに」
凛「!? な、なに、してもらうの……?」
P「まだ考えてないが……せっかくのチャンスだ、有効につかわせてもらうよ。くっくっく……みてろよ、伊織、やよい、亜美、真美、響……」
凛(うわぁ……)
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:21:51.50 ID:hYcm9gfc0
律子「……犯罪の気配がしたんですが」
P「ん? おお、律子にあずささん」
あずさ「プロデューサーさん……あんまり、伊織ちゃんたちに変な事しちゃだめですよ?」
P「当たり前です。俺はプロデューサーですから」
千早「なら不穏な発言は控えてください」
春香「凛ちゃんじゃなくても引いちゃいますよ」
P「春香と千早も。……まあいいじゃないか。ジョークジョーク」
春香「もう……ホワイトデーの日は気をつけてね、凛ちゃん?」
律子「なにかあったら、すぐ教えるのよ?」
凛「わかりました」
P「おいおい」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:28:19.24 ID:hYcm9gfc0
P「……さて、ホワイトデー……お返し……どうするかな」
P「去年は……春香のお返しは、一緒にショッピングだったよな」
凛「へー、ショッピング……」
凛「……え?」
春香「そうでしたねー……とっても楽しかったですよ! あ……ま、また今年も、同じでもいいんですよ? プロデューサーさん」
P「そうか? ならそれかな……。千早はコンサートだったな」
凛「コンサート? ……ふ、ふたりでですか?」
千早「ええ。私は楽しかったけれど……退屈じゃありませんでしたか? プロデューサー」
P「いや、すごくよかった。もしまた、観たいコンサートでもあったら教えてくれ。千早がよければ、またそれでお返しってことで」
千早「本当ですか? では、その時はぜひ」
P「律子はドライブ、あずささんはディナーだったな。今年は……」
律子「同じでかまいませんよ。また私の運転につきあってください」
あずさ「私も……また素敵なお店、つれていってくださいね~? ふふっ♪」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:37:45.88 ID:hYcm9gfc0
P「……よし。そういうことなら、今年もその方向で―――」
凛「プロデューサーっ!!」
P「うわっ!? ど、どうした凛……」
凛「私は!?」
P「……ん?」
凛「私には!?」
P「私にはって……ホワイトデーか?」
凛「私にはなかった! なんで!?」
P「あ、あげただろ、アクセサリー。気にいってくれたじゃないか」
凛「そ……そうだけど……そういうのとは別に……」
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:45:59.55 ID:hYcm9gfc0
春香「―――凛ちゃん」
凛「―――! は、春香さん」
春香「……」
凛「……ショッピングって……もちろん、二人きりで……ですよね」
春香「……うん。そうだよ」ニコ
凛「……」
春香「……」ニコニコ
凛「……この前、応援してくれるって、言ってくれましたよね」
春香「もちろん! 凛ちゃんの事は応援してるよ!」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 02:54:35.50 ID:hYcm9gfc0
春香「……でも、ね?」
春香「……あくまで、真剣勝負だから。トップアイドル目指すことも、その他の事も」
凛「な」
春香「―――お互い、がんばろうね。凛ちゃん?」
凛「―――!」
あずさ「……な、なんだか怖いわ~春香ちゃん……」
律子「はっぱかけるにしてもやりすぎよ、あの子は……。あとでフォローしとかないと」
千早「ええ、そうね。渋谷さん、本気にとってなければいいけど……」
P「な、なんだか険悪じゃないか? 俺またなにかやらかした?」
律子「まったく関係ないわけじゃないですけど……まあ、プロデューサー殿はそのまま見守ってあげててください」
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 03:02:05.40 ID:hYcm9gfc0
P「……? よくわからんが……」
P「……んー……でもまあ……」
―――ふーん、アンタが私のプロデューサー? ……まあ、悪くないかな……―――
―――私、愛想ないから―――
―――よろしくお願いします。先輩。……先輩といっても、負ける気はありませんから―――
―――……? 先輩じゃなくて、名前で……ですか?―――
―――……は、恥ずかしいですね―――
―――あんまり伝わらないかもしれないけど……プロデューサーには感謝してるよ―――
―――……もちろん先輩……じゃなかった……春香さん、たちにも……―――
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 03:03:04.76 ID:hYcm9gfc0
凛「負けないっ……負けませんから……! 絶対勝ちますからっ!」
春香「わっはっは~、全力できなさいっ! ニュージェネレーション!」
千早「……まあ……火がついたようだし、よかったのかしら……」
P「……随分馴染んだもんだなあ……」
凛(先輩アイドルでも……ここは譲れない)
凛(必ずトップアイドルになって……プロデューサーの事も、決着をつけてみせる)
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 03:04:48.98 ID:hYcm9gfc0
凛「―――プロデューサー! お願いがあるんだけど!」
P「こ、今度はなんだ!」
凛「ホワイトデー……私と……いっしょに……!」
律子「!?」
あずさ「あら~」
千早「!!」
春香「……きた!!」
凛(私の本気……見ててね、プロデューサー!)
おわり
引用元:凛「先輩アイドルと最終決戦」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361196434/
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